2007年05月05日
クイーンストリートの道路工事
クイーンストリートの道路工事
写真はクイーンストリートの道路工事。クイーンストリートのアップグレード計画と名付けられていて、道路と歩道の全面的な作り直しをしている。
オークランドシティの北側、高層ビルのすぐ足元に、東西に横たわるようにして伸びるワイテマタ湾。湾と平行に走っているカスタムストリートと、それを十字架の縦線のように真っ直ぐ南に向かって伸びるクイーンストリート。
今回の工事はこのクイーンストリートの拡張工事である。拡張と聞いた時、道路を広げるのかと思ったら、何と歩道を広げる計画で=道路を狭める計画という事。
戦後の日本は区画整理や道路整備の為に、住んでいた人が立ち退きをして道路を広げるのが普通だったから、1年半ほど前に、初めて計画を聞いた時、僕の英語能力に問題があったのかと感じたほどのカルチャーショック。
元々クイーンストリートは、上下2車線ずつ確保されており、更に道路が歩道側にえぐれた形の一時駐車場所が91箇所確保されていた。これは短時間(15分程度)の駐車や荷物の上げ下ろしをする商業車の為に確保されていた。
ところが2年ほど前からクイーンストリートの人ごみがどんどん増えてくるに従い、交差点で人が渡りきれないほどになり、その為信号も作り変えられたくらいだ。それでも人が増えてきて、普通に歩く歩道でも、込み合う時間帯は二人が肩を並べて歩くもの大変なくらいになった。
そこで2年ほど前からシティカウンシルが研究を始めて、通り沿いの企業にアンケートを行い、現在のプランになったのだ。
ニュージーランドの窓口であり、オークランドの目抜き通りであるクイーンストリートを、人が安心してゆっくり歩ける道にしよう、そういう趣旨で導入された今回の工事は、約1年かけて、91箇所あった駐車ベイを51箇所に削減し、その分を歩道拡張、タクシーやバスの乗り入れ禁止にして、歩道に木製のベンチを並べて、やしの木を並べて、市民や観光客に楽しんでもらおうと言う算段だ。
この工事に限らず、西部高速道路の建設についても、とにかくしつこいくらい、市役所からアンケートや質問や希望はないかなど、頻繁に連絡がある。
クイーンストリート工事の時も、通り沿いのお店のオーナーに、荷物の積み下ろし時間や希望を聞き、必要ならいつでも市役所に来てください、公聴会もやりますので、是非意見を述べてください、それから総予算はいくらで、何にいくら使って、いつからいつまでに工事を終了させます、出来上がりはこうなりますって、すべて市役所のウェブサイトで公表されている。
ニュージーランドは工事が遅いとか程度が低いと、日本から来た建設関係の人から言われるし、僕としてもそれは同感だ。
でも、道路か歩道かってなったら、市民のための道路を取る、タクシーの乗り入れ禁止など、市役所は市民の為に働いているって姿勢は、とても評価出来ると思う。
工事の終了は来年になるそうだが、出来あがった時は、やしの木の下で木製のベンチに座り、オークランドの昼下がりの陽光を楽しむ人々を見かけることが出来るだろう。
写真は工事現場。オレンジが鮮やかです。