2006年11月15日
今年もサンタがやってきた。
久し振りに明るい話題。クリスマスの季節がやって来たな〜、そう思わせるのが、写真のクリスマスサンタ。
このオフィスに引っ越してきてからもう6年だが、最初の3年くらいはサンタを見た記憶がない。
このサンタ、随分古い作りだから、2001年とか2002年だって存在したと思うんだけど、忙しくてそんなもん見るヒマあるかい!って事だったのか、それともその頃は予算がなくて飾ってなかったのか。
今年になってIT関連の技術移民が増えた感じを受けてたが、今日のニュースで、日本の職場で一番ストレス溜まるのがIT、通信業界だと読んで、納得する。一番ストレスの多い業界から、一番たくさんの移住が発生しているのだ。
特に仕事でインターネットを使っていれば、どこか見た事のない国に「新天地を求めて行きたい」となれば、そこは検索のプロだから、自然とニュージーランドに辿り着くのだろう。
人によってニュージーランドの評価は異なる。物価が高いとか給料が安いとかサービスが悪いとか、まあ、とにかく悪い事を並べだしたらきりないほど文句を言う人もいる。
でもね〜、今ニュージーランドを目指している人たちは、少しタイプが違う。
人間らしい生活を求めてくるんだよね。前出の記事でも、ストレスの原因は給料ではなく、上司との人間関係、仕事の量、質、そして遣り甲斐がない事となっている。
だから、自分で稼ぐ自信があって意思の強い人が、現状維持をして結果的に会社や社会に擂り潰される前に、新天地へ行こうとしているのだ。実際に、IT技術があれば、初任給でも年収5万ドルは堅いだろうから、十分食っていける。
1992年のトムクルーズ主演作品に「遥かなる大地へ(原題はFar & Away)」がある。イングランドによる過酷な統治支配をされていたアイルランド人が、米国と言う新天地を目指して旅に出る。そして貧しい若者は、米国到着後、苦労しながら自分の生活と基盤を作って行くと言う話だ。
時は米国の開拓時代だが、何だか、今の日本からニュージーランドへ移住をする人たちと、だぶるものがある。
原題を直訳すれば「遠く、そして離れて」となる。
米国に住むアイルランド系移民は、今もアイルランドと言う故郷は愛している。20世紀のIRA(アイルランド共和国軍)の軍資金を支えていたのは、米国に住むアイルランド移民からの仕送りだ。
当時の英米の親密な関係からすれば皮肉な話だが、つまり、アイルランド移民が間接的に英国人を殺していたのだ。それほどにアイルランド移民は、故郷と国民を愛していたが、支配層であるイングランド人は嫌いだったのだ。
日本という郷土は愛しているけど、日本政府を愛してはいない。だから究極の選択として、生活する場所を変えるという選択をした移住者。これって、虐めから逃げるのと同じか?
究極の一歩手前の「逃げ」かもしれないけど、随分と勇気の必要な「逃げ」ですな。果たして「遠く離れた新天地」は、本当に僕を迎え入れてくれるのだろうか?不安と希望が混在する中で、少ない情報のまま移住してくる人々。でも、日本に住んで緩慢な死を迎えて、死ぬ時に後悔するような生き方は選びたくない。
サンタクロースの、今の日本では考えられない、ちゃちで古くて粗雑な作りは、初めて見る人にはお笑いでしょう。が、少々の不便の引き換えに、ストレスのない人間関係、人間が仲良く信頼し合って生活出来るなら、ハガレンじゃないけど、等価交換以上の価値ではないかな。
サンタパレードは11月26日午後2時からクイーンストリートを封鎖して行われる、オークランドの一大イベントだ。壁のサンタが歩き出すわけではなく、市民参加のパレードで、チームが順順に練り歩くものだ。
毎年、朝から子供が道路際に場所を取って、日本のお花見のような騒ぎになる。丁度クイーンストリートを真下に見る事が出来る当社センターは、毎年スタッフが家族でやってくる。
左の写真は、組み立て中のサンタの足。Whitcoullsという本屋の軒先に飾られている。