2008年10月

2008年10月31日

地球は丸い

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グーグルのサービス「ストリートビュー」が凄いって実感。初めてのお客様の会社を訪問するのに住所検索かけたら、お客様の入ってるビル自体が映し出された。

 

おかげでタクシーの運転手さんにも説明しやすく、青山のお洒落な住宅街にあるオフィスに、迷わずに到着。

 

青山と言えば南こうせつが「青山にでっかい家を建てて〜」と歌ってたのを思い出すんだけど、実に街自体がお洒落ですな〜。新宿の喧騒もなく上野の「虎の刺繍を入れたジャージを着てる特殊な人々」もおらず、町全体を囲んでいる空気が違うって感じ。

 

昼前にお客様と軽く打ち合わせの後、ご案内された近くの街場のフレンチだけど、これがめっちゃ美味い!

 

何なんだこんな住宅街に、これだけのレベルのお店があるなんて、東京は本当に凄い。グーグルにもびっくりしたけど、東京のレベルの高さにも「びつくり」とするしかないですな。

 

けど、今回何よりも「びつくり」したのは、訪問先のお客様と何気なく話していると、「あれ、私の知り合いで今ニュージーランドに住んでいる人がいるんですよね〜」という流れになり、そのまま一気に「それって彼?!」ということになり、何と共通の友人を発見したのだ。

 

その時のびつくり感と言うのは、地球の北半球と南半球がばちっと繋がった感じで、なんてか地球が丸いって実感したときだ。

 

こんな事がじゃんじゃん起これば、地球がもっと平和になるのにな〜とか思いながら、美味しいフレンチと彼の話に場が盛り上がった。

 

来年には今回の企画が日の目を見れると思うけど、それよりも何よりも人の縁を強く感じた今日でした。



tom_eastwind at 00:18|PermalinkComments(0)TrackBack(0)諸行無常のビジネス日誌 

2008年10月30日

東京

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「いつもより長いですね、今回の滞在は」

 

クリスマスの飾り付けを始めたホテルのバーで、馴染みのバーテンダーさんに聞かれる。

 

今回は6泊なので、確かに長い。普通だったら木曜日に入って月曜日にOUTなんだけど、これも遠因はサブプライム問題だ。東京でのアポイントが増えたのだ。

 

これは一般世間の皆さんとは逆に、僕のビジネスにおいてはこれが追い風になっているということ。

 

「何でじゃ?どこもここも大変な騒ぎになっているのに!」となるのが普通だろうけど、お金って面白い動きをする。要するに現金の総量は変化しないので、ファンド等に投資をしていたお金は、今その逃げ先を探しているというのが実態であり、その逃げ先としてニュージーランドに目が付けられているのだ。

 

物凄い為替の動きでNZドルに思いっきり安値感が出てきて、更にNZの不動産価格の下落で、去年の1月と比較すれば住宅価格は四分の一くらいに下がったと言える。

 

今までは高値感があった住宅と為替が、二人でお手手繋いで下がってくれたのだから、こりゃもういくしかないっしょ!てな感じである。

 

そして、今回の円高はあくまで一時的であり、半年先を見れば凋落した円が見えてくる。ならば今のうちに資産のリスク分散を視野に入れて「NZドル運用」となってくるのも当然だろう。

 

いつもと比較しても、ファイナンス関連の問い合わせが3倍くらいに増えている。皆さん考えることは同じということだろうか。

 

偶然だが大手外資の方と話す機会があった。開店休業状態とのこと。周回遅れのNZですが、ここで一気に間合いが詰められそうです。 

 



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2008年10月29日

デフレ解決の第二の方法

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デフレ解決の第2の方法

 

飯尾:
それでは、デフレから出るための第2の方策というのはどのようなものですか。

深尾:
もう1つのやり方というのは、バブル退治の時にやる普通の方法、バブルのターゲットに税金をかけることです。現在は、現金・預金・国債バブルですから、政府の保障する全ての金融資産に対して課税することで、バブルを止めることは可能です。そうすれば他のものにシフトします。

飯尾:
対象は、基本的には預金と現金ということですか。

深尾:
政府が将来のキャッシュフローを保障したすべての金融資産の残高あるいは現在価値に対して、課税日をもってデフレ率プラスアルファの税金を、デフレが続く限り何回でもかけるということです。現状で課税するならば23%がいいと思います。

 

このやり取りは最近の話ではない。5年ほど前に政府系の経済専門の調査機関RIETIが発表した時のインタビューの抜粋だ。

 

なんだかここ暫く金融危機ネタばかりになっているけど、毎日の為替が上がった下がったよりも、日本政府が今後世界の政府と共同でどのような政策を打ち出していくかに興味がある。

 

とくに日本の場合は、どのような政策を打ち出す場合も必ずそこには役人の利権が絡んでくる。大義名分を振りかざしておいて、裏では天下りのポジションを作ったり省益のために利権を拡大するのだ。

 

最近の分かり易い例はメタボ対策で、あんなもん数年前は殆ど話の端にも出てこなかったのが、ここ一年ちょっとで突然メタボメタボである。

 

メタボなんて昔からいっぱいいたのに、何で今になってメタボ対策やったら会社の健康保険料をどうにかしてあげるとか、その逆があったりする。

 

社会保険庁の解体に合わせて新しい天下り先を作ろうとする厚労省の素晴らしき独創的な発想なのだろう。

 

ただ、メタボは健康志向ってんだからそれなりに利点もあるけど、金融についてはそうはいかない。

 

純粋に学者の見地からすれば今のデフレーションを退治するには金を使いたくなる動機付けをしろってことになる。ところが経営者からすれば今のような不況では現金を手元に持っておきたい。

 

だったらその現金を手放させる為には、現金に対して課税しろってことだ。これはとても分かり易い。

 

現金持ってたら毎年税金取られる、だったら設備投資に回したりとか経費として使ったりとかしたほうがましということになる。

 

世界の政府と足並みを揃えながらどのような手段を講じるのか、まだ答は出てないんだろうけど、いずれこのデフレ退治をしなければ世界の経済が収縮してしまい、大恐慌の二の舞になってしまう。

 

そうなっては大変だからと政府は資金をじゃぶじゃぶと放出しているけど、このお金が現業を抱えている一般企業に下りていかないから、不動産を中心とした黒字倒産が連鎖的に発生している。

 

つまりお金が銀行で止まっているのだ。または政府のひも付きになるのを嫌がる地方銀行が、なかなか借りようとしないのだ。

 

そんな中では、じゃあ現金に課税しましょうってのは一つの選択肢ではある。以前も書いたけどそんな事が現実的に可能かどうかは別として、学者の議論としては成立する。

 

ただ、ここでちょっと賢い役人がいれば、マスコミを誘導して「お金持ちだけが儲けてお金を使わないから日本が不況なんだ」みたいなことを書かせれば、あっと言う間に世論を誘導出来るだろう。

 

その時に資産に対して課税をする「富裕税」を導入してしまえば、逃げ切れない資産家は次々と捕捉されて課税対象となるだろう。

 

何せ役人が国民の後押しを受けてやるのだから、こりゃやりやすい。役人と政治家の資産には影響が出ないように予め「事前調整」をしておいて、一般の人々から課税出来るのだから。

 

狙い撃ちにされた人は堪らないが、やるんだったらあっと言う間に法改正して「この未曾有の危機を乗り越えるために!」みたいなお題目を付けてしまえば良いのだ。

 

そして政府は金融緩和と正反対の措置を取り、民間企業の自由度を制限しながら政府の役割を拡大していくだろう。

 

そしていずれ出来上がるのが中央政府による「制御された資本主義」であり、戦前のような日本株式会社の復活となるだろう。いずれにしても起業とか自由とか、そういう言葉が闊歩出来る場所はますます縮小していくことになる。

 

世界中のお金が円と米ドルに戻ってしまい、今回の金融危機の一番の犯人である米ドルを強くするとかなんて、とっても変てこな状況になっている。

 

今は1ドルが40円台になったと大変な騒ぎだし、実際にこれはこれで大変なのだが、これは一過性のものであるのも事実だ。

 

ただそれよりも大事なのは、これから世の中の仕組みがどう変わるのかをしっかり考えて、このデフレと、それに続く激しいインフレ(日本の場合は給料が上がらずに物価だけ上がるスタグフレーションの可能性が大きい)に耐えるために人々にどのような選択の余地があるのかを今からしっかり考えておくことだろう。



tom_eastwind at 00:04|PermalinkComments(0)TrackBack(0)諸行無常のビジネス日誌 | 日本ニュース

2008年10月28日

10歳の子供が見た大恐慌

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Kit Kittredge; An American Girl

 

オハイオ州シンシナチに住むキットは新聞記者になることを夢見る10歳の少女。1930年代の世界大恐慌に巻き込まれてそれまでは比較的裕福だった家族は、父親の失業と共に現実に引き戻され、家族や友達と共に生き残る為の戦いを始める。

 

普通ならまず観る事もなかっただろう映画だけど、数日前に偶然他のブログで紹介されていたので、チャンネルを切り替えてみる。

 

そこでは大恐慌で仕事を失った家族の家が競売にかけられていく場面がある。

 

近隣に住む家族同士の昼食会を催している最中、小学校の同級生だった近くの子供の家のうちが競売にかけられる。

 

家の前に杭が打たれ、家財道具はトラックに積まれて、母親は泣きながら助手席に乗り込み、子供たちはなす術もなく立ち尽くす。

 

仕事がなく家族は離散して、一部の人々は橋の下でテント生活を始める。

 

「以前、私は株のトレーダーでした」。橋の下でなければ立派な紳士で通るような人々が、橋の下を流れる川の水と薪で料理を作っている場面。

 

これって、今の米国と全く生き写しではないか?

 

住宅は次々と競売にかけられて、証券会社は倒産して、人々は住むところもなくテント生活を余儀なくされてる。

 

カリフォルニアではすでに大テント集団生活が始まり、州政府が補助をしている。解雇された人々は次の職のあてもなく町をさまよう。

 

失業してシカゴに仕事を探しに行った父親は何ヶ月経っても帰ってこない。そのうち手紙も来なくなる。そんな中でもキットは明るさを失わない。

 

自分の家をボーディングハウスにして下宿屋を始めて、彼女は母親を手伝って洗濯や掃除をしながらも、自分の視線で見たこの不況を記事にまとめていく。

 

ある時彼女は母親が鶏の卵を売ろうとしているのを見て、「それだけは止めて!」と訴える。今の感覚では分からないが、当時は卵を売るというのは流民生活に入る一歩手前を意味しており、学校でも恥ずかしい思いをする。彼女はそんな屈辱には耐えられないと訴えたのだ。

 

でも母親の悲しそうな顔を見て、今自分がすべきことは何かと考えて、最後には彼女はにこっと笑って鶏の卵を売るために街に出る。大きな声で「卵はいりませんか、新鮮で安いですよ!」

 

世の中の大人でも少し気の弱い人間なら耐えられないような生活を、彼女は持ち前の明るさと行動力で突き進んでいく。友達と助け合いながら毎日起こるいろんなことを10歳の子供の視点から記事にしていく。

 

そしてある時・・・・。

 

そうは言っても全体的にディズニー映画のように明るさと希望と夢が常に前面に出ているから、観ていても苦しい映画ではない。ハッピーエンドではない分、現実にこの後どうなるんだろうと思ってしまう。

 

てか、個人の手で世界大恐慌なんて止める事は出来ない。やってくる大恐慌の大嵐の中では、家族と一つになって大嵐が通り過ぎるのを待つしかない。それでもやがて夜明けがやってくる。

 

昨日までの資産家が今日は破産してしまうような、そんな激しい時代だからこそ生き残る能力が要求される。

 

物語の設定が1930年代初頭であり、大恐慌から米国を救う為に米国政府が取るべき手段は工業製品の増産であり、収縮してしまった工業生産を思いっきり増産体制に切り替えるためには、欧州におけるヒトラーの台頭は、まさに渡りに船だったろう。

 

そして太平洋では日本を追い込み戦争に突入させて、米国では爆撃機などの航空産業、銃や大砲を作る重工業メーカーはそれから1945年まで未曾有の大増産体制に入って、ついに米国経済は復活した。

 

そして米国はその後1970年代まで経済を謳歌する。

 

そんな歴史の大きな波を感じながらも、映画は子供たちの日常の視点から仕事を失って悩む父親、テント生活を余儀なくされる子供たち、カリフォルニアに移住する家族たちを描いていく。

 

それにしても、何故今このテーマ?この映画?って思う。

 

あまりに今の米国の状況=証券会社の倒産、失業、住宅の競売、テント生活、と似過ぎている。タイミングとして最高だ。

 



tom_eastwind at 20:51|PermalinkComments(0)TrackBack(0)諸行無常のビジネス日誌 | 最近観た映画

2008年10月26日

1984

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土曜日のクイーンズタウン行きの飛行機は満席だ。三連休のせいかもしれないが、とにかく機内でネクタイをしている人は一人もいない。

 

カップルや子供連れの家族がわいわい言いながら機内でのんびり過ごしているその中でパソコンを立ち上げているのはもしかして僕一人か?

