2007年06月05日

平和な国

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ニュージーランド 世界で2番目に平和

 

 英誌エコノミストの調査部門EIUは、世界121か国を対象にした「平和度指数」を発表し、ニュージーランドは、1位のノルウェー続き2位にランクされた。

 平和度指数は、犯罪傾向や軍事費の国内総生産(GDP)比など全24項目を比較、各国で平和が実現されている程度を初めて数値化したもの。ニュージーランドは、政治的に安定し、オーストラリアをはじめとする近隣諸国との関係や治安が良好な点が評価された。

 報告書では、ニュージーランド国内の犯罪傾向において、暴動と殺人の指数がとても少ないが、ノルウェーに比べ暴力犯罪が多く、投獄された人の数も北欧諸国に比べ多いことが明らかとなった。また軍事面では、ニュージーランドが太平洋地域の安全を守る役割を担い、2003年にはオーストラリアが主体となった平和維持軍の一部として35人の警官と230人の軍人がソロモン諸島に行き治安にあたったことが評価された。

 日本は主要8か国(G8)では最高の5位にランクされ、オーストラリアは25位、英国が49位、米国は96位、最下位はイラクだった。上位10ケ国は以下の通り。


1 Norway
2 New Zealand
3 Denmark
4 Ireland
5 Japan
6 Finland
7 Sweden
8 Canada
9 Portugal
10 Austria


社会   200763

 

今日のNZdaisukiの記事より。

 

まあ、最下位がイラクってのは、よく分かる。米国が安全ベスト10に含まれていないのも当然だろう。日本が5番目に安全ってのも、最近は確かにやばい事も多いけど、それほど違和感はないな。

 

アイルランドが平和ってのは、ちょっとびっくり。1980年代のIRA闘争を知っている年代からすると、とても疑問。あの頃は、米国に逃げた多くのアイリッシュが米国で働き寄付したお金で、アイルランドの爆弾テロが行われた。

 

英国王室の貴族でさえテロのターゲットにされて、「ニューヨーク大聖堂」なんて作品を読むと、80年代のアイルランド闘争は、今のイラク戦争並みの大問題だったと分かるほど。

 

僕は個人的にIRAに肩入れするほうだが、今でも緑色とリバーダンスを見ると、どうしてもIRAの歴史に思いが飛んでしまう。

 

それが、最近のイギリスの譲歩により、またアイルランド側も、血で血を洗うテロ戦争にアイルランドの将来はないと気づいたことにより、一気に近寄り、アイルランドが急速に発展、平和な国になった。

 

ニュージーランドの2位ってのは、それに比べてどうだろう?確かに日本よりは治安が良い。しかし、2位になれる程か?それほど何かの努力をしていたかな〜?

 

そう思った時に、ふと、違う意味で2位だなと感じた。つまり、ニュージーランドが結果的に2位になったのは、比較対象として、他の国の治安がどんどん悪くなってるからだ。

 

例えば米国の治安の悪さは評判だが、英国でもテロが発生し、ドイツではデモで負傷者が出てるし、トルコ移民への迫害が酷い。中東がやばいのは周知の事実だし、南米でもしょっちょうクーデターやら強盗やら、ブラジル等は今や犯罪者天国、中南米では麻薬戦争真っ盛り。

 

アフリカに至っては無政府状態で毎日仲間内で人が殺されているし、出稼ぎに行った中国人技術者も殺されている。

 

北東アジアでは、中国の治安が良いなんて誰も言わないし、北朝鮮と国境をはさんでいる韓国は、いつ戦争が起こってもおかしくないし、何せ徴兵制度が残っている国だ。フィリピンやタイではイスラム戦争だから、そう考えれば、日本はまだまだ治安が良いほうだ。

 

その点欧州は、田舎とかちっちゃな国家で、何だか悪く言えば衰退した国の集まりだけど、同時に、のんびりと老成した安全な国だと言える。

 

その欧州の中で2位になったって言うことは、それなりに嬉しいことでもある。

 

ただ、実際に生活をしてみると、特にオークランド南部では、こそどろ、車上荒らし、ひったくりなどの、しょう〜もない犯罪が時々起こるのは事実だ。

 

一番の問題は、親の教育が出来てないから、親の馬鹿さ加減が子供に伝染して、人のものを盗る事が泥棒だと理解出来てない連中が、今も存在するって事だ。子供にとって泥棒が遊び感覚だから、こりゃもう、どうしようもない。

 

この国では学校に教科書がない。先生が授業のたびにコピーを生徒に配り、生徒はコピーを見ながら授業が進められる。今週はこのページまで、みたいなのがないから、画一的な指導はできない。先生によってかなり程度の違いが出てくる。

 

住民レベルが高い地域では、先生もしっかりとした教育が出来るが、失業者地域のひなびた学校では、子供に何を教えるにしても、その親が泥棒奨励みたいな事を平気でやってるから、子供に正しいことが伝わらない。

 

僕自身は今まで一度もそういう事件に遭ったことはないが、移住してきたアジア人という事で、虐めやすいと考えているあふぉ〜な地元民がいるのも事実だ。

 

だから、このような「世界で2番目に平和」なんて記事を見ると、どうしてもコメントしたくなる。

 

平和と秩序は一致してても、個人レベルでの治安は、自分で守るしかないですよ。事件が少ないとは言え、全くないわけではないのです。

 

個人レベルの治安は、ちょっとした注意で確実に防げる。車の中には、どんな小さなバッグも置かない、家の中が道路を走る車から見えるようにしない、周辺の住民と日頃から仲良くしておく、道を歩くときも目を泳がせない(日本人はこれが一番多い)、周囲を見回すときは、目力でしっかりと見つめる、などなど、これだけ守るだけでも、個人が犯罪に巻き込まれる確率は、確実に減る。

 

ニュージーランドは安全な国であるが、それは安全を理解して、それをきちんと守るための努力をした場合のみである。他人に安全を守ってもらおうとする日本社会のルールは適用されてない。

 

写真はチャンセラー公園。

 

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ニューヨーク大聖堂〈上〉

 

 

 



tom_eastwind at 00:55│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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