2009年09月

2009年09月30日

マッチポンプ薬局

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恵比寿ガーデンプレイス内に行きつけのドラッグストアがある。ちっちゃいながら商品もたくさん並んでて非常に使い勝手が良い。

 

なので「ファミマ!」で生活必需品(どんべえ、雑誌、牛乳、おにぎり、お菓子等)を買い込んだら次に向うのがドラッグストア。

 

ここでは大きめのリストリンボトル、ソフトティッシュ、歯ブラシ、その他日本で最近発売された面白そうなネタ商品を購入する。

 

単価が高いせいだろう、普通にクレジットカードが使えるので重宝している。

 

けど、今日になってふと気づいたのですが、ここ、煙草売ってるんですよね。

 

煙草はレジの上の方に並べているんだけど、商品陳列棚には「嫌なにおい、煙草のにおい消し消臭剤」とか「歯のヤニを落とす特殊歯磨き粉」とか「禁煙ぱいぽ」みたいな商品。つまり片方では煙草を売っておいて片方ではその防煙対策、歯の防御対策、禁煙対策に努めるという。

 

これを見ながら、ふーん、これは分かり易いマッチポンプですなと感じる。

 

社会に参加して10代になった子供たちは、最初はを見よう見真似に煙草を吸うのだけど、何せ煙草を吸ってる教師がそんな子供に向って「20歳までは駄目だ!」と言うし、何せ2歳の子供の顔を嬉しそうに見つめながら煙草の煙を吹きかけている両親を見て育った子供が、何で20歳まで駄目なのか?なんて分かるわけがない。

 

今日の写真はまさにその場面。成田空港出発ロビー階のレストランは今も普通に煙草をすぱすぱ吸える珍しい場所である。

 

僕の坐っている場所は禁煙席ではあるが、その数メートル離れた席は喫煙席と言う設定。写真後方のこっちを向いてる男性二人は喫煙者である。

 

でもって写真左側後方にこっちに向って坐っている二人の30代前半の男性はそれぞれ手に煙草を持ってプカー、プカーってまるで蒸気船のように煙を吐き出しているのだけど、彼の前には2歳くらいのちっちゃな男の子が煙草の煙に直撃された状態で身動きの取れない子供用座席に押し込まれているのであるから、おお、こりゃ動物園でも珍しい子供を殺す場面に直面したのかと思ったぞ。

 

身動き出来ない2歳の子供に立て続けに何本も煙草を吸いながらその煙を次々と送り込んでいるのだから、これでこの子が10代になった時に「煙草は体に悪いんだよ」ってこの父親は言えるのだろうか?

 

もし僕が子供なら確実に言うだろう。「おい親父、そんなおれの体に悪いもんを、お前はおれが赤ちゃんの頃から吹き付けてきたよね?アスベストもびっくりの人殺しじゃねえかそりゃ?」

 

まあ、親がバカなのはとりあえず放置するとして、一般論としてちっちゃい子供はナンだって「僕にも出来る!」と好奇心の塊で挑戦するではないか?子供には「ナンにでも挑戦しろ!」と言いながら煙草だけは「だめ!」と言われても子供は意味不明である。

 

子供は親がやることを真似したいし、そうやって成長するのだ。だから一般的に親が馬鹿なら子供も馬鹿だって話になる。だもんで古い諺通りであるが、「子を見れば親が分かる」となるのである。

 

20歳までが駄目な科学的根拠もないし人によって体質は違うんだし、そんなオトナの都合よい話なんて信じるわけないじゃん。

 

ところがそこで煙草を売りつけて商売とする連中も存在するのであるから、彼らからすれば将来の顧客となる子供たちが煙草を吸わないと商売が上がったりになる。

 

だから結局社会全体がマッチポンプになってて、片方では吸いたくなるように宣伝や映がで煽っておいて片方で吸っちゃいけないとカッコウつけて、そして最後には「禁煙ぱいぽ」とくるのだから、要するに無邪気な子供を相手にアクドイオトナが煙草を売りつけているようなものだ。

 

第一禁煙ぱいぽと言ってもそんな簡単に禁煙できるわけではない。

 

煙草が駄目と言うなら親や教師がまず見本を見せなければいけないのではないか?

 

もちろん全く禁止と言うわけではない。いつもの通りこれも個人の嗜好であるから他人に迷惑をかけずに吸うならどうこうではない。

 

ただ今回の話は、煙草そのものが良いかどうかよりも、本来は人の体を治癒する為に存在するはずの場所で煙草を売るってのはどうなのかって話。

 

他にも日本の街角を歩いてていろんなことに矛盾を感じる。これは日本で生まれ育っていつの間にか慣れてしまうと気づかなくなるんだろうけど、外国から来た日本人には非常に奇妙に映るものである。

 

あ、そうだ、ぼくが喫煙者と思ってる方。あのブログの写真は僕の好きな俳優の昔の画像です。あれ、火野正平です。



tom_eastwind at 12:42|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2009年09月29日

自由電子

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数日前にブログでも書いた僕にとって初耳の言葉だけど、大体の見当はつきつつも調べる時間もなくてやっと今日wikiして判明。

 

なるほどね〜、これで長い間自分の中で不明だった「ミッシングリンク」の一つが繋がった。

 

人間同士が一緒にいるときでも気のやり取りが発生する。気が短くなったり気が違ったり気が失せたり、とにかく「気」と言う単語は人の気持ちを表現する際に様々に使われる。

 

そして大地と人の間にも気のやり取りがある。自分に合う土地とか合わない土地とか、ニュージーランドに移住する人の多くは空港に到着してすぐに「何となく」この国を好きになってしまったりする。

 

大地にはそれぞれ鉱物や土そのものや様々な原子が含まれており、人を活発にさせる「気」がある土地では少し活発すぎるくらいの人間は躁鬱のソウになってしまう。

 

逆に人を沈静化させる「気」のある土地では活発な人は心のバランスが取れて「調和」されるから心が落ち着くのだ。

 

この「気」のやりとりを科学的に証明出来るかどうかは分からないが、僕的にはこれが自由電子の存在ではないかと思う。

 

つまり中国で数千年前から広く普及している風水も、科学的に証明しようとすればこの自由電子の動きではないのかなと思う。

 

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自由電子とは、物質内を自由に動き回れる電子。金属などが持っており、電気が流れるときにはこの自由電子が物体の中を移動している。

 原子は、陽子、中性子からなる原子核と、その周りに存在する陽子と同数の電子によって構成されている。銅などの金属原子は電子を放出しやすいので、金属結晶中では、電子が回りの原子核に共有される事によって、プラスに帯電した原子核とマイナスの電荷を持つ電子が静電気力によって引き合い、原子同士が結合している。このとき、電子は金属中を自由に移動することができ、金属は「電気を通す」性質を帯びる。

**

 

と言うのが人間同士の気の動きは別として、風水と言うのは住宅であれば植木やドアの位置を調整するだけで見違えるように流れがよくなってしまうのだ。

 

人間関係のようにどうしたって駄目!なんてのはない。おそらく人間同士で発生する「気」は自由電子のようなものではなくもうちょっと高等なものではないかと思う。

 

つまり人間の肉体やその土地に与える影響としての「気」が自由電子であり、人間の精神に影響を与えるエネルギー、時には人を発狂させるほどのエネルギーは霊的媒体であると言える。

 

僕は日本にいると気が激しく上昇してしまい、その為に普段よりも熱くなりやすい。これは精神的にも躁鬱のソウの状態であり、肉体的にも何故か普通にクーラーの効いた場所で仕事をしているのに汗が出たりする。

 

これは東京と言う土地が持つ自由電子の量の多さを示すものだろうし、その為に元々賑やかな自分が更に加速されてしまい、体に蓄積された自由電子を放電する為に汗となって放出されるのだろう。

 

僕は日本人なら殆ど同じだと思うけどお風呂が大好き。特に1時間くらいお風呂に浸かりながら本を読むのが最高の極楽なのだけど、オークランドでは結構シャワーだけでもOKな時がある。あまり疲れてないときだ。

 

けど東京ではシャワーじゃ話にならん。やっぱり完璧にお風呂に浸ってしまい、充分に汗を流しておかないと疲れが取れた気がしない。

 

そう、言葉通り、多すぎる気=多すぎる自由電子は肉体を疲れさせるのだ。だから汗を思いっきり流した後は躁鬱のソウの状態から解放されて思いっきり肉体調和が発生して心が安定するのだ。

 

そうやって汗を流した肉体に自由電子の代わりにエタノールを注入すると、これが良い具合に体内調和を作ってくれるので、こりゃもう極楽極楽。

 

科学的に肉体を調和させる方法ですから、自由電子が人を興奮させたりする効能があるとすればその正反対の人を落ち着かせる極を持つのがエタノールなのであろう。

 

あ、ちなみにエタノールとはアルコールの原料です。



tom_eastwind at 01:13|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2009年09月28日

第41回説明会終了

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おお、ついに40回の大台に乗りましたな。

 

思えばこの説明会、最初の頃に取組み始めたときはスタッフにも外部の人にも随分と変な目で見られたものだ。

 

移住?それのどこが商品なのだ?