 

以前から約束していた個人的な件もあり、1泊2日でクイーンズタウンに向かう。

 

130人くらい乗れる飛行機の中には金融業で働いている人もいるんだろうけど、見たとこ皆さん、機内では平和そうなお顔。

 

そりゃそうだ、例え金融会社が破綻しても、とりあえずNZでは生活が出来るし食っていける。この安心感ってのはやっぱり大きいと思う。

 

前の座席の乗客が広げている新聞では、マウントアルバートの住宅がかなり安い価格で売りに出てる。

 

左となりの座席では、お父さんのヒザの上に座ってるばぶばぶを付けた赤ちゃんがシートベルトをいじってる。お母さんはちょいとリラックス、かな。

 

スチュワーデスは知り合いの座席に座って歓談してるし、呼び出しボタンがなってもあまり気にしている様子はない。そりゃそうだ、次にいつ会うか分からない友達が同じ飛行機に乗ってるのだ、知らない人のピンポンなんて相手出来るかよ。

 

これから世界は大幅な信用収縮に向かう。つまり世界的なデフレが始まると言うことだ。日本は既にデフレに入ってるけど、これがさらに広がる。

 

今考えているのは、この金融危機の後の世界がどうなっているのかってこと。

 

これから信用収縮が始まる。クレジットクランチと言えば響きは良いが、要するに世界中の様々な生産設備が縮小していくのだ。

 

人々はモノを買わなくなりその結果工場は閉鎖され失業は増えて、さらにそれが生産減少に繋がり失業が増える。

 

「米国の1920年代の金融恐慌では国内総生産が50%落ち込み、物価は32%下落、失業率は24%に達した。1929年に3.2%だった失業率はその4年後に24.9%に跳ね上がった」(日経ビジネス10月20日号引用)

 

セーフティネットのない今の日本で家族を抱えた旦那が失業したらどうなるだろう?電車にダイブしても、加入していた保険会社がお金を払ってくれなければ終わりだ。

 

そんな中で生き残っていけるのは、よほど目端の利いた奴か、大企業の中枢にいて企業人になりきれる奴か、役人だろう。

 

少なくともこれから一年はジェットコースターだし、その間に何が起こるか誰にもわからない。とにかく自分の身を守るだけで精一杯だ。

 

ただ、この金融危機を抜けた後の世界は何となく見えてくる。新たな社会秩序が出てきて新たな金融ルールが決まって、、、そして米国の時代は終わる。

 

世界は3つに分かれる。欧州とアジアと米国の3極体制だ。その時に日本がどの立ち位置なのか分からないが、出来れば中国と肩を並べて円が世界通貨の一つになればと思う。

 

ただそんな世界の波とは別に、日本国内では懐古主義と言うか、いつか来た道に戻るような気がする。

 

まず言えるのは地方金融の再編成。これは日本だけでなく世界中で起こるだろう。ただ日本ではその結果系列化が進み政府の銀行に対する関与が今より大幅に高まる。

 

そして肥大化した金融業は自分が作ったルールをすべての企業に押し付けて、結局は政府がすべてのビジネスを官業にしてしまうだろう。

 

そうなれば人々の生活はますます国家に従わざるを得ず、そこには国家に対する尊厳もなければ国家の威信もなく、あるのはただ国家に逆らってはいけないと言う恐怖心のみ。

 

そんな世の中ではすべてがルール化されて、人間が国家の歯車になる。

 

ジョージオーウェルの「1984」を読んだのは高校生の頃だ。

 

あの頃は本当にいろんな本を図書館から借りて読んでたが、その中でも衝撃的な一冊だったのが「1984」だ。

 

しかしまあ、1984が世界中に広がるのは実際には起こりえないと思う。東洋だけなら、そして国境があればあり得るかもしれないが、21世紀のように国境が事実上消滅してしまえば、良い意味で西洋の個人主義ってのが世界中に広がっており、そいつが食い止めてくれるだろうと思うから。

 

それくらいは人間の良識を期待したい。



tom_eastwind at 21:33|PermalinkComments(0)TrackBack(0)諸行無常のビジネス日誌 

2008年10月25日

金曜日の朝

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普通なら9時ってのは渋滞の終わりのほうで、それでもノースショアの高速道路に入った瞬間からのろのろ運転がハーバーブリッジの手前まで続くのだけど、今朝はまるで日曜の朝10時のように、道はがらがら!

 

何でかな〜とか思いながらラジオを聴いてると、あ、そうだ、土曜日からLabour  weekendの三連休ではないか。

 

明日からの休みを前に、皆さん今日から休んでます。立派な国民だ・・・。

 

そんなキーウィをよそ目に、当社は朝からてんやわんやの騒ぎである。ただでさえ週末の忙しさに、日本の株式はバブル後最安値の7649円08銭が出て、とてつもなく強くなった円が次々に流入している。

 

全くパニックと言うのは凄いもので、もしかしたら僕らは今、歴史的転換点で歴史の転換を見ているのかもしれない。

 

バブル当時の大騒ぎ「私をスキーに連れてって」を経験して、その当時にも金融に関わり今回も金融に関わってる人ってのは、こりゃもう100年に1回の皆既日食を2回くらい見たようなものだろうし、もしくは既視感覚を感じているのではなかろうか。

 

「これ、見たことある・・・」。おめでとう、あなたはとっても幸運な人ですよ。普通の人が一生の間で何度も見ることは出来ませんよ。

 

今株を持っている人からすれば底知れない恐怖だろうし、今日本円を持っている人からすれば「いくべきか、いかざるべきか」と、まるでハムかつ、じゃなかった、ハムレット?まあ何でもいいや、要するに悩んでるんだろうな。

 

そんな事を考えながら、こっちも自分の仕事にとりかかる。数え切れないメールを受信して、29件のメールを発信して、何件かの打ち合わせをやって、来客と商談をして、気づいたらもう16時過ぎ。

 

ポケットから10ドル札を出してファイナンスチームで小銭に両替して、会社に備え付けてるセルフスナックバーに1ドル50セントを放り込んでチョコバーを買う。ばくばく、ばくばく。

 

そうこうしてる間にも、日本から問い合わせが入る。

 

「今より円は強くなるのかな?」

「円建てローンは解消したほうがよいのか?」

「最近の住宅はまだ安くなるのか?」

「ニュージーランドの経済は大丈夫なのか?」

「日本はこれからどうなるのか?」

 

昨日も公定歩合(OCR)を読み間違った僕に聞いても仕方ないとは思うのだが、それでも出来るだけ答えていく。

 

今の円高が一時的なものであるのは間違いない。円が今後下落するかしないかの問題ではなく、いつ落ちるかの問題だ。

 

一番高値で外国通貨、例えばNZドルに両替するのは、はっきり言えば至難の技。最高値というのは、通り過ぎてから初めて気づくものだ。

 

ただ、いつもいう事だけど実体経済を見れば今の日本がどうしようもなくなってるのは事実だし、それに対してニュージーランドが安定しているのは事実だ。

 

食い物があって政府が守ってくれて、お金がなくても自殺する必要のない国。貧乏かもしれないけど、皆貧乏だから気にならない。明日は今日より楽しいだろう、そう思える国。

 

あれ?昔そんな国があったような気がするぞ。

 



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2008年10月24日

田中清玄自伝

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「おお!田中清玄じゃないですか!これ、ここからはまったんですよ、共産主義!」

 

読み終わって整理するつもりで会社の机の上に他の本と一緒に置いてたら、ちょいと立ち話に来たお隣の会社の社長さんの目に留まった。

 

お隣の方も随分と本が好きで、実は昨日のブログで借用した文章も、僕が彼から借りてきた本の抜粋だ。ちなみに作者はお隣の方の同級生である。

 

さて田中清玄。

 

明治に生まれ大正に育ち昭和を駆け抜けた一大旋風児とでも呼ぶか。それにしては明るさのない雰囲気なのだが、やったことは(もしこれがすべて本当だとすれば)すごい。

 

戦前の共産党は武装集団だった時期があり、彼はその頃高校生でありながら共産党に参加して革命運動に尽力?した。

 

その頃は旅券不要だった上海に渡り、周恩来クラスの人々と会ったりして、これが1980年の小平との歴史的会見にも繋がる。

 

戦前に転向し天皇擁護派となり、戦後は一貫して国士として右翼左翼を問わず、日本と天皇制守護の為に自分の人生を尽くした人である。

 

高齢でありながら歯切れの良い話し方は、後で校正したのか最初からそうなのか、いずれにしても彼の功績が戦後日本に大きな影響を与えたことは間違いない。

 

岸勇、田中角栄、佐藤栄作、中曽根などなど、戦前から戦後の表舞台に立った政治家や、児玉誉士夫のようなフィクサーと呼ばれる利権集団や山口組などの闇社会との付き合い、かと言えば興銀の中興の祖中山素平との付き合いなど、その交友範囲は実に幅広い。

 

少なくとも戦前戦後の歴史の裏側を理解する為のキーワードとして知るべき人の一人である。

 

ただね、なんだか読中読後、ちょいと、うーん、なんと言うか、暗いっつか、ずるいっつかな、言葉に出せないけど、この本を読んでてずっと、何か引っ掛かるものがあった。

 

頭山満は福岡出身で日本初の右翼であり、福岡に玄洋社と言う日本で初めての右翼結社を作った人である。その配下には中村天風などもおり、やったことは勿論すごいけど、それ以前に、なんてか、カラっとしているのだ。明るいのだ。

 

歴史を振り返ればいつもそういう役回りの人がいる。坂本竜馬の明るさに対して桂小五郎の暗さとか、西郷隆盛と大久保正通なんてのも比較される。

 

いずれにしても「虎は死して皮を残す人は死して名を残す」、その意味では田中清玄はひとかどの人物であったと言える。

 

彼の提唱するアジア連合、世界平和の発想は非常に現実的だし、その意味で日本がアジアの一員となり中国やインドネシアと組んでアジアを一つにまとめて、欧州と米大陸とアジア、世界三極体制を作ろうと言う考えは、まさに21世紀の今、現実になりつつある。



tom_eastwind at 00:26|PermalinkComments(0)TrackBack(0)諸行無常のビジネス日誌 | 最近読んだ本 

2008年10月23日

1パーセントカット!

