2006年04月15日

さらばカタロニア戦線

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やっぱり、軽くこけてくれた一冊。というか、上下合わせて2冊だ。

スパイ小説はベルリンの壁崩壊前と後で、テロ小説は911以前と以後に分けられる。

それほど時代の象徴だったベルリンの壁と911だが、1936年当時の時代の象徴はスペインだった。

テロやファシスト、共産主義者が入り混じってお互いに殺しあっていた場所がスペインで、それを周囲で冷徹に見つめていたのが英米ロシアである。

人々はロマンチズムに走り共産主義に燃えて、ファシストに向かって戦いを挑んだ。ファシストは、より善き世界を目指して共産主義者と戦った。

ヘミングウェイの小説の舞台「誰が為に鐘はなる」にもなったスペイン内乱だが、それにしても、スティーブンハンターのは駄作だった〜。

彼の本は後期の西村寿行と同じで、当たり外れが大きすぎる。

しかし西村寿行は本当にカバンの上で本を書いていたのか、誰かに書かせていたのか分らんが、同じ作者と思えないくらいの温度差を感じるが、スティーブンハンターの場合、大体どれも同じ程度にひどいので、あまり温度差はないから、代筆ではないのだろうと推測出来る。

その中でも、「ブラックライト」や「狩の時」みたいに、とにかく銃を撃ちまくるだけなテーマなら彼はOKなのだが、銃の照準を合わせるのは上手でも、人の気持ちを書かせて、歴史認識とか時代背景を真面目に取り組もうとすると、学校時代の教養のなさか、アメリカ人が持つ独特の「歴史や都合が悪い事は忘れてしまう」病の為に、とんでも8分歩いて10分のレベルに下がるのだ。

そんな事を言いながらも、彼の本はすでに10冊くらい持っている自分が、ちょい悔し。

まあ、いじくり回して最後に放置する東尾、じゃない、そのまんま東、でもない、そうそう、東野って人に比べれば、まだ単純で許せる。

諦めていたハンターが、また失敗したって程度なので、これはまあ、清原が三振しても「そんな事もあるかな〜」程度で、それで彼の全てが否定されるわけではないと言う程度。

でも、シティの高速道路で警察に捕まったり、香港空港で出発間際の飛行機から下ろされて警察車に引っ張られたくらいの銃好きな僕からすれば、次に彼が本を出せば、また買うだろう事は、想像に難くない。とりあえずMG34の表現方法、すんごい格好良かったな。

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tom_eastwind at 21:39│Comments(0)TrackBack(0) 最近読んだ本  

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