2008年01月06日

反転

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元特捜検事・弁護士 田中森一

 

ここ数年、政治や経済の深部を突っつくような作品が増えた。佐藤優の作品等もその典型だ。

 

幻灯舎という新しい出版社が出している作品だが、それにしてもこの幻灯舎も、今までの出版社とは違った切り口で、実社会の実相を切り込んだ作品を発表している。

 

昔と違い、そういう内部情報を伏せておくとかの考え方は、もうどんどん闇の世界でも消え始めているのだろう。

 

そういう傾向は、鈴木ムネオあたりから感じる。今までなら絶対に表沙汰にならなかったような政治家の個人名や裏社会の仕組みが、堂々と本屋に出て平積みされるってのは、日本人の意識、特にエリート階級と呼ばれた人々の変化であり、それを受け入れる一般庶民の変化でもあろう。

 

昔ならこんな暴露本は、品が無いとかで片付くか、または社会的に問題となっていただろう。

 

現役の政治家、首相を含めた個人名がじゃんじゃん出てきて、バブルから崩壊以後の日本の裏話が続々と出てくるので、こりゃ楽しい。

 

確かにこの本の色んな評価の仕方はあるだろうけど、それでもここまで暴露した内容ってのは、なかなかない。

 

長崎県平戸の貧しい漁村に生まれて極貧の生活を続け、夜間高校を出て苦学して司法試験を一発合格。

 

それから検事の道を歩き特捜エース検事と呼ばれるが、ある日突然検事を辞めて弁護士へ。そこから闇社会の守護神と呼ばれて、山口組から裏経済界の弁護や政治家と裏社会を繋げる仕事をしたりして、遂にある事件で有罪判決を受ける。

 

ただ不思議なのは、ここまで裏社会や警察の国策捜査を理解していながら、何故刑務所に入ることを怖がったのだろう?入ったからと言って命を取られることはないんだし、刑期を務めれば堂々とシャバに戻れる。仕事なんていくらでもある。

 

第一、国策捜査なんだから違法か合法かなんてのは関係ない。検察が違法と言えば違法になる、それが国策捜査で、著者自身も言うように、最初に検察の決定ありきなんだから、罪の内容なんて何だってよい、それを判ってお上に逆らって弁護士やったんだから、最初からムショ入りくらいは腹括っておけばよいのになって思う。

 

最後のほうに中村天風の著書が出てくるが、なかなか印象的。

 

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反転―闇社会の守護神と呼ばれて



tom_eastwind at 18:28│Comments(0)TrackBack(0) 最近読んだ本  

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