2005年10月25日

最終日のお昼は六本木ヒルズのロイズです。

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順序が逆になったが、日本のレストランの事を思い出ししながら書いていこう。

ヒルズのスターバックスで面談終了後、丁度お昼時だったので、ちょっと贅沢をしてヒルズの有名レストラン「Roy's」へ。5階から東京タワーが見える素晴らしい立地だ。

13:15の時点で広いお店に飛び込むと、まず普通に受付に誰もいない。3分ほど1人で入口に立っていると、目が合わさったウエイターが、忙しそうでもないのに、仕事の合間の時間つぶしという感じでふらっとやってきた。

勿論日本人ウエイターである。お客を見下したような雰囲気での接客だ。思わずこちらもやる気が出た。さあ、どこまでひどいサービスが展開されるのか?

「いらっしゃいませ、ご予約は?」冷たくて高ピーな言い方。まるで予約しなければ客でないような雰囲気。

「この、くそたこめ!」と思ったが、普通に「予約なしで1人です、禁煙席で」と言うと、「只今確認致しますが〜、え〜、予約はされてないんですよね〜」しつこいっつうの。「あの〜団体さんの間にあるテーブルしかご用意できないんですけど〜」となった。

見ると、お店の左側奥に個室があり、そこを解放して団体用に使っている。今も子供を連れた若い家族4組くらいのグループが2テーブル、賑やかにやっている。まあ、それでも禁煙ならいいや。「は〜い、ウォークインのお客様です〜」そこだけカタカナ英語かよ、全く。

しかし、客も金太郎飴みたいな連中だな。土曜の高級ブランチを家族で楽しむ勝ち組というイメージを頭に浮かべて「僕らはそこらの人とは違うよ、ヒルズ族だし〜」という、実は他人と同じ事をやっている連中。

さて、1人で壁際の薄暗いテーブルに座らされた僕は、5歳くらいの子供が前も見ずに走り回り、赤ちゃんが泣きまくり、親は子供を無視して自分達の洋服の話や最近の金を儲けた話をしているのを、まんじりと見ていた。良い大学を出るというのが智恵や生きる力を奪うという意味では、見事に優秀な大卒連中だ。

注文までに又10分ほど放置プレイされた。どうも、予約もなしに「男性お一人様」で来るような輩は、余程相手にしたくないのだろう。自分の価値を分ってくれる人にしかサーブしたくないのかな?

ブランチメニューは2種類しかなく、3670円のコースが基本で、それにワイン飲み放題を追加すると5770円になるという事なので、午後は仕事もない僕としては、当然飲み放題にした。

おいおいウエイター君、「お飲物はどうされますか?」って聞くなよ。飲み放題なら当然ワインでしょ。飲み放題で水くれなんて言うと思ってたのか?お一人様はやる事ないんだから、とっとと白ワイン持ってこい。 

あれあれ?そう言えばこのウエイター、ワインの銘柄も確認せずにいきなりグラスに注いでるよ。俺が白を好きで良かったが、誰にもカリフォルニアの白シャブリを出すのか?   

 

前菜10種類、アペタイザー10種類くらいあり、それぞれから一つを選択するセミバフェット方式だ。僕は前菜からルイジアナスタイル?蟹コロッケ、アペタイザーで骨付きラム肉を選んだ。コーヒー、デザートは料金に含まれている。

 

「ルイジアナスタイル蟹コロッケはたまねぎを使ってますか?」ウエイターに聞くと、びっくりしたような顔で「アレルギーですか?」と聞き返す彼。「いや、ソースに溶かしてるくらいならOKなんですけど、形のまま出てくると食べられないんで」目をそらしながら「それでしたら問題ないと思いますが〜」冷たそ〜!問題があったら、その蛙面に玉ねぎ貼り付けてやるぞ、ぼけ〜!

 

注文が終わるといきなりフルーツ盛り合わせが出てきた!何これ?と聞くと、「あ、当店ではフルーツを最初にお出ししてますので、セットですので〜」いかにも「教えてやるよ田舎もん、耳かっぽじって聞いとけ。うちゃ最初にフルーツ出すんだよ、これは料金に入ってるからびびるんじゃね〜よ」なんて心の声が聞こえてきた。

 

情けないですね〜、そんな客しか来ないんですね、よくわかる。客が店を作るんだもんね、ウエイター君、君は悪くない、悪いのは世間だ、うんうん。

 

でもって待つこと15分。勿論出されたフルーツには手もつけない。わざとテーブルの反対側の端っこに、ウエイターによく見えるように押しやった。

 

さて、おおっきなお皿の上に貝柱みたいな蟹コロッケが一個、ホワイトソースをかけているのが出てきた。単品で注文すると1500円くらいするらしい。ソースには七味をかけている。味は良い。ちゃんと蟹肉を使っている。良かった良かった、1500円のルイジアナ風蟹かまぼこが出てくるんじゃないかとひやひやしてたよ。

 

そしてメインコース、と言うかアペタイザーがラム肉。これにはびっくり!とってもうまいのだ。日頃あまりラムを食べないが、ジンギスカンの延長みたいなのが出てくると思ったら、何とちゃんとした骨付きラム肉で、レアなのだ!

