2006年05月02日

コップ半分の水

49a5e893.jpg

コップ半分の水を、「もう半分しかない」或いは「まだ半分もある」、そういう理論展開をする事がある。僕は「半分もある」派だ。それで積極的だと思っていた。

 

でも、昨日気付いた事は、もっと積極的なのは、半分である事を認めた上で、これだけあるじゃんかと幸せをかみ締め、そして同時に「まだ半分しかない」と、自分を励まして成長すること。

 

 

これがもっと素晴らしいと感じた事だ。つまり幸福とやる気を同時に掻き立てようという、グリコの二度美味しい発想だ。

 

 

人生は、見る角度で全てが変わる。サラリーマン時代からそうだったが、僕は仕事に於いて、いくらのお金がもらえるかよりも、その仕事をして何を学べるかを考えていた。

 

 

金儲けはいつでも出来る、それよりも若いときは、いろんな事を学んでみよう、そういう気持ちだった。その事は、自分が20歳台の頃に福岡で営業をしていて、いろんな経営者からいつも言われた事だ。

 

 

「おい若造、金なんていつでも作れる。今は思いっきり自分に投資しろ。30歳までに自分に投資したお金は、30歳以降に、全部自分に返ってくるから、30歳前に貯金なんて、くだらん事は考えるな。俺の言う事を信じろ」

 

 

言われた通りにしてみると、なるほど先達の言う事は正しい。目先のサラリーがどうのこうのと言う前に、自分を磨く努力はしているのだろうか?それなしに目先のお金の不満を、例えば掲示板などに匿名で書き込んで密かに喜ぶ人たちがいるが、あれはどうなのだろうと思う。

 

 

NZDaisukiという日本人向けのウェブサイトがある。そこの掲示板でよくテーマになるのが時給だ。「経営者が最低時給を払わない!」とか「給料未払い!」とか、である。勿論、どちらも事実であれば問題だ。理由はどうあれ、法律は守らねばならない。

 

 

以前も書いたが、最低生活に足るだけの時給は、労働力を大きな意味での消費力として考えた場合にも、払わねばならないものである。

 

 

しかし、である。この掲示板に書き込みをする人々、彼らは目先の給料の話をする前に、その仕事で一体何を学んでいるのだろう?日々の文句を掲示板に書き込み、それで鬱憤を晴らすのだろうが、その鬱憤とはどこから来るのだろう。

 

 

時給が安い?では日本で働けばよい。元々ワーホリビザとは現地の雇用に影響を与えない程度に、働きながら国際交流を行う仕組である。出稼ぎを促進するシステムではない。その点を履き違えているのではないか?

 

 

それ以外の永住権保持者等であれば、地元の企業でも働ける。あえて日系で働く必要もない。つまり高い給料をもらえないのは本人の努力不足なのではないか?

 

 

自分はお金を貰うに値する仕事をしているのか?

 

 

まあ、こんな事を書くとまた「いいんですよ、僕らは文句を言いたいだけだし、別にそれで何を変えようとか思ってないんです、満足している人はここに書き込みしないで下さい、大体あなたらなんですか!」となる。

 

 

だからDaisukiには書き込まずに、この場で書く。何故ならここが、僕の主張の場だからだ。

 

 

もし不当な給料であれば、僕が相談に乗ります。相手の経営者に連絡もして改善させます。その代わり、あなたも海外に出た日本人として恥かしくない仕事をして下さい。

 

 

コップ半分の水で語れる事は少ない。でもコップ半分の水があれば、半日は生きていけるだろう。それだけの時間があれば、「たった半分!」と悲嘆にくれてばかりいるのではなく、「まだ半分あるうちに」解決策を探す事が出来るのではないだろうか?

 

 

道はある。探せば必ずある。見つからないのは、探してないだけだ。

 

人気ブログランキングへ

 

 

5月21日に東京国際フォーラムで移住説明会を開催します。狭い日本にゃ住み飽きた、そう思ってる方、新天地へ、どうぞ!

 

 



tom_eastwind at 10:01│Comments(2)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

トラックバックURL

この記事へのコメント

1. Posted by ひろし   2006年05月07日 01:26
とても感銘を受けました。いつも読ませていただいているのですが、今回は特にです。

「30歳までに自分に投資したお金は、30歳以降に、全部自分に返ってくるから、30歳前に貯金なんて、くだらん事は考えるな。」

自分は、貯金はできないタイプです。どちらかというと、ついつい自分への投資に使ってきたような気がします。コツコツ貯金している友だちを「たいしたものだ」と思うときもありましたが、今回の話を読んで、決して無駄ではなかったと思えるようになりました。

ただチャップリンの有名な台詞で「人生に必要なのは勇気と想像力と…そして少しのお金だ」とあるように、少しのお金は必要だとつくづく感じてます。現在NZで貧乏ワーホリ生活中。でも、やりたいことがあるからぎりぎりの生活でもがんばれる。また来ます。
2. Posted by tom   2006年05月07日 12:12
読んでもらってありがとうございます。

チャップリンの言葉、有名ですよね。その順番が好きです。まず勇気、そして創造力。最後に付け足しとしてのお金。

自分の経験上も、一歩踏み出す勇気がなければ、どれだけ素晴らしい智恵があっても、それを想像出来ない状態になります。踏み出すのは理屈ではなく感情です。

感情が豊かで初めて踏み出す勇気を持てて、その勇気が智恵を生む。その智恵を実際に活用する時に必要なのが、少しのお金だと思います。




この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