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うわ、ほんとにやったよ・・・。ちまたの噂では0.25から0.5とかだったのに、一気に1パーセントですか。

 

世界の景気対策に合わせてニュージーランドの公定歩合が1%下がって、7.5%から6.5%になった。世界に足並みを揃えたわけだけど、ここまでやるとは正直びっくり。

 

世界と国内に向けての強いメッセージか。

 

今回の措置により銀行からお金を借りる人は負担が大幅に減るから救われる。逆に銀行にお金を預けてようと思ってる人からすれば、少し魅力が減ってしまう。

 

NZは元々外国からの資金で経済を回していた部分が多いから、外国からの資金が流入してこないと経済が停滞してしまう。

 

その部分は、それでも諸外国に比べればいくらか金利が高いでしょう、だからいいではないかってことか。

 

おまけに今NZドルは思いっきりDiveしているから、視点を変えればNZドルの買い時とは言える。

 

キーウィにとっては為替は日常生活ではそれほど大きな問題ではない。だから今回の政策は、ある意味正解なのだろう。

 

事実、ここ数週間の日本からの送金が急増している。今の日本円の強さは一時的なものであり、これが最後のチャンスとばかりにNZへの資産シフトをしているようだ。

 

そういう関係もあるのだろう、今週はお客様が連続で来られているし、今まで抱えていた仕事の締め切りも近づいていてばたばたしている最中に飛び込みのビジネスも次々と発生し、まるで両端に火の付いた30cmくらいの棒を3本くらい同時にお手玉しながら、頭の上で3枚くらい皿回ししている感じ。どれも落とせないぞ。

 



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2008年10月22日

言ってる事と言いたいことの違い

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今日は久しぶりに弁護士とのミーティングに参加する。ここ暫く全然彼らとの時間が取れずにスタッフ任せにしていたが、今回のお客様を入れたミーティング内容を事前に聞いて、あ、これは僕が参加したほうが良いと感じて、急遽の飛び込み参加である。

 

そこで話をしている内容を聞きながら、「あ、やっぱり!」と思った。

 

お互いに共通の言語を持っていないのだ。

 

もちろん英語をベースとして話しているし、その意味では共通の言語を持っているのだが、一つ一つの単語の持つ意味の理解が違っているのだ。

 

だから例えば当社スタッフAが「じゃあこれで大丈夫ですよね?」と聞く。

すると弁護士Bは「はい、大丈夫です」と答える。

 

Aの大丈夫は「絶対ですよね?」であり、Bの大丈夫は「多分」である。だから後になって「言った言わない」の話になるのだ。

 

これではお客様にご迷惑をおかけするのも当然だ・・・。

 

相手が何を言ったかではなく、何を言いたいかを理解する力は、会話力とでも呼べばよいのか、出来ない人間は悲しいくらいに出来ない。相手の言った字面だけでしか理解出来ず、その裏にあるもの、本当に意味するものが分からない。

 

そんなことを考えてたら、ある本に面白いことを書いていた。

 

「まず本質的なニーズを理解せよ」

この意味は

 

「今すぐに傘が必要である」  と言う言葉の本質的な意味は、

「風邪を引きたくない、濡れたくない」である。

 

「休暇を取って旅行に行こう」 と言う言葉の本質的な意味は

「家族の絆を強くしたい」だ。

 

みたいなもので、相手の言った言葉を理解する際に非常に重要だ。

 

お客にI’ll be back と言われて売り場で一日中本気になって待っている店員もいないだろう。

 

そしてもひとつ目立つのが、相手の話の都合のよいところだけ聞いて、他のところは都合よく忘れて「彼はああ言ったこう言った」となるパターン。

 

これは、本当に多い。

例えば、

 

「NZで生活出来ますか?」

「それは可能です、現実に4百万人が生活してますからね。

 

でもその為には人一倍努力して、最初は最低の生活で我慢して、友達もなかなか出来なくて大変ですけどetcetc、第一今住んでいる人々は、その親やおじいさんの世代に移住してきて、相続税がないおかげで子供たちに家を残す事が出来たから何とか楽しい生活を送ってるんです。

 

第一代移民の皆さんが行って、それと同じような生活は出来ませんよ

 

それに大きな問題は為替です。今は1NZドルが40円ですから日本から見れば安く感じますが、これが1ドル100円になったら全てのものが高いと思いますよetcetc

 

 

と言っても、彼の頭には最初の一文しか頭に入ってない。

 

そして4年後に会った彼は僕に言う。

 

「話が違うじゃないですか!おれはNZで生活出来るんだ!豪華な家に住んで仕事もせずに政府のお金でメシ食って、毎日魚釣りできるんだ!と思ってたのに、実際に渡航してみると物価は高いし家は高いし、誰も僕に注目してくれないし誰も僕を偉いと言ってくれないじゃないですか!」となる。

 

「生活出来る」という部分だけを切り離して、そこに現在の自分の社会的地位、給与、名誉、などなどはそのまま自動的に付いて来ると思い込み、為替は今のままずっと変わらないと思い込み、つまり話の一部だけ聞きかじり、後は空想で頭を膨らませているとこうなる。

 

4年も経てば世の中は変わるし、そんな常識的なことをベースに持てない人は、とにかくとんでもない事を自分の頭の中で膨らませて信じてしまう。

 

とにかくどうして??と思うくらい勘違いしやすい人が多いのは事実である。

 

相手の言いたいことを聞き取る能力とか、自分が聞いてることが何なのかを理解する能力、あれは、一種の才能なんか?

 

もしそうだとしたら、才能がない人は大変である。

 

相手の言いたいことが分からないから、いつも的外れなことばかりやってしまう。

 

自分が聞いてることが理解出来ないから、いつまで経っても他人と話がかみ合わない。

 

どっちにしても良い事はない。少し勉強すれば?と言いたいところだが、どうしようもないのかな〜。

 

 

 



tom_eastwind at 23:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)諸行無常のビジネス日誌 

2008年10月21日

金融強化法? 地銀救済法?

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金融強化法原案資本注入の条件緩和、経営責任問わず

 

 政府が今国会に提出を予定している金融機能強化法改正案の原案が20日、明らかになった。

 

 

 今年3月末に期限が切れた金融機関からの公的資金注入の申請を復活し、新たに2012年3月末まで受け付ける。注入の条件としていた経営責任や、リストラなどの組織再編は問わない。

(早く借りてくれ、でないと御宅、次の決算で破綻しますよ、あなたの面子は守りますから〜)

 

申請条件を緩和して地銀の財務基盤を厚くし、中小企業などへの融資を促す狙いがある。政府は生命保険会社が破綻した場合に、公的資金を活用できるようにする枠組みを延長する関連法案も、併せて提出する方針だ。

(今回は地銀救済が主な目的です。生保は後です)

 

 政府・与党は21日に両法案の骨子をまとめ、24日に政府案を国会に提出、月内の成立を目指す。

(急がなければ、地方から金融危機が起こるぞ)

 

 金融機能強化法は、地域金融機関が経営危機に陥る前に、公的資金を予防的に注入できる枠組みを定めている。ただ、当初の申請期限は3月末に切れており、新たな期限や申請条件の緩和が課題になっていた。

 

 公的資金の枠については、制定時と同じ2兆円とする方向だが、上積みも検討する。従来通り、大手行からの申請も排除しない。

(排除はしないってのは、地銀も同じく安心ですよという読者向けリップサービス?)

200810210305  読売新聞)

 

いよいよ地銀の問題が大詰めになってきた。

 

ただ、これで地方の中小企業に対して資金が流れるのかという問題は今だ残っている。

 

地方銀行が不良債権を山ほど抱えているけど、これは本来国内企業向け投資資金として政府や日銀が出したお金だ。ところがそのお金が設備投資に回らなかった。

 

と言うのが今のようにデフレが進行すると皆さん商品を買わないか、または安くなってしか買わない。そうなるとお金をかけて新型設備を作っても、その商品は高いので買わない。かと言って安く売ると儲からないので、結果的に企業は既存の設備で間に合わせてしまう。そうこうするうちに売上が落ちるので、従業員を解雇する。そうなると世間はますます不況になるから、ますます商品が売れなくなる。

 

今はそんな市場だから、いくら資金を出しても地銀はその投資先がなく、またどこが安全な投資先かも分からないので、仕方なく外国銀行が発行する債券を買った。そしてこいつが不良債権となったのだ。

 

金融危機の中で中小企業はいつ貸し剥がしにあうか分からない。だからとにかく資金を注入してもらったら、それを金庫の中に入れておいて、次の企業倒産が発生した際の引当金として積んでおく。

 

なので結局今のままでは資金は中小企業まで届かない。例え届いたとしても、中小企業も怖くて新規設備投資など出来ない。

 

そこで最近出てきている案が、いよいよ資産課税である。マイナス金利と池田ブログでは言ってる。

 

今は金利も低いのに銀行から金を借りない。というのが設備投資をしても儲けが2%程度と少ないならその分の金利を銀行に払ったら自分のところに利益は残らないからだ。

 

なので、もし資産を持ってたらそこに2%程度の課税をする。そうすれば課税されたくないから使ったほうがましだということになる。

 

こうやって企業の資金流動性を高めると言う方法だけど、これは言葉を変えて言えば資産家向けの新型課税方法の一つである。

 

細かいことは別にして、要するに資産家がお金を溜め込んでいるからよくない、あの資産を吐き出させて不動産を買ったり株を買ったり、要するに何かに投資をしなさい、しなければ残った現金、銀行預金、国債などには課税しますよという法律を作るということだ。

 

経済学者の理屈で言えばその通りだが、税法上は思いっきり問題があるし政治的にも問題があるので数年前までは笑い話だったが、今その話が浮上し始めているってのは、こりゃすごい。

 

それにしても政府は、よくもまああの手この手で課税を思いつくものだ。

 

それにしても国民は、よくもまあ毎年増える税金を文句も言わずに払っているものだ。

 

どっちもどっちだろうけど、数年前からボーナスに社会保障部分が課税されるようになり、所得税が減少する中で国の取り分を確定するために住民税を増やして見たり、医療保険で個人負担を増加させたりと、誰か一度、ここ10年間の増税記録ってのを作ってみれば面白いのではないかと思う。

 

勿論政府側はちゃんと増税記録を残しているだろうから、お馬鹿な役人がウィニーに感染して2ちゃんあたりに「増税記録!」として出てきたら見ものだ。

 

それにしてもここ1〜2年の日本政府の動きは、ほぼ予想したとおりの展開である。日本政府の国内課税対策は、政権のばたばたに関係なく、粛々と彼らの進行表どおりに進んでいる。

 

英国では国王の圧制に逆らって市民社会が出来たが、英国民は自分の手で権利を勝ち取った。

 

皆さんも、そろそろバグパイプを吹いて行動すべきときではないですか(笑)?

 

 

 

 

Click here to find out more!

tom_eastwind at 14:50|PermalinkComments(0)TrackBack(0)諸行無常のビジネス日誌 | 日本ニュース

2008年10月20日

死神の精度

死神の精度 (文春文庫 (い70-1))
死神の精度 (文春文庫 (い70-1))

 

文字変換が最近調子が悪い。

 

と甲ってナンだ?渡航ではないのか?

 

「今日の県は」って、NHK歌合戦か? 「今日の件は」って文字が出てくるようになったのはやっと先週後半から。学習機能低し。

 

何で文字変換、一昔前のほうがすきっと一発で出てたのになと思いながら池田ブログを読むと、これはアルゴリズムとか辞書機能とかの、要するに僕ら一般ユーザーが殆ど理解出来ない「あっち側の話」のようである。

 

例えば液晶テレビを知っててもリモコン使いこなしてても、テレビ局からどうやってあれだけの映像が電波と言う目に見えない波に乗ってこの受信機までやってこれるのか、説明出来る日と(人、だ)は少ないだろう。

 

それもどうやらマイクロソフトの技術開発陣があまり日本語環境を理解していないのではないかということ。

 

いずれにしても、Vistaになると更に「ずれ」がひどいようで、これを進歩と言うのかどうか。

 

ここまでは機械の話であるが、「死神の精度」は読んで味のある、そして素敵に楽しめる短編連作集。軽い会話、人生の重みのある言葉、街の情景を死神の視点から描きながら、生きるってナンなの?みたいに読者に投げ返してくる。

 

言葉遊びも面白い。一つだけ紹介すると、死神は人間社会の知識がないから、

「最近、雨が多いですね」

「俺が仕事をするといつも雨が降るんだ」私(死神)は打ち明ける。

「雨男なんですね」と彼女は微笑んだ(中略)

そこで長年の疑問が浮かんだ。

「雪男というのもそれなのか?」

「え?」

「何かするたびに、天気が雪になる男のことか?」

 

この小説では死神と言う視点からのみ「人間全体」を語ることが出来る。同じ人間が偉そうなことを言ってしまえば「それってどうなん?あんたが死んで見て初めて分かることよね」となる。

 

でもそれを死んだ奴が言うなら問題はない。こういう人間批判はロシア文学から始まったようだが、例えば馬の視点から人間を見るとかだ。

 

人はいつか死ぬ。その事をどれほどの人間がしっかり認識しているのか?いつか人は死ぬ。それなのに人間たちが持つ「人間たちの馬鹿げた約束事」は、全く矛盾しているではないか。

 

