2006年06月24日

ソフトパワーな新移住者 2

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ニューリッチの住む場所

 

戦後の日本は全員が一丸となり、まず政府を強くして、次に製鉄や自動車産業等の重厚長大産業に傾斜型投資を行い、その下請け孫請けがシャワー効果的に利益を受けて、最終的にその配分が給料という形でサラリーマンに分配された。

 

サラリーマンは定年まで確実にもらえる(その頃は本当に貰えていた)給料とボーナスを原資に銀行から金を借りて「土地や住宅」を購入し、余剰資金は「銀行預金」という確実安全な会社に投資して利息を受取り、皆最終的には平等に国民総中流社会を形成してきた。

 

それは共産主義に最も近いが、同時に、平和で安定した、頑張っていればそれなりに配当を受けられる社会だった。

 

ところがこの10年で日本は変化し、競争の社会が発生した。米国的な戦いの社会だ。生き残るのは、俺かお前かである。両方とも生き残ると言う選択はない。

 

では、そんな米国型の競争社会でニューリッチとして資産を作った人は、どこに移住したのだろう?

 

僕は、それは国内移住、特に東京に住んでいる人は、都内移住だと思う。ニューリッチと呼ばれる人たちは、使い切れない資産を、自分の生まれた町や育った地区から、六本木、赤坂、麻布などの高級マンションに都内移住しているのではないか?

 

何故なら、彼らにとって六本木や麻布のある日本は、最高に楽しい国なのだ。今までは「格の違い」から「成金」が住む事が出来なかった、まっとうな儲け方をしていない人には住めなかった高級マンションでも、金があれば住めるのだ!

 

金さえあれば、オンナもマンションもクルマも、何でも自由に手に入る。高級レストランで一番高いものを注文しても、財布の中身を心配する必要はない。絶品の美女を横に乗せてフェラーリで原宿の交差点で信号待ちをしている時に感じる、周囲からの溜息が聞こえるような視線が、最高の喜びさ!

 

それが彼らの望んでいた生活なのだから、何故あえて世界で最高のサービスと高級品が揃った国を出ていき、モノがない、日本語が通じない、料理も自分で作らなくちゃいけないような海外に行く必要があるのか?

 

ニューヨークも旅行には楽しいが、住むにはホールドアップがあって治安が悪いし、テロの危険はあるし、大体飲み屋もしけてるし、コンビニも殆どないじゃん!

 

シドニーだって中途半端な田舎だし、綺麗な景色が見える家が安く買えるなんて、僕は麻布で東京タワーの景色見えるマンション買う金があるんだもん、必要ないよ。おまけにシドニー、食い物まずいしさ。

 

香港じゃあ英語さえ満足に通じないし、雨が降ると服は大気汚染で泥だらけ、ひったくりにいつも気をつけて、香港人相手に買い物の交渉するのも疲れるし〜。のんびり出来ないジャンか。

 

大体、世界中何処に行っても、一番日本語が通じるのは日本じゃんか!何でそんなお気軽な国を捨てて、これ以上の使い切れないお金を増やす為に無理して海外に住まなくちゃ、嫌な思いをしなくちゃいけないんだよ?俺、勝ち組なんだよ!

 

勝ち組にとっては、日本は住みやすいのだ。負け組みがコンビニやレストランで僕のために働いてくれるじゃん、まるで自分個人のメードのように、一生懸命頭を下げてサービスしてくれる。

 

金さえあれば、日本は最高なのだ。

 

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子供の復讐?

 

もう一つうがった考え方をすれば、最近のニューリッチは、その心の拠り所が日本という社会にしかないのではないか?と思う。

 

子供の頃から受験に追われて子供らしい遊びは全く出来ず、塾の帰り、遅い時間に友だちと一緒にコンビニのファーストフードで買い食いするくらいが、唯一の心の休まる時間。

 

高校に行っても受験競争。親の期待と周囲の抑圧に耐えながら、恋も出来ず,ただ学校と塾と自宅のベッドを行き来するだけの生活。

 

やっと大学を出たと思ったら、平成不況のど真ん中。終身雇用は破壊され、年功序列も無い世界が広がっていた。

 

「おいおい、おふくろ、話が違うじゃないか!就職すれば楽に生きていけるはずじゃないのか?」振り向いてみると、本当に腹を割って話せる友達もおらず、今じゃ熱い恋も出来ず、他人との距離感も理解出来ず、周囲には「あの人、ちょっとおかし〜い」と言われる生活。

 

ふざけんな、俺はエリートなんだ、頭良いんだ!何の為に俺は子供の生活を捨ててきたんだ!?

 

そんな時に降って湧いたような金融自由化とITバブル。

 

外資金融やITへの転職だ!

 

よっしゃいけ!ここが勝負だ!赤字でも上場、ストックオプションで大儲けだ!株のインサイダー、粉飾決算、何でもありだ!儲けたモンの勝ちじゃんか!何?そんな儲け方良くないよって?ふざけんな、てめーらの言う事聞いて真面目にやってたら、何十年経ってもうだつが上がらね〜んだよ!

 

大体、お前ら大人のいう事聞いてここまで来たのに、何だよこの世の中、話が違うじゃね〜か、今更お前らに言われたくね〜YO!

 

そして子供は社会に復讐を始めた。それは自覚のない、無意識の復讐であり、彼らの走る先には、伝統的な日本社会の崩壊しかないという事を気付かずに突っ走った。

 

長くなったので、また翌日。

 

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tom_eastwind at 17:22│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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