2006年06月30日

何を売っているのか?

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よく聞かれる質問が、「お宅、結局何やさん?」という質問だ。

 

一般的には「旅行業です」と答えているが、正確には情報産業であり「NZに関する旅行や移住、留学等の情報」と言うソフトを販売している。ソフトというと、エクセルとかワードみたいなイメージを持つかもしれないが、生で存在する情報もソフト情報であると、僕は思っている。

 

この情報と言う商品を販売しているのは、当社だけでなく例えば弁護士、税理士など法律を学んで提供する人々、証券会社や投資コンサルタント等企業情報や株情報を仕入れて、それを商品化して売る人なども同じだ。

 

彼らは素人であるお客様の知らない情報を提供して、その対価として費用を受取っている。その名目がLegal advice fee, Consulting fee, Handling charge 等、名称が何であろうが、やってる事は知識や情報の切り売りだ。

 

在庫を持たないから倉庫が不要で、魚や肉、家具、洗濯機などのような具体的な商品を売ってないから、店舗も不要だ。

 

その代わりに強力なコンピューターと使いやすい机、考え事の出来る場所、そして一番大事なのが情報検索能力と、それを顧客別に整理して提案するプレゼンテーション能力だ。

 

2週間ほど前の日経ビジネスのリクルート特集で、こんな事を書いていた。

「情報誌は、常に需給ギャップのある所で成立する」

 

情報を欲しい人と、情報を提供したい人の間に仲介者として立って、欲しい人に正確な情報を提供するのが仕事であるから、情報は常に正確で新鮮であり、特に一番重要なのは、その情報が広く知られてない事=需給ギャップがある事だ。

 

ところが僕の周囲の多くの人々は、そこを勘違いして「僕は留学業者です」とか「学校紹介してます」という。学校紹介を仕事としている。しかし、今のようにインターネットですべて調べられる時代になると、学校のデータなどはすぐに見つける事が出来る。

 

例えば英語学校の設備はこうなってますよと、誰でもちょっと調べれば分るような事、知っている事を話しても、誰もお金を払ってくれない。誰でも知ってる学校紹介や留学業者という名目だけでは「付加価値」はつかず、結局「うちの方が安いよ〜」という、八百屋の大根の叩き売りになるのだ。

 

知識の切り売りでやってる商売は、常に学ぶ姿勢が必要だ。それがあるからこそ付加価値を付けて商品の販売が出来る。

 

毎週1冊も本を読まない。

英語の勉強もせずに、英語のTVや新聞を見ない。

街に出て色んな人と知的会話や情報交換をしないで、与太話や天気の話ばかりしている。

一日30分でも何かに興味を持って勉強していない。

 

これじゃあ、情報を売るのは無理でしょ。だって、知識が無いんだもん。

 

うちが売ってるのは、冷蔵庫でも車でも住宅でもない、情報なのだ。そして情報を売るというのはかなり、控えめに言ってもかなり高度なレベルの能力を要求される。新鮮度と正確さが要求される生ものだ。

 

それを扱えないのであれば、最初から旅行業や留学、移住の仕事などに取り組むのはやめた方が良いと思う。何故なら、顧客にとって迷惑だからだ。

 

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tom_eastwind at 00:00│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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