2006年05月26日

過ぎ行くエレベーター

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 東京のエスカレーターでは、人は左に並ぶ。大坂では右に並ぶ。しかし、エレベーターで男性が先に乗るのだけは、日本の東西を問わず同じである。

 

 ニュージーランドに限らず、白人社会では女性優先という習慣があり、エレベーターでも必ず女性が先に乗る。従って僕ら東洋人でも何時の間にかその習慣が身に付き、「 After you please, 」と言うようになる。この言葉は、「おはよう」等とほぼ同じく、無意識に使うようになる。

 

 しかし、このような白人社会のエレベーターに、日本から来たばかりの女性が並ぶと困る事が起こる。エレベーターが通り過ぎてしまうのだ。

 

 男性からすれば「どうぞお先に」の積りで、相手女性の目を見ながら、彼女が乗りこむのを待っている。しかし彼女からすれば、男性より先に乗る習慣がないから、二人はお互いに見つめあったまま、間にある空のエレベーターのみが過ぎ去っていくのだ。

 

 白人男性の場合は、日本人女性もそれなりに考えているのだろう、男性から「お先に」と言われると、結構さかさかと乗り込んで「やっばり、はくじんはえ“え”な〜」となるのだが、お互いに東洋人、特にこちらからすれば相手が日本人女性とわかってしまうと、初対面の女性にいきなり「お先に」と言い辛い。

 

 だからどうしても無言になり、先に乗ってしまうかという事になる。そんな時に同じエレベーターに白人が乗り合わせていると、更に気まずい。「いやいや、男尊女卑って訳じゃなくて、この環境がね〜」等と言い訳をすると、更におかしい。

 

 普通に白人と同じように話し掛ければ良いではないかという事も言えるが、下手に声をかけたら変態扱いされかねないしな。何?被害妄想?僕の容貌が怪しいから?・・・まあ、それは・・・良しとしよう。

 

 いずれにしても、オークランドで日本人女性と乗るエレベーターは緊張するのである。

 

 

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tom_eastwind at 11:38│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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