2006年11月08日

ニュージーランド現地事情 賃金と就職について

77a546b7.jpg

ニュージーランドの賃金は、初級者向けには時給契約(最低時給10.25ドル)、ベテラン向けには年収契約という形が一般的だ。大体3〜4万ドル以上を目安として、それより下の場合は時給が、3万〜ドル以上の場合は年収契約になる。

 

 

勿論企業によって随分給与体系が違うし、一概にこの枠に当てはまらないケースもある。例えば自動車修理工場の労働者や大工はどれだけ高給でも時給計算する。

 

だからまあ、ここに書くのは一般的なサービス業の場合の給与体系のイメージとして捉えてもらえばよい。

 

時給の場合は残業手当がきちんと付加され、日本のようなサービス残業と言う発想は一切存在しない。

 

ところが一部日系レストランや労働法をしっかり理解していない社長さん達(特に日本人)は、平気で従業員に残業させて残業手当てを払わなかったり、ホリデイペイの存在さえ知らず、後で従業員に請求されて逆ぎれするケースがある。

 

「ふざけんな、賄い食わせてるだろうが!あれでチャラ(相殺と言う意味)だ!」と吠える人がいる。

 

あのね社長さん、賄いはNZの労働法では、給与の支払方法とは認識されてないんですよ。

 

だから、少なくともニュージーランドのレストランやカフェで時給計算で採用された場合は残業手当が付くし、退職時にホリデイペイが、総給与の6%分支給されるという事は知っておいてもらいたい。

 

年収の場合は、労働時間に特別な縛りがない代わりに、Job Description  と呼ばれる労働内容を指定した書類で契約をして、その業務をきちんとこなしているかどうかが評価の基準になる。だから、能力が優秀であれば年収はどんどん上がるし、能力がなければ、来年はさようならという事になる。

 

例えば旅行会社のマネージャークラスになると年収契約(4〜5万ドル+社用車、オフィス近くの駐車場等)が殆どで、昼間から街をぶらぶらする事もあれば、日曜の夜に自宅を飛び出して、到着予定が遅れた団体客の世話をしたりするので、時間では全く計算されない。一年でどれだけの客を日本から引っ張ってこれたかが基準だ。

 

労働基準監督署や労働調停委員会など、僕も何度もお会いして話をする機会があるが、彼らの認識としても、最低の労働条件は遵守させるけど、基本的に経済活動に口出ししないという雰囲気がある。

 

彼らが対応するトラブルは、大体の場合、給与の不支給、退職金の不支給、採用の際の差別、雇用期間の問題等であり、殆どが時給で働く人々を守る為の組織である。

 

最近多いのが、ワーホリでやってくる若者と現地で採用する日本人社長の間のトラブル。お互いに都合のよいところだけ主張して、肝心の義務の部分を放棄しているから、地元日本語掲示板でもよく両者が喧嘩している。

 

採用されても真面目に働かず、働けと言うと、働き方が分らないから教えろと言う。ところが教えて暫くすると「旅に出ます、給料下さい」これじゃあ、社長も怒るわな。

 

反対に、レストラン等で採用されて喜んで一生懸命働いて、自分の意思で残業してお皿も洗い頑張っているのに、最初に貰った時給が約束と違う。本来なら10.25ドルなのに、何故か8ドル。どうしてですかと聞くと「お前は見習だろうが、10.25ドルはちゃんと働ける人になってからだ」おいおい社長君、労働法では見習いだから法定賃金以下という発想はないし、本当に見習にするならそれなりの「試雇期間」を設定して書面で残さない限り、違法なのです。

 

上記の例はワーホリなど短期間で働く人たちの話だが、採用する方も採用される方も問題があり、結局本気で就職、永住を狙って仕事を得ようとする人達は、このとばっちりに巻き込まれることになる。

 

本題はやはり、これから移住して仕事を見つけようとする人たちだ。

 

これからニュージーランドの企業できちんと就職して高収入を得ようと思っている人に理解してもらいたい点は、この国では椅子に座るだけでは給料をもらえないし、黙っていても昇給はされないという事だ。

 

そして日本のように、学生を採用して名刺の渡し方やお辞儀の仕方を教えるような真似はせず、即戦力として採用当日から実績を出さないと、即刻クビになるという事実だ。(まあ実際は即日解雇は労働法にも抵触するので出来ないが、能力がないと判断されれば、数ヶ月で追い出されると思った方が良い)

 

だから、職場を見つけました、さあこれで終わりと思うのではなく、その職場で会社に対してどれだけ貢献出来るかという、これからが始まりだという点を知ってもらう事。これは日本の大学とNZの大学の違いにも繋がるが、日本では大学に入れば終わり、NZでは大学に入ってからが勝負である。

 

移住の場合で多いのが、自分の職場を確保したつもりで渡航すると「しらね〜よ、お前誰よ?」という筋書き。これは、日本のコンサルタントが現地で就職保証の手紙を取り付けて永住権取得は出来るのだが、肝心の会社は、その時点ではもう他の人を採用してて、「その手紙?ああ、そんなもん書いたかな〜、でもま、もう仕事はないよ、お前、来るの遅いよ」という事だ。

 

日本人の求職者と現地企業の一番のミスマッチは、時間の感覚。現地企業は、今日働くか、それとも働かないか、である。日本だと、一次試験、二次試験、本試験、そして永久就職みたいな感覚だが、NZでは、即戦力が常に要求されるし、大体2〜3年働いたら転職するのも普通なので、採用決定から雇用開始までの間が空くのは、クビにして下さいというようなものなのだ。

 

現地で仕事を得ようと思うなら、今の仕事を辞めて飛行機に乗って飛んできて、現地で観光ビザで半年くらい滞在する気持でやってくる方が、仕事は得やすい。現地に来て見ればどうにかなるという事は多い。

 

日本の仕事を守りながら、現地の仕事が決定したら、それから半年で渡航しようなんてのは、NZの雇用形態とは合致しないという事を、しっかり理解してもらいたい。

 

11月25日は現地就職セミナーがある。時間がある方は、このようなセミナーに参加される事をお勧めする。現地の雇用事情がよく分かる。

 

12月03日に東京汐留で第20回移住説明会を開催します。よろしければご参加下さい。

 

写真は、オークランドからクライストチャーチに向かう機内から写した、マウントクックを含むサザンアルプスの風景。マウントクックより赤城山が綺麗という人もいるようだが。

 

 

人気ブログランキングへ



tom_eastwind at 00:14│Comments(0)TrackBack(0) 移住相談 

トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