2007年12月02日

シドニー1日目

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昼下がりの空港に着くと、濡れた毛布が体に巻きつくようなむっとした空気がよどんでいた。

 

気温は25度で曇り空なのだが、何故か蒸し暑い。予約しておいた車に行くまで、ターミナルビルから5分ほど歩くが、それだけで汗が出てくる。

 

そしてハエが多いのにも気づく。歩いてると、体の回りをぶんぶん飛んでいるのが不快。

 

「いや~、今日は忙しいよ。お客もたくさん来るし、仲間は休みを取るしね〜」そういう運転手に「商売繁盛が一番でしょ、しっかり稼げるときに稼がなくちゃね」と答える。

 

今日はシドニー出張初日(11月29日)。いろんなところにアポを入れて、シドニーの市場調査。

 

興味がある項目は山盛りだ。

 

1・時給と税制

2・市場の動向

3・最近の流行

4・昼の街のビジネスマンの動きと会話

5・夜の街のレストランでの消費動向

6・日本人社会の動向。地元の進歩に追いついているか。

7・不動産市況。特に個人向け住宅。

8・ハワード長期政権からの移行を人々はどう捉えているか。

 

他にも興味のある事てんこ盛り状態で、とにかく街行く人を見る定点調査、目に見えるものをすべて頭に叩き込む。

 

オーストラリアは5つの州で構成されているが、経済的には、ニュージーランドは第6番目の州と言っても過言ではない。

 

AUSとNZは1980年代に経済緊密化協定(CER)を締結、これ以降は、AUSとNZの物の移動はすべて国内物品扱い、つまり関税がゼロになり、人の移動はすべて自由、つまりNZのパスポートを持っていればAUSで自由に働けると言う市場を作った。

 

AUSの人口は2000万人、NZの人口は400万人、丁度20%なので、NZはよく20%経済の国とも言われる。要するにAUSの経済圏なのだ。

 

食料品等はNZは自前で食べきれないほど作れるが、歯磨き粉、洗濯粉、歯ブラシ等の小物から、家具、建築資材などの大物まで、かなりのものはAUSからNZに輸出されている。

 

要するに、無茶苦茶高性能である必要はないけど毎日使うものってのは、近くて安いAUSから送られてくるので、NZのスーパーに並んでいる日用品はAUS産が多いのだ。

 

NZで作っても良いのだが、所詮400万人の市場で何かを作るより2000万人の市場で作った方が原価が下がるし、輸送費を含めても国内市場扱いで税金がかからなければ、AUSで作ってNZに船や飛行機で送った方が安上がりだ。

 

こうしてNZは、経済的にはAUSに組み込まれている。ドル為替でも同じように、大体1NZドルは80AUSセントと、20%の差がある。

 

賃金を比較しても、AUSのほうがNZよりも20%程度高い。

 

何をするにしても、AUSとNZを比較すると、20%と言う数字が出てくるのが面白い。

 

シドニーオリンピックに向けて街の再開発を行い、その後も順調に発展していくシドニーだ。夜の街に出ると、もうすぐ11時だと言うのに、まるで渋谷の雑踏並みに人々が歩いている。

 

これはもう、街に活気がある証拠だ。「こんな遅くにどうやって家まで帰るの?」と聞くと、NightRiderって言う深夜バスとかフェリーを使って帰るとの事。24時間深夜族に対応するインフラが出来上がってるんですね。この点、オークランドはまだまだです。

 

シドニーは、行くと必ず訪れる日本人バーがある。Kairiと言うユニークなお店で、何がユニークかと言うと、やっぱりオーナーのKさん。

 

もう17年だっけ、随分長いことバーをやっているんだが、シドニーの主のような人で、彼女に聞くと大体の事は分かる。1970年代にシドニーに移住、そのまま、この街の発展と共に生きてきた人だ。

 

この日も、色んな話を聞かせてもらう。中には1970年代に、シドニーから船で!オークランドに行き、その田舎振りにはびっくりしたわよ〜なんて話もある。

 

シドニーも景気が良いとは言うが、決して甘くはない、それなりに競争も厳しいし、これから先は政権も変わったから、どうなるか分からないわよと言ってた。

 

1980年代にAUSではシルバーコロンビア計画と言う名称で、通産省とか外務省と大手商社が組んで、早期リタイアメントした日本人技術者などをAUSに送り込んでいた。

 

元々はAUSを商材として、金を持った日本人にAUSの土地を売りつけ、人材をAUS起業に派遣して、などなど、民と官がセットになって金儲けをしようと作った財団放任、じゃなかった、財団法人なのだが、その当時やってきた日本人も、今では60過ぎた人たちで、続々と日本に帰っているらしい。

 

「やっぱね、健康に心配があるとさ、いくら英語出来るからって、やっぱり不安じゃんか、誰でも日本に帰ってみたいと思うよね」Kairiさんが言うことはよく分かる。NZでもそれは同じ。やはり日本で生まれ育った人は、海外生活は長期旅行の一つであり、本当の意味での移民ではないのだ。

 

日本で一生懸命働いて、海外で生活する事を夢見て、それが現実のものとなり、海外で家を買い、仕事をして、家族と過ごす。それでもやはり、死ぬときは日本なんだよね〜。それが殆どの日本人のイメージではないだろうか。

 

戦前の移民ならまだしも、最近の移住者の場合、悲壮な雰囲気で海外で金を稼ごうという雰囲気ではない。日本でのマネーリッチな生活を捨てて、給料が下がっても良いからマインドリッチな生活をしたい、そういう人が海外生活をする時代だ。

 

こうしてみると、シドニーの移住者もオークランドの移住者も、あまり大きな違いはないな。いずれ日本に帰ることを前提とした移住。

 

ただ、シドニーで生活する日本人の方が、在住者人口がオークランドの3倍くらいいるので、その分成功者の数は多い。レストラン、芸術家、ファッション、色んな分野で日本人が活躍しているのを感じる。

 

色んな話を聞かせてもらった後、夜中に道路に出ると、タクシーがなかなか止まってくれない。てか、乗車中のが目立つ。やっと見つけたタクシーの運転手が、もし5ドル程度の近距離だったら今にも逃げ出しそうな顔つきで「どこまで!!」と聞くので、すかさず助手席の窓に10ドル札を突っ込み、「近くて悪いけど、シティホテルまで!」と怒鳴り返すと、にやっと笑って乗せてくれた。

 

景気の良い街だ・・・。

 

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tom_eastwind at 00:58│Comments(3)TrackBack(0)

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この記事へのコメント

1. Posted by May   2007年12月02日 01:36
私も最初ニュージーランドに来て感激したのは「ハエがいない」ことだった。もうすぐ日本を発つがみんな「いつ帰ってくるのか」と聞く。で、向こうに”住む”と言うと「永住するの!?もう帰って来ないの?」と聞かれる。私はニュージーランドが大好き、何でか?わかんない。最初に行った時から絶対毎年帰って来るって決めた。飛行機のタイヤがオークランドの滑走路に着くとホッとするのはなぜだろう?私は子供には悪いがアオテアロアに骨を埋めてもいいと思っている。(それが可能なら、ね)
2. Posted by Kitty   2007年12月02日 12:20
Mayさん、はじめまして。私もニュージーランド大好きおばさんです。何でか?わかんない。税関を通過し、娘と会いハグハグ。帰ってきたという感覚。これがたまりません。今年は2度行きました。来年は何度行けるかな?早く移住したいです。
3. Posted by May   2007年12月02日 14:49
Kittyさん、初めまして。先祖がニュージーランドに住んでたんじゃないですかね?いつか第二の故郷でお会いしましょう。

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