 

最初の頃はこっちも今一感覚が掴めずに、どこまで踏み込んでよいやらどこが商品で売れるのやら何も分からないままで手当たり次第に動いてきたが、やっと去年には一つの流れが出来上がり、これでどうやら僕も次の新しい仕事にいける環境になった。

 

けどやっぱり説明会の話だけは自分がやらないと、これだけはまだ他の人には任せられない。

 

説明会で出てくる質問は実に多岐にわたる。政治、外交、経済、政府の形態、選挙制度、社会保障、歴史、日常生活、とにかくすべてにわたって体系立てて説明をする必要がある。

 

社会保障つまりセーフティネットが思いっきり充実とか言いながら政府の方針は自己責任ではないか、こりゃどういう事だと突っ込まれれば、その両方の整合性のある答を用意する必要がある。

 

実はニュージーランドに長く住んでても単純に「住みっぱなし」の人はそのような事を考えようともしないから、突っ込まれて聞かれても答がでずにぱうぱうしてしまう。

 

それでは参加したお客様に満足いく説明会とは言えないから、どうしてもここはまだ僕自身が手掛けるしかない。

 

しかしそれ以外の業務はかなり現場で回るようになったのも事実。

 

今回の日本出張も急遽福岡を追加で訪問したりと随分飛び回った。計算してみれば今回の日程では地球をほぼ一周したことになる。

 

けど仕事の中身を分析してみると、そのうちの三分の二は移住説明会とは関係ない業務である。それだけ仕事が進化したって言うか、ますます内容が複雑化しているのは事実。

 

だから楽しい。同じ事を2年もするとすぐに飽きてしまう僕としては、やってる仕事の内容が年ごとにこれだけ変化するのはもう楽しいとしか言いようがない。

 

だけど、これはとても贅沢な話なんだけど、やっぱりそれだけ肉体と脳みそを酷使しているのも事実。しかしまあ人間なんて脳の半分も使ってないなんて話もあるし、まだまだいけるなとは感じている。

 

これから数年は企業向けのコンサルティングを仕掛けていくが、やっぱり最終目標は国会議員かな〜。これ、以前からかなり本気で考えていること。

 

よっしゃ。とりあえず今日も無事に終了。

 

しわだらけのくたくたになった脳みそをほぐす為に熱い風呂に飛び込み、ほてった体のままホテルのバーに飛び込んでパソコンを開く。おお、この時間が一番快感です。

 

41回を迎えた説明会だけど、すでに数百人の方は渡航をしており、更に予備軍も日本で出発準備をしている。

 

50回くらいまではいけるんじゃないか。それ以降は海外移住の流れも薄くなるのではないかと考えている。

 

何故なら人は環境が変化すると激しく抵抗するが、それが数年続くと慣れてしまい、「まあいいや」となるからだ。

 

移住の取り組みを始めたのは日本が構造変化を起こし始めて既成のシステムがすべて崩壊し始めて、その痛みを人々が感じ始めたからだ。

 

しかしそれも慣れてしまえばもう痛みは痛みと感じなくなる。

 

悪い方向への変化であっても痛みを感じなくなるのだ、まるで第二次世界大戦前夜の日本のように。

 

崩壊へ向ってまっしぐらに走っていてもついつい「慣れてしまってる」から「皆がそこにいるから」東京大空襲で爆弾落とされるその瞬間まで「まあいいや」になってしまうのだ。

 

人生をどのように過ごすかは本人次第。

 

ぼくらの仕事は「移住+ニュージーランド」で検索をかけるだけの前向きな人に対してのみ情報を提供して、その情報提供料として対価を頂く。

 

何もこちらが誰かの家に押しかけて「移住しろ」なんて言ってるわけではない。移住情報をご希望なら提供しますが有料ですよ、移住は自分でも出来ますよと常に説明している。

 

その人の人生はその人が選べば良いのだ。選んだ人に対して情報を提供するのが当社の仕事。

 

だからこそ50回目が来るかどうか、このあたりに不明を感じるのである。

 

いずれにしてもすでに僕自身の脳みその半分以上は新しい方向性に転進しているので、第50回移住説明会が来なくても良い。それこそ日本人次第だ。

 

そんな事を考えながらバーでいつもと同じクラブハウスサンドイッチを食べる。

 

一平ついでに部屋に戻って一平ちゃんカップ焼きソバ旨醤油味で〆る。

 

夜9時以降に何かを食べるのは体に対する拷問だなとか思いながらついつい手が出る。久しぶりな気がするけど、何かこのB級グルメ、こんな夜にはほっとする旨さです。

 



tom_eastwind at 01:11|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 | 移住相談

2009年09月27日

新移民法改定

ニュージーランドは移民法がしょっちゅう変更になると説明会では話している。実際によく変わる。

 

だから資料を作っててもあっと言う間にデータが古くなってしまうので、毎回担当者が内容チェックをするので大変。

 

今回の説明会でも、作った資料の投資家ビザの内容が古いことを発見。こりゃまた明日きっちりと「お手元の資料は古いですから」とやらないとね。

 

でもって何が変わったか?

 

簡単に言うと投資移民の枠が緩んだのだ。

 

そのまま掲載しておきますので、今日の説明会にご参加出来ない方もご覧下さい。

 

 

 

 

 

 

1)  投資家部門 永住権申請の条件

 

インベスター プラス(投資家カテゴリー1

·              投資額: NZ$1000万ドルを3年間投資

·              最低事業経歴年数: 無し

·              年齢制限: 無し

·              最低英語力証明: 無し

·              最低移住資金: 無し

·              最低NZ滞留期間: 3年間のうち、最後の2年間は、1年につき73日以上

 

インベスター(投資家カテゴリー2

·              投資額: NZ$150万ドルを4年間投資

·              決算資金: 100万ドル (ニュージーランドへの送金の必要なし)

·              最低事業経歴年数: 3年

·              年齢制限: 65歳まで

·              最低英語力証明:英語環境でのバックグラウンドもしくはIELTS3.0以上

·              最低NZ滞留期間:4年間のうち、最後の3年間は、1年につき146日以上

 

2)  永住権取得のポイント

 

この部門での投資は、個人の銀行口座への投資や不動産の購入は投資とは見なされません。 よってニュージーランドでビジネス投資をすることが必須となります。ビジネス投資で今後のニュージーランド経済を支え、発展につなげることが条件です。

また、この部門では永住権受給者数を年間300人(主申請者ベース)に設定しています。



tom_eastwind at 01:15|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 | 移住相談

2009年09月26日

新聞はいかがですか?

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飛行機に乗ると真っ先に聞かれる質問である。

 

もしこれが「エロ本はお読みになられますか?」と聞かれたら、普通は誰でも怒るだろう。そして恥ずかしそうに「こら!そんなもん、人前で見れるわけないだろ〜が!」

 

しかし面白いことに、機内の男性客、どうみてもビジネスで飛行機を利用している乗客は結構普通に「スポーツ新聞ありますか?」と聞く。

 

僕的にはこの時点でOUT。

 

スポーツ新聞が大好きな人もいるだろうが、ありゃあ得ろ本ですぜ。

 

どっかの風俗探検記とかしょうもない芸能人の下ネタとか、そんなもんを人前でど〜んと広げて読むあの神経、場所を選ぼうぜと言いたい。

 

もちろん得ろ本の存在は全く否定はしておりませんが、自分がそれを人前で広げている場面はどうも想像出来ない。

 

だから読む場所を選べばどうですかってのがぼくの意見。

 

どっかのハプニングバーで酔っ払って何かするんだったら、そりゃそういう場所なんだからそれでいいけど、だから英語で言えば「T・P・O」ですか、えっと、Time、PlaceOccasionだっけな、たまにパーになるおじさんだっけな、まあどっちも意味が似ているので良いとしよう。

 

けどけど個人的に頭に来るのは、飛行機の中でそんなもん読んで芸能ネタと昨日の巨人のゲーム差しか学んでない状態で「おれさ〜、仕事にいろいろ不満があるんだよね〜」なんて言わないで欲しいってこと。

 

自分がバカになる道を選んでおいてその結果ほんとに馬鹿になって出張中の飛行機の中で得ろ本広げといて今更出世も成長も労働市場における価値もないもんだ。

 

ランチタイムでも休憩と称して喫茶店に入り込んでくわえ煙草でスポーツ新聞広げて30分の時間を無駄にしている。

 

一日30分あれば一年で365倍である。10950分、182時間、どれだけ勉強出来ると思う?

 

だからと言って僕が飛行機の中で三大新聞を読むわけではない。あれもスポーツ新聞予備軍である。飛行機の中で新聞を勧められて「不要」と言うと不思議そうな顔をされる。

 

そういやテレビのスイッチも入れなくなって久しい。

 

けどまあうちの会社がなんとかここまで生き残ってきたのも、やっぱり時代に合わせて次々と業態を変えてきたからであり、変えるきっかけは世間の空気でありそれを感じて変化しようとする危機感であり、その危機感と世間の空気を感じたからで、その何かが「既存メディアは終了」と言ってるからなのだ。

 

情報は今、いろんな形で吸収出来る。その気になれば全世界のほぼすべての事がインターネットを通じて吸収出来る。そんな時代になったのだから、わざわざ洗脳される為に自分からカネを払って既存メディアに頼るのもばかなもんだ。

 

けどまあ、そんな事を思いながらも隣の席で堂々とえろ新聞を開いてる日本人を見ると、あ〜あ、やっぱり日本人男性、お先真っ暗ですな、どうしようもないかもねとついつい思ったりする。

 

写真は香港の鯉魚門。伝馬船で釣りをしている漁師の後方には最新型の漁港。伝馬船、今では何人の人がこげるのかな?



tom_eastwind at 00:57|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2009年09月25日

サラダとサンドイッチ

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そろそろ駄目かも。またも精神的にかなり疲れが溜まり始めてる。

これって肉体的な疲れだったらマッサージとかで良いんだろうけど、仕事がどんどん積み重なって、どれも外せない、てか性格的に外したくないので全力投球でやるものだからどうしても頭の中がパンパンに膨らんでくる。

外から見れば「何をそんなに」と思うかもしれないけど、性格上どうしても、大きな城壁を打ち壊すのも目の前のちっちゃなハエを打ち落とすのもおんなじサイズの大砲を持ってきてどーんとやるもんだから、案件の重さに関係なく発射量は同じ。

奥さんから見ればバカだね〜って思われているのだけど、こりゃもう仕方ない、性格の問題なのだ。

でもって東京に出てきて会議を何本もやって、でもって新規の案件が入ってきて、その場ではよっしゃ!と言う気持ちになるのだけど、結局全部片付ける頃には脳みそが擦り切れている。

東京での初日。お客様に呼ばれてホテルのバーで遅くまで飲むが、この時は快感。

何故なら同席していただいたある医師のお話をお伺いできたからであり、もちろん医者だからって尊敬しているわけではなく彼の話の展開が実に僕の持っている持論と思いっきりど真ん中にはまったからだ。

自由電子と風水と魂。おおお、まさに自分のテーマではないですか。こりゃ面白い。本来の目的は当社が製造したホリスティック商品の話だったのだけど、そんなのはそっちのけですっかりその方の話に聞きほれてしまう。

今時これだけ自信を持ってしっかり語れる人って少ないよね、思いっきり耳を傾けて聴く。

その時は「やっほ!幸せ!」と思うのだけど、その反動はやっぱり次の日に来る。

それだけ精神力を使うとその分やっぱり心疲れをするのだ。

ガキが昼間に遊びすぎて、夕方ご飯を食べてばた!っと寝るようなものだ。

だもんで結局昨日はそれまでの仕事の溜まりと医師の話の興奮と昼間の会議の内容整理で頭がパンパンになってしまい、結局ほとんど金縛り状態。

部屋で風呂に湯を張るのだけど、もう途中で頭がもうろうとしてしまい、半分も張らないうちから体をつけて、でもっていつもなら読書を楽しむのだけどそれさえもかなわず、何せ文字が目に入らない。

