2005年07月15日

2001年 タバコの煙3

 

本音と建前

 

さて、問題になるのはこれからである。このコラムの目的はタバコに関する善悪を問う事ではなく、ニュージーランドにおいては明確に理解されているタバコの害が、日本において正しく認識されていないその理由を問う事にある。

 

日本の喫煙率は世界のトップクラス

諸外国が日本を見る際に、その喫煙率の高さを問題にされることがある。まず男性成人喫煙率は、日本では59%、NZではたったの24%である。

 

1995年の世界保健機構の資料では、タバコによる死亡数が年間で300万人を超えている。特に日本人の働き盛りの男性の3人に1人は、タバコが原因で死亡しているのである。

 

この医療負担は各国政府によって賄われているが、1人が死亡するまでの医療費を単純に100万円としても、各国政府が年間に負担する金額は3兆円である。

 

タバコ対策の為に年間3兆円使っている金を発展途上国に回せば、多くの疫病対策や予防対策が行える。これだけあれば小さな国家ひとつくらいは十分に賄える金額だし、反対に言えば政府はタバコ対策の為に毎年多くの無駄がねをどぶにすてているようなものなのだ。

 

これはすべて世界保健機構(WHO)による公式調査資料で公表されている。もし興味のある方は検索ページで「たばこ」と入力すれば、すぐに結果は出る。

 

この冷厳な事実を目の前にすれば、タバコ販売業者の責任が如何に大きなものかが見えてくる。そしてもし日本で、一般国民が日本政府を、その専売公社時代に「タバコの危険性を告知せずに販売した」として告訴した場合、米国で行われているような裁判結果が予想されるのである。国家による国民への賠償が発生するのだ。

 

自己責任?

 

タバコを吸うのは自己責任だとも言える。しかし、だからと言ってその事実を知らせないままに販売する事は許されない。法的に言えばこれは「告知義務」と呼ばれる。商品を購入する人が事実上知る事の出来ない事柄は、販売する際に必ず伝えねばならない。これが法の大原則だ。

 

例えばお客がオーストリアの有名なチョコレート菓子であるザッハートルテを食べた後に、店員から「おいしさの秘密は砒素入りだからです」と言われたら、誰でも怒るだろう。そして店が「だって、おいしかったんでしょ、死んでないんだし、食べた人の自己責任ですよ。」などと言ったら、その場でぶち切れるのは間違いない。砒素が入っていると聞けば、普通の人はまず食べない。思わず「人殺し!」と怒鳴りたくなるのではないか。

 

タバコも、実は全く同じ「危険物」なのである。だからこそ世界ではタバコ会社が「告知をせずに事実を隠蔽した」ためにぶちきれているのである。

 

陰謀

 

このような世界のぶちきれ風潮の中で、日本のみはあいも変わらず雑誌等でタバコ広告を掲載しており、そこで禁煙を訴えると「何だよ、外国の言う事ばかり真似しやがって」と言われる。

 

実は喫煙問題で専売公社時代の責任を取らされるのが怖い日本政府は、なぜ禁煙が必要なのかと言う一番大事な啓蒙運動にはあえて金も時間もかけず、如何にも外国に押し付けられたような雰囲気で禁煙運動を進め、そして国民が何となく反感を抱くように仕向けているのだ。これこそは国民の目をそらさせるための陰謀である。

 

エイズ

 

エイズ問題を思い出して欲しい。日本政府はエイズに関しては啓蒙運動を進めて、病気の恐ろしさやその正確な情報を伝達する為にテレビ広告まで行っている。なぜならタバコと違いエイズ問題は医療負担が全額政府の負担になるし、エイズの場合はどのような形でも国家収入が発生しないからだ。

 

せいぜいコンドームが余分に売れて岡本理研が儲かるだけだし、だからこそ国として医療費を抑える為に啓蒙と予防にお金をかけるのだ。

 

タバコの元締め

 

さて、殺人事件の場合犯人探しの基本は、人を殺した時は誰が一番利益を得るのかを考えることである。ではタバコを売る事によって誰が一番儲かるのか?同時にタバコの害が明確になる事によって誰が一番困るか?それは政府である。

 

元々日本のタバコは専売公社、つまり現在のJTが独占販売をしており、その利益はすべて国家の収入となっていた。そして時の政府もタバコの危険性を理解していながら販売を続けた訳だ。なぜか?それは独占販売によって国家の収入が増えるからだ。

 

勿論、政府にとって医療費の増大は問題ではない。なぜなら国民に対しては医療費の増加を名目にすれば問題無く増税出来るからだ。タバコで儲けといて、医療費は国民に別途請求である。これが政府が良く使う言葉の「国民の理解を得られる」と言うものだ。だから日本政府はあまりタバコの問題を重視させなかった。隠蔽していたと言うべきだろう。

 

一番大事な問題

 

タバコの場合は国家収入に直結する。そしてエイズ対策での医療増税は「国民の理解を得にくい」が、癌による医療費増税は国民に受け入れられやすい。

 

これが政府の考え方であり、だからタバコ問題については政府が及び腰なのだが、今回の問題で一番大事なテーマは、実は政府によるタバコ陰謀だけではない。その背後に実は僕ら自身の大きな問題がある。

 

それは、日本国民は政府やお上の言う事を何の問題意識も疑問も持たずに従属すると言う事である。

 

政府はこの国民性を良く見抜き、それを増長させる事によって常に国民を操って来た。そして今回のタバコ禁煙問題も同様に、国民に違った情報を与える事によって国民を騙しにかかっているのだ。

 

人が人として生きていくならば、すべての現象に問題意識を持つ必要があるし、政府の行動を疑問視し、国民も自衛する必要がある。自分の頭で考える力を持つことが肝要なのである。

 

政府に馬鹿にされた挙句にタバコを吸わされ続けて、その結果ヤニ漬けになって最後は病院から墓場行き。そんな末路をいつのまにか政府によってインプットされた人生を、あなたは気づいているだろうか。

 

世界の雰囲気に合わせて建前だけの禁煙標語をばら撒く前に、なぜ禁煙が必要なのかを自分の頭で、本音で考えてみよう。

 

そしてそれでもタバコを吸うのなら「初志貫徹」してほしい。

 

個人の自由があるから自殺行為を止めはしない。タバコの害を理解した上で吸うなら、言う事はない。しかし山手線に飛び込んで関係ない人の通勤の足を止めるような事はやめてほしい。

 

他人のいるところでは吸わない、ポイ捨てはしない、肺ガンになっても絶対に公立病院には行かず、治療費は一切政府に請求しないと言うことを心がけてほしいものだ。それでこそ社会の一員であろう。



tom_eastwind at 21:21│Comments(0)TrackBack(0) 2001年 斬りたい日本! 

トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