2007年07月03日

ランボー3

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「ランボー3」を前回の日本出張で発見して、先週自宅で、家族と一緒に観た。

 

ランボー3/怒りのアフガン

 

「ランボー1」は、探せばそれなりに見つかるが、3は、書店ではなかなか見つからない。旧作だし、1ほどの人気がなかったので、あまり観る人もいないのかな。

 

物語は、ランボーの元上司がアフガニスタンでゲリラの指導にあたっていたらソ連軍に捕まってしまい、元上司を救うためにランボーがアフガニスタンに乗り込むって筋書きだ。

 

ランボー2の延長線上の、そういう意味では1のベトナム反戦からは少し話題がそれて、っつ〜か、悪しきソ連邦に民主主義とアメリカ国民ヒーローの代表であるランボーが懲らしめに行くって、好戦的な単純アクション映画。

 

でも、今の時代から観るとこの映画、1988年当時の時代背景をよく表している。

 

みゆきがこの映画を観ながら「あれ?お父さん、アメリカってアフガニスタンを占領しているんだよね?何でアフガンゲリラをアメリカ軍が指導しているの?おまけにゲリラが使っているロケットランチャーって、アメリカ製じゃんか?!」

 

そうそう、普通にこの話を観ていると、疑問だらけになる事、確実な作品だ。

 

何でソ連(ロシア)がアフガニスタンを支配しているの?

何でアメリカ軍がムジャヒディン(つまり今のタリバン)を軍事指導してアメリカ製の武器を供与しているの?

 

実は1979年にアフガニスタンでクーデターが起こり、社会主義政権が主導権を握った。その地位を守る為に、翌年政府はソ連に軍事援助を依頼した。

 

請われてアフガニスタンに侵攻したソ連は、当初はさっと来てゲリラをぱっと蹴散らして、政府に武器の使い方を教えてからさっと帰る予定だったのが、タリバンが強くなりすぎて、政府を残して帰るわけにはいかなくなった。今の米軍がイラクで嵌っているようなのと同じ状況。

 

そこで冷戦中の米国はソ連の軍事的野望?を挫くために、アメリカの軍事指導団を送り込んだ。要するに、池に落ちた犬を叩く行動。これがランボーの登場に繋がる、元上司のアフガン行きと米軍による軍事支援である。

 

結局1989年にソ連軍は撤退するが、その後タリバングループと政府軍が内戦状態になる。でも米国からしたら、ソ連がアフガンから撤退したら犬たたきは終わり、後は中東の連中が勝手にやっとけ、知らんっつう事で、内戦を放置した。

 

てゆ〜か、下手に手を出すと、第二のベトナムになる可能性がある国に軍隊を送り込むなんて出来ない。

 

結局タリバンが内戦に勝利して、これが2001年の911テロに繋がってくんだから、全く皮肉なものだ。

 

所詮自分の利益ばかり考えて相手の事を考えない米国の政略に、いいように振り回されたのはアフガニスタンである。

 

ただ、その隙を作ってしまったのは、やはり国家が二つに割れたという問題だ。日本だって、明治維新の頃は、危うく国家が二分して、フランスとイギリスの代理戦争になるところだった。

 

そのような諸外国の目的を見抜いた、一部の優秀な武士によって引き起こされたのが明治維新だ。攻める西郷も、内戦をやって国を二分すれば、必ず外国に支配されると分かっていた。守る勝海舟もあっぱれ、日本国全体を見て、国家としてどうあるべきかを考えて、さっさと大政奉還させたから、内戦にならずに済んだのだ。

 

だが、アメリカも歴史から学ばない人種らしく、自分が教えた軍事集団によって逆に911テロ攻撃を受けてその仕返しにアフガニスタンに突っ込んだのは良いものの、結局ソ連と同じように泥沼にはまってしまった。今は欧州に手助けをしてもらいながら、それでも痛い目にあってる。

 

