2008年01月26日
横浜インターコンチネンタルホテル
昨日の続き。
みなとみらい駅から雨に降られながらてガラガラ(僕いつも使っている旅行用カバン)を引っ張って入ってきた僕を、まるで場違いな田舎モノがやってきた〜〜!みたいな、横浜特有の特権階級のホテルスタッフが出迎えてくれた。
てか、僕は透明人間になったのかと思うくらい、誰も僕の事を見ようとしなかったってのが実際だ。
「当ホテルは、お車(勿論高級車、カローラ駄目よ)でお見えのお客様専用、もしくはタクシーをご利用のお客様が1階エントランスから入ってくるのです。電車に乗って2階から冬の寒い雨の日に歩いてとろとろとやってくるって、何か場所をお間違えじゃございませんか?うちは、東横インじゃございませんのよ〜、お〜ほほほ」みたいな視線。
チェックインが出来ないのでガラガラカバンから荷物を取り出してパソコンを使おうとごそごそやってると、またも「お客様、ホテルのロビーでカバン広げるような、お〜恥ずかしい真似はやめなよ」みたいな雰囲気でスタッフの若い女性が近づいてきて、
「お荷物お預かりしましょうか?」と、にっこり笑顔。まいったな、こりゃ。
そこでソファに広げたお荷物を畳んで渡して、荷物を預ける半券をもらう。「これ持ってねーと、後で荷物渡さねーぞ」カバンには名前札つけてんだから、もうすぐチェックインするんだから、見れば分かるだろと思うが、すでに横浜の気品に負けている山猿としては、黙って受け取るしかない。
「あの〜、ここ、インターネット使えますか〜?」って聞くと、チェックインもしてねーのに、何を生意気ぬかしてやがんだ、大体さ、おめえ、チェックインするような顔か?立場か?みたいな笑顔で、「はい、当ホテルは全館無線LANが通じております」と、胸を張って堂々と宣言する。
なるほど。早速ロビーでパソコンを立ち上げて無線LANを開く。すると確かにYGIH(横浜グランドインターコンチネンタルホテル、ふい〜、長い)と表示されてる。
そいつをクリックすると、パスワード入れろと出てきた。
「すみません、パスワードを入れろって出るんですけど」おどおどと聞いた僕に対して素敵な笑顔の彼女は、「貴様な〜、到着してたった15分で、どれだけあたしの手間をかけてんだよ〜」的な笑顔で、コンシェルジェデスクに戻って、ちっちゃなメモ紙にパスワードを書いて渡してくれた。
てか、無線LAN使うってんだから、その時点でとっととパスワードよこせよ。
して、その紙に書かれたパスワード、[ Inter-Conti ***]を入力する。
「違うぜ、べいべー」と、速攻ではねられる。くそ、サーバーにまでバカにされてる。
再度、大文字小文字を確認しながら入力。
「駄目だっつってんだろ〜よ、聴こえねーのか、このタコ!」と、またも返される。
恥をしのんでまたも、まるで僕がまたバカをするんじゃないかと腹の中が期待感一杯の彼女に声をかける。
それまでコンシェルジェで肩肘ついてる女性スタッフと大声で「じゃんじゃん〜」とか世間話をしてた彼女、おしゃべりしてた女性スタッフににこっと笑ってから、こっちにやってくる。
「あの~、パスワードが入力出来ないんですけど?」
「大文字と小文字があるの、ご存知ですか〜?」だってさ。クビ〆てあげましょか。
「おっかしいですね~、皆さんこのパスワードで問題なく入力出来て、誰でも〜使えてるんですよ」“おっかしい”と“誰でも〜”を太文字で協調しながら、彼女が操作する。
やはり駄目、じゃんじゃん。
彼女、ここで初めてびっくりしたようで、ちょいとびびり出す。でも、そこは横浜じゃんじゃん、簡単に負けを認めない。
「お客様〜、このパソコン、海外仕様ですよね、何か特別な設定がされているんじゃないですか〜?」
ちゃうし。日本の東京の真ん中で買ったし。ば〜か、ばかかか!
