2008年04月02日

夏服のイブ

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クイーンズタウンは、僕がいた頃の3倍くらいの街に広がっている。

 

1980年代後半までは人口4千人のちっちゃな村だったが、松田聖子が主役を取った1984年公開の「夏服のイブ」でミルフォードサウンド、ショットオーバージェット、ワナカ湖畔などが日本のお茶の間に紹介されると、純真爛漫、明日は今日より幸せになると無条件に信じていた若いハネムーナーが一気に火がついたようにこの街を目指して団体旅行でやってきたのだ。

 

当時は受け入れる側も体勢が出来ておらず、随分といろんなトラブル?というか、面白い場面もあった。

 

当時はどこもちっちゃなお土産やで、店長はキーウィのおじさんとかおばさんというパターンが多かったのだが、彼らが当時数少ない日本人である僕のところに聞きに来る。

 

「おい、tomよ、俺は折角日本人のために一つ一つ手作りのお土産を用意しているのに、何で日本人はそういう真心のこもったものを買わないのだ?何で、全く同じ格好で棚に並んでいる出来合いの人形を何十個も買って帰るのだ?自宅に同じものを置いても仕方ないだろう?」

 

「日本では結婚式に来てくれた人へのお祝い返しがあるのだ、その際に、AさんとBさんの品物が違っていては、相手に不愉快な気持ちを与えてしまうから駄目なのだ」と説明。

 

しても、彼らはどうも腑に落ちないような顔で、「でもさ、結婚って二人の為にするんだろう?旅行は二人の為だろう、そうじゃないのか?」と、更に突っ込まれる。

 

ミルブルック「日本の結婚は、家同士の繋がりとか社会通念上大人になった事を示す儀式であり、相手が誰かよりも、きちんとそういう儀式をこなせたかどうかがポイントだという面がある」

 

「勿論誰でもそういうわけではないが、少なくともニュージーランドにやってこれるようなお金持ちの若い人たちは、そうである可能性が高い」

 

「だから日本では、恋愛する相手と結婚する相手が違うのは、よくあることだ。、見ろ、あそこのハネムーナー、カップルでおそろいのセーターを着ているけど、心の中を覗いて見れば、随分と面白いかもよ」と説明すると、更に意味不明な顔をしていた。

 

まあ結婚と言う仕組みが、法律の概念上からも全く異なるし、社会的地位や両人の資産の配分などの考え方も全く違うわけだから、理解しろと言うほうが無理だろう。

 

なので、おじさんたちに唯一残された選択肢は、人形やシープスキン、セーターなどを、全く同じ企画で数十枚単位で仕入れて店に飾って「はい、当店は同じものがたくさんありますよ〜」と営業することだけだった。

 

結局その後もバブル崩壊までこの景気は続き、それ以降は旅行価格も低下してきて、団体ツアーもやってくるようになり、クイーンズタウンは日本人観光客にとって「必ず訪れる観光地」となった。

 

 

natufuku eveまさに聖子さまさま、である。

 

てな事で、現在では人口15000人、街ではホテル建設が次々と進み、道路は拡幅されて、街はおしゃれになり、今では日本の観光客はあまり来なくなったが、米国からの観光客が「必ず訪れる観光地」となっているが、クイーンズタウンである。

 

 

 



tom_eastwind at 05:06│Comments(1)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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この記事へのコメント

1. Posted by May   2008年04月02日 19:15
NZ政府がアジアの移民に対してドアを閉ざす、って。アジアってひとくくりにしないで欲しいし、目的も人によって違うのだから、ひとくくりにしないで欲しいな。

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