「長生き出来ますように」

長生きして何かを得られるような生活をしているのか?人生ではなく単なる時間を過ごしているだけでは?ギリシアの哲学者の言葉が出てくる。別に皮肉っているわけではない。死神の視点からは、何故長生きしたいのかが分からないのだ。

 

もし長生きしたいというのが人間が持つ動物性の部分の「種の保存」が目的であれば、長生きとは人間が持つ精神的な部分からは一番離れたところにあるものかもしれない。

 

一章から六章まで短編に分かれているから短時間で読書出来るし、言葉も楽しいので読みやすい一冊です。



tom_eastwind at 00:29|PermalinkComments(0)TrackBack(0)諸行無常のビジネス日誌 | 最近読んだ本 

2008年10月19日

世界の終わり、あるいは始まり

世界の終わり、あるいは始まり (角川文庫)
世界の終わり、あるいは始まり (角川文庫)

これは、好き嫌いの別れる本。きちんと1足す1が2にならないと気がすまない正統派読書人には絶対ダメだろう。

かと言って私小説みたいなのが好きな人には出演者?の気持ちが書けこめていないので物足りない。

ミステリーでもない。推理小説でもない。私小説でもない。どう見ても、小学校の理科の教科書でもない。

じゃあ結局何なのか?ということになるけど、文字がたくさん書かれた小説であるとしか言いようがない。

読んで何かを得ることはあるか?1回だけならYes,2回目以降はどうか?と思う。じゃあ面白くなかったのかというと、1回だけなら面白い。けど何故か、読了したその晩に再度ぱらぱらっとめくってしまい、結局2回目も読んでしまった。

たぶんまあ、活字中毒人間がまとめ買いした中の一冊として、例えば焼き鳥やで鶏腿のタレがかかってるのばかり食ってる人間が、たまに銀杏やしいたけを食べるようなものか。

ただし普通の方にはお勧めしません。



tom_eastwind at 11:55|PermalinkComments(0)TrackBack(0)諸行無常のビジネス日誌 | 最近読んだ本 

黒い太陽

黒い太陽(上) (祥伝社文庫 し 14-2)
黒い太陽(上) (祥伝社文庫 し 14-2)

 

この小説は2006年にはテレビ化されたくらいの「テレビ化しやすい」本だ。

 

単純なストーリーと帳尻合わせの時間軸で、「そりゃないでしょう」という部分がたくさんあるけど、ただ現場の緊迫感とかはよく伝わってくる。

 

この作者は、本当に元は何屋だったのか、てか本当に何でもやってたのではないかと思うくらい現場の雰囲気の書き込み方がすごい。

 

今までの作品に比べれば毒が少ないからテレビ化しやすいし、かといって一般の人々にはちょっと怖い夜の世界の話だから興味をもたれやすい。

 

本を読みながら男の馬鹿さ加減が出てくる場面では思わず「そうなんだよね、バカなんだよね」と頷いたりする。

 

てか、ずっと一人で本読んでる。朝から晩まで日本語を一言も喋ってないのは久しぶりか。



tom_eastwind at 00:47|PermalinkComments(0)TrackBack(0)諸行無常のビジネス日誌 | 最近読んだ本 

2008年10月18日

おひとりさまディナー

本日はお一人様ディナー。まさに自己責任なので、何もいう事なし。

 

テーブルのすぐ隣にはちっちゃな池がある。間接照明やロウソクがほのかに照らすオープンデッキレストランは、周囲すべてを中年の落ち着いたカップルに囲まれて、金曜日の夜だからそれなりに賑やかで、テーブルに案内されるまで5分ほどかかった。

 

でも客層の年齢が高いから全体的に静かで落ち着いてて、生ギターの弾き語りはノラ・ジョーンズのようで、これらが一つになって重力を作り、その重みが丁寧に仕上げられた天板から太い木製の柱を下ってきて床に下りてきているのが分かる。

 

目に見えない音がゆっくりと、まるで霧雨のようにゆっくりと地面に向かって沈み込んでいってるのが分かる。

 

Sound of Silence

 

夕方の雨が通り抜けて、涼しい風が吹いている。ほんとに静かで、隣のテーブルの話し声も聴こえるほどだししギターの弾き語りも耳に入ってるのに、何でだかとても静かだ。

 

音が闇に吸い込まれているんだな、光と共に。

 

夜は黒いんだ、光や音は昼間のものであり、世界は闇がベースなんだ、だから音楽とか光とかほどほどにしておけ、なんてか、そんなことを自然から語られてる感じ。

 

Because I am the Queen, 弾き語りで使われるフレーズがステージからテーブルまでゆっくりと波のように伝わってくるのがわかる。音の重さが見える、かな。

 

今朝獲れたかじきマグロのむっちりとした新鮮さを楽しみながら、あんまり楽しむ権利ないんだよなって思い出す。

 

毎回こうだ。失敗して反省して、もうしませんとか言いながら、また暫くしたら何か違う失敗をしている。

 

ただ、今回は本当に思った。生活態度変えなければ。要するに答はあるのだ。それも、いくつも答はあるのだ。それを選ばなかった僕の問題だ。

 

仕事が少し上手くいったからと調子に乗って自分に慢心して失敗をする。さいてーじゃんか。

 

おひとりさまディナーを白ワインと共に胃袋に流し込みながら、一体俺はどんなバカなのかと本気で考える夜。

 

このまま、闇に沈んでしまえ。



tom_eastwind at 00:22|PermalinkComments(0)TrackBack(0)諸行無常のビジネス日誌 

2008年10月17日

オーストラリアに移住して2年経つ方へ

大変申し訳ないのですが、この場をお借りして説明します。

 

ニュージーランドにおける農業は基幹産業であり、外国からヤバイ植物や生物が入ってこないように検疫を厳しくしています。

 

農業は1920年代からの世界大恐慌を生き残る為の大事な産業でした。農業をニュージーランドの基幹産業として近代化させたのは当時の首相であるウィリアム・マッセイで、彼の貢献のおかげで今もニュージーランドは世界の食料庫となっています。

 

例えば豪州が鉄鉱石やウランを輸出してお金を稼いだとしても、人間が生きていく一番基本的な要素としては、衣食住です。ウランは食えません。

 

その意味でニュージーランドは食料資源大国と言えます。人口4百万人のちっちゃな国ですが、立派に自活できる国だと思います。

 

ただ問題は、そういう基幹産業なだけに、食料品の生産、流通、輸出とも、すでにがちがちにルートが決められていることでしょう。

 

また、例えば和牛を飼育するとか切花を輸出するとかいろんな案がありますが、結局誰に売るのか、そのルートをどうやって定期的に確保するのかってのが大きな問題になります。

 

日本に売れば良いのですが、実際問題としてニュージーランドではワインも食料も、そんなに大量に安定して送れる市場ではありません。

 

だから、かなりニッチなビジネスとしてほんの一部の理解ある最終消費者へ提供するビジネスならいけるのですが、マス=大量販売=安定供給=でも飽きたらポイ捨てね、フィリピンのナタデココさようなら、農家の皆さん首をくくってねという世界では、ニュージーランドは影響力はありません。

 

あくまでもニュージーランドのビジネスは、皆が利益を得ると言うことを前提にしています。

 

だから農業をやるにしても、誰(かなり細かいセグメントが必要、例えば成城石井恵比寿店にしか売らないとか)に対して何(例えば端境期の野菜だけとか)を売るのかという明確な目的を持ち、さあそれがビジネスとして成立するのかって考える必要があります。

 

ただ、農業は夢だけでは出来ません。どんなビジネスモデルを作るか、それが一番大事です。

 

どんなに美味しい野菜を作っても、利益が出なければ翌年は止めるしかありません。

 

本当はもっと細かいことを説明したいのですが、あなたのメールアドレスを失ってしまいました、申し訳ないです。

 

もしこれを読んで、「あ、これ俺向けのメッセージだ、返事ないのがおかしいな」と思ってたら、大変申し訳ないのですが、もう一度メールください。

 



tom_eastwind at 00:01|PermalinkComments(0)TrackBack(0)諸行無常のビジネス日誌 | 移住相談

2008年10月16日

大失敗!

仕事のことではなく、大失敗した。

 

あーもう、自分が一体どんな立場にいるのか、分かっているのか?本当に申し訳ないし、情けない。

 

こんな時は中国の古典でも読みながら自己反省するしかない。

 

「失敗することで学ぶのなら、それは過ちとは言わない。失敗しても学ばないこと、それが過ちである」

 

 



tom_eastwind at 15:30|PermalinkComments(0)TrackBack(0)諸行無常のビジネス日誌 

2008年10月15日

同じときでも違う場所ではこんなこともある。

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次のニュージーランド公定歩合見直しは10月23日だけど、今んところアラン・ボラード中央銀行総裁は強気なようだ。

 

前回の利下げに十分効果が出ており、満足ってな発言をしている。もしかして下げないままにいくかも。でもまあお隣の豪州が利下げをやったんで、いくらかお付き合い利下げは出てくるだろうが、読者からのコメントを読む限り0.25〜0.5%の間だろう。

 

The Reserve Bank won't make an early cut to its interest rate, but is taking action to ease movement of money in the financial system.

 

Governor Alan Bollard yesterday ruled out an early review of the official cash rate, saying the New Zealand financial system was working satisfactorily and moves to help it over the past year had been "sufficient at this stage".

 

The bank is due to review the cash rate on October 23.

 

Should Alan Bollard cut interest rates again? By how much? Here is the latest selection of Your Views:

 

14Oct 08  New Zealand Herald

 

そしてまた、BNZにも資産状況を問い合わせてみたが、下記の返答が来た。

 

今回の政府のスキームに参加する予定である。BNZは2008年9月の評価でもAAを取得しており、これはトップ健全グループ28行の中にふくまれている。親会社のNABもAAだ。

 

という事で、勿論自己申告ではあるし、所詮は吹けば飛ぶようなちっちゃな銀行ではあるが、今回は吹かれても飛ばされずに、柳のようにしなやかに対応したと言える。

 

添付ファイルは世界大恐慌時代のNZD:USDの比較表です。

 

Yes, We have already applied 'Deposit Guarantee

Scheme', no worries!

 

BNZ is well capitalised and we are required by the Reserve Bank to hold minimum levels of capital. BNZ holds well in excess of the minimum requirements with more than NZ$5 billion in capital on hand.

 

NZ is successful and profitable and we continues to perform successfully and profitably. We have strong risk management and processes in place to ensure our continued stability.

 

BNZ is AA rated by Standard and Poor’s which was confirmed in September 2008. This rating puts BNZ in an elite group of only 28 banks that are AA rated or better and means we have a very strong ability to repay the principal and interest in a timely manner.

 

Our parent company National Australia Bank (NAB) is also AA rated and has one of the strongest capital backings in the world with more than AUD $600 billion in assets. NAB is committed to BNZ as a core part of the Group.

 

Kind Regards!



tom_eastwind at 15:51|PermalinkComments(0)TrackBack(0)諸行無常のビジネス日誌 | NZニュース

2008年10月14日

中川さんちのしょうちゃんは

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 「日本政府としては当面は全額預金保護はしない」と中川財務・金融担当相が語った。

 

その理由は、日本は欧米と比較して健全であり、下手に全額預金保護を打ち出すと「日本は危ないのか?」と要らぬ疑いがかけられるとのこと。

 

そのかたわら、2008年末で期限切れを迎えた金融機能強化法の復活については「単に復活するだけではなく、中身ももっと柔軟で積極的にやれるようにしようとしている」として、地銀向けの公的資金の注入スキームを検討していることを明らかにした。

 

ですって。まあ、しょうちゃんったら、そんな頭かくして尻隠さずみたいなこと言って、大丈夫?

