2006年06月25日

ソフトパワーな新移住者 3

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ニューリッチの舞台

 

あまりに過激な金融の自由化の結果、伝統的社会を守る為に政治家が動き、ホリエモンと村上を潰した。頭の良い孫と御木谷は政治家の意向を理解して、早いうちに体制側に転向していたから、潰す必要はない。「これからの日本の為に頑張ってくれたまえ」という事だ。

 

しかし、生き残ったニューリッチは、まだまだ戦う。では彼らの戦いの舞台はどこだ?それは東京しかない。

 

僕が金で復讐出来て、僕と言う存在を日本語で認識してもらい、僕がお金を作る事で他人に尊敬される社会、それは日本しかないじゃないか!法律規制なんて言っても、まだまだイケル!

 

第一、いくら金を作っても、価値観の違うニュージーランドじゃ尊敬されないし、僕以上の金持ちばかりのニューヨークや香港じゃ、威張る事も出来ない。アパートの守衛もドアを開いてくれね〜よ。英語も出来ないしな〜。

 

国境を越えてまで資産を増やそうとするのは、義理や情ではなく冷静な判断が出来て、世界を一つの「土の付いた球体」として認識出来る国際感覚のある人種だ。

 

例えば中国人やユダヤ人は生まれた時から安住の国家を持たない為、逆に地球と言う肌感覚が理解出来て,資産運用で世界の法律の違いを堂々と冷静に利用する事が出来るし、どこに住もうと地球は地球であることを理解している。

 

彼らは家族を生活単位にしているから、家族がどこの国に住もうと関係ない。家族が助け合って生きていければ、東南アジアの細長い島がどうなろうと、そいつらにどう評価されようと気にならない。だって家族からの評価が彼らの幸せの基準なんだもんね。

 

しかし、そのような大前提のある日本人が一体何人いるだろうか?島国で育ち、一つの国家でしか通用しない価値観しか持たずに成長してきた「普通の人」に、そのような肌感覚は理解出来ないだろう。

 

ましてや、日本は家族よりも社会を優先する国家である。ニューリッチは、その生育過程で何らかの形で家庭が崩壊している(だろう)から、家庭からの評価をもらえない。そうなると後は、社会に評価されないと幸せを感じないのである。

 

だからどうしても、理解して貰う為には東京に本拠を置くしかない。

 

勿論すべてのニューリッチがそうであるとは思わない。結果的に金を儲けただけで、きちんと使い方のバランスが取れた人もたくさんいるだろうし、幸せな家庭を持っている人もいるだろう。でも、住み易さか社会的評価、どちらかが彼らを東京に留めているという感じはする。

 

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普通の人々

 

競争社会。政府は日本復活をかけて競争社会を選択した。その結果、急激に治安は悪化し、凶悪犯罪や子供への犯罪が増えた。当然だ、世の中に貧富の差が発生すれば、それが凶悪犯罪に繋がるのは、少しでも歴史や経済を知っていれば誰でも分かる事だ。

 

そして伝統的な日本の価値観が破壊されると、自分の拠って立つ所を失った人々は、社会の中で異常行動に走る。子供が子供の首を切って殺したり、無辜な人々を車から引き摺り下ろして嬲った挙句に殺してコンクリートに詰めてしまい、そんな子供を親も見てみぬ振りをする社会。

 

価値観を破壊され、生きる糧をリストラという美名の下に奪われて、人生の最後に、家族の保険金受け取りの為に電車に飛び込む男たち。

 

社会の構造変化は、それだけではない。

 

国民皆保険制度の崩壊。老齢年金がもらえない、医療は自己負担、生活保護の切り捨てによる将来の生活への不安等など。要するに弱者は去れという事だ。

 

子供への犯罪増加により、いつ自分の子供が巻き込まれるか分らない不安。

 

終身雇用の崩壊により、いつ旦那がリストラされるか分らない不安。

 

このような社会不安が結果的に少子化に結実されているのは、誰もが知っている事だ。

 

何故子供を産まないの?母親には子供に対する責任がある。こんな世の中で生んでしまったら、子供にどうやって責任を取れば良いのか?取れる自信もない女性は、産まない選択をする。

 

すべてが変わってしまった社会。しかし、そんな社会で本当に普通の日本人は満足するのだろうか?しない。その結果が、今発生している新移住者だと思う。

 

昭和、平成と真面目に働いてきた普通の人々。彼ら声無き人々は、自分達が一生懸命働いた結果として財産を作った。「大手企業でサラリーマンを真面目に一生やった人なら、大体1〜2億程度の財産は抱えてる筈ですよ」そう某新聞の記者は言ってた。

 

勿論新移住者すべてが資産に余裕のある人ではない。30歳前半で、あまり資産もないままに踏み切った人もいるだろう。しかし、金の有無に関係なく、普通の人は日本に不安を抱き始めていると言う事は、もう政府に頼れないと感じている事と同じ意味だ。

 

そうして「普通の日本人」は日本を離れていく。

 

日本は好きだけど、今の政治や生活環境は嫌だ。暫く他の国で生活するよ。日本がまた良くなれば、日本に戻れば良いしね。さよなら日本、また会う日まで。

 

長くなったので、また一旦切ります。この話、どこにいくんでしょ

 

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tom_eastwind at 10:37│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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