面白いのが、イラクとの関係だ。元々イラクのサダムフセインはイラクの大統領になると1984年に米国と国交回復し、米国から大量の武器を供与してもらい、イスラム国家となったイランとの戦争を拡大させた。

 

当時の米国にとっては石油利権が大事であり、それまではイラン王朝と仲良くやってたのが、ホメイニ率いるイスラム原理主義グループが政権を崩壊させてイスラム国家を創り上げて、それまでの石油利権をすべて没収された米国は、自分の代理としてイラクに戦争を仕掛けさせたわけだ。

 

サダムフセインがクルド人に対して毒ガスを使った事も、当時のパパブッシュ米政権は十分承知していた。にも関わらず問題としなかったのは、フセインが米国のために働いていたからだ。

 

この点、人道主義とか言う米国の嘘がよく分かる。人道を楯にして自分の利権のみを追及する方法は、結局自分だけが良けりゃ、他人なんてどうでもいいって姿勢が見え見え。まさに「衣のたてはほころびにけり」である。

 

イラクイラン戦争の停戦後、結局フセインは、誰かにはめられたのだろうが、元々イラクの領土であったクエート奪還に向けて軍隊を侵攻させた。

 

そこでフセインの運命は決まった。米国と英国の主導により、多国籍軍が結成されて、あっという間に蹴散らされてイラクへ逃げ帰ったのだ。

 

この時日本は、戦費のうち90億ドルを負担したが(芸国の負担は70億ドル)、金だけ払って兵隊を送らない日本という事で、米国から袋叩きにあったことも記憶に残ってる。他人の戦争に金を払って、それで怒られてりゃ世話ないわな。もともと米国の戦争なのに。

 

これによって米国軍が中東を監視する為の拠点がサウジアラビアに置かれたが、ここからまたタリバン政権の擁するビンラディングループが1990年代後半に、米国駐留軍や大使館に対して大規模な攻撃を仕掛けるわけである。そして仕上げが911テロ。

 

全く、中東の歴史は、古くは英国によってかき回され、第二次大戦後には米国による石油戦略に巻き込まれて、この100年というものは、落ち着くヒマさえない状態だったのがよく分かる。

 

それにしても米国の乱暴さと、自分のためなら嘘でもつくし暴力は振るうし、筋なんて全然通さないし、好き勝手にやっといて、取るものだけ取った後に反省する振りをしたりして、そんな国を頭から信用して付き合ってる国民って、よっぽど幸せ者?

 

米国がこんな状態で「日本は米国の核の傘に入ってるから安全だよ〜」と言われても、はいそうですかと信用は出来ない。いつ、中国や北朝鮮の噛ませ犬に追い込まれるか、それこそ米国の意思次第だ。

 

米国を信用出来ない愛国者からすれば、自分の身を自分で守る為に、早いとこ核を持って武装しようぜという事になるだろうな。中川さん、親父さんの事を考えれば、気持ちはよく分かる。

 

そんな事を、ランボー3を見ながら思い起こす。もしランボー4を作るとしたら、行く先は日本、北朝鮮から送り込まれた特殊部隊と、石川県あたりでジャングル戦でもやるんじゃないかな。

 

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tom_eastwind at 00:10│Comments(1)TrackBack(0) 最近観た映画 

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この記事へのコメント

1. Posted by May   2007年07月03日 13:25
中島みゆきの歌に「お前が消えて喜ぶ者に、お前のオールをまかせるな」というのがある。ここんとこのお気に入りだ。
超多忙な業務の中でミスをした。自分に集中力がないには違いない。
何を言っても言い訳だ。クソッ!
でも今日は少しすっきりしている。ボスに「ミスを隠蔽しているスタッフをたくさん見てきた、確かに私のミスは大勢の面前で起き、目立った、でもひとつ言わせてもらわないと気持がすっきりしない、それはフェアじゃない」
かくして2連続19時間勤務/回のあとにせいせいしてテニスを楽しめそうである。

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