文字が眼から入るのを眼が拒否しているのだ。ぼくの視力はかなり良い。今でも眼鏡は不要だ。けど視力の問題ではなくその後ろにいる脳が眼に指示をして「もう駄目よ、一杯ですよ、入力拒否ですよ」と言ってるのだ。

思わず溺れかけたお風呂から出て、そのままかなり気分悪い状態で着替えて行きつけのホテルのバーに行く。

いつもの如くカウンターに坐り、よく冷やした水割りと、でもってクラブハウスサンドイッチとシーザーサラダを注文する。

今日は忙しくてお昼も結局部屋で作ったどんべえだもんね。普段ならサンドイッチかサラダかどっちか一つなんだけど、今日はさすがに空腹なので二皿。

ああ、それにしても脳みそパンパンですね。けどこりゃどうしよもない。

丁度夏の暑いときにカキ氷を一気に口に流し込んで頭がずっきーん!とするようなものです。どうしようもない、時間をかけて痛い脳みそがゆっくりと元に戻るのを待つしかない。

何杯めかの水割りを飲んで少しサンドイッチを食べて、やっと頭が落ち着く。

ふ〜。

いつまでこんな事やってんのかな|、けど性格だから仕方ないもんなとか思いながら、少し落ち着いた脳みそで自由電子と風水と魂を考える。

結局こんな瞬間が一番好きなんだろうな。現実問題から全く違う科学の世界に移動して、お金の事も世間の事も全て忘れて科学に没頭する。

けどふと現実に戻って周囲を見回すと、どこも楽しそうにカップルや友達同士で酒飲んでる。

それにしても、おれはここで一人で何してるんだ?そんな疑問が頭をよぎる。

そんな時に自然に頭の中にかかった音楽がサイモン&ガーファンクルの「Homewardbound」である。

ふるさと行きの列車、そんな感じかな。僕は次の仕事の為に鉄道駅で列車が来るのを待ちながら、その列車がふるさと行きだったらいいのになって思う。

やばいっすね。頭が擦れすぎてる。今晩は例えまぶたを閉じられなくても部屋のカーテンを閉めて真っ暗にしてしっかりとベッドで横になろうっと。

おやや、です。

 



tom_eastwind at 14:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2009年09月24日

博多のうどん

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ロンドンから福岡へは結果的に福岡で3泊滞在となった。

 

ロンドンから香港経由東京の航空券を福岡行きに変更する際はさすがに電話で手続きしたけど、それ以外のホテル変更などはすべてインターネットで行った。

 

文明の進歩ですね。

 

福岡到着の初日は雨でそこからもずっと雨の予報だったけど、結果的には二日目から薄曇、そして晴れとなり、おお、おれやっぱり晴れ男じゃんと思う。

 

ロンドンでも毎日青空が広がってて、なんだ、薄暗いロンドンってイメージと違うよね、なんでイギリス人はニュージーランドにわざわざやってきたの?と思わせたくらい。

 

けどまあロンドンの場合は食事をすると移住したくなる気持ちはよく分かる。イギリス人が世界制覇を狙ったのは食い物目的なのだと言われても充分に納得出来る味である。

 

だからと言って1840年代のニュージーランドの食い物が美味かったわけではない。食材としては美味しいのだが、そこにイギリス人の味付けをすることで想像も出来なくらい不味い料理に仕立て上げたのだから。

 

もちろん今のロンドンはそれなりにきちんと食える和食があるしオークランドでは結構美味しいものが食える。

 

しかしな〜、やっぱり福岡に来ると食い物の美味さが桁違いである。

 

福岡に到着したのは夜の9時過ぎ、荷物を片付けて近くのコンビニに寄ってカレーパンとかしわおにぎりとウイスキーを一本買って、部屋に戻って船戸与一の満州国演戯第五巻、「灰塵の暦」を読みふける。

 

しっかしまあ、たかだと言っては失礼だけど、コンビニのパンとおにぎりでもこれだけ美味い。添加物たっぷりは理解しているが、非常食として考えれば実に高品質と言える。

 

真夜中でもお近くのコンビニに行けばあっと言う間に当面必要な物が全部揃う。ある意味あれって自宅の冷蔵庫と物置代わりの存在だ。その冷蔵庫に美味しい食べ物が24時間詰まっているのだから、こんな贅沢なことはない。

 

空気ってのは、なくなって初めてありがたみを感じるのだろうけど、今の日本人は自分がどれだけ贅沢な立場にいるかを分かっていないのではないかと真剣に思う。

 

そして翌朝。僕は福岡では朝ごはんはホテルで食べない。ホテルの入ってるキャナルシティのすぐ横にウエストと言ううどんやがあるのだけど、ここが朝ごはんの行きつけ。

 

ドライブイン形式で店の前に車が駐車出来る独立店舗で、一階がうどんや、二階が焼肉やになっているこの店は、基本的にファミレスのファストフードって位置付けかな。

 

けど、何よりもここで飯を食うのは、単純にそれが美味いからだ。美味い不味いには人それぞれの基準があり、ロンドンのイングリッシュブレックファーストが最高と言う人もいるだろうし香港のお粥が最高と言う人もいるだろう。

 

英国式朝食が美味しいかどうかは別にして香港のお粥、あれは確かに美味い。だから香港では朝食は下町のお粥を食べる。

 

けど福岡では何と言ってもこのウエストのうどんである。讃岐うどんほど堅くなく、かと言って大阪のうどんほど柔らかくなく、その中間の、ぼくにとって程よい腰のある太麺とつゆの甘さ、それに乗っかってくる具材の豊富さ。いや〜、福岡はファストフードでもここまで美味いのである。

 

今朝は何にしようかなとメニューを見ながら目移りするが、今朝は肉うどんに生卵トッピング。この店が何よりもウレシイ隠れた一番の理由は、うどんにネギが乗っからないことである。

 

ネギが全く食えないぼくは麺の注文をするたびに「すみません、ネギなしでお願いします」と注文するのだけど、要望が100%通るわけではないのは経験で理解している。

 

ネギが乗っかったうどんがテーブルに来るたびに、持ってきた店員さんとぼくはお互いに哀しそうな眼で見つめあうしかなくなる瞬間がいつも辛い。

 

ところがこの店ウエストでは、ネギが最初からテーブルの上のカンの中に入っており、好きなだけ入れてくださいというのが標準。だから何も言わなくてもネギなしのうどんがやってくるのだ。

 

安心して注文が出来ると言う心安さは、これがもう味よりも何よりもお店を好きにさせてくれる大きな理由である。

 

でもって博多名物なのかな、かしわおにぎりを一個注文してからレジの隣にあるおでんを取りに行く。狙いは牛スジ。これを2本取り上げて、ちょびっと辛子をお皿に付けて自分の席に戻り、さっそくがぶっと食べる。

 

うまいな〜。それにしても、何で福岡の食い物はこうもうまいのか、そんな実感をさせる瞬間である。そしてすぐに持ってきてくれた肉うどん卵落しとかしわおにぎり。

 

うどんつゆを一口飲み、風味が口中に残っている間にかしわおにぎりをがぶっとガジる。

 

うっまいな〜。おにぎりの米粒とつゆが程よくからみ口の中で華やかな和の彩を広げてくれる。

 

日本人でよかったな〜、ほんとにそう思う一瞬である。

 

味覚ってのは面白いもので、西洋人は白身魚の味の区別が出来ない。中国人は日本式の米の美味さを今だ理解していない。そして日本人はいまだに牛肉の醍醐味を知らない。

 

もちろん明治からの西洋礼賛と牛肉信仰とマグロの霜降りが混ざって出来た霜降り牛肉が美味いと本気で信じている日本人が西洋人にどうこう言えないだろうし、中華料理に合う渇いた米の美味さを理解出来ない日本人が中国米をどうこう言う権利もない。

 

けど、しかししかし、日本式の米はその用途、つまり日本食と合わせた時に絶大な力を発揮するのだ。

 

とくに魚から取っただしで作ったうどんつゆと日本式に炊いたご飯でそこに鶏肉味を浸み込ませたかしわごはんとなると、こりゃもう「な〜んも言えん」美味さになる。

 

そして味付けした薄切りの牛肉がなんでこんなにうどんだしと合うのか、誰か科学的に説明してほしいくらいだけど、この相性がまたとても良い。そう、牛肉は厚めに切るとごろごろ感があってうどんやご飯には合わないしその味付けも大事なんだろうけど、この薄さが牛肉の強さをほどほどに押さえてくれて実に調合の良さを表現してくれる。

 

そこにかしわめしと牛スジを程よく合わせながらうどんのツユをまじえて口の中でほぐしていくと、こりゃもう極楽。

 

スジとかしわと牛肉うどん、日本人でよかったと本気で思う瞬間である。



tom_eastwind at 13:33|PermalinkComments(0)TrackBack(0) NZの不動産および起業 

2009年09月23日

かしわおにぎり

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ロンドンで4日滞在して市場調査も無事終了、てか、得るものがかなり多い旅になった。

なんだ、こんなことならもっと早く来ておけばよかったとか思う反面、今来たから、つまり今まで英国共栄圏の辺境の地にいたからこれだけ理解出来たんだなとも思う。

ぼくが6年間生活した香港は、当時は英国の植民地であった。クリスパッテンという総督がすべて自分で仕切ってた時代。

ニュージーランドは言わずと知れた英国の衛星国家。今でも一番上は女王陛下である。

数年仕事をしたカナダも、勿論英国圏。あそこの仕事は面白かったな。よく勉強になった。

インドは実は日本で生活してた時代に仕事で数度行ったことがある。

あと、英国圏で行ってないところと言えば南アフリカくらいか。

ロンドンから12時間の飛行で香港に戻り、2時間の乗り継ぎをはさんで福岡に行く。このフライトが4時間。

福岡に着いたときはもう夜中で、翌日は朝から会議が入ってたのでとりあえずベッドに入ると、おお、眼が覚めたらもう朝じゃん。1時間も経ってないような気がするぞい。

大体において会議をやると宿題が残る。これを処理しているうちに次の会議の時間となる。全然自由時間ねえなと思うけど、まあいいやこれがおれの仕事。

唯一胃袋がほっとしたのは、福岡に泊まるといつも行くうどんやで美味しいうどんとかしわおにぎりと、それに牛スジのおでんが食えたこと。合計で1040円でちっちゃい幸せを買えたぞ。