 

要するに地銀向けがやばいってことですよね。何かあったらすぐに金を注入出来るようにしておくってことですよね。

 

地銀が多額のサムライ債(リーマン発行でほぼ無価値)やCDSを買ったりしているのは周知の事実。でもってこの満期償還が来たときに「すいません、財布の中身は空っぽです」となると、それまで資産として計上してたお金がすべて特別損失に移動する。

 

てか、これは会計処理の問題だけど、リーマンの倒産が確定した段階(日時)で彼らが発行した債券は本来すべて「無価値」になると思うのだけど、そこはどうなんだろう。

 

銀行が飛ぶってのは三つの要素がある。

 

一つは米国の銀行のように、銀行同士のお金の貸し借りが出来なくなって運転資金が回らなくなり日銭の支払いが不能になるので、実際の業績がそんなに悪くなくても業務停止となる。

 

もう一つは取り付け騒ぎだ。町の風評で「あそこさ、大丈夫〜?」みたいなのが広まって、誰か一人が銀行の窓口に並んでしまうと連鎖反応で他の人も並びだしてパニックが起こる。これは日本でも戦前に発生した。今の時代は取り付け騒ぎが起これば近くの日銀が現金積んで出動するので、取り付け騒ぎによる倒産はあまり考えられない。

 

一番大きな要素は、今回のリーマンのようにビジネスモデル自体が破綻するケース。

 

だから実は1や2で飛んでも優良資産を持っているケースが多いので、救済してみると資産が保全されてたりする。銀行ではないけどスルガファイナンスなんて良い例で、資産はあるのにお金が回らずに突然死、まさに黒字倒産だ。

 

いくらか利益を出している地銀でも今回のような「金を貸した相手=リーマン」が吹っ飛んでしまえば、そのお金はすべて負債となる。3のケースだと、ほぼお金が戻ってこないからだ。

 

元々地銀は地元経済界の要請もあってあまり安全でないところにも貸付をしてたが、これが不良債権となっている。

 

つまり今の地銀は前門の狼後門の虎状態で、このままではどっちを向いても食われるしかないのだ。

 

ただ国民が一つ安心出来るのは、預金は保護されるということだ。今までの政府の言い分からしても、世界の対応からしても、日本だけが実際に破綻が起こって「自己責任だから保護しない」なんて言えるわけがない。

 

自己責任の塊のような豪州とNZでさえこれは自己責任ではないと認識して預金全額保護を発表したのだから。

 

だから実際には破たん前の合併である。東北では荘内銀行と北都銀行が、関西では池田銀行と泉州銀行が合併することになった。

 

合併の速度と破綻の速度、どっちが速いかという点では、まだ誰も分からない。だから地銀がある日突然死をすることがないように、突然ばたっといきそうな時はいちいち審議にかけなくても誰かの判断だけで資金注入出来るようにする、つまり突然死の可能性があるってことですよね。

 

これこそ以前から問題になってたことで、都銀を集めてメガバンクにしたので大手は大丈夫だけど、いろんなしがらみで手が付けられてない地銀を今回の金融危機で再編しようってことだろう。

 

ただ、再編するにしても突然死されたら資産が毀損されるから、そこはうまく、死ぬ寸前に助け舟、つまり不良債権のみを外部に切り出して、出来るだけ安くその地銀の大型化を図るってことでしょう。

 

金融官僚からすれば、ある意味棚から牡丹餅かもしれない。何せ今までいろんな陣笠代議士とか地方に巣食う利権政治家のために手を出せなかった部分を、今回の金融危機を理由にまとめて整理出来るんだから。

 

ただ、もしかしたら今回の銀行再編で一番利益が出るのはIT業界かもしれない。それこそ再編特需って感じで、ITの事を全く理解出来ない地銀のお兄ちゃんたちを指導しながら、バンバンと時間単位の請求がかけられる。

 

あ、そうだ、もひとつ儲かる業種は、看板やだな。

 



tom_eastwind at 15:40|PermalinkComments(0)TrackBack(0)諸行無常のビジネス日誌 | 日本ニュース

2008年10月13日

投資銀行と鳩の違い

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11月08日の総選挙に向けて各党の選挙活動が盛んになっている。

 

ヘレンクラーク率いる労働党政権政府はお隣の豪州に次いで個人預金の全額保護を打ち出した。

 

これってニュージーランドでは画期的なことである。ニュージーランドは元々自己責任経済の国であり、民間会社が倒産しても一切面倒見ませんと明確にしていた。

 

去年から不動産事業に投資をしていたファイナンス会社が倒産した時も、政府は全く相手にせず。

 

ところが今回はヘレンクラーク首相も言うように、

 

「クラーク首相は演説の中で、無秩序で「強欲」な金融市場の体質が金融危機の発端となっていると非難し、今後国際社会は一致団結して、こういった体質が家族のために必死に働く一般の市民の生活を脅かすようなことがないようにしなければならないとも語った。」NZdaisukiより抜粋。

 

あくまでも太平洋を越えて来た津波であり、国家として責任を持って個人を守るのは当然のことである、となる。

 

このあたり、政府のやることはメリハリがはっきりしてて分かり易い。

 

元々ニュージーランド自体はサブプライムローン問題は殆ど抱えてない。兄貴分である豪州では少し経済が停滞気味ではあるが、どちらも実体経済としては十分にやっていけてるから、今回の政府の措置で国民の安心はかなり広がったと思う。

 

とは言ってもキーウィ、最初からそんなに不安そうでもなかったから今回の措置はどちらかと言うとNZ政府が世界の金融危機に共同で対処してますよって姿勢を見せたとも言える。

 

いずれにしても国民の預金はこれで守られるので、ニュージーランドにおいては今回の金融危機の一番大きな波は乗り切ったと言えるだろう。あとは北半球でどうなるか、だ。

 

これから1年以内に日本の地銀は5〜10行は吹っ飛ぶ。その時に日本政府がどのような対応をするのか?どうせやるなら麻生さん、今からニュージーランド並みに「国民の預金は全額国が保障します」と言ってしまえばどうなのだろうか?

 

 

実際問題として銀行が倒産しても日本政府としては全額補償をするしかないだろうし、それだったら今から公表したほうが余程効果があると思うのだが。

 

今日の帰りの車でラジオを聴いてたら、今回の金融危機もすっかりお笑いネタになってた。

 

おっちゃんっぽいキャラのアナウンサーが「さて、ちょっと軽いお話」と切り出してきた。

 

What the difference between invest bank and pigeon?

 

Pigeon still can deposit on Ferrari



tom_eastwind at 19:34|PermalinkComments(0)TrackBack(0)諸行無常のビジネス日誌 | NZの不動産および起業

2008年10月12日

ますます続くジェットコースター

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1NZドルが軽く60円を切った。おう、来たぞ来たぞ。この数字は金融のプロ連中からは8月下旬の時点である程度見えており、その時点では1NZドルが77円くらいだった。

 

(だったら77円のときに円を買い60円で売れば大儲けとなるんだけど、金融やってる人は77円が75円で売り、75円で買って65円で売りと、小刻みにやって利益を小刻みに出してます)

 

円高が何故続くのか、何故米ドルが強くなるのか、何故証券が壊滅状態になったのか。その一つ一つはあと半年もすれば解明される。今回の事件も1~2年くらい経てば経済の教科書に掲載されるような大事件になるだろう。

 

このあたり、最近の池田ブログが簡潔に書いているので参考になる。

 

けど彼も書いているように、今回の恐慌はあくまでも金融界の、それもCDSなどの危険な証券を買い込んだ人々の問題であり、それ以外の人間からすれば、実はチャンスなのだ。

 

世の中の秩序が安定している時は、資金は自然と大手に集まる。政府が保護している銀行に集まる。その中では中小がどう頑張っても水面上に顔を出すことは出来ない。

 

しかし一旦秩序が破壊されると、それまで磐石と思われていたものが実は砂上の楼閣だったことを知る。

 

そんなときは大きな資金移動が起こり、投資に対する姿勢があっと言う間に変化する。大きければ安全、ではないのだ。ビジネスモデル自体が利益が出る仕組みになってるか、そこが大事だということが分かるのだ。

 

投資における一番のリスクとは資産が守られるかどうかである。それが今回、規模には関係ない、むしろ小さくても堅実にやってきたところ、例えばNZの銀行等が安全だと分かれば、小さいところの方が運用経費も安いわけで、だったら最初からリスクが同じならより運用経費の安い、ビジネスモデルが明確な銀行の方が良いということになる。

 

だからだろう、最近は日本からの送金が増えている。一年後には確実に値上がりが見込まれるNZドルだから、定期預金にして放置するだけで30%くらいの利益が見込める。

 

ところがそんな個人資金の動きを観て真っ先にパニックになるのが、実は一番キモの座ってない大手金融機関関係者なのだ。

 

銀行、証券などで働く人々はそれこそエリートコースを歩いてきた。幼稚園の頃から「お母様!」と呼び、閑静な自宅では時々庭の葉がかすれる音くらいしかしない。

 

小学校に入っても隣に座っている奴とつるんで早弁する事もなければ先生に「ざっけんな^!」と怒鳴ることもない。

 

要するに、静かに大人しく、親に言われたラインに従ってしずしずと成長してきた彼らは、暗闇でいきなりぶん殴られるような経験をした瞬間にびびり上がってしまい、今まで上等なスーツを着て英語で3文字や4文字言葉を話してた人々が、突如として今自分の手の中にあるモノが紙切れになったことを知り、青ざめるのだ。

 

すべてが予定調和の中で生きてきた人間には、現実世界では時々暗闇でぶん殴られるという現実を理解出来ない。

 

ところが数日前も書いたが、実体経済はそんなことでいちいち“びびっちゃいられない”。例えば病院では今日も患者が来る。為替が下がったからと言って手術をやめるか?

 

毎日田んぼで野菜を作ってた人が、証券会社の株が吹っ飛んだからと言って野菜の株を踏み潰すか?それどころか、彼ら農民は天災が襲ってくれば、必死になって自分の田んぼを守るだろう。

 

そして社会の荒波を生きていくサラリーマンだって、大波の中を家族を守る為に一生懸命生きる。要するに実体経済の中で生きている人々は、もうちょっと生活感があるし覚悟があるのだ。

 

生きるってのは戦いで、理屈だけで世の中が回ってないと理解して腹をくくって実体経済の中を生き抜く人々からすれば、今回の金融危機も「とんでもねえ騒ぎ」だけど、それは自分のビジネスの本質とは違うってことを無意識のうちに理解している。

 

実際にオークランドでも道を歩くビジネスマンの顔を見るが、みんな忙しそうだけど危機感はない。てか、「夏が来ましたね〜、ビジネスランチと称して、山水でワインのみましょうぜ!」とばかりに、ネクタイをした人々がビールやワインを片手に楽しそうにしている。

 

これから気をつけるべきことは、今は金融の中で収まっているが、これが実体経済に及ぼす影響を出来るだけ小さくするのが政府の仕事だということ。

 

要するに今必要なのは市場にお金を出し続けて、とにかく民間企業の日常の決済リスクを最小化させること。

 

ただ、今はまだ問題にされてないが、これをやると次にはインフレが来る。これはもう、ほぼ確実に来る。今回市場に出てきたお金は山火事のときの大嵐みたいなもんで、山火事は消せるけどその後に山津波とか雪崩れを起こすことになる。

 

だからこれから一番大変なのは日本だ。今回の金融危機が収束し始めれば様々な物価が上昇し始める。物価と賃金がスライド出来る仕組みを持つニュージーランドでは賃上げで対応出来るけど、今だ未組織労働者やフリーターが何百万人もいる日本では価格競争力を保つ為に弱い労働者への賃金転嫁は出来ない。

 

その結果として低賃金のまま物価上昇の波をもろにかぶってしまう人々は、貯蓄も出来ず結婚も出来ず小さなアパート暮らしを余儀なくされる。これが社会全体の逼塞感に繋がり(要するにどれだけ働いても明日の幸せが見えない)が出てきて、これが凶悪犯罪の増加に繋がる。

 

てか、今すでにそんな現象が日本のあちこちで起こってるので、これが更に加速化して急増するということになるだろう。

 

これを解決するにはいくつか方法がある。長期的には教育だし短期的には賃金体系の見直しだけど、どちらも既得権益を持つ連中からは受け入れられないので政治的に解決することは不可能。

 

総論賛成各論反対の常で、理屈では立派なことを言っても自分の痛みとなると受け入れられない一部の連中のために、これからも当分は日本の状況に良い方向での変化はないだろう。

 

「そんなことばかり言いやがって!日本人ならどうやれば日本が良くなるか考えるべきだろう!」と言われそうだが、そんな日本にしたのはいったい誰だ?

