2007年10月10日

今日の諺

b1f5615d.jpg

今日の諺

 

知らないことは恥ずかしいことではない。知ろうとしない事が恥ずかしいのだ。

 

今日は朝から、お客様を入れて弁護士との打ち合わせ。日本で自営業をしていたので、起業家ビザでも申請できるし、英語力もあるので技能移民でもいける。

 

起業家ビザと技能移民のそれぞれの長所と短所を弁護士に説明してもらいながら、要所は僕から更に詳細を説明する。

 

こういう話をする度に思うのは、個々人の理解力の問題である。

 

今回の打ち合わせでは、お客様が自分の立ち位置を理解して、予め問題点を理解した上で、更に弁護士に確認を取りながら進めていくので、きちんと問題が解決していく。または、何が分からないかを理解してもらえるので、それをどう解決すればよいかの案を僕から提案出来る。

 

彼からすれば、知らない事は恥ずかしいことではない。

 

困るのは、知らないのに知ったかぶりをする人だ。恥ずかしいのか理解力がないのか、とにかく知らないままに話を進めていって、最後になって「え?そうなんですか?」って、そのこと、一番最初に言ったでしょ!って事になる。

 

僕は相手に説明するときは、相手の生まれた地域性や相手の学んだ学問、相手の職種に合わせて説明するようにしている。こちらの法律の専門用語で説明しても、何も知らない日本からの人に理解出来るわけがないからだ。

 

例えば相手が税理士であれば、理論的かつ数字的な説明を行う。問題点と、それを数値化した場合の費用対効果である。

 

ただ、中には、説明をする僕の顔をじっと見てるだけで、最後になって、「いや、それは違います」とか言い出す。おいおい、僕が説明しているのは事実であって、君がその事を好きかどうか、正しいと思うかどうかの議論をしているのではない。

 

ニュージーランドの制度や考え方を好きになってくれと言ってるのではなく、事実はこうだという事を伝えているのに、その考え方が良いかどうかを話すのは、全くポイントがずれている。

 

おまけに、そういう人に限って、余計ながせねたを頭に詰め込んで、そのネタを信じ込んでいるから始末に終えない。

 

例えば5年も前の地球の歩き方に書いてた古い移住や就職のデータを信じ込んで、でもそのデータをどこから仕入れたかを言わずに反論するから、どこまで言っても話が合わない。

 

挙句に「いえいえ、私が調べたところで、それはこうこうなってますから、tomさん、あなたのいう事はおかしいです。私を騙すつもりですか?」となる。

 

最近ではお客様が何かずれた事を話した場合、大体その内容を聞けばどこが出所か出典かが分かるので、「お客様、それは地球の歩き方200x年版から取った情報ですね。でもあの情報と言うのは毎年訂正しているわけではなく、3年くらいは同じデータを使います。そのため、お客様のデータは、実質的に5年前のデータなのです」と説明する。

 

すると、大体しゅんとなってしまうのだが、一事が万事、自分でニュージーランドの像を、自分の気に入るように創り上げて、それ以外の話を受け付けようとしない。

 

こうなるともう、お客様との間に信頼関係が成立しないので、僕としてはそれ以上の仕事を受ける事はできなくなってしまう。

 

何故なら、僕らの仕事は冷蔵庫や洗濯機を売っているのではない、毎日変化する「情報」を売っているし、それは将来発生するであろう問題の事前提起をしているから、今の時点でそれが事実かどうかを確認する手段がないので、とにかく無条件に信頼してもらうしかないのだ。

 

その点、自分が「知らない」という事を素直に認めることが出来る人は、素直にこちらの話を聞いてくれるから、信頼関係が出来上がるので、仕事も円滑に進む。

 

「無知の知」という言葉がある。自分が知らないという事を知っている人こそ、知識があると言える。自分が何が分からないかを分かってないのは、致命的である。

 

人気ブログランキングへ



tom_eastwind at 13:59│Comments(2)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

トラックバックURL

この記事へのコメント

1. Posted by May   2007年10月10日 22:25
自分の悪いところを知らないのも致命的である。言われるうちが花。欠点も指摘されなくなったらお終いだ。性格は治らないにしても、その場その場の対応の仕方は修正できる、ってかしなきゃ。初めて仲良くなったkiwiとロングドライブの時に教わった。分からない事は分かるまで聞け。でもって何回も同じ事聞かないこと、ね。人の話は真剣に聞こう(人生の半分ぐらいかけて学習したw私にとっては忍耐力がいるが)
2. Posted by とある素浪人   2007年10月10日 23:45
幸いにして、私は最初の情報源がイーストウインドさんでしたし、NZだけでなく、海外に出ること、生活すること、すべてについて知識がないので、経験者に教えを請うしかありません。教えを請う以上は、素直に聞く必要があると思います。もちろん、教えていただいた事柄をもとに、自分でその知識を広げていく必要はあるでしょう。
人が判断するときは、その人の経験と知識をベースにして行われるものと思います。ベースが小さければ、判断の内容はよくないでしょう。少しでも良い判断が行えるよう、経験、知識を増やしたいですね。
英語を勉強するために、NZにいけるなんて、ありがたいことです。

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