2007年01月10日

香港上海銀行

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円建てローンと言う、大変面白い商品がある。

 

ニュージーランドで住宅を購入する時に、購入費用を円で借りると言う方法だ。

 

今ニュージーランドで家をローンで買うと、支払金利が大体8%だ。ところが円で借りると円建てなので、2.5%程度で済む。

 

投資目的で住宅を購入すると、家賃の利回りが約7%だから、2.5%の金利を払っても利益が出ると言う事になる。勿論住宅の管理費とか修理にお金はかかるものの、それでも投資としては、銀行から金を借りて行うので、元手が少なくてよい。

 

実際にはいくつかの条件がある。日本で定期収入がある事、投資用物件である事、借り入れ上限は、一軒屋は住宅の政府評価額の70%程度、アパートは50%程度等。

 

去年あたりから日本人投資家がこの商品に目を付けて、不動産会社経由で申し込みをしており、取扱実績もうなぎのぼりとの事。

 

この商品は円建てで組まれたローンなので、借入れをした時点よりもNZドルが強くなればなるほど、支払総額は減るという仕組だ。勿論円が強くなれば支払総額は増えるが、長期的に見て円が強くなる理由もあまり見当たらないという見込みを立てた投資家は、このローンを利用している。

 

でもって今日は、その香港上海銀行オークランド支店に勤める古くからの知合いが挨拶に来た。彼は上海出身の中国人で、9年前からバンクオブニュージーランド(BNZ)に勤務しており、2年ほど前に香港上海銀行に転職、現在はパーソナルバンキングマネージャーとしてシティのオフィスで毎日投資家や資産家の資産運用を手掛けている。

 

彼は事業意欲もあり、3年ほど前には彼と一緒に上海に行き、ビジネス投資の件を話し合った仲だ。結局その当時は上海市政府の規制があり、先行きの見通しが不明という事で手を引いたのだが、それ以来個人的にも付き合っている。

 

「俺はどこまでいっても所詮外国人だ。ニュージーランドの銀行でどれだけ頑張ってもある程度までしかいけない。だからここ(銀行)でしっかり勉強して知識を付けて、近いうちに独立して資産運用コンサルタントになるんだ、ここは第一歩だよ」

 

まだ34歳の彼は、既に銀行経験が9年あり、かなりの知識を身に付けているので、独立まで後数年だろう。さすが中国人、図体のでかい牛の尻尾よりも、鶏でも良いから頭になりたいという野心旺盛だ。

 

だから仕事に対する姿勢も、非常に積極的だ。彼は銀行の為に働く事が自分の知識に直結している事を知悉しているから、手を抜くと言う事がない。

 

それに比べると、牛の尻尾で我慢して、仕事をマニュアル通りにしかやらず、覚える気力もなく努力もしない日本人サラリーマンの多い事。全く閉口ものだ。

 

大企業に入ればそれで上がりのすごろくゲームで、他人から社名を誉められて単純に喜んでる連中は、会社に言われた事しかせず、昼食はだらだらと飯食って喫茶店でスポーツ新聞の三面記事を読むともなくじっと見つめてるだけ。

 

社内の打ち合わせと称しては「じゃあちょっと外で」等と内部の人間同士でコーヒーを飲んで、意味のない無駄話、夜は意味のない残業をだらだらやってる。結局全く自分を磨こうともせずに、取引先を虐めて少しでも自分だけ儲かろうとする。

 

新しい知識に興味を持たず、勉強もせず、ただひたすら会社と自宅の往復。それでストレスが溜まればそこらの飲み屋に繰り出して、女の子を虐めて喜んでるような連中に、中国人の彼のような働き振りを見せてあげたい。

 

「おいおい、お前らが毎日だらだらと生きてる間に、彼らは貪欲なまでに成長しているんだぞ。5年後の人生に格差が出ても、それこそ自己責任だぞ」

 

日本の銀行では、窓口で働く社員には、活気も能力も夢さえもなく、毎日それこそ集金機械としてロボットのような動きをしているだけだ。元々バブル前の護送船団時代から、日本の銀行とは集金装置でしかなかった。

 

バブル崩壊後の銀行の合併後も、トップクラスは変化しているのだろうが、現場のやる気のなさや商品開発能力のなさには、呆れるしかない。

 

「分りません、知りません、前例がありません、規則ですから」まさにだめだししか出来ない日本の銀行員は、財務省や金融庁の支配下で、あいも変わらず役人みたいな事を言ってる。

 

しかし財務省や金融庁の連中も忙しい。ほんの一握りのエリートは、現場の商品つくりなどに関わっているヒマはない。

 

それに対して、自分の職務を理解して夢を見ている人々は、スタッフ一人一人の能力が日本のエリート官僚ほど高くなくても、層が分厚いから、その相乗効果は大変大きなものとなる。

 

日本のような大国で、決定権限をほんの一握りに集中させる事も一つの統治方法だろうが、僕からすれば、平均的な国民が皆で智恵を出し合って強い組織になるという民主国家の方が、結果的には成長するのではないだろうか。

 

何よりも、自由で民主的で、国家が国民の為に働いている国で、4週間の年休を毎年きっちり消化して、土日は休んで、平日も残業せず、子供の学費や医療費を気にせず、老後の心配もない状態で、自分の仕事に打ち込める人と言うのは、これは幸せでしょ。

 

日本が官僚国家としてほんの一部のエリートにしかモノを考えさせない状態が続けば、おそらくはいつまで経っても国民がこの国の幸せ民度に追いつく事はないだろう。

 

写真は、長崎にあった香港上海銀行。この銀行は、明治29年(1896年)に長崎に支店を開設し、在留外国人、なかでも貿易商を主な取引先として外国為替や、ロンドン、上海、香港における外貨の売買を主要業務とした特殊為替銀行であった

 

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tom_eastwind at 12:46│Comments(0)TrackBack(0) 移住相談 

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