2006年04月12日

変わらない為に変わる。

17f249db.jpg

NZに限らず、どこの国でも国内の同業者が争い、市場を開拓して開発して商品を汎用化させている。

 

最初はアイデア競争だが、そのうち陳腐化するに連れて値段競争に走り、最後は1社しか残らないという消耗戦になる事もよくある。日本で言えば電機業界やパソコン業界である。だから、常に他社よりも早い動きが必要である。

 

 

天下の米国IBMでさえ「これからはハードで生きていけない」としてThinkPadを中国のレノボに売却している。元々IBMとはInternational Business Machine という、計算機械の製造販売会社だったのが、その基幹となるビジネスを売却し、ソフトソリューション、経営コンサルティング会社に大きく変化した訳である。

 

 

「変わらない為に変わる」という言葉がある。民主党の小沢さんも良く使う言葉だそうだが、IBMも「変わらない為」に変わった。つまり、本当に守るべきものを守るために、不必要なもの、時代遅れなモノは勇気を持って捨てていくと言う事だ。

 

 

多くの人々は変化を嫌う。何故なら変化があると変化した未来を予測する必要があるし、その為に自分で決断や判断をする必要がでてくるからだ。それが面倒だから逃げる。

 

だから既に時代遅れになった古いものを、形だけを守る為に一生懸命しがみついて、それを延命させる為にのみ注力し、それで「自分は頑張った」という、自分だけ気持ち良い心地に浸るのである。

 

まるでジャガーなどの敵に追いかけられたときに砂の中などに頭を突っ込んで、敵が見えなくなったからいなくなったと自己満足するというダチョウのようだが、ダチョウ並みの人間が多いという事実は隠せない。

 

しかし世の中は変化している。グローバル化していく中でインターネットが発達すれば、必然的に自分の競合相手は国内他社ではなく、世界レベルの他社になってしまう。というか、既にそうなってしまっている。旅行業界と留学業界だ。

 

 

例えば日本を出発するワーホリ層は、どうせ1ドルが80円程度なら、マイナーなニュージーランドよりも、メジャーなカナダやオーストラリアに行こうという事になる。

 

「だって、カナダに行けばすぐ米国だもんね〜かっこいいアメリカ!イチローの試合も見れるし〜、オーストラリアに行けば、サーフィンもマリファナも楽しめそう!」

 

国内でどれだけ競争をしようと、実は競合相手は欧州、オーストラリアやカナダなのだから、彼の国の商品企画と比較してNZの商品に魅力がなければ、例え5%安くしようが、見積もりを安くしようが、意味がない。この国自体にお客様が入ってこないのだから、競争の舞台にさえ立てない状態になるのだ。

 

その事に気付かずにダチョウみたいに砂に首を突っ込んで目先のしょ〜もない事に血道をあげている連中は、それだけで働いた気持ちになっても数字がついてこない。バブルよもう一度と見果てぬ夢を忘れられない証券会社のセールスマンみたいに、毎日過去の栄光と夢にしがみつくのみだ。

 

 

今こそ、NZドルが強くなった今こそが、本来のNZの魅力で勝負すべき時なのだ。通貨が安いからとやって来るような浮気客を相手に、楽な商売をやっていたツケが、今の旅行業界や留学業界に回ってきているのだ。

 

変わらない為に変わる。NZを、その自然を守りながら人との共生を目指す自然大国としてグローバル化を生き残る為にも、変化する必要があるのだ。NZの生き残る道は、徹底した地元主義であろう。今もっている無形の資産をどう守り、その為に何を捨てるか?

 

旅行業界や留学業界は、今までの商品感覚を捨てろ。

 

すべて忘れて、日本にいる潜在顧客の立場からもう一度NZを俯瞰してみて、何が潜在顧客を顕在化させられるか、考えろ。でなければ、あっと言う間に時代の波に飲み込まれて、気付いた時には座る椅子さえなく、たまにあり付いた仕事でも、生活をするのがやっと、いつまで経っても生活の向上は望めず、一体何の為にこの業界に張り付いてしがみついて働いているのか、自己嫌悪に陥ってしまうだろう。

 

 

飛べない鳥であるダチョウが本当に砂に首を突っ込むのかどうか、実物を見た事はないのでよく分らないが、飛べない人間種では「砂に首を突っ込む」連中はしょっちゅう見かけている。

 

いい加減「砂に首を突っ込む人間」は見飽きたので、週末はウエスタンスプリングス動物園に行ってダチョウでも見てくるかな。

 

 

ブログ人気ランキングへ

 

 

 

5月21日に東京国際フォーラムで移住・起業説明会を開催します。もしNZにご興味があれば参加してみませんか?

 

 

 



tom_eastwind at 08:05│Comments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