 

そして、何で「今の日本の既得権益に乗っかってる連中の体制」を守る為になにかをする必要があるのか。てか、どうすれば良いかはすでに分かっている。それを実行するべき連中が実行しないのだからどうしようもないだけではないか。

 

 

 



tom_eastwind at 13:37|PermalinkComments(0)TrackBack(0)諸行無常のビジネス日誌 

2008年10月10日

秋刀魚を肴に牢破り

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今日(つまり木曜日)は昼頃には上がり。まだ顔がはれぼったくて鼻が詰まって咳も出るので、こんな日は午前中さっさと打ち合わせして午後からは自宅勤務。

 

仕事柄インターネットさえ繋がっていれば世界中どこでも仕事が出来るので、体調の悪い時は自宅のソファに座って仕事するほうが良い。

 

昼過ぎに自宅に戻ると、家に誰もいない・・・。あれれ、スクールホリデイなのに、どこに行ったのだ、皆さん。

 

そうこうするうちに表の駐車場の巻き上げ式チェーンがごろごろと音を立てて引きあがっていく。

 

ニュージーランドの家は大体駐車場と自宅入り口が内ドアで繋がっているので雨の日でもかさ不要。

 

「ただいま〜!」とご家族の声が響くと僕の出番だ。車に積んだ大量のがらくた、じゃなかった、彼らにとって大事な生活用品と一緒に食料品を冷蔵庫に放り込むのが僕の仕事。

 

がらくたって意味は、家具店などで窓用シェードが安いからと衝動買いをして自宅に戻ってみたらサイズが合わなかったとか、お風呂に敷くとぶくぶくと泡が出てくる電動スパマットは、泡の勢いが強すぎてお風呂の周囲が水浸しになって使えないとか、そういう意味である。

 

食べ物はさすがにガラクタとは言わないけど、安い安いと買いこんだ冷凍品が自宅の冷凍庫に入りきれず仕方なく今日はそいつを食べるとか、とにかくすべてが無計画かつ衝動的なのだ。書きながら思った。殺人事件みたいな書き方だよね。でもまあそのような人々が世の中の消費を支えているわけで・・・・・。

 

たしかにデパートは女性が存在しなければ確実に倒産するだろう。宝石店も同じこと。だから世の中の多くの消費は女性が存在することで経済が活発に回っているからよいではないかという考え方がある。

 

でもこれを限りある資源と考えたらどうなるか?

 

無駄にたくさん作られる食品。それを「安い安い」と買い込んで、無理して食べて体調壊したり、挙句にメタボなんてなった日には、果たして女性の存在は限りある資源と自然に対して優しいと言えるのか?

 

しかしそんな事言い出したら、デパートで買い物をしない男性でも、1960年代は自宅の駐車場で若者が最新の排気ガスをばりばり吐き出す車を乗り回してたわけで、それは今でもラリーとかレースと言う形でガソリンをばら撒いている。男の夢、らしい。「男」って決め付けるな。興味ない人々も多いのだから。

 

第一1960年代には必要のない戦争をアジアの端っこで始めて多くの人々が死んだ。それ以降も、世界で戦争やったときの当事者が女性だったってのは、イギリスのサッチャー首相のフォークランド諸島くらいではないか?

 

こうなると、買い物をしない男性は消極的に社会資源には貢献しているが積極的に世界の人口を減少させて世の中の平和をぶち壊してたとも言える。

 

どっちもどっちじゃん、などとことを考えながらキッチンに材料を移動させる。

 

するとその材料の中で何と「秋刀魚」がいた。ハマグリ、オレンジラッフィ、海老などに混じって大振りの「蟹の足」があって、ほ〜、今日は冷凍の蟹足ですかいと思ってたら、足の下にこそっと隠れてたのが秋刀魚です。

 

オークランドではそれほど新鮮な魚を期待する事は出来ないのだけど、奥さんが料理をすると何故かどれも美味である。基本的に料理上手なのだろう。

 

夕方、とは言っても夜8時頃だけど、食卓には僕と竜馬君用に秋刀魚が出てくる。うちの女性軍はこの手の魚は食べないのだ。この手、とは、美味しくないという意味である。

 

新鮮な魚しか食べない香港では、ちょっとでも匂いのある魚は嫌がられる。干物なんてさいて〜だろうな。その点竜馬君は日本人の味でいける。

 

なので彼女たちは大きな蟹の足にかぶりついて、男性陣は秋刀魚を食べながら、家族全員でプリズンブレイクの最新作を楽しむ。

 

テンポも早く筋書きも面白く、人によっては「そろそろマンネリ?」とか言われたりするけど、最新シーズンの最新版を観てて十分に楽しめる。何よりも筋書きを追うのが忙しいので、少しの時間だけど仕事を忘れることが出来るのが良い。

 

ちょうど、スキーを滑ってる最中は他のことすべてを忘れて目の前の斜面に集中出来るようなものだ。

 

そうそう、今回日本でまとめてきた大きな話、これはほぼ毎時間僕の頭を離れないのだけど、プリズンブレーク観てる時だけは離れてくれた。

 

来週からはこの新企画商品の最終調整にかかる。しかしこの商品まだ殆ど未発表だけど、投資家のお客様が見たらびっくりするぞ。最新の技術と今までの常識とは全く違った観点で商品を作っている。ある意味21世紀型と言える。

 

とは言っても今日は風邪気味、明日は会社のパーティだ。早く寝ようっと。



tom_eastwind at 00:22|PermalinkComments(0)TrackBack(0)諸行無常のビジネス日誌 

2008年10月09日

ネットの中にあるのはすべて「過去の遺物」

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養老孟司「先生」のお言葉。

 

この人の本はまだ一冊も読んでいない。何となく違和感があったのだ。本に触れる前から、帯に書いてある言葉とかその本を紹介するコメントとかを読むと、「あ、これは違う」って電波が発信されてしまい、その電磁波が僕を防止していたようだ。

 

でもって9月29日付けの日経ビジネスのトップ記事「有訓無訓」が養老「先生」のコラムだったので、ある意味しかたなしに読むことになった。

 

別に積極的に嫌いではないので、目をつぶってえいや!と次のページをめくる必要もないからだ。

 

そしたら答が判明。なんで違和感があったのか、分かった。

 

この人、現実世界ではあまり役立たないしょうもない事を怠惰的に書いてみたりする内田樹「大先生」なんかと似たような流れ。

 

すでに過去に多くの人が手を変え品を変え話してきたことを、いかにも自分が初めて見つけてきたような書き方で、それを虫の話や柔らかい語り口に混ぜているから、初めて読む人からしたら「お〜、すごい」という事になるのだろう。

 

例えて言えばちっちゃな子供が父親に向かってうれしそうに「お父さん、僕は月を見つけたよ!」というようなものだ。誰もが知ってるっちゅうに。

 

今回の話も、書いていること自体は立派なことだし書き口もうまい。

 

要するに生きて行く時には100%の確実性なんて存在しないんだから未来が見えずに不安になる事は当然だ、だから少しでも不安を取り除く努力としての訓練は必要だけど、完璧に削除するなんて不可能なんだから、ある程度までいったら「覚悟」して「先が読めないから面白い、人生、未来が決まっていたらどきどきもしないでしょ」と言うこと。

 

それを柔らかい口調で虫捕りに例えたりネットの話に例えたりしているけど、「未来は不安かもしれないけど覚悟して生きろ」なんて、そんなもんすけさんかくさんでも水前寺清子でも岸田聡史でも歌ってることだ。中国の古典を見るまでもなく人生の随所でいくらでも発見される。

 

勿論言葉ってのは過去の人々のコピーであり、その意味で純粋にゼロから創り上げられた理論や理屈や新鮮な言葉がないってのは当然。

 

コピーと言うことを前提にいろんな哲学者がいろいろ考えるわけであり、既存の概念に追加の概念を載せることはあっても、それは全くゼロではない。

 

その意味で朦朧先生、じゃなかった養老先生の仰ることは立派なのだが、別に日経ビジネスのトップ記事で読みたいとも思わない。

 

内田せんせーと言いこの人と言い、あなたこそ「覚悟して先が読めない人生を生きてみなさいよ」と言いたい。自分はゆ〜だけ熱海温泉、こんなところが学者先生を好きになれない理由なのだろう。



tom_eastwind at 19:05|PermalinkComments(0)TrackBack(0)諸行無常のビジネス日誌 | 最近読んだ本 

2008年10月08日

名古屋 きしめん

朝、名古屋の定宿を出て空港に向かう。

ここ、最近サービスが変わったような気がする。以前よりもマニュアルが良くなったのか、顧客が個客になっている。

名古屋と京都の往復ではメシを食う時間も取れず、結局駅のホームの立ち食いうどんだったが、う〜ん、600円で牛肉と卵の入ってるきしめん、文句を言っちゃいけないよな。それなりにお腹に入った。

最後の夜は結局「きんさん(錦3丁目)」に出かけた。計算してみると、ホテルのバーで水割りをダブルで4000円払って4杯飲むよりも、飲み放題のお店で1万6千円払ったほうが安いのだ。

「ひっさしぶり〜」とか言われながら、最近の景気の話を聞いたりする。名古屋も少し失速していると聞いてたが、現場はそんな事はないね。

ただ、名古屋に限らず日本全国なのかもしれないけど、フロントに立つ経営者とバックに立つ経営者が違うケースが目立つ。

この店も経営者は30代半ばなのだが、そりゃあんた違うでしょと言いたくなるような勘違い雰囲気だしまくり。チャゲアスじゃないんだから、その帽子は止めようよ。

これは何なんだ?今回はあまり時間がなかったので、次回の日本出張でゆっくり観察してみよう。

今回は中部国際空港から朝食も食わずに飛行機に飛び乗る。そりゃそうだ、乗り遅れ寸前なのだから。あはは、良い年をして乗り遅れなんてみっともない。

飛行機の中ではひたすら睡眠。香港に着いてもひたすら睡眠。香港からオークランドは食事が2回出るのだが、両方とも断りひたすら睡眠。

オークランドに到着。さってと、今回の資料を明日まとめよう。今日はもう、寝るのみ。



tom_eastwind at 22:12|PermalinkComments(0)TrackBack(0)諸行無常のビジネス日誌 

2008年10月07日

移動

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月曜日は朝の新幹線で名古屋に向かい、ホテルに荷物を放り込むと、すぐそのままホテルのカフェでお客様との打ち合わせ。

約3時間、色んなテーマをみっちりと話していく。

終了するとすぐに新幹線に飛び乗り京都に向かう。

15:30の面談予定が、新幹線が駅に着いたのが15:21分。そのまま打ち合わせのカフェに移動して、ぎりぎりセーフ。

ここでも3時間ほどみっちりと打ち合わせ。

それにしても酸素不足だ、喋りすぎかも。

終了するとまたすぐ新幹線に乗り名古屋に引き返す。明日は中部国際空港からの出発なので名古屋宿泊だ。30分の間に社内販売の水割りを買って、ぐいっと飲んで一息つく。

名古屋に戻ると、駅前のビックカメラの閉店ぎりぎりにお店に飛び込み、りょうまのガンダムを買い込む。ビックカメラのお買い物カード忘れたけど、もういいや。

ホテルに戻ってメールチェック。時計を見るともう21時を大幅に回っている。

朝6時に起きてから今まで、今日もまた動きっぱなしだった。ふい〜。

早いとこバーに行ってゆっくりしよっと。



tom_eastwind at 01:21|PermalinkComments(0)TrackBack(0)諸行無常のビジネス日誌 

2008年10月06日

説明会無事終了

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説明会無事終了。

今回も満席、お客様ご参加有難う御座います。

 

今月から3回続けて泉ガーデンタワーと言う、住友系の会場を利用させてもらう。

 

 

元々は国際フォーラムを使い、そしてウェスティンホテルの会議室を使いとかしてたのだけど、今年は本当に会議室の予約が大変でした。

 

大体国際フォーラムなんて3ヶ月前からしか予約受け付けませんと言いながら、3ヶ月前の朝10時に電話すると「満室です」。どういうこっちゃ。

 

ここは元々東京都の持ち物で、色んな団体が利用しているのだけど、やっぱり裏のコネがあって早めに仮予約してる人がいるんだろうね。

 

ウエスティンも、いつも使える会議室ってのは一つしかなくて、これは早い者勝ちなんだけど、ここが今年後半、特に秋の学会シーズンあたりから取れなくなった。

 

