2008年03月14日

道の駅 ニセコのたび 1

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長距離バスを降りる時の、米国人中年夫婦と運転手の会話。

 

手元の飲み物の空き瓶を振りながら

Can I put the rubbish here ?

 

すると運転手、すかさず、

「ああ、いいよ、あとで投げとくからさ」

 

Oh, thanks !

「大丈夫さ〜」

 

See you !

「じゃあな、さんくすべりまっち!」

 

良く日に焼けた中年の、ちょっと北海道なまりの運転手と、旅行に来た中年米国人夫婦の会話。

 

おいおい、こいつら宇宙人か?片方は日本語で、片方は英語で話しているのに、お互いにしっかり通じているのだ。

 

札幌・新千歳空港からニセコに向かう長距離バスは、乗客合計10名で、僕と相棒以外は皆外人。てか、僕らもNZ在なので、そう考えれば全員がガイジンである。

 

ニセコに行くバスは、色んなバス会社が色んな旅行会社と提携して走らせている。僕らは、札幌空港に着いてとりあえず一番手近の案内所に行き、空港でお昼を食べてから出発する頃の乗り合いバスを予約した。

 

約3時間のバスの旅は、ちょうどオークランドからロトルアに行くような距離感だ。お一人様運賃が2350円。NZドルで30ドルって事は、おお、安いじゃんか。

 

バスの時間が来るまでに早速札幌ラーメンを食べようと、バス会社の受付の、いかにも北海道?的な、色白、小顔、小柄、そして何よりも素朴できらきらした瞳の女の子に教えてもらった。

                   

                   空港の1階にあるこうしろうこのラーメン屋、程ほどにお客も入ってるし、地元の人も旅行客も利用していたし、一応美味しい店に入ってるのだが、それほど飛びぬけて旨いラーメンではなかったのだが、勿論まずいわけではない。

 

ごくごく標準、ただ、札幌市内のラーメンと比べると、う〜ん、どうかな。などと思いながら・・・。

 

 

でもふっと思った。このラーメン、値段を見れば840円。これがやっぱり一番の衝撃。この値段で、ここまで手間のかかったラーメンが食えるんですか!しっかりと出汁の効いたこくのあるスープ、本格太め縮れ麺、手間のかかった焼き豚、新鮮なコーンがどっさり!

 

オークランドのランチでは、10ドルじゃ絶対にこんなものは食えない。

 

日本人は、ほんとに凝り性と言うか、何か方向性さえ決まれば、そこから徹底して突き進むのは、大得意。その特性は、逆に言うと自分でものを考えないという悪い面もあるんだけど、ちゃんとお上が正しい方向に導いてやれば、後は現場の努力で何でもやってしまう。

 

たかがラーメン一杯で何を言うかという感じだが、凝り性の日本と、万事にわたって大雑把なNZを往復していると、その違いをひしひしと感じるのだから、これはもう仕方ない。

 

ただ何よりも、バス代と言いラーメンの値段といい、こりゃやっぱり、景気の良いオージーからすれば、「安いよ!」って事になるのだろう。これが最初の洗礼。

 

バスの出発時刻の10分前になると、順々にお客が集まってくる。ウィスラーのTシャツを着て時々フランス語を混ぜて喋っているのは、どうやらカナダから来たスキー客のようだ。てか、君、寒くないかい?

 

がっちりした体格でよく笑って、大声で喋ってるグループは、ありゃあ間違いなくオージー。やっぱりあいつら、地球の反対側に来ても陽気だわ。

 

おとなしそうな中年スキーヤーは、その巻き舌アクセントから米国系と思う。

 

そして僕ら、外国に住む日本人チーム。

 

こうしてチームグローバルは出発と言うことになるはずが・・・案の定、カナダチームの一人がどこかに買い物に行って戻ってこない。

 

集合役の女の子は、いつもの事と思いながらも、あっちこっちくるくると見回ってる。それを見たカナダチームの一人は英語で「いや、ごめんごめん、あいつ、コーラを買いにいっただけなんで、すぐ戻ってくるよ〜」と話しかけてる。

 

すると彼女、普通に日本語で、「あ、そうなんですか、コーラですね、はい、じゃ待ってますね」とにっこり。するとカナディアンも、ほっとした顔でにっこりと「すぐ戻るからね」。

 

もしかして北海道では、その全土をカバーするような無線LANの自動翻訳機が備え付けられてるのか?

 

買い物に行ってたカナディアン、結局コーラのちっちゃな缶を買ってきてて、友達に「ほら、こんなちびコーラがあるぜよ」って、珍しそうに皆に見せてた。

 

バスに乗り込む際、普通にNZでは、お客が手伝いながら運転手が荷物を入れるのだが、ここでは道産子の女の子が、自分の背丈より高いボードバッグを、うんにゃらこっちゃと持ち上げてバスのトランクに詰め込んでた。

 

心配そうに見るオージー、てか、普通にオーストラリアでもNZでも、こんな場面はないよね。女性がこんな大きな荷物を載せこもうとするんだから、思わず手伝おうとするオージー。ところが女の子は、「これは私の仕事です、大丈夫です!」って感じで、きりっとした態度で荷物を載せこんでる。

 

いいよね、道産子女性。そういえば日本で一番離婚率の高いのが北海道と言う話を聞いた。子供の頃から自立してれば、社会人になって馬鹿な男と間違って結婚しても、即別れる勇気と環境が整っているのでしょう。

 

同じ日本でも、先月回った東北とは全然違いますな。

 

まあまあそれは置いておいて、最後に女の子が車内アナウンスで、今度はいきなり英語で話し始める。

 

「このバスは約3時間でニセコに到着します。途中でトイレ休憩を10分程度取りますが、どこで休憩するかは運転手次第なので、途中休憩の際は、必ず運転手さんに確認して下さいね」

 

おいおい、いくら毎日話しなれた英語とはいえ、流暢ジャンか。だったら最初に日本語で話してたのは、ナンなのよ?

