2007年10月16日
旅行業が不況だ

旅行業が不景気だ。
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旅行業者の倒産急増、運賃上昇や円安で海外旅行に割高感
円安効果で海外旅行が敬遠され、旅行業者の倒産が急増していることが、民間信用調査会社の帝国データバンクの調査結果で分かった。
調査によると、2007年1〜9月の旅行業者の倒産件数は32件で、すでに2006年の年間件数(28件)を上回った。倒産件数が前年を上回るのは、新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)の流行で海外旅行が急減した2003年(50件)以来4年ぶりのことだ。
旅行業者の倒産増の背景には、原油高による航空運賃の上昇や円安で海外旅行の割高感が強まっている事情がある。帝国データバンクは「ユーロ高が続いており、欧州旅行への割高感が特に強い。今後も旅行業者には厳しい環境が続く」と分析している。
(2007年10月13日19時52分 読売新聞)
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国内なら為替は関係ないが、海外旅行では為替がもろに旅行原価に影響される。旅費原価の7割以上は航空券であるが、原油高が航空運賃に打撃を与えており、円の価値が低い現状では海外旅行が敬遠されるのも当然だろう。
特にニュージーランドは航空券代が高い。ニューヨークに5万円で行ける時代に、誰がわざわざ12万円も払ってやってくるか?
インバウンド業者はホテルの宿泊代等の原価が上がれば、そのままか価格転嫁で外国旅行会社向けの販売価格を上げる。だから米国や欧州からの観光客も旅行業者も、更にそれを顧客に転嫁する。顧客もそれは納得出来る。
ところが日本の旅行業者はツアー毎ではなく年間で契約をするし、途中で為替が変動しても顧客向けの価格を変動させられないので、現地インバウンド業者に「値引き」を要求する。
ところがインバウンド業者がホテルに値引きを要求すると、ホテル側からすればそんな理不尽な日本側の要求なんて聞いてられないから、中国や韓国の、条件は厳しいなりにきちんと送客してくれる旅行会社に部屋を売ることになる。
結果的に、日本人客はさらに減少する事になる。その分、中国や韓国からのツアー客が増加する。
このような悪循環が結果的に日本からの送客を減少させる一因ともなっている。もっと言えば、現地の日本人向けインバウンド旅行業界の大不況を招いているのだ。
10年くらい前は当社もガイド派遣業をやっていた。ガイドが10数名在籍していて、時給が7ドルの時代だった。その時は価格破壊的な仕組みで顧客も僕らも旅行会社も儲かる仕組みだったので、利益が出た。
ところが一度そういう仕組みを導入すると、翌年は自分たちの利益を増やす為だけに、更に値引きを要求してくる日本の旅行会社の理不尽さ。皆で儲かろうという発想がない日本の旅行会社。
結局ガイド派遣業は2年もせずにやめて、きちんと利益の取れる長期滞在対応型にビジネスモデルを転化させた。そして常に商品開発を行い、他社がやっていない仕事ばかりを見つけて、価格競争のないビジネスばかりを展開してきた。
その頃から思ってたのは、自分で何の努力もせずに自分の利益だけを考えるような連中とは取引しないぞってことだった。
結局他人を叩いて利益を出すような「濡れ手に粟」的仕事は麻薬みたいなもんで、一回やると儲かるからついつい手を出すが、あっという間に価格競争に巻き込まれて結局はやった本人が自滅する。
SARS、イラク戦争など外的要因で旅行業が一時的に不況になることはある。その時のために利益を内部保留して置けばよい。だが、不努力や間違った業界内部慣習などの内部要因で自滅する時は、構造的な問題だけにどう手の打ちようもない。一旦全部が潰れるまで待つしかない。
ニュージーランドの旅行業自体は景気が良いが、日本人市場だけは死んだようになってる現状は、ニュージーランドのインバウンド業者の不努力が招いたものであり、日本の旅行業が大不況なのは、同じく日本にいるアウトバウンド旅行業者が何の努力もせずに商品開発や発想の転換を行わなかったからの人災である。
写真はオークランド空港国内線のロビー。写真は葉山という日本食レストランから撮影。この店には、いつもたくさんの外人のお客がラーメンやうどん、寿司等をおいしそうに頬張っている。日本人客はあまり見かけない。
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この記事へのコメント
日本政府は、景気は良くなってて、個人消費も底堅いなどどいってますが、一般の人はほとんど所得は伸び悩み、将来は不安で貯蓄をしなければならない状況ですから、旅行なんて贅沢なのかもしれませんね。
製造業も、価格以外の付加価値を顧客に示せないと、結局ジリ貧です。品質、機能、納期など、強みを持っていないと、価格競争だけでは成長できないですね。


