2007年08月22日

ラーメン屋に行く

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先週末の土曜日は、半そででも歩けるような陽気で晴れ間も広がってきたので、以前から気になってたブラウンズベイの日本人経営というラーメン屋に行く。開店してから一通り落ち着いたら、そのうち行ってみようと思ってた。

 

静岡県に本店があるラーメン屋が、何故かブラウンズベイという、シティから車で20分ほど離れた郊外の商店街に開業したのだから、ちょいと不思議。

 

土曜日の昼という事もあり、「俺らも連れてけ」という家族全員のリクエストを受けて、全員でラーメン「宝」に向かう。

 

シティ方面から目指していくと、ブラウンズベイ商店街に入るための「手前の道」=アンザックロードに右折して入り、ロータリーも更に真っ直ぐ抜けてすぐ、海の目の前まで行くと右手にある、アンザックロード4番地。

 

既存のちっちゃなテイクアウェイ店を買い取ったような外見の、いかにもニュージーランドの昔からのお店って感じだ。高すぎるカウンターに、隙間にぎりぎり押し込んだようなテーブルは位置。でも、店の前に日本風の暖簾をかけてたり、内装を日本のラーメン屋っぽくしている。

 

隣がインディアンテイクアウェイの店で、何故か中が繋がっている。共同オーナー?カレーラーメンか?店内に甘めのバターチキンカレーのような、ほのかな匂いがする。

 

12時ちょい前に入ったら、先客が二人、ちょうど食べ終わったところ。僕ら4人組のすぐ後にも三人、中国系の家族が入ってきた。

 

テーブルが二つとカウンター5席程度のこぶりなお店だが、オープンキッチンの厨房と、奥にある厨房が、勿体ないくらい広い。お寿司のテイクアウェイもやっているようで、カウンターに置いたショーケースに、巻き寿司を乗せ始めてた、、、、ラーメン屋だよね?以前のお店の居抜きで契約したんだろうな。

 

早速テーブルに腰掛けてメニューを見る。メニューブックはちょいと高級な三つ折りで、店の由来やラーメンの由来を書いている。ラーメンはいろんな食べ方があるし、街によっても随分異なるが、まあ楽しんでくれ、みたいな事。

 

ちょっとサービスは遅いけど、ゆっくり丁寧な口調で若い店員さんが注文を取りにきた。ラーメンの種類だけでなく、麺も選べる。麺が自家製で、縮れ麺とストレート麺の二種類がある。

 

僕とみゆきは豚骨ラーメンでストレート麺を注文。竜馬くんはちじれチャーシュー麺、奥さんはちじれ塩ラーメン。ついでに餃子を12個注文する。

 

豚骨ラーメン   9ドル50セント

塩ラーメン    8ドル50セント

チャーシュー麺 11ドル

餃子12個    11ドル

 

最初に運ばれたのが豚骨ラーメン。九州風の細麺かなと思ったが、普通のしょうゆラーメンに使う、太めサイズだった。スープは、熊本風でニンニクを効かせて、良い香り。ここで期待した僕がバカだったかもしれない。

 

ラーメンってのは、いろんな要素の複合体である。麺、スープ、具が基本だが、その日のスープの出来具合は、豚肉を相手にしているだけに、毎日味がばらつく。うどんのように安定した味にならないから、一杯ごとにスープとタレを微妙に調整する必要がある。

 

麺にしても同じで、打って何日目に出すかで、変化が出る。

 

結果的に、同じような食材を使って同じ店で作っても、ラーメンの場合は昨日と今日の味が変わるという事が起る。

 

で、ここからが問題なのだが、基本的にしっかりした味を作ってても、それを毎日調理する人が、美味しい豚骨ラーメンの味を知ってなければ、「まあこんなもんか〜」と出してしまう。

 

本物が分からないまま、似たようなものが出てくるのだ。たぶん、調理する人の出身の街の豚骨ラーメンは「こんなもの」なんだろう。

 

出てきた豚骨ラーメンは、水切りが出来ずにぬるまってしまったスープと、豚骨に合わない太目で、腰が煮えすぎた麺。そのバランスが悪い。

 

これはもう、誰を恨むなんて世界ではなく、単純にラーメンを作っている人が、おいしいラーメンを食べた事がないのに凝縮されるのだろう。白黒テレビしか見たことない人がカラーテレビの意味を分からないのと同じと言えば良いのか?