 

まあ、バスは無事出発進行、途中粉雪の舞う中をニセコに向けてGO!

 

約3時間の長旅は、丁度2時間程度走ったところでトイレ休憩。そう、このバスはトイレが付いてないのだ。

 

道の駅

バスが停車したところは、「道の駅」。大きなドライブインには、全国どこでもあるような、お土産、レストラン、飲み物、トイレ、などなどだが、この運営者は、相棒の話によると、農協らしい。

 

(この項目、3月15日訂正です。正しくは農協ではなく、

「道の駅は、国や県が基本的な施設である駐車場やトイレを整備し、市町村、またはそれに代わり得る公的な団体(ほとんどは第三セクター)が地域側施設を設置する形が取られる。」でした、謹んで訂正です)

 

僕は子供の頃から農協ってのサイズが分からない。

 

大人になってやっと、農協ってのは随分大きな集合体であり、悪い奴らが頭の弱い奴を騙して金儲けする為に作った仕組みだってのが分かってからは、相手にもしていない。

 

自民党の票田及び農薬の販売、そして何よりも、自分たちが働かなくても食っていける仕組みを作ろうとした「おらがむら」の末裔がこいつらだ。

 

自分の利益だけを目的に政治を巻き込んで騙してるから、日本でこれだけ多くの展開が出来るってのが頭にくる。それ、国民を騙して作った金だよね。

 

すでに自民党には見捨てられ、国民には跡継ぎも出来ないほど無視され、今になって減反がどうのこうの、食料政策がどうのこうの。少なくとも戦後50年間にわたってやってきた農業政策のツケを払うのは、旧態依然とした農家である。

 

まあそれはいいや。

 

ふ〜んとか思いながらバスは所定の位置で停車。ここで運転手後ろを振り返り、にこっと笑った人懐こそうな笑顔で、右手を大きく開いて、指をピースマークにして、大きく日本語で「20分だよ〜!」。

 

乗車時の説明では10分だったので、大丈夫かい?と、思わず後ろを振り向くと、何故か皆さん、三々五々にうなずいてる。

 

おそるべし北海道。

 

道の駅は、入り口の右側がレストラン、正面がお土産コーナーで、そこを通り抜けると団体でも利用出来る小奇麗なトイレがある。でも、トイレフロアに何故か自動ピアノが置いてあって、あれは意味不明。ピアノのリズムに合わせて用を足せという事か?こぼしたらどうする?

 

手洗いを済ませてから入り口の左側にある軽食コーナーのガラスケースに並んだスナックを見る。フレンチフライ、チキンナゲット、芋のコロッケ、等など。

 

僕はジンギスカンのから揚げを300円で購入。隣にいたオージーは、ガラスケースの中をじろじろ見ながら、結局はチキンナゲット。彼の友達はチーズ芋だ。この二人も自動翻訳機を持っているようだ。

 

Can I have this chicken nugget ?

「はい、こちら200円になりますね、ありがとうございます」

 

[Could I have this cheese potato ?]

「はい、こちら250円でございま〜す、ありがとうございます、ケチャップはここにありますからね〜」

Oh, Thanks !

 

「お次の方、どうぞ〜」

 

慣れもあるのだろうが、ガイジンが来て英語で買い物をする事に全く抵抗も不思議さもなく素直に受け入れて、かと言って英語を覚えてもっと何か売ってやろうとする気負いもないまま、道産子とオージーの国際貿易と観光は僕の目の前で発展していく。

 

ニセコの旅は続く

 

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tom_eastwind at 08:05│Comments(3)TrackBack(0) 日本 | 諸行無常のビジネス日誌

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この記事へのコメント

1. Posted by The Daily English Show   2008年03月14日 12:21
去年5月にニセコからカナダへ向かったとき、道の駅の無人ピアノを撮影しました。
http://jp.youtube.com/watch?v=647R4DoJWic
2. Posted by May   2008年03月14日 20:28
自動翻訳機、めっちゃおもしろい!
ラーメン840円は、いくら手が込んでいても高いですよ。びっくりラーメンだったかな、あそこは180円ですがけっこう美味いです。私だったら840円だったら海の幸が乗っかってて欲しいなぁ〜。
3. Posted by シンガ   2008年03月15日 17:29
今回の出来事は外国に長くすんでいる日本人ならでは気付きかもしれませんね。

変に英語が出来るんだって態度で下手な英語を話すよりよっぽどコミュニケーションが取れると思います。

北海道の人たちって昔から本土とはちょっと違ってかなり外国人(欧米系)みたいだと思っていたけれど、今回のブログを拝見して自分の中でまた納得してしまいました。

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