 

羊をレアで出すってのは結構勇気の要る事で、生肉と勘違いされてしまうが、この肉は赤身のままだが、ちゃんと火が通っているからうまい。

 

ところがである。網焼きのイメージを出す為に使ってたコテ?網?どっちか分らないが、その網がちゃんと前に焼いた肉の焦げを落としてないままだったので、折角のラム肉が焦げ臭くなっている。シェフの火の通し具合はばっちりだったので、最後にキッチンハンドあたりに「焼き鏝付けとけよ」と渡したのだろう。

 

料理を1人が最初から最後まで見てればこんな風にはならないと思うのだが、多分キッチンは流れ仕事で回しているんだろう。そう思ってラム肉を半分だけ食べてナイフとフォークを置いて、蛙面に向かって「メニューを下さい」と言った。

 

蛙もびびり始めたのか、あえて何も言わずにお皿を片付ける。ちょっと顔が引きつっているのが可愛い。自分に自信があれば、又は仕事にプライドがあれば「何かお口に合わなかったでしょうか?」と聞く場面だろうが、その一言が言い出せない。気持ちはわかるよ、永遠の新米くん。

 

イベリコ豚のステーキがあったので、そいつを注文した。「あの〜、セットではないのですけど」またそのハナシカヨ?「ちゃんと追加料金はお支払いしますので、安心して持ってきて下さい」この皮肉がちゃんと通じたかどうか、不明。

 

イベリコ豚が出てきた。やっぱり!これも焦げが付いてる。肉自体の焼加減はばっちりなのに、焦げの為に苦くなっている。網の処理をしてないのだ。同じミスが2回という事は、組織的な問題だな。誰かのちょいとしたミスではなく、構造的問題だ。

 

そう思って食べてたら、今度は黒服?がやってきた。その時点で僕は大きな声も出してないし、隣のテーブルから怪しまれるような事もしていない。

 

黒服はウエイターに話を聞いてて不思議に思ったのだろう、二つ目のアペタイザーを食べている僕に「お客様、お食事はお口に合いますか?」と、店に入って初めてのまともな質問をしてきた。

 

サービス全般、料理の味、焦げが苦いという話を、声色を高めずに淡々と説明して、納得してもらった。最後にコーヒーがセットで付いておりますというウエイター君の言葉をフル無視して、またワインを頼む。

 

そうこうしている間にも「予約をしている」お客が入って来る。どいつもこいつもバブル紳士みたく、胡散臭いな〜。てゆ〜か10メートルほど離れたテーブルのオヤジ、タバコパカパカふかしながら「お、これこれ、この肉がうまいんだよ〜、いつも食べてるんだけどさ〜」だって。

 

やにだらけの舌じゃ、魚肉ソーセージと牛肉の違いも分らないだろうにね。そんなこんなで、日本最後のリッチなランチ、しっかり楽しんできました。

 



tom_eastwind at 03:11│Comments(3)TrackBack(0) 世界と日本 味めぐり 

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この記事へのコメント

1. Posted by NORIKO   2005年10月26日 18:21
ルイジアナスタイル蟹コロッケ???日本へ戻ると???なネーミングがついたメニューが多くて困ります。お決まりの「シェフの気まぐれ〜」気まぐれなものを出しても良いのだろうか???などなど。
しかし、巧みな表現力ですよね〜、大爆笑。当時の様子を巻き戻して、このブログと照らし合わせながらその場を再現したいです!ほんと、お腹が痛い。。。
2. Posted by tom   2005年10月26日 20:07
のりこさん、いつもありがとです。

ルイジアナの蟹コロッケは、僕も結構つぼにはまりましたよ〜。どう表現しようか、ずいぶん悩みました。

ほんと、料理自体はおいしくてよかったんですよ。うちもレストランに出資しているので分りますが、お店は3要素ありますよね。

味、雰囲気、サービス。この3つが揃って初めて「良い」といわれる。でもそれだけでは固定客にならない。更に「どきどきわくわく」を付加して、それで初めて繰り返し来てくれるようになる。

客がお店を作る。これは事実だと思うんです。
3. Posted by NORIKO   2005年10月27日 20:46
以前、高田馬場にご夫婦で経営なさっていた昔ながらの麺・丼物屋があり、通ったものです。ここは一言で「懐かしい」のです。味も雰囲気もサービスも。天丼用の天ぷらだって、注文してから取り掛かります。そしていつも「おまけ」を付けてくれるのがにくいっ。何よりもご夫婦の仲よさそうな雰囲気に安心感を覚えて、学生たちで賑わっていたのかもしれません。

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