2007年01月07日

行列

f1781890.jpg

1月2日は福岡の天神に出た。九州一の繁華街だ。最近では高速道路も発達して、長崎や大分、宮崎あたりからも出てくる人がある。一極集中。おかげで天神の三越は大繁盛だが、地方、例えば大分あたりの老舗デパートはすっかり地元の高級客を取られている。

 

インフラの整備は、それまで地域内の戦いだったものが、他の地域との戦いを生む。「地元で一番」では、もうやっていけない。他社が提供出来ない独自のサービスを追及しなければ、生き残っていけない時代だ。

 

国、国境と言うものもそれと同じで、御国一番と言えども、米国や中国から最新技術が来れば、競争相手は国内ではなく世界になる。

 

さて今日は、友人と昼食を兼ねたミーティング。来週から業務再開なので、日本でやる作業の打ち合わせだ。家族は天神で買物、僕は岩田屋デパート隣の高層ビルの高層階のオープンバーで、寒くない冬を実感しながら、昼から何も食わずにジントニックを飲み、今年の予定と今月の予定、そして来週の予定と、一つ一つ確認、詰めていく。

 

実は最初は昼食を先にと思っていたが、1月2日の元旦大売出し、福袋が飛ぶように売れている天神のど真ん中ソラリアでは、何と「因幡うどん」にまで数十人の行列。それこそ、「アリエナイザ〜、イナバウア〜!」と、“きっこ”ではないが連発したくなる。いや、因幡うどんは美味しいし、僕も良く食べてた。むちゃくちゃ太くて腰の強い牧野うどんとはまた違った、もっと軟らかな味わいの、二日酔いの時とかに一番食いたいうどんだ。

 

でも、いくらお昼の12時30分だからと言って、立ち食いうどんにまで行列が出来る、てゆ〜か、この行列、よく我慢出来るな。

 

因幡うどんって〜のは、のれんくぐって確信犯的に決めている自分の好きな具(例えば僕なら肉と卵)をさっと頼み、ざっと食って水をごくって飲んで出て行くもんだ。

 

今の日本では当たり前のような光景なんだろうが、一体、一杯のうどんを食べる為に何十分待つつもりなのだろう。

 

自分のどういう性格の部分か良く分らないが、どうも行列が苦手だ。余程の事がない限り、行列して何かを食うと言う発想はない。行列して30分待ちですと言われても、その30分があれば他のことが色々出来る。

 

他にやれる事が山ほどあるのに、それらをすべて止めて、ただ無為に椅子に座って馬鹿みたいにずっと待ってる等は、どうも餌を貰う小雀のような感覚になってしまう。

 

本でも読んでおけと言われるかもしれないが、本を読みながら待つほどの店かって事だ。USJだって時間をずらしたり、立ち食いで済ませたりしている程だ。腹を満たす程度なら道端のたこ焼きやホットドッグで十分、美味しい物を味わうなら、最初から予約だ。

 

元々オークランドなら、どこもそんなに混んでないので、店さえ選ばなければ飯は食える。テイクアウェイも出来る、何せお隣はバーガーキングだし、コンビニもある。

 

考えて見れば、行列にはいろんな意味がある。予約をせずに飛び込みで食べる習慣は、まだまだ食べると言う行為に対して、九州ではまだ「そんな、予約してまで」という照れくさいような気持があるのかもしれない。

 

黙って座ってても耐えられる精神力も必要だ。これなどは、「邪馬壱国」発祥の土地で農業を黙々と続けてきた農耕民族だから出来る事か?一年に一回の刈り取りまでは、とにかく毎日我慢して稲を育てる、そう言う気質なのかなと思ったりする。

 

日本ではおいしいものは行列してでも食べる事が当然なのかもしれない。しかし、行列している最中に煙草をスパスパ吸っていては、折角の味も分からないのではないか?天神地下は禁煙なのでまだましだが、地上店で屋外に行列が出来るお店などではよく見かける。

 

あ、それとも、もしかして行列に並ぶ事で社会に参加しているような気になるとか?孤独さに耐えられずに人の後ろについて、それでほっとしているとか?まあ、とにかく他人と同化する事が目的であれば、それはそれで良いのだが。

 

まあ、1月2日の売り出し日の12時30分に九州で一番混んでいる地域で昼飯を飛び込みで食えると思った僕の甘さが、やはり一番ばかげていると言うか、田舎ボケなのだろう。

 

行列を久々に観た僕の驚きだが、結局それから3時間ほどバーで飲みながら打ち合わせ。3時過ぎに大体打ち合わせも終わり、さあもういいだろうとレストラン街に戻ると、何ともう一発、アリエナイザ〜、イナバウア〜、午後3時30分だっちゅうのに、まだぎょうれつ〜!

 

仕方ないので、そこから歩いて10分ほど離れた中洲の街に行く。昼間だしお正月だから、飲み屋街など当然がらがら。ほぼ誰もいない街を、中州歴10年の勘で歩く。すると、4丁目に新しく出来たビルの6階に、ぽつ〜んと見捨てられたように開いてるお店がある。

 

でも、その一角だけはお客が多いので、恐る恐る近づいて見ると、これがお洒落なバフェットレストラン。中洲という位置付けではちょっと考えられない、ゆったりとした豪華バフェットなのだ。昼食お一人1800円だが、スタッフもきちんとトレーニングされており、良い感じ。

 

まだ出来たばかりなのだろう、椅子もテーブルも傷がない。結局ココで1時間ほど過ごして、和食、洋食、中華と適当に摘みながら、又もジントニックを飲む。もしかして最近、酒強くなった?そう思うほど、ぐいぐい入る。

 

この日は18時に天神の木曽路で予約を入れており、家族と一緒に鍋を食べるので、午後330分過ぎに食べると、確実に次が入らん。バフェット代金をお酒に替えてくれればな〜、そう思いながら、また一杯飲む。

 

夕方、友達と分れて家族と合流、天神の凄まじいまでの人並みを押しのけながら歩く。新天町の界隈は車道が狭く歩道も狭く、そこに自転車が割り込んで止まってるのだから、二人並んで歩くのも大変だが、香港育ちの家族は、まるで何もないようにすいすいと歩いてる。やばし、俺より都会人かも。

 

木曽路では予め予約していた為、座敷に座ってゆっくり食事が出来た。まだ若い仲居さんは、今日の天神はあまりの車の多さに、店に遅刻しそうになって、途中からバスを降りて走ってきましたと言ってた。福岡に住む彼女でさえびっくるするくらいの人ごみだったのだろう。

 

それにしても大阪のたこ焼き、東京のラーメン、そして天神地下と、日本人の行列の慣れには、さすがにびっくりした今日でした。

 

人気ブログランキングへ



tom_eastwind at 19:37│Comments(0)TrackBack(0) 日本 

トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