2005年07月22日

2004年1月 そしてテロが始まった・・・

現代版宗教戦争の始まり

 

そしてテロの始まり・・・

 

2000年にわたって虐待され続けたユダヤ人は、自分の生きる権利を守る為に戦いを始めた。その結果としてパレスチナ人という、新たに虐待される人々を作り出してしまったのは歴史の皮肉であろうか。いや、そうではない。自己の利益のみを守る為には他人の事など一顧だにしない特権階級が、このカオスを創り出したのだ。

 

平和主義と平和の違い

 

もし平和主義のあなたの住む村に敵が現れ、村の財産や家族の命が奪われそうになったら、あなたはどうするだろう?頼るべき警察も存在せず、旗を振って現れる騎兵隊もない村で自分の財産や自由を守る為にはどうするだろう?当然村人全員が一丸となって敵と戦うだろう。

 

こんな時に「戦いは間違っているから戦いません、私は平和主義ですから」とか「人のものを盗るのはいけないと思いまーす、間違ってると思いまーす」と言うのは自由だ。しかしその頭に斧が振り下ろされて、残った村人全員が殺されて財産が略奪され、土地まで奪われたら、無人の焼け跡で誰がどう「平和を守るべきでーす」と言うのか。

 

理想を掲げて生きる事は正しい。しかし現実とのバランスが取れない理想は、画餅に過ぎないどころか、危険でさえある。平和を守る為には戦いが必要な時もあるのだ。

 

そして戦いは始まった

 

世界の誰もが無視する中で、やせ細る子供やけが人を守る為に、パレスチナ人は立ち上がった。生き残りたいなら闘う。彼らは平和を守る為の戦争を開始した。

 

「戦闘してない民間人を殺したらテロ?それならば平和に暮らしていた私たち民間人を殺したイスラエル人もテロリストだし、彼らに武器を与えた米国人はテロリストの親玉だ。仕掛けられた戦争である以上、闘い方に文句を言うほうがおかしい」そして彼らは、イスラエルを後押しして自分達を殺戮の現場に追い込んだ親玉である西洋社会にも攻撃を仕掛けた。

 

ちなみに西洋社会では今でも「テロ」と呼ぶが、実際は戦争である。しかし戦争と認めるとパレスチナ問題の矛盾が露呈するから「テロ」という言葉をメディアに押し付けただけである。ここからも、如何にマスメディアが体制に組み込まれているかはよく分かる。

 

「テロ」又は「中東戦争」自体の悲惨さや正当性を語るのがこのコラムの目的ではないし、民間人攻撃を容認するものでは絶対にないが、少なくともCNN報道だけが中立公正な歴史認識ではない事を理解してもらえばと思う。

 

アル・カイーダ

 

アル・カイーダは、アラブ諸国から集まった外人部隊と考えてもらうと良いだろう。どこか一つの国を守るだけではなく、イスラム諸国をキリスト教国家の弾圧から守る為、いろんな国を渡り歩いている。最初の戦いはキリスト正教を信じるソビエトの侵攻に対する抵抗であった。

 

1985年、ソビエトが不凍港を求めて南下、アフガニスタンに侵攻した。自分の土地を守る為、アフガンゲリラとアル・カイーダは10年にわたりソビエトと絶望的な戦いを続け、ついにアメリカの援助を受けたアフガンゲリラが勝利したのだ。「ランボー2」で馬に乗ったシルベスター・スタローンの戦いを観た方も多いだろう。映画でご覧の通り、アフガンに武器供与をしたのは米国であったし、アフガニスタンの前宗主国は実はイギリスである。

 

激烈な内部抗争の後タリバーンがアフガンの政権を実質的に押さえ、アル・カイーダが次の活動を開始した。その目的は、中東戦争を引き起こした二枚舌のアメリカを攻撃して、戦争のルールを教える事だった。アメリカの二枚舌。イスラエルに兵器と金を送りつづけて仲間のパレスチナ人を殺しつづけ、自分達はニューヨークの、クーラーの効いたビルでワイン付きのランチを楽しんでいる連中に。

 

誰が誰を攻撃したのか?

 

2001年9月11日、この日をもって米国の「ゲームのルール」が変わった。彼らのルールでは、ゲームの場所はいつも相手の国もしくは傀儡国家だったのに、ある日アラブのチンピラが、アメリカ様に向けて飛行機を突っ込ませたのだ。こんな事は、半世紀以上前に東洋の猿と戦争して以来だ。

 

ふざけるな、そんなのはルール違反だ。戦争はお前の土地でやる事だろ!子供や民間人を殺すのはテロだ!そう言ってアメリカは立ち上がった。勿論自分達がベトナムで殺した子供や村人は「戦争だから仕方ないのだ」し、パレスチナで殺される人々も「イスラエルの政治は干渉出来ない」のだし、民間人に原爆を落としたのも「戦争を早く終わらせる手段」なのだろう。自分達がやるのはいいが、相手がやるのはいけない。これが米国のゲームのルールだ。確かにそのルールは変わった。自分達がやることは、いずれ相手もやるのだという事に気付いた日だったのだ。

 

こういう時、ブッシュは旗振りには最高だ。頭の中に何もないのだから、倫理、公平や平等、人道等悩む必要がない。ましてや政治家としての勉強もせず失言が多く、大統領の支持率がどんどん落ちていた時に、「親分、テロの今が勝負でっせ」と教えてくれる補佐官連中が唆したのだから、本人は舞い上がった。

 

仕返しだ!やり返せ!そしてアメリカはルールを変えた。国連なんて知ったこっちゃない。俺の味方か、それとも敵か?!敵の頭には拳銃を突きつけてやる。こうやって国内のキリスト教信者を固め、外国を巻き込み、アフガニスタンからイラクへ復讐の戦火を広げていったのだ。

 

ユダヤ教とキリスト教、そしてイスラム教の三つ巴の戦いとなった中東戦争だが、それを遠くからじっと眺めているグループがある。仏教を中心とした中国だ。仏教はどこの宗教とも組める融通性がある。国際情勢は中国を中心としたアジア仏教国に問い掛けてくる。どっちにつくのか?

 

こうして、否応もなく国際紛争に巻き込まれた時、貴方が日本の首相ならどう判断するだろう。どちらと組んでも、反対側から攻撃されるのだ。

 

 



tom_eastwind at 22:22│Comments(0)TrackBack(0) 2004年 移住とは自分を知る事 

トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