そのうち彼女、関係ないアイコンをバリバリ開きだす。おいこら、そこは設定変更の画面だろ〜が、さわんな、ぼけ!と優しく僕は彼女に話しかけた。
「あの、たぶんパスワードが違ってるんじゃないですか〜?設定の変更の問題じゃないですよね(大体そこ、フォントの変更だし)」
彼女、段々びっくりしだして、声がびびりだして、
「う~ん、おかしいですね~」とか言いながら、急に何かに気づいたように、俺の右横から割り込んで体を乗り出してパソコンをまるで俺から庇うようにして、何かキーを入力し始めた。
[ Interconti*** ]
再確認のパスワード入力でも
[ Interconti ***]
「あら、どうやらつながりましたわ」見えない汗を拭くようににこっと笑った彼女、どうやら隠しおおせたと思ってるようだ。
パスワード、間違ってましたね。Interとcontiの間の横棒、不要なんですね。
場~~~~〜〜〜〜〜〜かやろ〜〜〜〜〜〜〜〜!
温和で喧嘩嫌いな僕は、にこっと笑って
「ありがとう」
これが昨日の一連のパソコン事件。
でも、それ以外にもサービスの内容が、ちょいちぐはぐ。要するに、泊り客に対して「お前がやれよ」的な雰囲気なのだ。
例えば。いつものようにホテル間移動の為の宅急便(送り状とガムテープ)を依頼するのに、2階(ロビー階)にあるコンシェルジェに行く。そこには、昨日、他の客の雰囲気も無視してアメリカ人と大声で英語で喋って喜んでた、バーコードのおっちゃがいただ。Novaでも通ったのか?
昨日のアメリカ人との会話ってのを一応言っておくと、チェックイン出来ずに喫茶店でお茶を飲みながらパソコン使いながらその会話を何となく耳に入れてた僕は、アメリカ人のお客が何回も彼に向かって「お前、分かってんのか、俺が言ってること〜」とか「お前さ、分かってないだろ、わかんないだろ?」と呆れたように言うのを聞いた。
その度にバーコード、「いやいや、大丈夫、分かってるさ〜」と、質問と違う答を返してる。
客が聞いてるのは、「みなとみらい21(横浜ではMM21と略すらしい、じゃんじゃん)でさっき買ったズボンの長さを補正したいんだけど、そんなの出来るかな、アメリカでやると仕立てが下手でさ。嫌なんだよね。でも明後日出発だから、間に合わないんなら、アメリカに送ってもらってもかまわないけどね」である。
これに対してMrバーは、最初は洋服店がどこにあるのかと聞いたようで、パンフレットを出して店の説明を滔々(とうとう・長々しいって意味)と始める。これに対して米人、分かってねーだらお!とやり返す。
次にMrバーは、「日本で買った服を郵便でアメリカに送ったら、免税にならないかもよ」と言い出す。
「違うから〜!そんな事、聞いてないから〜!」アメリカ人、少しいらいらした声になる。
アメリカ人、諦めた様子で、もう一度身振り手振りでいちから説明する。
やっと理解したMrバーは、早速補修屋に電話をして「インターコンチネンタルグランドホテルでございます」と、こんな長いホテル名を、舌も噛まずに発音する。
受話器に向かってにこっと笑い、「いやさ、今ここにアメリカ人が来ててさ、服修理してくれって言ってんだよ」
Novaで英語勉強したのが、そんなに嬉しいか。
コンシェルジェとは何でも屋であり、お客の要望は、観光であろうが食事であろうが、部屋の必要な物であろうが、何でもやるのが仕事。だからこのアメリカ人への対応は、コンシェルジェとしては正解、良いのだ。
問題はその翌日である。
このMrバー、僕がコンシェルジェで「宅配便〜」と言った瞬間に、「お、こりゃ俺の仕事じゃね〜な」とばかり、にこっと笑って「はい、それは1階にございますベルキャプテンでお受けしてます」だって。
おいおい、部屋の電話の横には「ベルキャプテン、コンシェルジェ、ルームサービス、すべて右側のボタンのどれかを押せばつながります」となってるよね。どこでも、Onestopでサービスできるって意味だよね。
要するに、ここまでやってきた僕に対して、お前が間違ったボタンを押したんだよ、藻一度最初からやれよ、2階から1階に降りるなが〜いエスカレーターを降りて、だだっぴろいロビーを横断して、そこのスタッフに最初から説明しろよって言ってるんだな。
おめ〜さ、昨日は白人相手に高らかに嬉しそうにでたらめな英語喋ってて、挙句の果てには「きみ〜、アメリカの、どこから来たの〜」なんて無駄花してたのに、日本の田舎から来たのは相手にしないのかよ。
てか、同じ事を電話で依頼すれば、部屋まで全部持ってきてくれるよね。そっちの手間を省く為に朝食の前に寄ったんですよ、こちらは。
それ以外にも、細かな点で「お前やっとけよ」的な対応が目立った。
実際に、泊まってる日本人のお客も、博多弁丸出しのおばあちゃんが、ソファにちょこんと正座してるし、安いパックツアーのバッチ着けた団体が、がやがやしながら歩き回って、雰囲気は決して良くない。
ホテルの朝食のなだ万では、お会計のカウンターの後ろに丸出しで「旅行会社の安いパック向けの食事内容はこれだぜ、余計なもんは食わせるなよ」とマニュアルが広げられている。社内マニュアル、客に見せる必要、ないでしょ。なんたら受験生向きの旅行会社のパックツアーまで受けているようだ。赤ペン先生って、パックツアーの名前か?
