2005年12月09日
[群れ]は、「君は羊」と書く。
漢字を左右に分割すると、面白い組み合わせがある。群れを左右に割ると、確かに「君は羊」になる。羊の国ニュージーランドに住んでいると、確かに羊はリーダーを持たずにいつも群れている。そして肉食動物などに追いかけられると、群れのまま移動する。
ニュージーランドに住む人々ものんびりとしたお人好しと言われたりするが、実際にビジネスをやっていると、アングロサクソンの思想明確な「弱肉強食、やったもん勝ち」の国であると感じる。まさに、羊の皮を被った狼だろう。
クイーンズタウンでビジネスをやっている人を見ると、結局最後に一番儲かっているのは、昔から街に住み、土地と法律を押えている、一握りのエグゼクティブキーウィだけだ。
オークランドも同じような状況で、魅力的な国と自然を餌に移民を引っ張りこんでは利益を毟り取り、不要になればぴしゃりとドアを閉めたり、ビジネスでも常に「持っている人」に有利になるようなルールにしている。
中国人がちっちゃなレストランを作ってキーウィの食生活を豊かにするのはOK、でもそれでたくさん儲けようとすると、しっかり税金を取り立て、家賃を値上げさせて、その利益を自分の懐に、合法的に流し込もうとしている。
まあ、他人の家に入り込んで住まわせてもらおうと思ってる僕は、その程度の不公平さは仕方ないかなとも思うが、中国人はなかなかそうは思わないようで、クイーンズタウンの知合いの中国人は、しょっちゅう文句を言っている。
「tom、白人は、表面は仲良くしなくちゃいけないし、彼らは個人的には良い奴だ。でも仕事となると、あいつが儲けるか俺が儲けるしか考えない奴らだから、十分注意しろよ」
人は一人で生きていくことは出来ない。しかし人の為に生きてては、自分は生き残れない。もしかしたら僕は、知らない間にすっかり「西洋化」したのかもしれない。