今回の会議室は初めて使うけど、使い心地は良い。設備は新しいし作りは小奇麗だし、いかにも今風の会議室、です。

 

けどスライドの使い方もパワーポイントも知らない僕はホワイトボードにマジックで字を書くしか芸がないので、ひたすら文字を書き続けるのみ。

 

10時に始まる説明会では約20名のお客様が集まって頂き、ニュージーランドに関する情報を聞いていただく。

 

正直、立っているのがちょいきついくらいの体調ではあるがなんとか2時間をこなす。

 

ただ、僕的には、参加していただいたお客様には申し訳ないのだが、少し実務的な話よりも精神的な話を増やしてしまい、ちょっと組み立てが悪かったなと思った。

 

特にニュージーランドの社会構造である機会の平等=医療と教育の無料、結果の平等=社会保障と年金の話を少し取りすぎた。

 

義務教育とは、親が自分の子供を学校に行かせる義務であって子供が学校に行く義務ではない、だから子供が不登校になればそれは親の問題なのだ!なんて叫んでも、渡航もしてないお客様にはあまり関係ないもんな〜。

 

それからニュージーランドが社会主義国だったって話をしても、これだって直接お客様に関係ある話ではないのに、ついつい力が入ってしまった。もちっと実務的な話をした方が時間の有効活用だったなと、ちびっと自己反省。

 

ただ、永住権を取得することを将来目標としてワークビザを取得、生活賃金を獲得するには「魚を三枚におろす技術を身に付けて寿司とサシミ、そして天麩羅作ればいいんです」と言うと、皆さん一瞬「魚!」としてた。

 

ぞ・・さぶ・・・・。

 

「実際に和食を作れる人間が一番強いっすよ」と話すと、「和〜」というため息も聞けた。

 

ぞぞ・・さぶさぶ・・・・。

 

という事で説明会終了、その後は個人面談に入り、計算すると朝の10時から最後の個人面談の18時まで、約8時間喋りっぱなし。

 

酸素不足。

 

とくにこの仕事をしているとお客様の人生の重みをそのまま受け取って対応するので、なんつーかな、こっちがお客様の体内に溜まっている、他人に言えない重みを吸い取って皆さんに夢とかやる気を与える分、夕方になるとこっちがかなり体力消耗する。

 

そうなるとすべての仕事が終了する18時過ぎには体内に色んなものが溜まっているようで、結構吐き気を催す。朝ごはんしか食べてないし、それから喋り続けなので当然っちゃ当然なのだが、かなり気持ちが悪くなる。

 

そんなときはもうどうしようもない。遠慮なくシャワーを浴びて、そのまま空っぽの胃袋から胃液を吐き出す。白い胃液がどば!っと出てきて、そのうち喉の炎症だろう、血の混じった胃液に変わってくる。(ガンではないですよ〜)。

 

その状態で胃袋が収まったら、すかさずシャツとジーンズを着こんでホテルのバーに飛び込み、きりっと冷えた水割りを飲んで、やっと胃袋が収まる。

 

ふ〜〜〜〜〜〜〜〜〜、幸せ。

 

胃液が出るほどなのにウイスキーが入るの?

 

入ります、普通に。むしろ空っぽの胃袋に実に気持ちよく浸み込んで、体の筋肉をほぐしてくれます。おれ、病気ではありません(笑)。

 

こうやってブログを書いてる今もバーのスタッフが「お前、生きてんのか?」みたいな質問です。生きてるし!

 

てか、このバーのクラブハウスサンドウィッチは美味しい。軽く火を通した薄いパンに焼きたての目玉焼き、かりかりのベーコン、しゃきっとしたレタス、柔らかい鳥胸肉、新鮮なトマトをはさみ、一口で食べられないほどのサイズだけど、口の中ですべての味がダンスしてくれる感じ。

 

突合せのポテトと合わせて食べながら、今日一日で起こったことや、明日の予定を再度確認したり、来週の日程を再度頭の中に入れて整理したり、ゆっくりと過ごす。

 

そうだ、このバー、今は無線LANが繋がっているから、とても仕事がしやすくなった。

 

適度な明かりの中でバーカウンターに座り、調べごとはすぐにインターネット検索出来るし、思いついたことはすぐにメールも出来る。文明に感謝。

 

さ、明日からまたハードバーが待ってるので、いっきつうかんでいきますぜ!

 

 



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2008年10月05日

Snow Brand's Milk

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[日本の酪農会社、厳しい質問を提起]

 

  日本の大手酪農会社「SnowBrand‘s Milk Products」」は毎年14M(約10億円)分のチーズや牛乳をNZ企業であるフォンテラから購入してくれる。

 

が、今回彼らが提起した質問は、「フォンテラから輸入した商品の中に三鹿や中国から来たものは混ざってないか?」だった。

 

オークランドで開かれたフォンテラとの会議では本来の議題ではなかったにも関わらず提起されて、フォンテラが説明を行った。

 

この会社は「フォンテラの中国における状況を聞いたと同時に、フォンテラがNZから輸出しているすべての商品はNZで作られてそのまま日本に送ったものであると説明を受けた」

 

「我々はこの問題についてフォンテラ側から回答を貰い、これからも取引を続けていく予定だ」とスエヤスリョウイチジェネラルマネージャーが語った。

 

この会社は2000年に1万5千人の食中毒問題を起こし、それ以来当然であるが非常に食中毒に対しては敏感になっている。

 

と、ここまでは何気なしに読んでたフォンテラの記事だった。

 

フォンテラはニュージーランドで最大級の酪農会社であり元気がある。その元気で勢いをかって中国の三鹿(サンルー)に出資したのだが、その矢先にメラミン中毒を発生させてしまい、今はトラブルの真っ最中で、下種な言い方をすれば「ケツについた火」を消すのに大変である。

 

「ほ〜、この会社、どこだ?一体誰が交渉の最中に全然違う話持ち出してんだ?」とか思ってよく読むと、あれ?雪印かい。英語ではSnowBrandと書かれていたのであまり気にしなかったけど、なるほどな。日本人らしい。

 

通常のビジネス交渉の最中に全然違う話を持ち出して「ところでオタクの製品は大丈夫?」とやったわけだ。

 

まあ普通に考えれば中国で集めた酪農製品をわざわざニュージーランドに持ってきて、それをさらに日本に向けて売るってのも考えづらい。

 

けど、食の安全という点では非常に厳しい基準を持つ日本だから、あり得ないケースも想定することになるのだろう。とくに雪印であれば、もう次はないから慎重の上にも慎重を重ねたのだろう。

 

とんでもないところで日本の会社の記事を見つけたけど、悪い話ではないのでよかった。

 

ただ、いつもいう事だけど安全と安心は違う。メラミン事件は安全の問題であるから徹底的に追及すべきであろう。ついでにそろそろ、まともな食品チェックもやってない役人の問題も追及して欲しいものだ。

 

日頃は規制でがんじがらめにしておいて、実際には何のチェックもしない。それどころか汚染米の事件では地方の役人と企業が裏でつるんでたんだから、こりゃもう犯罪でしょう。

 

そのくせ何かあったら偉そうに「民間企業に対して厳しく対応」するのだけど、自分に対する甘さは、それでよいのかい?と言いたくなる。

 

権利があって義務がなくて、失敗しても責任取らなくて良くて、犯罪行為を行っても罪には問われない。

 

そりゃあ「青年は公務員を目指す」になるわな、まったく。

 

写真は水と白ワインとお茶のトリオです。

 



tom_eastwind at 00:52|PermalinkComments(0)TrackBack(0)諸行無常のビジネス日誌 | NZニュース

2008年10月04日

サワディカ

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僕は今、香港からバンコクに向かっている。なんでじゃ?

 

朝6時にオークランドの自宅を出て空港へ向かい、ちょうどスクールホリデイで道が空いてたので30分ちょいで到着。

 

いつもの長期出張用の駐車場に車を放り込んでチェックインカウンターに行くと、なんとそこにいたのは古くからの知り合い。

 

「お〜!こんなとこで朝から何やってんの?」

「こんなとこで朝から座ってチェックイン以外の何の仕事があると思ってるのよ?あんた、まだ酔ってんの?」細くて可愛いあごをカウンターについた両肘の上に乗せて、にこっと笑って冷たい答え。頭の良い奴ってのは、これだから困る。

 

まあそりゃそうだ、聞いた俺がバカだった。

 

あれこれおしゃべりしながら東京までの搭乗券を発行してもらう。

 

預け荷物はないので、「よっしゃ、じゃ行ってきますわい」とか言ってると、彼女は軽く小首を傾げてにこっと笑い、おもむろに「ところでキャセイ、1時間遅れてるわよ」と、またも両肘をカウンターに付けて手のひらにあごを乗せたままこっちを見つめてくれた・・・。

 

「間に合わんじゃんか、東京行きの便に!」

 

そう、朝8時30分発のキャセイに乗ると香港に着くのは午後3時20分、そして午後4時30分の東京行きに接続している。そしてキャセイ航空の東京行き最終便が、この4時30分発なのである。

 

つまりオークランドで一時間遅れれば香港に着くのも一時間遅れてしまい、僕が乗る飛行機が着陸する頃には僕が乗るはずだった飛行機が空の上にいると言うことだ。

 

「お前さ〜!」

「あはは、大丈夫、香港で誰かが相手してくれるわよ」

「飲み屋じゃないんだからさ〜、明日の13時にに品川で会議なんだよね〜・・・」

「まあまあ、何を言ってもどうしようもないでしょ、ほら、早くラウンジに行ってお酒でも飲んでなさい」全く子供扱い。

 

朝の7時なんですけどね、まあいいや、言われるままにラウンジに行き、強めのジン&トニックを作る。強めってのは、ジンをニップグラスで3杯と、それと同量のトニックウォ−ターという意味だ。

 

そいつを3杯くらい飲む頃には気持ちも落ち着いてきて(酔っ払ったのでは、だんじてない)、まあ俺が考えても仕方ないや、キャセイの香港チームが何か考えてくれるでしょと思うことにして、こっちは読書に専念することにした。

 

それから約10時間後、僕は香港到着カウンターのところで笑顔で迎えてくれたキャセイのスタッフに「はい、これがあなたの新しい搭乗券と今晩の香港のホテルの切符ですよ、明日の昼過ぎには成田に着いてますよ」となる。

 

う〜む、それでは困るのだ。僕は13:00には品川にいたいのだ。

 

そこでスタッフと交渉。てか、こちらの話をするとすぐに理解してもらい、「よっしゃあ!ラウンジで待っとけ」となり、すぐに新しい航空券を持ってきた。

 

それが、キャセイ航空で香港から一旦バンコクに3時間かけて飛び、真夜中午前1時のタイ航空フライトで成田に向かい、成田到着朝6時と言う便だ。

 

実に手早い手配である。緊急で予約したホテルを取り消し、明朝便を取り消し、バンコク行きを予約、タイ航空に話をつけて席の確保、たいしたもんだ。

 

うむ。たしかにこれなら間に合う。・・・・・・けどさ、俺、今日の朝6時に家を出たよね。でもってこの日程で行けば、車、飛行機、飛行機、飛行機、バス、合計で、恵比寿のホテルに到着するのは32時間後だ。

 

これって、普通にきつくないか?と思わず疑問を感じたが、まあだいじょうぶでしょとこの日程を選ぶ。

 

そして香港からバンコクへ。サワディカーという挨拶を聞きながら、頭は半分くらいメモリー機能が吹っ飛んでいるので、もうろうとしている。

 

でも体力自体が落ちているわけではないので、GOGO,何とか成田に到着。

 

朝飯として空港のカレーライスを腹に入れる。しかしこの空港、どうにかならんのかと本気で怒るが、疲れているので何も言わずにバスに乗る。がたんがたん、揺られ揺られてやっと恵比寿のホテルに着いたのが朝10時だ。

 

ふー、やっと着いたなり。

 

細切れの睡眠とがらがらと上下左右に揺さぶられたのと乾燥した空気と気温差と、どいつもこいつも僕の体を痛めつける材料に不自由はしない。おまけに成田リムジンバスの運転手さん、ブレーキはもっとゆっくりかけようよ。

 

ということで、何とか東京に着きました。13:00からのミーティングにも5分遅れで間に合い、ふいふい、何とか格好付きました。

 

