2008年03月18日

あいつらさー ニセコ

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「あいつらさ、ビールに白飯だぜ、合わないだろーよ。おまけにチンゲン菜をちょいとつまんでるだけなんだよ。おりゃ、あれ見た時に、思わず声がでかかったよ、そうじゃなくてさ、日本食ってのはこう食べるんだよって言いたかったのさ。でもさ、俺、英語、できねえもんな」

 

朝のリフトに乗り合わせた、東京からやってきたスキーヤーのおじさん。昨晩はニセコアンヌプリホテルのバイキングで飯を食ってた外人に、どうしてもひとこと言いたかったらしい。でも英語出来ないから黙ってたんだって。

 

今日は朝からピーカンの青空。ニセコアンヌプリスキー場のてっぺんあたりのリフトからの眺めは、実に爽快である。

 

ニセコヒラフ2羊蹄山がずいぶんでかい。

 

この感覚、写真では表せないが、とにかく山が目の前にど〜んと座ってる感じだ。

 

 

冷え切った空気はぴーんと張り詰めて澄んでおり、空はすかーんとどこまでも青く、そんな中で一本目を滑ろうとリフトに乗った時に話しかけられたのだ。

 

リフトは二人乗りだしお客も少ないので、無理して一緒に乗ることもなかったのだが、見たところおじさん、一人で旅行に来て滑ってたようで、おまけに東京生まれだからなのだろう、誰かを捕まえては昨晩の話をしたかったって感じ。

 

おじさんいわく、昨日のホテルのレストランのバイキングは中華スタイルだったので、なんで白飯ばかり食ってるのか分からん、酢豚でもエビチリでもあるのにさ、全くもー、だってさ。

 

この人、根っからの東京生まれの東京育ち、お人よしでおせっかいで、何でもすぐ口に出てしまうタイプなんだろうな〜と思った。

 

そのガイジンは、たぶん菜食主義だったのかもしれない。でも、菜食主義なんて滅多に見かけないおじさんからすれば、「日本食の食い方もまともに知らねーガイジンさん」に、何とか教えたかったのだろう、ビールに白飯はいけねえやって。

 

適当にあいずちをうちながら、心の中では「だったら、そのテーブルに行って、身振り手振りでも良いから自分の言いたい事を伝えればよかったではないか?」と思ったりする。

 

ただ、おじさんはやっぱり、良い意味でも悪い意味でも普通の日本人だ。片言でも良いから教えることよりも、英語が出来ずに自分が恥をかくという気持ちを優先したんだから。

 

「もし言い方間違ったらどうしよう?」 じつはこれが今日のテーマ。

 

うちの竜馬君が前回一緒に日本でスキーに行った時、彼は日本人と日本語だらけの中で、どんどん英語で話しかけていった。気負いもてらいもなく、要するに「失敗することは恥ずかしい」なんて後天的な教育を受けてないから、素直に他人に話しかけられるのだ。

 

NZでもオーストラリアでも、子供の頃から「Try and Error」、「 GO for Break!」 と教え込まれる。何故なら実は、ちょっと理論が飛ぶけど、これが民主主義の根幹にある大事な思想だからだ。

 

ニセコ1世の中の事は、その気になれば何でも変えることは出来る。でも、失敗を恐れていては何も出来ない。望めば叶わない夢なんて、絶対にない。だから失敗なんて恐れるな。そういう気持ちが西洋社会を成長させてきたのは事実だ。

 

こうやって一人一人が自分の頭で最高の解を考えること、これが民主主義で一番大事な部分である。皆が自分の考えを持ち寄って話し合いをして、その中で一番皆が納得出来る解を見つけるのが民主主義だ。これはアテネの時代から何も変わっていない。

 

だから、自分の意見を表明することを恥ずかしいと思うのではなく、逆に表明出来なければ民主主義は進歩しないじゃないかという事だ。

 

そして西洋社会、特に英国では早い時期から民主主義が導入され、人々は自分の権利と義務を理解した。だからその代わりに、人が失敗することを許す文化が根付いたのだ。

 

何で白人はミスが多いのだ、NZでは銀行もバスの運転手も平気でミスをするし、それを問題視する事もない。何故ならそれが民主主義を実行する代償の一つだからだ。

 

だからこのおじさん、西洋式に言えば、英語が出来ないからって理由で話しかけないなんて、身振り手振りでもどうにかなるでしょう。実際に昨日は、日本語で通して立派にガイジンと会話している道産子がいたではないか。

 

このおじさんの一言、そして裸一貫で外国に乗り出して、失敗をものともせずに違う文化の中でニセコで成功したオージー、僕にとってはこれがそのまま、今の日本とオーストラリアをあらわしているような気がした。

 

悪いおっちゃんじゃないんだよ、だから始末に終えないのだ。悪くないから文句を言うのも気の毒。だから結局いろんな事が先送りになって、今の日本になってるんだろうな。

 

アンヌプリ頂上は30度近い斜面だ。山のてっぺんは全然木がないので、3つのスキー場のどこに向かっていっても楽しめる。

 

ニセコアンヌプリ1

 

そんな中で、人が作ったコースを真面目に細かいターンしながら滑ってる日本人。オージーは、コースなんかに関係なく、楽しそうな斜面を見つけては、大きく肩を振って上体を使って大きく回り、どんどん突っ込んでいく。そこに新しいシュプールが出来る。

 

「僕の前に道はない。僕の後ろに道は出来る」

 

どうよ、高村光太郎の精神は、今はオージーに引き継がれているようだ。

 

あ、そうだ。前回も今回も、何で僕は初めての新雪、それも膝上まで来るような上級斜面を一度もこけずに滑れたのか、遂に分かりました!

 

それはファットスキー。今回も偶然ですが、サロモンを履きました。新雪にはファットスキーですぜ、相棒。

 

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tom_eastwind at 00:30│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 | 日本

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