うどんやの話はまた後日。

写真はホテルの横でやってる大道芸人です。ここ、いつもたくさんの人が大道芸を見学?に来てるんだよね。

思わず「どちらからですか〜?」と聞きたくなるぼくの性格の悪さ。失礼な!って言われそう。この意味が分かるのは福岡人だけ。



tom_eastwind at 12:52|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2009年09月21日

スーツ

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ニュージーランドであまり重宝されないのがスーツだ。けどロンドンではこれがそのまま戦闘服になる。

肌の色ではなく着ているもので判断される、そんな雰囲気、かな。

ジーンズにTシャツだと、まるで透明人間。誰もこっちを認めない。それがスーツをきちんと着ていると、そこにいる事を認めてくれる、そんな雰囲気があるのがロンドン、かな。

もちろんたった数日過ごしただけで何が分かるわけではないが、ニュージーランド、シドニー、バンクーバー、香港、そして今回のロンドンと過ごしてみてそれぞれの街の位置付け、てか、すべてのキーポイントが英国なんだなってよく分かった。

着ている物で人を判断するな、人間は中身勝負と言い続けながら生きてきたけど、なるほど、着ているものも大事だし、更に中身も大事にしようって事なんかな。

う〜んと、まだ消化不良なロンドンです。

 



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2009年09月20日

なるほど

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薩摩と英国の戦争で、結果的にお互いを認めて手を組んだって話がなんとなく納得出来る今回。

イギリスと言う国が持つ独特の雰囲気は、その良い部分が随分とニュージーランドに持ち込まれている気がした。

真面目、勤勉、公平、なんてかな、社会がなぜ存在するのか、その為には何が必要か、そういう事を長い時間をかけて身に付けた人種だ。

ニュージーランドと言う場所は思いっきり田舎だからここで生まれ育った人々は自分たちのルーツがナンなのか分からないと思う。

都会で生まれ育った人々がその後半の人生をのんびり過ごすという意味ではニュージーランドは実に良い場所である。

ただ、ニュージーランドで生まれた人々は、一度は海外、それも自分の宗主国である大英帝国で生活をしてみるべきだろう。

かなりばたばたとした出張だったけど、ロンドンは非常に勉強になった。なりすぎて文字に出来ない。消化に時間がかかりそう。けど、なんてかこれはここ数年でトップクラスの勉強だったな〜。

来年はロンドンで何かのビジネス展開が出来るのではないかと個人的予測。ここなら戦える、そんな感じがする。

お、飛行機の時間だ、いかねば。



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2009年09月19日

エヴィアン

移動ばかりでブログ更新の時間なし。

と言うわけでもなく、やっぱり自分で消化出来ないときに文字化できないだけで、そういう意味でここ数日は自分にとって「思いっきり消化出来ない日々」であった。

世の中にある最大のボッタクリ集団を見学に来たのだが、こりゃまあ桁が違う。ここまでやれば豊臣秀吉の言ってたことが良く分かる。

なんだっけな、意味としては、人の財産を奪えば泥棒だけど国家を奪えば英雄、みたいな話。

そんな英雄顔した連中がネクタイして街を歩いてるんだから何もいう事はない。

物価がたっけーなとか、道行く人々が公平(Fair)だなって感じながらロンドンの街を歩いている。

それにしても消化不良。まともに書くと、こりゃ本になるぞ。

 

 



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2009年09月15日

鶴の舞い落ちる日

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日本航空がデルタ航空と提携?

1980年代の業界を知っている人間は、皆ため息をついてるだろうな。「おお、時代はここまで変わったか〜」とか、「あ〜あ、遂に鶴は消えたか」まで。

 

 

日本航空が大規模な経営再建策を進めている。成田-サンパウロや成田−ローマなど採算の良くない路線を切り捨てて、同時にデルタ航空と言う「系列外」の航空会社からの出資も受けようとしている。

 

と言うのが日本航空はOneWorldに加盟しているがデルタ航空はOneWorldの競合相手、そこからの資本を受ければOneWorldから離脱するのか?それとも他の方法を取るのか?

 

いずれにしてもかなりの苦肉の策であることが分かる。

 

デルタ航空はノースウエスト航空と合併しておりすでに日本路線のルートがある。日本航空からすれば単独で路線を守るよりもノースウエスト航空と共同運航にすれば良い。なので米国のネットワークを守ると言う意味であろう。

 

こんなもん、元々デルタが話を持ってきても国交省がNOと言えばそれで終わる話だから、デルタとの合併は国交省も納得の上であろう。

 

と言うことは国家レベルでフラッグキャリアの今後の行方を定めようと言う話であり、今後の航空行政に大きな影響を与えるのは間違いない。

 

現在は誰もがご存知、東京-オークランド間は日本航空の機材は就航していない。この路線ではStarAlliance系列のニュージーランド航空と提携している。東京−香港は反対にOneWorld系列のキャセイ航空の機体で運航している。二人の男に言い寄られてる細身で色白、つまりなよっちい美人って感じか?

 

じゃあ何で日本航空ってここまで経営が悪化したの?

 

山崎豊子の「沈まぬ太陽」を読んだ人ならお分かりだと思うが、一番大きなのは国家公務員的体質とそれを利用し尽した議員連中、そしてその体質を利用した労働組合である。

 

元々国が実質的に運営する航空会社として日本航空は運航を開始した。両手両足を航空当局に規制され、箸の上げ下ろしまで指示される始末。

 

その代わり売上とか損益とか難しい事は考えなくても良い。赤字なら国が補填するし、第一当時次々と開設した「美味しい国際路線」はすべて日本航空が独占して利益を取れたのだ。全日空は国内幹線、東亜国内航空(TDA、Toa Domestic Airlineなんて言っても、もう誰も知らないですよね)が国内地方路線と完全に棲み分けされていたからだ。

 

ちなみに航空会社の識別番号である2レターコードは全日空の場合はNH。元々は日本ヘリコプターと言う会社が前身である。

 

当時も(今も?)日本航空と言えば花形企業でありながら経営とか努力とかが不要だったので社員の能力はそれほど問われない。

 

要するに上のいう事を「ごもっともっと!」と言えれば良いだけなので、大学の成績が一般の方より大幅に不足していた良家のご子息が入社するには最適だった。そこで議員が地元対策として票田区の良家のご子息の就職の世話をする流れが出来た。

 

ある時九州の福岡支店に転勤の辞令を受け取った都内の血筋の良い良家のご子息が通う大学を卒業した若手社員が「あのすみません、私は箱根から西に行ったこともないし九州なんて・・・」と親の七光りで辞令を撤回させたこともあるような状態だ。

 

労働組合は今の時代からは想像も出来ないほど戦闘力を持っていた。よくも悪くも顧客よりも自分たちの労働条件が第一だったのである。

 

パイロット、機内乗務員、地上整備員、一般社員、それぞれが自分たちの権利を主張して会社と戦うだけでなく、それぞれの組合同士で内ゲバ状態が続いたのだ。

 

そこに会社側が組み合い潰しの為に第二御用組合を作ったりしたもんだから社内が完全にばらばらになり、誰かが何かをしようとすると必ず反対派が出てきて裏に表にそれを潰していった。

 

僕自身の経験で唯一日本航空が「よくやったな」と思ったのは「日本航空御巣鷹山墜落事故」の際の事後処理である。

 

1985年8月12日、お盆を迎えた東京から福岡に帰省する乗客で満席状態だった日本航空123便が「行方不明になった」とテレビのテロップに流れたのは夕方6時ちょっと過ぎではなかったかと思う。

 

業界仲間と麻雀しながらちらちらとテレビを見ていると、時間が経つに連れてますます状況がやばいことになっているのが分かる。すでに燃料もなく、海に落ちたか地上に墜落したか、しかしどこにもその消息が現れず。やばいっすねこれ、とか言いながら、途中から冗談ではなくなったのを今でも鮮明に覚えている。

 

そして翌日。遂に日航機は群馬県の山中で墜落しているところを発見された。

 

奇跡的に救出された少女の写真が日本中を駆け巡り、ボーイング社は早速事故調査委員を現場に送り込み、これから日本航空とボーイング社の長い責任の押し付け合いが始まったのだ。

 

しかしその当時現場の日本航空職員が取ったのは徹底した遺族向けサポートであった。とにかく手の開いている職員を次々と福岡に送り込み、遺族が納得出来るように徹底して話を聞き対策を検討し、それから長い事後処理が行われた。

 

自分もそれを現場で見ながら当時の日本航空の職員と話したが、「いや、これ、俺たちの責任ですよ」と、それまでの役所感覚と違ってかなり真面目に語ってた。

 

同時に当時のライバルであった全日空の職員をして「うちにはあんな徹底した遺族対策は出来ない。ありゃもう、国家系企業だから出来ることだけど、それにしてもすっげーよな」と言わしめたほどである。

 

けどそれから確実に日本航空は下り坂をゆっくりと下っていった。あまりにゆっくり過ぎるから最初は誰も気づかず、業界内では殿様航空と呼ばれたり、全日空が明確に攻めの姿勢で国際線に参入した際も何の手立ても打たずに「まあ大丈夫だろう、お上がついている」的な発想であいも変わらず社内闘争に明け暮れていたのだ。

 

社内闘争では組合、経営側、航空当局、それぞれが様々な思惑を持って日本航空と言うフラッグキャリアを振り回した。

 

まさに「振り回した」としか言いようがないほどの無軌道ぶりで、それこそ「迷走」であった。そして遂に現在の状況を迎えることになり、企業として完全に生まれ変わる必要が出てきたのだ。

 

これからは空に飛行機を飛ばすだけが航空会社の仕事ではなくなるかもしれない。

 

同じ路線を2社が運行しててそれぞれの搭乗率が50%なら、両方を一つにした方が良い。

 

これは合理的な考え方だが、基本的にどこの国でも航空会社は自前主義であるので、他社と共同運航なんてのは嫌だ。

 

ところが世界的な流れで航空会社だけが赤字のままで良いはずはない、国家の面子よりもビジネスでしょってことでStarAllianceやOneWorldなどの航空連合が出来てコードシェアで世界中のネットワークを構築するようになった。

 

