2006年08月06日
アウェイ組(移住者)とホーム組(キーウィ)のスタート地点の違いについて
最近の月刊NZ国内ニュースから抜粋:
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社会開発省が発表した国民生活水準白書によれば、76%の国民が「おおむね満足」から「非常に満足」な状態にあると発表した。その一方で国民の8%は「非常に困窮」した状態にある事が分った。
前回の調査に比べて非常に困窮の割合が3%上昇している理由についてポープ社会開発大臣は「物価上昇により公的扶助額が実質的に目減りした一方で賃金は上昇した為に所得格差が拡大した」と説明し「勤労世帯に養育費を助成する制度を導入する事により是正される」
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要するに真面目に働いている人は給料が増えたけど、手当てだけで生活している人は増えてないって事。だけど、手当てだけで生活出来るって、どんな国よ?それも一生、一度も働かずに政府にぶら下がって食っている「完全失業者」を抱えていながら国家財政が黒字の国って、どこにあるんだろうね?
てゆ〜か、みんなも頑張ればお金持ちになれるという事を実感している。失業保険にしがみいても十分食っていけるけど、それよりも働いた方がもっと食える、それを実感しているってこった。
だって5年前の最低賃金は7ドル程度、それが今年は10.25ドルだから、5年で50%以上の上昇をしている。毎年10%賃金が上昇しているようなものだ。
だから当然、失業率も低下している。
月刊NZからの抜粋:
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失業者数は3万9572人で、1982年以来4万人を割り込んだ。1999年には12万2000人もいたが、それを75%も減少出来た。
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実は日本人でも同じで、地元キーウィのちゃんとした会社で就職した人や、独立してキーウィ相手に商売をしている人は、景気のよさを実感しているし年収も5万ドル前後までいってる。知合いのレストランもキーウィ客を相手にしているところは繁盛している。平日の夜で満席だからね。
ところが面白い事に、それでも「生活がきつい」「物価が上がって大変」という人々がいる。それはある一部の日本人グループだ。
「うちの旦那はいくら働いても給料が2万4千ドル程度(つまり最低賃金)、家賃や食費を払ったら残らないのに、生活費だけは高くなって、やんなっちゃうわ」から始まり、「ねえねえ奥様、それじゃあ生活費を切り詰める為の情報交換しましょうよ」と、堅い牛肉を柔らかくする方法や、日本野菜の代わりに韓国ストアの野菜で料理をする方法、挙句の果てにはサランラップを再利用する方法まで、インターネット掲示板での情報交換が実に盛んだ。
それ自体はどうこう言うものではないが、インターネットを立ち上げて文章を考えて書き込みをする、それだけの時間と労力があれば、何か仕事すれば?と思うのは僕だけだろうか?
どうも日本人は、愚痴を言うけど自分から何かするという事がない。どうしてか分らないが、だんなの給料が安いなら、地元の大学に行って資格をとれば、それだけで給料は上がるよ。「だって今の生活が」とか言っても、そのための政府の失業保険だしスチューデントローンでしょ。そこは堂々と利用させてもらえば良い。だってその後にNZの為に頑張るんだから。大学に行く2〜3年を我慢すれば、その後の30年の人生が安定するんだよ。
大体、移住してきた人がキーウィと全く同じような生活を、努力もせずに勝ち取ろうとする事がおかしいと思う。
だってキーウィは、スタートラインから違うんだよ。彼らは地元で生まれ親戚がいて、小学校から机を並べた友達がいて、地縁社会の中でしっかり守られて、英語も出来るしジョークも言える、どんなところにも入っていける人々だ。
そんなキーウィと、去年来たばかりで現地の習慣もジョークも分らないで、ましてや英語も分らないし地縁もない、そんな移民がこの社会で生きていこうとすれば、それはもう、逞しく働くしかないでしょう。そんな努力を横に置いて文句だけ言ってても、生活の改善はないと思うよ。
それよりも中国人や韓国人を見てみろ。失敗を恐れず独立して、実際に多くの人は失敗しているけど、それでも挑戦しようという気持ちがあるだけ立派だと思う。キーウィの会社でちまちまと安定した安月給のサラリーマンという道を選んでおいて、今更野菜が高いも何もあったものではないと思う。
移住者である僕らがキーウィ以上に働かないで、社会の下層に埋もれているのは自己責任ではないか。キーウィ並に生活をしようと思えば、最初の10年くらいは死ぬほど頑張って、それからのんびりすべきではないか?
柔らかい肉で美味しいバーベキューを友達と楽しみたいなら、まず頭を使って働こう。