多分、ホテル側も客質の悪さに、「こいつらの面倒をまともに見てたら、そのうち「けつから飛び出した痔を押し込んでくれ」とか「朝までおしゃべりにつき合え」とか言われるんじゃないかとびびり、あえて線を引いてるのかもしれないな。
一番印象的だったのは、いかにもこのホテルに着任しましたって感じで経営陣って感じの西洋人が、ちょうど僕がチェックインする時に、数名の取り巻き日本人スタッフからホテルに関する説明を受けてた風景だ。
見かけ格好良い西洋人が、ロビーの雰囲気をしっかり睥睨(へいげい:見下ろすように周囲を見渡す)しながら、取り巻きの日本人が英語で説明するのを聞いている風景を見ると、ああ、明治維新か昭和20年かって感慨を受けた。敗戦って、こういうのを言うんだねって、何か実感として感じた。
朝食のなだ万。生卵は出さない。外資か?朝食はまともに食えば2千円以上するのだが、小鉢はいろいろあるのに、僕の大好きな海苔がない。
海苔は別料金、100円、納豆が320円、オレンジジュースが360円。かと思いきや、この値段には消費税が入ってないから、更に5%上乗せ。
生卵ありますか?って聞くと、「こら、そんな下品なもん、食うんじゃねーよ、野蛮人」って感じで、うちには置いてありませんとくる。
仕方ないからオレンジジュースを追加で注文すると、さきほど市販のジュースの缶を開けましたって感じの、ちっちゃなコップに入った苦いのが来る。
いつもオークランドで防腐剤の入ってない新鮮なAramoジュースを飲んでる僕からすれば、苦味があって美味しくない。
何より、お客は3組しかいないのに、ジュースよりも堂々と、名刺サイズの分厚いチップみたいなプラスティックの札をテーブルの上にぽんと置いて「おい、帰りにはこれを見せて金払えよ」だって。
一体ここ、ナンだよ、大衆食堂のランチタイムか?スキー場のバフェットランチか?
ご飯はお櫃に入って出てくるし、おかずも先付け、煮物など6品くらいでるけど、どれも、朝から食いたいとは思えない。海苔と生卵と味噌汁で十分なのにな。
イメージからすれば、外資が彼らの論理でビジネスを持ち込んで、地元のじゃんじゃん連中がそれに反発して、一応外資のいう事聞いたふりして顧客に対応して、それでクレームが続出したら、外資に「ほ〜ら、お前らの論理は通らね〜んだよ、生卵は日本文化なんだよ!」って流れではないか。
まあ、どっちにしても感じたのは、顧客無視、内部喧嘩の真っ最中ってとこだ。
そういえば、一年ほど前の東京ウエスティンホテルでも、そんな感じを受けた。ボスが変わると、そこには当然批判する連中と腰ぎんちゃくになる連中がいる。両方とも、お客を見てない。その狭間で一生懸命お客に向いて仕事をしている人ってのは、辛いものだ。
このホテルのスタッフ全員が胸に「YokosoJapan(ようこそジャパン)」のバッジを付けてるのは、ここが小泉さんの地元だからだし、ダサい日本人じゃなくて、西洋人さん、もっと来てよって意味かな。
しかし、Jさんご指摘のように、一番ばかなのは、新横浜駅で約束しているのに、MM21にホテルを取った僕である。
横浜、まだ続きます。
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この記事へのコメント
そのホテルバブリーな頃、夜10時頃チェックインしたのですが、「この時間はポーターがおりませんのでお荷物はご自分でお持ちください」っていわれました!どこがインターコンチじゃ〜で、心の中で切れたのを思い出しました。
ホントおのぼりさんが横浜に来るときのホテルですよ(失礼!)
次回からは新横でアポ=狭いけど我慢でプリンスにお泊りください。MM21はアクセス悪すぎです。横浜駅ならシェラトンがまあ近いですかね。