じゃあJALって何やるの?極端な話、飛行機の日本国内での整備を請け負いながら国際線航空券を販売するだけで良いかもしれない。これでも利益は出せるのだから。

 

航空会社と言う看板だけは残して、航空券やパッケージツアーを売る旅行会社機能、それに各空港に配備した整備機能。あとは国内線幹線だけ飛ばせておけば良いんではないか。

 

正直現在は全日空に勢いがある。てか、1980年代からそうだった。役所に睨まれても叩かれても、それでも雑草のように影響力を増大させていったあのDNAが今もあると感じる。

 

なので国際線の役目は官僚的なJALではなく世界に通用するビジネス感覚を持つANAにするなんてのもありだろう。

 

いずれにして、川の流れは絶えずしてしかも元の水にあらず。日本の空を飛行機は飛ぶけど、尾翼のマークが次々と変わっていく時代になったのだ。

 



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2009年09月14日

幸せな人を支える不幸せな人

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昼過ぎに奥さんをオープンホームに降ろしてからりょうまくんをつれてセントルークスショッピングセンターへ行く。

 

それにしてもここはあいも変わらず賑やかだ。北半球の不況とか英国や米国での大不況とか、全然関係なさそうに見えるのは気のせいではないだろう。

 

 

家族連れやカップルが楽しそうにフードコートで食事しながら、明日に何の不安もないようにケラケラと楽しく笑って過ごしている。

 

基本的に南太平洋から来たパシフィックアイランダーは明日の事を悩まない。あまり難しい事を考えない。楽しければ笑うし悲しければ泣く、これのみ。これ以外の感覚、悩むとか考えるとか予測するとかは日常生活で発生することがすくないので非常に簡単である。

 

これに更に知能的な楽天家が中国人である。

 

明日は何が起こるか分からない独裁社会で何千年もの間生きてきたのだから、悩むとか考えるなんてのは世界でもトップクラスであるが、同時に悩んでいるだけじゃ何も進まないしどれだけ自分で計画して行動しなくちゃいけないかも分かっている。そしてそれでも他の外部的要因で計画がぶっつぶれるなんてのもしょっちゅう。

 

だからまず頑張るけど、同時に今日を楽しむと言う習慣が身についている。

 

これに最近付け加えていいと思うのが韓国人のケンチャナヨ精神。大丈夫だよ、やってみようよ、みたいな「今日を楽しむ精神」である。

 

そんな陽気な連中が世界中から集まってフードコートで飯食ってるんだからそりゃ賑やかにもなるわな。

 

ましてやこの国では社会保障が充実してて働かなくても食っていけるんだから、こりゃあんた、極楽ですぜ。

 

そんな中で毎日一生懸命なやんで先々を計画作ることに一生懸命で、けど肝心の「自分自身の戦闘能力」を高めることは出来ないのが日本人かなって感じがする。

 

とにかく何があっても心配する性格。そして何もなければないで心配するんだから結局生きている間中心配している民族と言うことになる。

 

これじゃストレスも溜まるよね。その結果としてストレス発散の為にパチンコやカラオケ、女性ならアロマとか癒しとか、稼いだ金がそんなところに流れていく。そりゃまあお金が循環することは社会経済から考えればとても良いことなのですが、これってまるでマッチポンプではないかと思う。

 

いつも不安だからとにかく何かをしないといけないと思いストレス解消の方法を見つける。けどストレスが解消するとまた次のストレスを見つけて、けどそれがお金かかるから益々激しく働く結果、更にストレスが溜まる。なので下記のようになる。

 

不安⇒自己強制労働⇒ストレス蓄積⇒ストレス発散⇒不安⇒更に自己強制労働⇒ストレス蓄積⇒ストレス発散⇒・・・・・。

 

とかく他人の人生に口は出すくせに自分はストレス抱えて生活しているんだから、ほんともう不要な世話ですね。

 

それに比べればお金がなくても楽しく生きるコツを知っている南太平洋の人々は、お金がある日本人よりもよっぽど幸せに生きていると思う。だって幸せって最終的には自己満足なんだから。

 

けどまあ日本人の擁護をするとすれば、世界中の人々が南太平洋やってたら文明の発達もなかったろう。

 

飛行機が空を飛んで人々が情報交換をすることで世界が進化して、例えば食料が冷凍出来て旱魃のときでも飢え死にしなくて、医療技術が発達して昔なら死んでたような子供の命を助けることが出来て、そんなこんなで文明の進歩も捨てたものではないのだ。

 

その意味において日本人が世界で大きく貢献しているのは間違いない。

 

ただその一番頑張って貢献している人々が結局自分の身を擂り潰して時間外労働、休日労働、年休不消化、真夜中帰宅朝一出勤、家族の会話も存在せずそれでいて受け取る賃金は何とか生活を支えるだけ、旅行に行く暇もカネもない、一番不幸に近いってのは悲しい皮肉ですね。

 



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2009年09月13日

もう一度景気の大底が来るようですね

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仕事柄、あちこちで情報収集をする。

 

このような情報収集の時間が仕事の半分くらい占めてる。

 

とくにインターネットでデータ収拾をするときなどは半日近く画面と取っ組み合いなので、一仕事終わったらもう眼がくたくたである。たぶん脳みそもしわが相当増えたはずだ。

 

 

それにしても新聞社などのマスコミ、インターネットは便所の落書きなんて言ってたけど、現状を見てみればそれがいかに自己欺瞞だったかよく分かる。

 

何せ日刊紙に掲載されている今後の経済特集の内容はどこの記者がどうやって取材したかなどは一切書かないし責任も取らないから、これこそ便所の落書きだ。

 

これに比べてインターネットで経済学者などが個人名を出して書いている経済予測の内容が日刊紙と同じかそれ以上の内容(殆どの場合ソレ以上)なんだから、どっちの方がよほどしっかり責任を持った内容か比べたらすぐ分かる。

 

こちらの新聞では記事に署名が入るのが普通であり、書く方だって責任を取る。けど日本だと誰も責任を取らないんだから、それが当然と思ってること事態が問題だ。

 

まあそんなこんな、しょうもない事を考えながら「底入れ」したと言われている経済が、実は10月頃に再度大きく揺れ動くのではないかとは金融界の中ではどうも共通の認識のようだ。

 

サブプライムで何とか生き残ったローン支払い者も、今度は失業によってローン支払いが出来なくなり、借り換えも出来なくなってこれが金融機関に再度大きな影響を与える可能性がある。

 

米国発USドルの急激な下落による市場の激変は、殆どのアナリストにとっては「起こるか起こらないか」ではなく「いつ起こるか」の問題と移行している。

 

そして去年から指摘されてきたように、今政府がじゃぶじゃぶと資金を市場に供給しているが、どこの大企業も3過剰、つまり債務、雇用、設備が余っているのでカネを借りようとせずに、中小企業では借りるだけの保証もなく、結局この資金は海外への投資と流れている。

 

これは最初からある程度読めたことであり、日本の企業投資先がなくなった現在は、日本の不動産に資金が投入されるか海外に流出するか、それしかないのだ。

 

そんな中でじゃあ一般庶民はどうすればいいのだって話になる。

 

答えはいつの時代も同じで、しっかりと眼を開いて将来を見据えて毎日一生懸命働くことだ。

 

英国人のように紅茶を飲みながらカネに働かせるだけの能力も学んでない、自分が働かないことに躊躇いを感じる人種である日本人なんだから、自分が出来る得意分野、つまり毎日働くこと。

 

これに付け加えれば、とにかく毎日学ぶことだ。今日と同じ明日は来ない、そう割り切って常に時代においついていくことだろう。

 

次の米国発不況が世界を覆ったら、その次に来る100年の流れは世界の3極化である。

 

20世紀の覇権を誇った米国も21世紀にその力を失い、力の源泉であった欧州から移住してきた投資家はまたも欧州に戻り、そして世界の大国として中国がアジアの中心となる。

 

そして、アジア、欧州、北米大陸が3極となって世界経済が回るようになる。

 

米国の著名投資家もシンガポールに移住したり、これからの100年に備え始めている。今回の大底は本格的な21世紀の始まりであり、この不況が終わったら世界の景色は全く変わったものになる。

 

ちょうど10年ほど前に新聞に投稿した記事で「国境の長いトンネルを抜けると、そこは雪国だった」をもじって、国境の長いトンネルを抜けると、そこは別世界であったと書いた。

 

そして日本はその通り、10年前と全く違った国になった。雇用、教育、経済、すべてが変化した。

 

これからは世界が同じように変化していく。

 

国境の壁が低くなり人々が自由に移動するようになり、戦争によって決められた国境とは別に経済圏がそれぞれ自立して運営されていくだろう。

 

日本やニュージーランドは国境が海なので区別しやすいが、それでも近い将来に北東アジア経済圏の中で何らかのポジションを得るだろう。それは恐らくちっちゃいけど技術に優れた地域と言う位置付けだろう。

 

中国はその技術を生かして国内経済に活用すると同時に、他の2極に対しては日本の技術を有効活用してアジアを一つとして外交、経済のリーダーとなるだろう。

 

今、自分の生きている間に何がどうなろうと大丈夫と思ってる人もいるだろう。そう。あなたは大丈夫、てかどうでも良い。何故ならあなたは自分で自分の人生を選択したのだから。

 

けどあなた達の子供はどうしますか?算数や理科を教えたりする「作業」をいくら覚えても、人生の大きな波を潜り抜けて生き残る技術は身につきませんぜ。

 

子供が波に巻き込まれても親としては助けようがない、そんな時代が来るとすれば、今子供に推していくことは何なのか。

 

何を教えるのか、どこで生活の糧を得るのか、どこで生きていくのか。

 

これからやってくる大底、これを機会に21世紀を生き残っていくことも考えてみればどうでしょうか。

 

写真はクイーンズタウンの湖畔で鴨に餌をあげる人。



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2009年09月11日

カネに働かせる

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やっと仕事が追いついた金曜日。追っかけてないと気が済まない性格なのでここ数週間は結構いらいらさせられた。

 

けど、金曜日に働く時点ですでに一般的なキーウィビジネスマンには負けてるかも。

 

と言うのが金曜日の朝になるとシティに向う車の交通量がぐぐっと減る=出勤しないキーウィが多いからだ。平日の2割減少くらいではないか。とくにりょうまくんを学校に送ってから通るタカプナあたりでは3割減少ではないかと感じるくらい。

 

