2006年12月21日

ルールは人の為にある。

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先週末に不動産取引を2件まとめて契約に結びつける。日本で不動産を扱っている人からすると、こちらの不動産の動きの速さにはびっくりするようだ。

 

この取引は結構時間がかかり、最後の話し合いは先週の金曜の昼から土曜日の夜までかかったが、何とかお客様に納得してもらった。それにしても、不動産は大変だ。

 

書類は、その多さだけでなく、日本にいたら見る事ないようなLIMリポート、ビルディングリポート、リソース、そしてNZだけでなく日本での税務面での問題、自宅の管理補修、英語の契約書、NZの法律、どれをとっても中途半端な知識ではやってけない。

 

そう考えると、いきなりニュージーランドにやってきてぽ〜んと家を買う人って、凄い度胸だなと思う。

 

午前中は、移住会員の移住日程表を2件作成、何とか午前中に片付けてメールする。年末でもあり、ある程度皆さんの移住の方向性を明確にしておく為に、出張の最中から膝詰でどんどん話を詰めていき、オークランドに戻り次第図面化して、それを送る作業だ。内容が重いので、ほかの事をぶらぶらやりながらという訳にはいかない。

 

午後一番の会議では、山水の運営で今後の話をする。

 

おかげで忙しい。やらなくちゃいけない事は山積みで、どれも他の人に「ちょっとやっといて」と言えない仕事ばかり。そんな中で次は飛び込みで移住の相談。

 

31歳独身男性、都内の一流大学卒業、SEを7年経験したという、立派な経歴だ。さっと点数計算をして、2年後に永住権が取得出来る事を説明した。初対面から30分の聞き込みで2年分の計画を作ったのだから、相手からすればびっくりするのだろう。

 

「さあ、どうです?出来ますよ、あなたの移住」と言ったら「え、え、え、暫く考えて見ます」当然だろう、自分では色んな事を考えて道をどうすれば良いのか分らないのに、糸の絡まりが飛んでもない状態なのに、こちらからすれば「男性お一人様」だから簡単なケース。この落差が、普通の日本人をして「このやろう、本当に真剣に考えてんのか?」と思わせるようだ。

 

大体最初の面談でビックリするのは男の方だ。今まで自分が生きてきた社会のビジネス常識や発想では、僕のような異端児の発想が理解出来ないからだ。

 

女性のほうが脳が柔らかいのか、比較的理解度が高い気がする。いずれにしてもこの男性は、来年になって再度検討要だな。かなりメモを取っていたが、僕の話を噛み砕いて理解するのに、2〜3日はかかるだろう。何せ自分の今までの判断方法が根底から壊されるのだから。

 

まあ、それも当然か。生まれて初めて移住の具体案なんて突きつけらたら、ひえ〜っという気持かもしれない。でも可能性があるだけ良いよ。中国では全く可能性がないまま、一生共産党の下で生きていくしかない人もいる。

 

それから先週移住で問合せのあったお客様への回答2件。その両人に強調したのは、ルールよりも申請者本人の資質が大事だってこと。これは日本人には理解しずらいが、NZではルールよりも実態が優先される。

 

ルールは人の為にある。ルールが優先して、法律が精神ではなく条文で判断されるようになれば、それが問題であるって事は、日本ではあまり教えられてない。

 

有難い事にNZでは、法律の上に個別判断がある。だから真面目な日本人は、実はビザは取り易いのだ。つまり、点数上では不足していても、弁護士などを通じて移民大臣に申請すれば、個別判断で永住権が発行されるのだ。ただしこれは、日本にいる人には理解が難しいだろうな。

 

なんて事をやりながら、一日が終わる。正直、後半は息切れがする感じだ。全く内容の違う話を5個くらい同時進行でやりながら、その合間に来週からの日本行きの面談予定を押し込んでいく。あ、飛行機やホテルの確認もしなくっちゃ。

 

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tom_eastwind at 13:46│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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