2006年09月29日

幸せな国家を目指して

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安全な国家を目指せないか?

 

今回も日本にいるとほぼ毎日殺人事件のニュースを見る。

 

でも、その陰に隠れるように電車に飛び込んで自殺する記事があり、さらに犯罪の検挙率がどんどん低下しているという話を聞く。

 

 

警察庁のまとめでは、05年の全国の自殺者数は3万2552人で、うち動機が「経済問題」のケースは7756人にのぼるとの事。自殺者数を小さく見せたい警察でさえこの数字だから、実態はもっとたくさんあるのかもしれない。

 

NZと比較してみると、(日本の人口が1億2千万人対NZの人口が約400万人だから)30分の1の国家であるNZで「経済問題」による死亡者を同数とすれば7,756人の30分の1で258人となる。しかしNZで、お金がない事で自殺した人というのは、まだ一度も聞いた事がない。

 

中国人同士の殺し合いや誘拐などの事件は発生しているし、NZ在住日本人が関与した殺人事件も2件、直接知っている。しかし、お金が無くなった結果としての殺人事件ではない。

 

自殺するほどに追い込まれた人は、銀行強盗や誘拐もするのではないか?自殺するほどだから、強盗なんて勇気はないよと言っても、もし暴力団あたりが多重債務者リストを入手して、彼らに強盗の実行犯をやらせたら、どうなる?

 

自殺する筈の人を犯罪者に仕立てて、犯罪者が7756人増えたとしても、犯罪の増加率は大した伸びはないかもしれない。でも、社会の治安が大幅に低下するのは間違いない。

 

そして検挙率が低下したら、最も問題なのは、「何だ、捕まらないなら、俺もやろうかな」って事になり、社会全体の倫理観が下がり、もはや国家としての形を保てなくなる、つまり人々の財産と生命の保証が出来なくなるという事につながる。

 

問題はここだ。いくら個人が資産を作れる国であっても、その資産を守る為に警備員を雇ったり防犯カメラをつけなければいけないとなれば、何の為の金だろう。ましてや、失敗したら自殺するしかない国、それって何だろう?一体何の為の国家なのか?

 

こんな笑い話がある。

 

英国で生まれ育った若者が、苦学の挙句に一流大学を卒業、シティの銀行で見習から叩き上げ、40歳過ぎにやっと独立、運良く成功して資産家になり、50歳で引退。彼はその後タヒチの小島のビーチ沿いにコテージを購入。

 

パーティ好きな彼は、早速近くに住む地元の人たちを呼んでバーベキューをした。地元の人と言っても貧しい農家や漁師である。

 

彼は自分の苦労話をして、やっとこの生活を手に入れたよと自慢すると、農家や漁師の人々は「ほ〜、そうかい、そりゃ大変だったな。最初からここで生まれていれば、何もしなくてもこの素晴らしい景色を楽しめたのにね。お疲れさん」

 

つまり、治安とか財産とか生存権などは、実は、国=住む場所を変えるだけで、簡単に手に入れられるのだ。多くを望む必要はない。他人にどう見られるかなんて関係無い。クーラーがなくても、コンビニがなくても、素敵なレストランがなくても、心の平安と安全な浜辺があれば、それでよいのではないか。

 

今のニュージーランドを批評して、低賃金とはもう言えない。福利厚生は間違いなく日本よりよい。でも、何よりも良いのは、地域社会がしっかり存在して、お互いに助け合っていける土壌があるという事だ。

 

コンビニ、24時間映画館、漫才番組、そんなものはないけど、自分の財産は政府や他人に盗られず、命は保証されていて、失敗に対して寛容な国。人が人らしく、道ですれ違った人に笑顔で接する事が出来るニュージーランド。ストレスフリーな国。これこそ、今の日本人が一番必要としているものではないだろうか。

 

写真は、オークランドに戻った初日、どのインスタントラーメンを食べようかなんて贅沢に悩んでいる僕でした。

 

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tom_eastwind at 00:40│Comments(2)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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この記事へのコメント

1. Posted by 恥ずかしいぞ   2006年09月30日 01:16
足りない教養を一生賢明本読んで勉強してるんだろうけど、
あまりにも本質が見えてないな、君は。
やはり、そもそもの教育レベルが低かったのだろう。
そんな人間があまり知ったかぶりとか経営者ぶったりしない事だよ。
同じ本を読むのでももう少し視野が広がる読み方をした方が良いよ。
2. Posted by atsushi   2007年05月18日 19:10
幸せな国家 大変興味のあります。 幸せな会社 幸せな人生 幸福とは何か を国家は研究し それを理念として 掲げないといけないと思います

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