たぶんこのあたりの高級住宅街に住む人たちって、金曜日は働かないんだろうね。

 

実際に平日の昼間からカフェで大の男たちがのんびりとコーヒーを楽しんでたりするけど、彼らに「働きもせずに何してんの?」って聞くと、「おう、カネに働かせているんだ」と実に分かり易い回答。

 

労働に対する考え方の違いだろうけど日本人労働階級である僕は自分の体を動かしてないと罪悪感を感じるほうなので、金曜日だって言ってもせっせと会社に向かうのだ。

 

その代わり、仕事の終了時間は早い。りょうまくんの学校の迎えがある時は14:30には退社、そうでない時も16:00頃にはずらかって、近くのスーパーで食料買い込んでキッチンパパである。

 

料理と皿洗いが終わったらまたもパソコン立ち上げてばたばたと働く。

 

結局朝から晩まで体を動かしているわけだが、それに比べると金曜日に仕事をしない、カフェでカネに働かせている英国人ってのは、なんつかもう最初からスターと地点が違うよねって感じ。

 

本当の意味での資本主義者ってかな、とにかく自分は資本を持ち込むけど手に汗して働くのではない。それは労働者の仕事だ。労働者が一日20時間働こうが、それが10歳の子供だろうが低賃金だろうがナンだろうが、とにかくそんなのは労働者および経営者の問題、オレ、関係ないもんね。

 

実際にマルクスの本とかにも書かれている1800年代当時の英国の労働環境は凄まじいまでに酷かった。

 

1836年六月初頭、デューズブリ(ヨークシャー)の治安判事のもとに告発状が届いた。それによるとバトリー近郊の八大工場の経営者が工場法に違反したという。これら紳士たちの一部が告発されたのは、彼らが十二歳から十五歳までの五人の少年を金曜の朝六時から翌日の土曜日午後四時まで、食事時間および深夜一時間の睡眠時間以外にはまったく休息を与えずに働きつづけさせたからだという。しかも少年たちは『くず穴』と呼ばれる洞窟のような場所で休息なしに30時間労働をこなさねばならない。そこでは毛くずの除去作業がおこなわれるが、空中には埃や毛くずが充満し、成人の労働者でさえ肺を守るためにたえず口にハンカチを結びつけておかねばならない。」

 

「夜中の二時、三時、四時に九歳から十歳の子供たちが汚いベッドのなかからたたき起こされ、ただ露命をつなぐためだけに夜の十時、十一時、十二時までむりやり働かされる。彼らの手足はやせ細り、体躯は縮み、顔の表情は鈍磨し、その人格はまったく石のような無感覚のなかで硬直し、見るも無残な様相を呈している。」

 

なんだってさ。

 

優秀な社会主義国で生まれた僕としては、そいでもって伝統的な日本人であるぼくとしては、やっぱり差別の無い横一列の方が馴染むし体を動かす労働の方が、社会に貢献しているって感じがするな。

 

カネに働かせる、か。悪くはないんだけどね。ちょいと自分に合わないかなって気がする。



tom_eastwind at 15:30|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2009年09月09日

Mistress から Redemption まで

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ミストレス

 

最近ワードの文字変換がますますひどい。全然思ったような文字にならないし、20年前の一文字づつ入力してたワープロ並みである。これはマイクロソフトの自爆戦略か?

 

そんなこんな事考えながら窓のカーテンを開けると、そこは一面の霧。そう、今朝はノースショア一帯に冬特有の霧が発生したのだ。

 

特にタカプナの低地では細かい水滴のような霧がびっしりで、高速でも危なくてスピード出せないくらい。

 

そんな時、僕の頭は自動文字変換を始める。

 

霧?FOG?Mist?

 

このあたりからくるくる回り始める脳みそ。

 

えっと、FOGだったら何かのホラー映画の題名だな。

 

えっと、霧ならMIST,これはMISTRESS(愛人、女王)に繋がったぞ。

 

ほう、てーことはカタカナで書けばミストレス。

 

ふむふむ、ミストが霧でレスってのは不足(笑)、足りないって意味だから、じゃあミストレスってのは「キリガナイ」=お、つまり、愛人は何人作ってもきりがないと言うことか。

 

そう言えばレストランのウエイトレスなどは、大体こっちが何か欲しいときにアイコンタクトしようとしても外される。だから「待ってない」なのか。

 

あ、それとも、もしかしたらあれって立ち仕事で大変だから「やせるよ」って意味か?どっちにしても良く出来た英語だ。

 

(注:RESSはLESSではないけど日本語だと発音が近いので引っ掛けただけです、あくまで日本語英語の頭の体操なのであまり真に受けないで下さいね)

 

でもって昨晩は地元水産会社の社長と会食。

 

彼は30年近く魚ビジネスを手掛けており、本物のプロ。

 

ニュージーランドの魚が美味しいとか美味しくないとかいろんな意見があるけど、結果的に言える事は、ニュージーランドの魚は日本並みに美味しいってこと。

 

ただし現実問題として魚を商品として流通させる為にはどうしても様々な壁があり、それを乗り越えることは理想論としてはあってもビジネスとしては成立しない。

 

例えば冷凍の魚の方が活魚より美味しいのにレストランのシェフは活魚信仰があるのでどうしようもないとか。

 

例えばどんな素晴らしい技術でも大量に魚を処理する為にはボトルネックになるので利用できないとか。

 

他にもずいぶんたくさん教えてもらった。昨晩は久しぶりにまともにロジックの分かる人間との食事だったので実に愉快。

 

「日本の旅行業が何で駄目になっったの?何で日本の旅行客が激減しているの?」と、逆に彼に質問された。

 

たまたま彼は昨日ジョン・キー(首相)と話す機会があり、ジョン・キーは観光大臣も兼ねているので、魚の輸出先としては大手である日本が、何で旅行ではこんなにも落ち込んでいるのかな?と言う話になったらしい。

 

これまた慣れない英語ではあるけど、日本の旅行業のロジックのなさ、つまり問題を先送りして頭を砂の中に突っ込んで何も見えないふりをすれば問題は通り過ぎる、いずれ自分は定年になって年金もらえる、そんな危機感のない卑怯者連中が旅行業のトップを占めているからですよと説明する。

 

今の旅行業はすでに存在しなくなった中流層向けのパッケージツアーを作ってるけど、情報がインターネットで入手できるようになった今、情報の非対称は旅行会社と顧客の間に存在せず、旅行業者が情報の非対称のみを商材としていたから、商材をなくした今、ニュージーランドだけでなくすべての方面においてビジネスを失っているのだ。

 

そして「結局彼らは、<バブルよもう一度!>と期待しているだけですよ」と言うと、社長、大笑い。

 

一番最後に英語の勉強させてもらった。

 

Compensation 

Redemption

 

最近自分の頭の中で引っ掛かっていた単語がこれ。

 

コンペンセーションとリデンプションは辞書の上では同じような使い方をされている。けど最近たまたま戦後の日本賠償の話をする機会にRedemptionを使ったら、キーウィからとても変な顔をされた。「何であなたはその単語を選ぶの?」って感じ。

 

もちろん意味は通じているのだけど、やっぱりこの単語を選んだ意味が分からんという顔をされた。

 

だもんで丁度良い機会だと思って60過ぎのWhiteBeardに聞いてみることにしたのだ。

 

すると彼「確かにRedemptionは使わないよね、あれは貴族の義務みたいな意味で、支払い義務は法的に存在しないけど支払うってことだもんね。でもってNZのビジネスでは法的に支払い義務がなければ支払いはしないし、日常生活でもお金でどうこうと言う発想はない。だもんでRedemtionという単語は存在するけど、日頃使うことはないよね」と言われた。

 

なるほどね、そういう事か。これまた胸の中にストンと落ちてくれた言葉。わかりやす。

 

ミストレスから話は飛んだけど、これからも英語と付き合って学ばなくてはね。

 

写真は朝霧です。遠くに雲の上に浮かんでいるように見えるのがランギトト島です。

 



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2009年09月08日

Hands free Phone

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Hands free phone (ハンズフリーフォン)を週末に買った。

 

これ、日本語では何と言うのだろう?手放し電話?

 

ちなみに日本人が間違いやすい英語の表現で例えばSmokeFree(スモークフリー)とFreeSmoke(フリースモーク)がある。

 

スモークフリーは「煙草から自由になる」つまり禁煙となる。

フリースモークは「自由に煙草を吸える」つまり喫煙となる。

 

(他にも例はあるけど、あえてまともな奴を例題にしました)

 

なのでHandsFreeは手から自由になるのでやっぱり手放しか(笑)?

 

まあそれはどうでも良いのだけど、ハンズフリーを買う直接の理由はニュージーランドもいよいよ11月01日から車の運転中の携帯電話使用が禁止になるからだ。

 

運転のうまい中年キーウィにはあまり関係のない話だけどこれだけアジア人が増えて、生まれて初めてNZで車を運転です、みたいな中国の山奥からやってきた共産党の息子などは格好付けて片手運転でケータイを発信することでいきがったりする。

 

それだけなら周囲に恥をさらすみっともないあふぉで良いのだけどその結果として交通事故でも起こしたら大変な騒ぎである。

 

なので今回の規制は当然だと思う。その結果としてあまり携帯電話を使わないぼくがこの規制の対象となっても、それはこの社会で生きる以上当然の原価である。

 

そこで週末にりょうまくんと奥さんと3人でセントルークスショッピングセンターに向かい、りょうまくんはWarHammer、僕と奥さんは電気屋さんへ。

 

「ところでぼくの電話はテレコムだからテレコムショップで買うんだよね?」と聞く僕に彼女はにこっと笑って包み込むような笑顔をで「大丈夫、何処の会社でも関係ないんだよ」と優しく教えて諭してくれる奥さん。全く学校、特に養護教育の教師がお似合いですね、この人。

 

Bluetoothという技術は日本発だけど今や世界中で利用されている無線通信?システム。だから利用している電話会社とハンズフリーは関係ない。どこで買っても良いのだ。

 

機械には色んな機種があり、それぞれに色んな機能が付いている。

 

予めハンズフリーに番号を登録しておくと、車内でケータイが受信したら自動的に液晶画面に相手の名前や電話番号が出てくる仕組みもある。

 

僕が買ったのは結局SonyEricsonの280ドルの機種。たまたま自分の今使ってる電話が同じくSonyEricsonで、何と充電器に互換性があるのでこれは便利。

 

VodafoneShopのお兄さんは丁寧に商品説明をしてくれ、尚且つセットアップまでしてくれたので、その場で早速試しに使ってみると・・・

 

おお!これは便利!てか、本当に手放しで喜べる機械ですな。

 

受信したければ四角い箱の端っこの電話マークをぽちっと押せばよいだけなので運転の邪魔にならん。また、真ん中にIpodのようなぐりぐりが付いてて、こいつを軽く押すだけで相手の番号を摘出して発信も出来る。

 

ほうほう、てーことはこの機械、ぼくのケータイと通信しながらぼくの電話番号データを彼の脳みそに入力しているのですな・・・。

 

そこでふと気づいた!