今回の滞在は短いけど内容が濃い。要するに遊んでるヒマがないって事。毎日、1時間単位で仕事が入ってるので全然気が抜けない。逆に、途中で気を抜かずに最後までいってみよ〜!って感じ。

 

一気に駆け抜けて、オークランドに戻って・・・おっと、オークランドに戻ったその日にもう一個アポありじゃんか。

 

じゃあいいいや、今月はノンストップでやってみましょ。どうせ来週はクックアイランドだし。

 

日本民族負けてられない。さって、やるぞ。



tom_eastwind at 04:17|PermalinkComments(0)TrackBack(0)諸行無常のビジネス日誌 

2008年10月03日

実体経済

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今回の金融恐慌で感じたのが、金融経済というか名目経済というか、要するにこの数日で何兆円の資産が減ったとか、そんな議論が走り回っているのだが、それはそれで良いのだけど、う〜ん、君、今日は何食べた?って聞きたい。

実体経済というのは、今日のメシであり着る物であり住むところだと思う。

NZで不動産価格が上がった時に、高級住宅街に長く住むおばあちゃんが怒った。

「何で私の家の値段を上げるのよ?!」

おばあちゃんからすれば投資の為に買った家ではない。なのに価格が上昇すると毎年払う「RATE]という不動産に対する税金が上がるから怒ってるのだ。

今回の恐慌は新聞ネタとしては面白いと思うし、これが世間に大きな影響を与えているのも事実。

でも、今日オーブンから出てくるパンの数は変わらないし、スープの量も変わらない。

人はどんなことがあっても生きていく。その意味で実体経済が強い国が生き残っていけると思う。

今回の恐慌はこれから後1年くらい続く。大事なのは、実体として自分が社会に対して生産性を供与しているかどうかだと思う。

もし自分が社会に実体として貢献しているなら、こんな恐慌は全然問題ない。胸を張って生きてくことだ。

医療、農家、建設業、衣料、教育、どれもが素晴らしい仕事だ。恐慌なんて吹っ飛ばせ!気にするな!

新聞でごてごて書かれると、どうしても皆さん気にするが、実は世の中の大事な序列からすればかなり低いってのが分かる。

だってバブルのさなかでも、病気になって死んだら終りでしょ。

 

 

 



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2008年10月02日

太平洋を越えてきた大津波

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日頃週刊で発行される経済メルマガが先週からはほぼ毎日更新されたり、いつもは色んなネタを書いているブログが経済一色になってしまったりしている。

 

先週あたりから物凄い勢いで世界中を情報が走り回り、皆が猜疑心で他の人の行動を見ている。

 

イギリスの銀行での取り付け騒ぎとかがあったし、大手証券会社が吹っ飛ぶなど、もうこうなるとどこも自分を守るだけで精一杯になる。

 

そりゃそうだが、こういう時は10歩くらい先を見て見たい。つまり、今回の米国発大恐慌の先に何があるかってことだ。

 

一番には金融の再編である。

 

日本は91年にバブルが崩壊しても何の手当てもせずじっと黙って耐えてたから、97年、ついに耐え切れずに長期信用銀行、山一證券が飛んだ。

 

91年当時の被害総額は10兆円と言われてたのが、7年間も何も手当てせずに放置してたもんだから、その被害は100兆円を越してしまった。

 

米国は今が一番の山場であり、米国を中心にして販売された様々な金融商品を抱えている銀行、特に日本の地銀はこれからいくつも吹っ飛ぶだろう。

 

ただ、銀行救済はしないけど金融システムは守っていくのが行政なので、日本では更に銀行の再編が進む。それによって銀行の体力強化を図るともいえる。

 

日本も振り返ってみれば97年頃からどんどん銀行の再編が進み、現在はメガバンクが誕生して、これでやっと欧米の大手銀行と対等に戦える規模になった。

 

その間銀行で働いていた人からすれば毎年自分の働いている銀行の名前が変わり、リストラに遭い、それこそジェットコースターに乗ってたようなものだ。

 

実質無金利状態を10年続けて、本来は預金者が受け取るはずの金利をすべて銀行が吸い取って、要するに国民の個人資産を奪っておいて今やっと体力が取り戻せたのが今のメガバンクだ。

 

米国でも次々と銀行が合併して、来年の今頃にはスーパーメガバンクが誕生するだろうし、それが金融システムの安定化には繋がる。

 

だから世界の動きを見れば一年後は全く新しい銀行体制が政府管理下に構築されて、金融は安定した方向に向かうだろう、誰が主導権を取るかは別にして。

 

金融の中心は今後多極化していく。21世紀は東京?ニューヨーク、ロンドンが拠点となるだろう。とくに欧州がこれから最大の拠点になるのではないかという気がするし、専門家の間では経済と政治の多極化、米ドルが基軸通貨から外れていくだろうと予測されている。

 

でも、一般の人々にとっての問題は誰しも自分の足元だ。ニュージーランドの銀行は大丈夫なのか?という点である。

 

この点に関しては先週も書いたけど、不安はない。

 

何故ならNZの銀行経営自体は安定しており、利益を出しているからだ。丁度銀行の決算が終わったところだが、出てくる数字はそれほど不安なものではないだろう。

 

もちろん米国の強烈なパンチで株価が急降下したり為替が大激動しているけど、預金であれば問題はない。

 

なぜなら人間が社会で生活をしていく限り個人間や企業間の決算システムは絶対に必要だし、そのための存在が銀行なのだから、すべての銀行を潰すことなんて出来やしない。

 

ましてや預金者の預金を保護しないという仕組みを取っているニュージーランド政府ではあるが、それは自己責任の話であり、今回は自己責任とは全く関係ない、太平洋の向うからやってきた「津波のような金融システムの崩壊」を防ぐというのが目的だ。

 

この点で自己責任と金融システムの保護をごちゃごちゃにして、「私のお金はどうしよう?」とどこかの掲示板で書いたりしているけど、それは問題を混同しているし現場を見ていない。預金はそのままNZの銀行に預けておく。それが一番安全だ。

 

NZでは銀行と言っても現在は17行しかなく、三菱UFJとかシティバンクみたいに個人取引をしてない銀行もあるので、日頃普通の人が利用するリテール銀行はどれもが決済システムに入り込んでいる。どこかを倒産させて自己責任ですよなど、出来ない話なのだ。

 

技術的にやるとすれば、下位銀行が上位銀行と合併する、例えばナショナルバンクとANZが合併したような方法はニュージーランドではあり得るだろう。

 

また、豪州の親銀行が今回の影響を受けて、例えばANZが資金不足になりせっかく買収したナショナル銀行をどこかに売却するという可能性などだ。

 

しかし銀行自体はNZでは健全であり、要するに親会社が倒産しても優良な資産としてどこかが買ってくれるので、銀行自体の資産は守られる、つまり預金者の預金は保護されるという事だ。極端な話もし売りに出れば、NZ政府が一時国有化するかもしれない。

 

ニュージーランド航空がアンセットの影響で倒産した時も、あれは完全な自己責任で倒産したわけではないし公共の財産であるからと国有化した。

 

更に政府が金融市場に資金をどんどん導入することで国民に安心感を与えようとしているのも、今回の問題が「他の大陸で起こった津波が、太平洋を越えてやってきたのだから、自己責任というものではない」と理解しているからだ。

 

大恐慌と言うとどうしても日本の大正時代の取り付け騒ぎをイメージする人がいるが、今の金融システムはそんなに脆弱ではない。

 

今回も米国では一般市民からは「銀行や証券の連中は今まで高い給料を貰ってたのに守るなんてふざけんな!」という意見があり救済法案は通過しなかった。その気持ちはよく分かる。ただ、今の問題は金融システムをどうするかの問題であり、自己責任の話ではないのだ。

 

自己責任の部分については、いずれ米国では「儲けすぎたディーラー」や「ボーナスを取りすぎた経営陣」を相手に告訴などの形で追及していくだろう。スケープゴートは後でいくらでも用意出来る。米国はそうするだろう。

 

ただ、よそで起こった津波のためにこっちまでおたおたする必要はない。自己責任で買った不動産とは最初から話が違うのだ。



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2008年10月01日

good Samaritan Austin Hemmings

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殺人事件だ!

 

いろんなことのあった週なのでついつい忘れてたけど、先週の木曜日にスタンフォードホテルに入ってる山水レストランの前で殺人事件があった。

 

帰宅途中の白人ビジネスマンが路上で刺し殺されたのだ。

 

事件自体は突発的なもので、計画的なものではない。

 

木曜日の午後5時ちょっと過ぎ、誰もが自宅に向かってオフィスからエレベーターに乗り込み、ある人は自分の駐車場に向かう途中だったろう。でも普通のキーウィならエレベーターから降りた目の前で女性が男性に殴られてたら、当然止めに入る。

 

今のような人が人に冷たい時代でも、目の前で女性が殴られて止めに入らないキーウィはいないだろう。

 

そして30代のIAGディーラーであるこのキーウィは自分が働くクイーンストリート沿いのビルから出てきて自宅に向かおうとした時にその場面を見て当然のごとく制止に入って、振り返った男性のナイフで胸を一突きされたのだ。

 

それから彼は自分が刺された事に呆然としながらも助けを求めて短い坂を上がり山水レストランの前の道路に倒れ、建設現場の人に助けてもらい救急車を呼んでもらったが、救急隊員の必死の介護にも関わらず数分後には死亡したのだ。

 

四つ角のほぼ真ん中に倒れた彼の死亡現場は、そのまま警察によってテントを立てられて現場保全をされた。

 

彼の死亡現場、つまり山水に通じる全ての道、右側のアルバートストリートからの入り口、左側のクイーンストリート側からの入り口、そして裏口にあたるミルズレーンの入り口すべてを封鎖されてしまったのだ。

 

僕が現場に到着したのはちょうど封鎖線が張られたばっかりで、こっちの立場を説明しても「NO!」である。状況が状況なだけにこっちもあまり言えない。だもんで殆どの人が知らない裏道から上がっていったのだが、そこも見事に封鎖されてる。さすがですな。

 

しかたないのでカスタムストリートまで1ブロック下り左に曲がり、再度アルバートストリートからスタンフォードホテルの正面に戻って何とかロビーに入る。

 

そこでこのホテルの総支配人と「やばいよね〜」とか言ってる最中に「やばいっすよ、今日は予約が数件はいってるんですよ〜」と店から連絡。

 

正面から入れるはずも無く、スタッフの皆さんあれこれ考えて、何とかお客様をご案内する方法を発見。

 

現場検証は通常1時間もあれば十分と思ってた僕は、暫く他の店で飯を食ってから9時頃に山水に移動しようと思ったら、まだ封鎖線。

 

その時になって分かった、NZでは死体はかなり長い間現場に置いておき、出来るだけたくさんの証拠を集めるんだって事。言葉を替えて言えば、短時間で要領よく現場検証をするだけの知識もマンパワーもないってことだ。

 

そりゃそうだろう、ここでこんな事件なんて一年に何件あるか。てか、何年に1件ですぜ。

 

だってこれがオークランド南部で起こったならわかるけど、街中ですぜ。

 

結局やったのはオークランド南部に住む病気で失業保険を貰ってた45歳男性と判明、女性と関係のある男性で、この男性は翌早朝04:30に自宅にいるところを警察に襲撃、逮捕されたのだが、なんだかな。助けた男性がバカを見るようなことにだけはしたくない。

 

平日の17時過ぎちょっと。僕もいつも歩いている時間だ。一つ間違えてたら俺が刺されたかもしれない・・・・そう思うキーウィは多いはずだ。

 

こうなるとクイーンストリートで仕事をする人々が集まってお金を出し合って、不審な人々をクイーンストリートから排除するようなことも考えて良いのではないか?非番の警察を自警団として雇えば、彼らも生活の糧になるし僕らも治安が守られる。

 

結局山水ではその晩は表のドアは開かず、常連さんだけが裏口からのみに来るだけとなった。

 

good Samaritanである Austin Hemmingsさん、すべての新聞で英雄と扱われてた。当然だろう。今度こそは殺人犯に対して厳罰で処して貰いたいものだ

 



tom_eastwind at 00:10|PermalinkComments(0)TrackBack(0)諸行無常のビジネス日誌 | NZニュース