2006年09月19日

日曜のお客様

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日曜のお客様

 

先週の日曜は、晴れたり曇ったりの天気の中、午前中に日曜討論で次期政権の話を聞き、安倍が当て馬じゃないのかってブログを書く。

 

午後は、日本から移住を希望するお客様を迎えた。

 

ピンポーン、ドアを開けてみると、当社の移住担当コンサルタントが連れてきたお客様がドアの向こうに立っている。あれ?どっかで見た事あるな、あ、そうだ、この人は前回の説明会に参加したご夫婦だ!

 

日本から移住の下見に来られたこのご夫婦は、30代前半。まだ子供がおらず、比較的自由に行動出来るので、今回の連休を利用して下見に来たとの事だ。

 

今回は、実際にNZで生活している日本人の話を聞きたいというお客様の希望で、だったら説明会で偉そうにNZがどうのこうのと言ってる張本人の僕の自宅を訪問させるべ〜という担当者の英断という事になった(みたい)。

 

大したものがあるわけではないが、一応プーアル茶と日本のせんべいを出して、午後の晴れ間のランギトット島を見ながら話をする。

 

彼らは、漠然とだが、クライストチャーチに住みたいと思ってる様子で、やっぱりオークランドは人気ないな、最近落ち目かい?とか思いながら話を聞くと、ご主人は普通の大学で農業化学関連を学び、卒業後は普通の会社でIT関連の業務についている為、職歴と学歴につながりがない。更に英語も、10年以上前に取得した英検二級のみで、それも今は錆び付いている。

 

親が資産家という訳でもないごく普通の、ある意味日本で住むには生活の苦労もなく、いずれ一軒家でも購入して幸せに過ごせそうなご夫婦だが、そんな人に限ってNZで永住権申請をする際に一番不利な立場の人なのだ。

 

NZでは永住権を取得、というか、自分の立場をアピールする為には一芸が必要とされる。要するに自分をどう他人に対して「商品化して価格を付ける事が出来るか」という事だ。「人が良い」とか「優しい」などは商品価値にはならず、パソコン技術やMBA資格など、目に見える効能が大事なのだ。

 

しかし日本では、自分を商品として理解出来ている労働者は殆ど存在しない。親や学校に教えられた道を歩く事が最高と思っている彼らは、自分が商品であるという事を教えられてないから、「商品に価格を付ける」という事が自分にも及ぶという市場論理を理解出来ないまま学校を卒業して就職、一般職になり、気付いて見れば日本の、それも、その企業の文化の中でしか生きていけないという事になるのだ。

 

哀しいが、日本では子供を社会の歯車として育てる事はあっても、人間として育てる事はしない。日本株式会社の歯車として育てられた人間には、個人が資格を取る必要はないし、ましてやその資格を持って転職、こちらの言葉で言う「Job Hopping という発想にはならない・・・。

 

でもって、一通り不動産の話などをした後に出てきた言葉が、「こんな僕でも永住権が取れるのでしょうか?」という質問だった。

 

この質問に対してNOと言うのは簡単だ。だって実際、英語も出来ず資格もないその状態で永住権を取得する事は不可能だからだ。

 

でも、いつも僕が答えるのはYESだ。

 

その理由は、「永住権はこの国で住む為の手段ですよね、だったら他にも観光ビザ、学生ビザ、ワークビザ等、様々な方法があります。それをうまく組み合わせて長期滞在する間に、最終的に永住権を取得すれば良いのです」だからだ。

 

実際に、日本で資格もなしにサラリーパーソンをやってた人がいきなりNZの永住権を取得するのは難しい。何よりも英語テストが難関だ。

 

でも、もう一度学生に戻った気持ちで英語学校に通えば英語は磨けるし、コースに拠っては学歴も取得出来る。また、NZは日本の田舎のような地縁社会であるので、一旦この国に入って近隣の友達を増やせば、そこから次の段階に持っていける。つまり、生活出来る給料をもらえるだけの仕事と、その先の英語テスト免除もあるし、そして永住権取得という道が出来るからだ。

 

要するに、学生ビザで半年、その後ワークビザを取得して2年程度頑張って働き、その後に永住権を取得、自分の本当にやりたい仕事につくと考えれば、2年程度の生活資金(夫婦で400万円程度)とやる気さえあれば永住権は最終的に取得出来るということだ。

 

だから、最初から永住権という高いハードルを狙って諦めるのではなく、最初はまず観光ビザ、そして学生、労働ビザと時間をかけて、3年くらい先の永住権を狙えば良いじゃないですかと話す。

 

するとお客様、それまでテーブルのお茶と僕の顔と奥さんの顔の間をくるくると見回していた顔が、急に上向いてランギトト島の光景を見て、「この景色いいですね〜、やっぱニュージーランド、本気で移住しようという気になりました」と仰ってくれる。

 

百聞は一見に如かずだ。まずは何としても休みを取って、自分の目で現地入りすることをお勧めしたいな。

 

写真は自宅の池の風景、もう春ですね、カメラがぼろいので分りにくいけど、綺麗な花が咲いてます。

 

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tom_eastwind at 23:50│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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