 

こいつ、決定的な欠点がある!

 

もし僕が奥さんと一緒に車に乗ってるときに変な電話番号が出たら命取りじゃんか!「これ誰よ?」となるではないか。

 

交通事故よりこっちの方がよっぽど危ないぞ。

 

今から電話番号、整理しておこっと(笑)。冗談です。

 

写真は運転席の日よけ板に取り付けたハンズフリー。ちなみにすぐ前を走る車は銀色のAUDIの高級オープンカー、運転しているのは恰幅の良い白髪のおじいちゃん。朝からばんばん飛ばしてました。



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2009年09月07日

1000円高速に思う

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最近の記事を見ると1000円高速のおかげで高速バスが打撃を受けたとかJRが売り上げ不振とか長距離フェリーの車客が激減とかを見かける。

 

ほんっと、こんな記事を見ると、やっぱり日本ってのはどこまでいっても危機意識がないなって感じ。

 

 

高速1000円に総論ではかっこつけて「それは社会の為に良い事ですね〜」とか言いながらいざ自分のビジネスに影響が出ると今までの紳士振りをかなぐり捨ててワーワーと騒ぎ出す、「卑怯だ不公平だ政府の横暴だ!」

 

けど1000円高速で渋滞が発生したからってCO2削減まで持ち出すのは、ここまでいけば殆どもう「わたしバカです!」と大声で宣言するようなものだ。

 

Co2が問題なのは当然だがそれなら車に乗らなければ良いのだ。

 

今まで車の存在を放置しておいて今自分が不利益になった瞬間にまるで大衆の敵であるようにCo2を持ち出す。

 

本当に哲学としてCo2削減を考えているなら今回の1000円高速など関係なく各交通機関が共同で、NZでやっているようなPark&Rideを進める取り組みがあるべきではなかったか?

 

諸外国の高速道路の多くが無料なのは周知の事実でありフェリー会社やバス会社の社長がそんな事を知らなければバカである。

 

無料道路を知っていて日本の最近の流れを見ていれば日本でも無料高速が出て当然だろう。

 

その為の戦略を考えておく等、社長ならば当然行うべきだ。

 

もともと道路公団と言う利権集団が交通にかかる費用を「高止まり」させていたからその間隙を縫って成立した商売等、一旦高速が無料になれば当然行き詰る。

 

そんな事を考えもしなかった経営トップの脳みそを見て見たい。

 

世間の多くの会社は規制に守られない厳しいビジネスをやってるのに、立派な大学卒業して大手運送会社に就職したエリート連中は、長い間のリーマン生活で頭がパーになったのかと言いたい。

 

いいかい、今困ってる業界で働く人は何万人いるのだ?

 

それに対して今回の1000円高速で恩恵を蒙った人は何百万人いるのだ?

 

日本全体から見たら単純な話である、社会全体を考えれば無料にすべきなのだ。

 

例えて言えばそれまで石炭で走ってた蒸気機関車がディーゼル機関車に変わった時に、石炭を焚くかまたき職人が「俺たちの仕事を奪う悪魔だ!」って言うようなものだ。

 

労働組合の強かった当時の英国ではその結果としてディーゼル機関車にかまたき職人が何もすることなく乗り込むような、全く経済合理性のない事態を生み、これが結局は英国病と呼ばれる国家衰退を招いたのは歴史的事実である。

 

ニュージーランドでも1984年のデイビッドロンギ内閣の時代に多くの官営起業を民営化した時に「首切り人!」などと公務員からは非難された。

 

当時の公務員の数は8万人、これを約3万人に激減させたとは言っても彼らの職場は民営企業の中で守られたのである。

 

もちろん真面目に働いていればが前提ではあるが、真面目に働かずに首になってもそこはセーフティネットが徹底しているから一生働かなくても食える仕組みがある。

 

つまり民営化という厳しい選択を突きつけながらも彼らの生活は福祉と言う分野で守ると言う政策だったのだ。

 

この8万人に対して当時の国民は300万人。単純に数の論理でどっちの人々を幸せにすべきか分かる。

 

お役所と労働組合の旗の下であぐらをかいて何もせずに国民を苦しめる公務員などを何故国民が自分の支払った税金で守る必要があるのだろう。

 

日本も同じであり、ここで1000円高速から無料高速にもっていけば1億人の国民は必ず歓迎する。何よりも大事なのは、国民が「お、もしかしたら世の中が良い方向に向っているんじゃないか?」と、少しでも夢を持たせることが出来た点だ。

 

では、今になってわいわいと文句を言っている「不利益を蒙った人々」は一体なんだろう?

 

単純に考えれば、道路公団が国民から集めた税金で道路を作り、更にそこを使うたびにカネが落ちるようにする仕組みが絶対に壊れない、つまり国民が苦しめられるって分かった上で高速バスやフェリーを作ったのだろうとしか言いようがない。

 

総論では、例えば夕張の財政破綻問題とかでは「自己責任ですね〜」などと立派なことを言ってるくせに、各論、つまり自分の問題になった瞬間にわーわー言う。実にみっともない。オトナだろ、腹を括れ。

 

今文句を言ってる「彼ら」は、元々壁の向うにいる「既得権益者」であり、それが何故かある日風を読み違えてこっち側に吹き飛ばされて、それで今になってやいやいと文句を言ってる連中なのだ。

 

自己責任ですね。高速が無料になってもフェリーを使いたくなるような仕掛け、高速バスの方が安くて便利って仕掛け、それを作る時間は充分にありました。

 

今までも充分に時間があったのに何もしなかった。その結果は、自分で責任を取るしかないですよ。

 

 



tom_eastwind at 00:13|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2009年09月06日

ばかに採点されてもね〜

ちょっと息抜きにフジサンケイが昨日ウェブサイトで掲載していた記事。

 

あまりに面白かったので載せておく。

 

 

★ここから★

実力未知数 民主に不安 本紙アンケート

 

民主党による新政権発足で、景気が上向く可能性があるとみている大手企業は8%にすぎないことがフジサンケイビジネスアイが主要企業89社に実施した緊急アンケートで分かった。家計や消費でプラスの影響が出るとの回答が目立ったものの、企業活動や財政にとってマイナスと回答する企業が多く、70%の企業は「景気が上向くかどうか分からない」と回答した。新政権に対して、改革を期待する一方で、不安をぬぐえない企業の姿が浮かび上がった。

 アンケートは衆院選期間中の8月下旬に実施し、30日の開票直後に寄せられた回答を集計した。

     抜粋終了★

 

うんうん、けど今一番不安なのは新聞社そのものではないですかね?てか、まさに「馬鹿に採点されてもね〜」って感じ。

 

世界の戦争の現場にはびびって「本紙記者」を送れなくて契約のフリーランス記者を送り込むような取材力のなさ。

 

世界の歴史や政治に対する知識不足が見える程度の低い記事。

 

記者クラブで上司に言われた事だけをお利口さん的に上から視線で書くけどそのネタは官僚が用意したペーパーのコピーだからどこの新聞も横並び。

 

世間に対する警鐘としての木鐸の役目も失って政権の太鼓持ちになって、今の世の中が何でこうなったかをきちんと政治に対して問う気迫もない、「免許を取り上げられたらおまんまの食い上げ」と、いつの間にか自民党と同じような政策ではなく生き残りの為だけに存在している。

 

要するに能力もやる気もない危機感もない、あるのは目先の利益のみってそんなあなたたちが民主党をどうこう言うアンケートっておかしくない?

 

全く面白いですね。どんな業界も同じです。努力も進歩もせずに既得権益の上にあぐらをかいている連中は、座して死を待つのみですぜ。

 

けどまあ「本紙」の連中にあえて助け舟を出すとすれば「大丈夫、ばかはお前だけじゃない、既得権益の上にあぐらをかいてた笛吹き連中もお前と一緒に地獄に向ってるぞ」ってこと。

 



tom_eastwind at 10:19|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2009年09月05日

政治談議

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週明けて少しくらい時間が出来るかと思ったけどあまり状況は変わらず。

 

なかなかブログ更新も出来ず。

 

 

そんな木曜日の夕方、突然携帯電話にある金融機関の社長から飛び込み電話。

「明日、おひま?」だってさ。

 

15分程度なら大丈夫だべさって事で会ってみると、先週は全く興味を持っていなかったくせに、急に政治の話である。

 

「今度の政権さ〜、金融政策を開放にするんか、それとも閉鎖にするんか?」だって。

 

そう、政治を純粋に見れば日本なんて終わった国であり、どっちが政権を取っても構わない、対岸の火事と思ってた連中が、さあいざ自分のビジネスが日本と絡むとなると、そうなるともう自分の家の火事である。

 

ここ10年、日本の政治は乱れに乱れてきた。大体小泉首相を除いてまともに1年以上続いた政権がいくつあったか?

 

またそれが諸外国から見ればどれほど異常か?そういう「外からの眼」から見れば、どこが政権を取ったって関係ないね、どうせ日本はへんてこなんだろで終わりである。

 

長期政権が存在せずに、選挙で選ばれたわけでもない官僚が各省庁の運営をしてそれが政治的に混乱を生み続けてきたわけで、だからこそ多くの外国人は全く意味不明な日本を跳び越していくらかでも理屈の通じる中国を相手にしてきたわけだ。

 

けどそうは言っても日本の1億人以上と言う人口とその経済的破壊力は無視出来ない。

 

そこで出てくるのが政治はどうでも良いけどその結果としての経済政策どうなるの?ってところだ。

 

金融政策、対外政策、外国企業に対する姿勢、どれもNZのようなちっちゃな市場には大波となる。

 

今後民主党が外国人ビジネスマンにとって開かれた市場を構築するのか、それとも経済鎖国にしてしまい、大きな政府が国家主導で経済を誘導するのか?

