2006年08月25日

やくざが店にやってきた

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「暴力団と戦いつづけた飲食店経営者の怒涛の日々」という副題が付いてて、何か面白そうなので、早速amazonで注文。今回はインターネットで注文して、3日後には到着。

全く、日本とNZの距離感を感じさせない国際サービスですな。

 

さてその内容。最初はハウツウものかと思って読み始めた。

ヤクザとは最初が肝心とか、絶対に手を出すな、必ず警察を呼べとか、そんな項目があったからなのだが、実際に読んでみると、これは本当に作者が、30年にわたって川崎市で飲食店経営を行って、その時に体験した事を書いているのだ。

文章は大してうまくないが、その内容は実に面白い。これでうまく脚色したら、もっとヒットするだろうにとか思いながら読む。250ページ程度なので、2時間程度で読了。

しかしまあ、ヤクザ相手に一歩も引かず、殺されもせずによくやったよねと思いながら最後のあとがきを読むと、その秘密が分った!

この人、中村天風の読者なのだ。

中村天風ってのは昔書いた事があるが、福岡出身で明治時代から昭和初期に活躍した人で、最初は学生時代に人殺しをやり、あんまり乱暴で手におえないから頭山満という、これも福岡出身の愛国の士であり右翼でもあり、戦後右翼の巨頭である故児玉誉士夫も、競艇の故笹川良一も、ましてや現在では、何処のヤクザや右翼よりも上に位置し、簡単に言うとヤクザを従えた愛国の右翼を日本で最初に作った人で、この人の話をするだけで本が何冊も書ける位物凄い人で、その人の愛弟子として活躍したのが、この中村天風。(長くなったな〜、句点なしだぞ)

でもって、中村天風はその後日露戦争では日本軍スパイとして露西亜を駆け抜け、その間九死に一生を得た事もたびたびな軍人で、戦後は商売人としても大成功したものの、何故自分が生きているかを考え始めた頃に死の病に罹り、その病気を治すために米国や欧州に行き医学を学び、同時に世界一の医者にも会うが、誰にも彼の病気を治せず、欧州からの帰路の船で偶然同船したインドの導師に会い、彼に付いてインドの山奥で数年の修行をするうちに完全に病気が直り、同時に人間の生きる意味を発見して、日本に帰ってからは自分で辻説法を創めて、時の首相や経済界重鎮にも人生を説き、戦後は松下幸之助や京セラの会長である稲盛さん等も私淑したという、すんごい人なのである。(これも一文にしては長いな〜)

人は、死んだ先のことは考えるな。そんな事は神様や宗教に任せて、お前は今、目の前にある問題、どうやったら生きていけるかだけを考えろ。自分の命がどうとか自分の利益がどうとか考えるな、人はそんな事だけの為に生きてるんではない、とにかく力強く生きろ、生死などに拘るな、どうせいつかは死ぬ命だ。

強い人にしか理解しづらい、てゆうか、弱い人が聞いたら、それだけで死んでしまいそうな、かなり過激な文章を書く人だ。

そっかそっか、そんな人がいたんだな。だから、ヤクザ相手に一歩も引かず、逆に相手から尊敬の念をもらえるほどなんだな。

と思って、あ、そうだ久々に本を見ようと思ったら、本棚に置いてあった2冊とも消えている。貸し出し中だな。よかったよかった、良い本は、素晴らしい友との出会いと同じ。

話が思いっきりそれたが、「ヤクザが店にやってきた」も、勿論軽く読めて面白い。難しいのは、実践する事だ。特に今のように、警察が弱体化してヤクザと組み始めるような時代には、特に難しいだろうな。

やくざのいないニュージーランド、お店も商売も、やくざの存在なしにビジネス出切る。それだけでも、とっても幸せなことですな。

9月24日と10月15日に、東京で移住説明会をします。やくざのいない国で商売をしたい方、ぜひご参加下さい。

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tom_eastwind at 00:05│Comments(0)TrackBack(0) 最近読んだ本  

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