2007年04月19日
ビクトリアの煙突と日本食
当社オフィスから歩いて10分ほどのところにビクトリアマーケットと言う、一種フリーマーケットみたいな場所がある。観光客もバスで乗り付けて買い物を楽しんでいる。
ここに立花(りっか)という日本食レストランがある。お客様の8割がキーウィと言う、日本食ではかなり成功しているレストランだ。
オーナーは日本人シェフで、今でも時々キッチンに立つ。キーウィに受けているだけあって、味は濃い目だし、料理の飾りつけはとても綺麗だ。石焼きなど、熱っした石の上に牛肉スライスを乗せてくるので、見かけはとても楽しい。
てんぷら類もキーウィが喜びそうな大きな作りで、実際にキーウィは、ワインを飲みながら大きなてんぷらをばくばく食っている。
お寿司も、東京のすし屋ではまず見かけないようなアボカド、とび子ふりかけ、鶏の照り焼きなどの変わりネタが多く、特盛りにした和風点心などは、キーウィの喜びそうな鶏の照り焼き、巻き寿司、刺身、牛肉などなど、ちょこちょこと乗せた料理が大皿で出てくる。
客層を日本人に絞ってしまうと、オークランドではほぼ確実に利益は出ない。それほど日本人市場は小さいし、現地に住む日本人の外食率は、日本に住んでいる普通の日本人より少ないと感じる。
というのも、ニュージーランドを選んでやってくる日本人は、かなり家庭を大事にする人が多いし、残業もない国だから、食べ歩くとかしない。それより家で家族と一緒に食事するほうが良いと思うのだろう。
そしてもひとつの理由が、レストラン側も、日本人が美味しいと思うような日本食を作ってしまうと商売にならず、結局キーウィやアジア人が喜ぶ、濃い目の味付けや揚げ物をメインにしてしまい、そうなると日本人が時々来ても、「な〜んだ、やっぱりこんな日本食しかないのか」と、次回の足が遠のく。
だからキーウィかアジア人というくくりでやらなければ、ほぼ確実に利益が出ない。そして立花はキーウィに目標を絞って成功した。
日本人人口が3万人くらいになれば、シドニーの吉井のように本格的な寿司も出せるのだがな〜と思いながら、再度見つめた人口統計でした。
写真は、立花から見えるビクトリアマーケットの煙突です。
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この記事へのコメント
未知の味に出会えるのも楽しいものです。枠が広がります。
この間の旅で日本食ではないですが、$19.50払ってありえない味に出会い撃沈しちゃいました。(笑)