 

勿論そんなことの結論を聞かれても今は何も応えられない。大体肝心の民主党、官僚との本格的な綱引きさえ始まっていないのだから。

 

けどまあ一応分かる範囲内で基本的な日本国家の政治構造を説明する。と言うのが、日本人は日本の政治構造を知らないけど外国人はもっとそれ以上に知らないから、基本的なことでさえかなり役立つ知識となるからだ。

 

自由民主党はリベラルデモクラティックパーティと言いながら実は国民の自由を制限して党内民主主義を標榜する保守党=つまり常に国民無視の党で政治的には少し右よりである。

 

民主党はデモクラティックパーティオブジャパンと言いながら随分たくさんの労組出身の議員を取り入れており、政治的には左よりである。

 

ただ共産党のような過激さは全くなく、むしろ既得権益で飯を食っている労働組合連中は、今のこの世を変えたくないと切望している「労働貴族」であること。

 

この点NZの労働党に近いと言われるがNZの場合は労働党と言われながらも経済改革に力点を置いて労組の組織力を奪ってでも国家の再生を行ったという意味で労働貴族ではない。一緒にするなと労働党に怒られそうだ。

 

民主党の経済通の若手は優秀な政策提案が出来るので今までのような意味不明魑魅魍魎的なその場しのぎの政策にはならないはずだ。そして多くの若手は外国で勉強してる、つまり外国の実力や考え方を理解している連中が多いので、基本的には開国派である。

 

そしてどこの世界でも同じだが、今回の選挙は楽して儲けたい既得権益に執着している老人と、夢を持って実現しようとする若者との世代間の戦いであること。

 

なのでおそらくだけど、今後日本の金融行政は誰にとっても平等で開けた仕組みを取り入れて、今までのような事前審査で弾く仕組みではなく事後のチェックで平等を確保する仕組みになるだろう。

 

その意味で結論を言えば、今は「日本進出の時期」だといえる。

 

15分で終わらせる予定が結局30分かかった。

 

ここ数日、地元キーウィからこんな問い合わせが突然何件か来るようになったが、今だ日本はある程度の規模を持った国であるから、彼らとしても自分のビジネスに関連があるとなったら突然真剣になって情報が欲しくなるのだろう。

 

ぼくは、日本のことを聞かれて「知りませんわかりませ〜ん」で通用する年齢でもないと思っている。だからそれなりに勉強をしているつもりだ。けどいざそれを英語にしてみると、おお、やっぱりうまく説明出来ない部分が多い。

 

その一番の理由は、日本独特の政治形態にあるので適切に対応する英語がないと言う点だろう。

 

例えば地盤看板カバン。

 

地盤は選挙区の票が親から子供に無税で譲渡される仕組みだけど、NZでは勿論そんなものが存在しない。

 

大体、その選挙区の選挙民が特定の政治家一族に自動的に投票するって、そりゃなんだ?奴隷制度か?第一選挙民を馬鹿にしているぞ。父親と子供、当然考え方が違うし実力も違うのに、何で自動的に引き継ぎなんだ?誰でもそう思うだろう。

 

看板は、これならNameで良いだろう。BadOrNot。 カバンは現金である。「え?日本は票をカネで買うのか?」そうだよと言うところから説明しないといけないから時間がかかる。

 

これに比べれば鳩山さんの「友愛」の方がまだしも観念的に説明しやすい。「Obamaみたいなもんっすよ、皆で助け合って仲良くしようって事です」と言えば通じる。ほんとはそこにもちっと違うものがあるんだけど、そこまで説明するときりがない。大雑把に掴んでもらえば良い段階なのだから。

 

さ、僕にとっても日頃はあまり使わない政治英語を使うので、せっかくの機会を利用してBrushUpしておこう。

 



tom_eastwind at 13:51|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2009年09月02日

人は思う方向に向うもの

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忙しさもピークを迎えたのが先週の金曜日。

 

ビジネスも戦争も同じで、まずは全体としての方向性である戦略が必要。これがなければ糸の切れたタコであり、その場だけは楽しいけど終わってしまえばバカみたいにしらける、まるで目的のないバカガキどもが近くのものに手当たり次第に火をつけている乱痴気騒ぎのようなものだ。

 

戦術は戦略に基づいて一定の方向性の中で時間的要素を重視しつつ、いつ、どこまで、どうやって行くかを考える。どんなに戦略が立派でもこれを実現させるには天の時、地の利、人の和が不可欠である。戦術においては己を知ることが大事。

 

そして戦闘。これはもう体力勝負。相手をぼこぼこに叩きつけていく作業はきれいごとでは済まない。

 

戦略と戦術と戦闘はそれぞれリンクしながらもポイントとなる点が違う。

 

だからその場の自分は戦略作りをしているのか戦術行動を指揮しているのか、それとも現場でボコボコの殴り合いをしているのか、頭の切り替えが必要。けどこれを一人でやるのはかなり至難の業である。

 

スキーで言えば急斜面に緩斜面、オンピステにオフピステ、こぶ、ハーフパイプ、それぞれに滑り方を変える必要があるという事だ。

 

それもある程度までは制御出来るけど、すべてが一気に団子になってやってくると、気づけばもう本能的に動き回るしかない。

 

8月の忙しさは、戦闘形態で言えば「遭遇戦」である。何が出てくるかわからない状況でとにかく眼の前に次々と現れる目標に対して一気に戦略と戦術をかけて同時に戦闘を行うのだから、ほとんどアドリブ的な動きが必要になる。

 

相手からすればこっちがすでに何でも知っててその上で応えてると思うのだけど、そんなこたあない、こっちはその場で頭をフル回転させて対応しているだけなのだ。

 

こうなるともう目に入るものすべてに意識が跳んでしまい、「何でもかかってこい!」状態で、かなりハイになる。

 

これこそナチュラルハイというか、全くアルコールなしで「跳べる」。

 

お蔭様で先週はナチュラルハイの連続であったが、やっと週末に一通り整理出来て今後の方向性も見えてきた。

 

会社を作って13年目、タクシードライバーから始まり、ガイド派遣、ワーホリ市場、留学、起業、移住と常にその時代の旬のビジネスモデルにシフトしてきて、まるでサーフィンの波のリップカールに常に乗っかっている気分だったが、それもやっと一番最後の大波、一番大きな市場にたどり着いた気分である。

 

自分なりに10年後はこうなるだろうなと考えていた方向性と結果的に同じ。

 

てか、結局誰も自分が望んだ方向に向っているのだと思う。自分が思う方向にいかないってことはない。

 

大体の場合、思ってることを実現する為の戦術か戦略に問題があるのが殆ど。

 

勿論出遭いがしらの事故で失敗することはあるだろうけど、それさえなければ殆どの場合は、その人の人生は自己責任である。

 

「俺はさ、こうやろうと思ってたんだよね。けどさ、なかなかそれがうまくいかなくてさ」そんな言い訳をする人。

 

簡単に言えば口ではダイエットしたいとか言いながら腹いっぱい飯を詰め込み運動もしないような人々。

 

そりゃ因果応報ですぜ。人間、自分の心の思った方向に向ってしまうのです。

 

ただそんな事を言いながらも明日の事が分からないのが人生。ぼくもいつ予想を超えた大波が来て吹っ飛ばされるかもしれない。

 

それでも基本を変えては駄目だ。戦略=方向性、戦術=時間枠と進行距離、戦闘=殴り合い、これからも気合を掛けていかねば。

 

・・・それにしても先週までの忙しさ、ありゃ一体何だったのだろう。

 

写真は笹川記念館で見つけた「さんふらわー」ってフェリーの模型。中学生の頃乗りました。あの頃、今のような生活なんて思いもしなかったな。



tom_eastwind at 16:57|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2009年09月01日

笑っちゃいられない鳩山さん

笑っちゃいけない鳩山さんと、笑いも出来ない麻生さん

 

選挙で勝った民主党。こんな時に鳩山さんが「がはは!」とか「してやったり!」なんて顔をすれば、それだけで判官びいきの日本人からすれば「嫌な奴」となるので、速報を待つ間に次々と増えるバラを見ても、決して高笑いをしてはいけないとばかり口を引き締めている。

 

けど腹の中では高笑いでしょうね。この地すべり的な民主党の大勝利。

 

それに比べて、いくら大敗を喫するとは分かっててもそれが目の前に突きつけられた麻生さんからすれば、本来なら余裕をもって報道陣に接するくらいでも良いのだろうけど、そんな表情の一つも出来ない、どうしようもない落ち込んだ顔である。

 

まさに笑いたくても笑いも出来ない麻生さん、大変ですな。

 

しかし大丈夫、今回は勝ったほうも負けた方もあまり気にする事はない。何故なら世界からはすでに「当面は相手にする必要のない、重要ではない国」と思われているのだから。

 

先週の食事の時もそうだったが、世界は今アジアと言えば中国とインドに眼が向いている。

 

国の方向性も分からない、理論よりも感情が優先する、警察が不法逮捕する、ビジネスでは平気で後出しじゃんけんでルールを勝手に変更する、そんな国に一体誰が期待するだろう?誰が投資をするだろう?

 

普通に考えれば分かることで、ここ数年の日本の反動化による外国勢叩きは、まさに無理が通れば道理が引っ込むであった。

 

ルールをきちんと守ってゲームに参加してたら突然「お前、それ違反だよ、はい罰金払って退場」となる。おいおい、一体どうなってるんだこの国は。

 

もうこんな国じゃ仕事も出来ない、よそに行こうって事になる。

 

中国も酷いものだけど、それでもあそこではまだビジネスルールが明確である。頭を押さえた者が一人勝ち、金種差別はあっても人種差別がないのだから分かり易い。

 

勝つか負けるかは別にしてルールがあれば、白人だって負ければ納得する。けど日本ではルール自体が見えないし存在しないような気がするけど、何かあると突然「ガイジン」は排除されるのである。

 

とにかく読めない日本の仕組み。まずは今日本がやるべきはルールをきちんと整備して参加者に平等になるようにして堂々と開国して国際社会で失われた信頼を取り戻すことだろう。

 

そんな事を思いながらヘラルドのウェブ版を見ると日本に関する記事は月曜日の朝の一本だけ。他の国でもビジネスとしての日本に関心がなくなっていってるのは事実。世界はそんなものですよ。

 

自民党はLabour Democratic Party なのでLDP

 

民主党はDemocratic Party of Japan なのでDPJ



tom_eastwind at 12:27|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 | 日本ニュース