 

だから、お店の人も楽しそうに、ちゃんとお客の注文を聞きながら(ねぎ抜き〜とか、メンマは大丈夫ですか〜?とか)やっているのだが、いかんせん、おいしいものを食べた事がない人には、どうしようもない壁があると感じた。

 

奥さんが注文した塩ラーメンが運ばれてくる。う〜ん。

 

麺の水切りがきっちり出来てないから、麺の回りに薄い水の膜が張っている。これがスープの味を薄めているし、結果的に麺に「しまり」がなくなって、昔からよくある、関東や関西風の水っぽいしょうゆラーメンになってしまってる。

 

麺をびしっと水切りすると、麺が切れてしまうのではと怖がっているのだろうか、麺をころがしてなでるように水切りしているだけ。

 

当日作ってた人は、サービス精神もあり、若いのに愛想も良くて、でも一番大事な、一杯一杯をしっかり見極めて、スープの温度、水切り、具の揃え方っていう、トータルなバランスがまだまだという、う〜ん、ちょいと辛いコンビネーションであった。

 

食い物商売、特にラーメンとなると、その管理の難しさは良く分かる。この店も、市内のラーメン屋と比べても、素材の良さは良く分かる。でも、それだけではないんだよな、ラーメンって。

 

やっぱり日本人だから、どうしても厳しい見方をしてしまって、申し訳なくもある。これからが期待できるが、このままでは期待出来ない、そんなお店だった。

 

味噌を出すなら、まずは札幌でしっかり食ってほしい。とんこつを出すなら、まずは北部九州でしっかり食ってほしい。でもって、味の起源を体で学び、食べこんでみて、どういう味が美味しいのかを知ってほしい。

 

しょうゆや塩は、本州で食えるだろうが、札幌の塩、醤油もかなり美味い。そしたら、日本人客がそれぞれの味にどう拘っているかが分かると思う。

 

まあ、たぶん4種類全部食ったら、味噌と豚骨としょうゆを一緒にメニューにしようとは思わなくなるかもしれない。うどんとラーメンを一つの店で作ってしまうようなものだ。

 

両方を一緒に出すには、オークランドの市場はちっちゃ過ぎるし、そうなると手順などを合理化する中で、どの味も平板になってしまうい、最初のコンセプトである、美味しいラーメンからは、程遠いものになる。

 

解決策としては、一気に店を3軒出して、醤油+塩ラーメン店、豚骨ラーメン店、味噌ラーメン店と分けるくらいかな。それでも、ちっちゃな市場だもんな。

 

それとも、醤油ラーメンをメニューの1ページを全部使って宣伝して「これが最高!」ってやっといて、豚骨と味噌は、ちっちゃく載せるとか。

 

それにしても美味しいラーメンは、ビジネスとして成立させるのは難しい。客数は上限があるし、単価をあまり高くは出来ない。僕のような日本人客は大した金も使わないし口うるさいし。

 

そして美味しいものを追求し始めたら、どこまでコストがかかるか、読めない。ラーメンで食材費用が25%越したら、もうやばいし。

 

メインとなる客層をアジア人とすると、スタッフ数を変えずに椅子を増やすなどしないと利益が取れない。

 

毎日、朝からスープの仕込みをやって10時間近く店を開けておいて、片付けまで考えると、その割りに月末に出てくる利益は、手間の割りに少なく感じる。う〜ん、食い物やは大変だな。

 

子供たちは喜んで食べてたし、竜馬君なんかは、お父さんが食べ残した麺とスープをすっかり飲み干してたのだから、アジア人標準で見れば、十分合格だと思う。今後また、一ヶ月くらいしたら、また子供を連れて行ってみよっと。

 

写真はイメージです。お店のラーメンの写真ではありません。

 

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tom_eastwind at 12:16│Comments(0)TrackBack(0)諸行無常のビジネス日誌 

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