2008年04月16日

田舎じゃプレスリー

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自分の頭の中で最近うけてる言葉が「田舎じゃプレスリー」だ。

 

海外、特に白人の住む国で働いている場合、かなり自分に自信を持つ人が多い。勿論それはそれでよい。自信がなければ生きていくのは大変だから。

 

実際に海外で生活するってのは、それだけで大変だ。

 

住むだけなら「わたくし、だんなの給料で海外生活しておりますの、おほほ」なんて駐在の妻や「わしのおやじ、金持ちやんか、だからわし、仕事せんでも食っていけるんや、がはは」と笑ってのける威勢の良いおにいちゃんでも出来る。

 

でも、自分で生活を構築して、日常生活を乗り切るために必要な英語力、交渉能力、トラブル処理能力、そして経済生活を維持する給料を得る為の業務処理能力、などなど身に付けて、一人で海外で生きていくのは、そりゃあ大変なものだ。

 

地方出身で海外に飛び出して自力で頑張ってる人たちは故郷の田舎の友達からすれば、

 

inaka presley1・海外で生活してるんだって!かっこい〜!

 

2・海外で永住権取って一人で生きてるんだって!うわ、すごい!

 

3・海外で自宅を買って素敵な家庭生活を送ってるんだって!ドリカムじゃん!

 

この3段階特別進級で、田舎じゃプレスリー。

 

 

それだけ日本人が「海外」と言うブランド信仰に弱いからという問題を差っ引いても、彼らの努力は当然一定の評価に値すると思う。

 

だからと言うわけではないだろうが、オークランドに住む連中の中でも、勿論自分に対する自信という意味ではよいのだが、その裏返しとして他人を批判したり、更に酷いのは、近くにいる年下の日本人を捕まえて、「お前は所詮俺以下だよ」とやってしまう輩が、最近目立つことだ。

 

これが、僕にとっての「田舎のプレスリー」。

 

こういう連中、自分が馬鹿ですよ、白痴ですよ、世間の事なんて何も知りませんよ、役立たずで人を不幸にしてますよってのを、10メーター四方の大きな看板に大書して抱えて歩いているようなものだ。

 

school war子供の頃から、とにかくお受験で生きてきて、他人と自分を比較することでしか自分の立場を確認出来ずに不安に陥る連中。えらそうに見えて、結局中身は子供のまま、空っぽなのである。

 

 

 

こういう、他人と自分を比較していないと、一瞬たりとも自分の立場を安心出来ない弱虫連中は、何かと言えば周囲にいる、自分より弱い奴を虐める。

 

だから、競争力もあるし頭がよいのも認めるのだが、その自尊心を満足させる為の手段が他人との比較しかないって点が、日本人が構造的に持つ寂しさなのだ。

 

特にNZでは、男性にその症状が目立つ。

 

上には弱く下には強く、横とは競争して足を引っ張り、東に弱っている人いれば叩き、西にお金がなく困ってる人がいれば「貧乏人め〜!」とあざ笑い、北に病気の人がいれば傷口に塩を塗って苦しみを倍加させ、南に失恋で悲しんでいる人いれば、その悲しみに「いやさ、彼、他にも女いるみたいよ」と、悲嘆と言う重石を載せるような奴。

 

自分に目標設定をして、それを超えることで自信を持って生きる人と、他人と比較してしか自信を持てないってのは、全く違う。自信というキーワードは同じでも、その結果として周囲に与えるものが全く変わる。

 

この点、とても区別が難しいのだが、一番良いのはレストランやバーに行って、自分がカネを払う立場になった時にウエイトレスに対してどんな行動を取っているかで判断することだ。事実、山水でスタッフの話を聞いたり、お客の行動を見たりすると、学歴の高いのに比較傾向が多いのに気づく。

 

何より嫌なのは、そういう差別主義者の子供が地元の学校に通っているという事だ。

 

あのさ〜、キーウィの学校でそんな事教える?

 

他人と比較せずに、自分が選んだ道を歩いていく、途中で疲れてる人がいれば助ける、それがKiwiwayじゃないかな。

 

日本では教室の隣の子と成績で足の引っ張り合いをしていたからその癖が抜けないんだろうけど、所詮君らは、田舎のプレスリーなのだ。自分の子供以下なんですぜ。

 

上には上がいる。君は日本人の県大会で一位でこの街にやってきたとしても、NZのオールジャパンではすでに最下位に近いんですぜ。

 

asian challengeましてやそこにアジア選手権で韓国チームや中国チームが参加して競争したら、勝てる日本人はどれだけいると思う?

 

個人の戦闘能力で韓国人や中国人を上回る日本人は、今までの経験で言っても、100人に1人くらいではないか。

 

日本人は優秀なリーダーに率いられたチームとなれば強いが、個人の戦闘能力は無茶苦茶に弱いのが実情なのだ。所詮は田舎でだけプレスリーなのだ。

 

更にこの国の土俵は地元民が圧倒的人口を占める白人社会、白人も参加したオリンピックに出場?予選落ちですぜ。

 

田舎じゃプレスリーと威張ってた連中も、いざオールジャパン、アジア選手権、オリンピックとなると、その実力の違いには、太刀打ちのしようがない事に、すぐ気づく。

 

日本のサラリーマン社会だと、これを20年近くやって、たった一つしかない社長の椅子を目指していくから、途中で考えを変える余裕もある。

 

ところが競争社会元祖の西洋人の競争では、そんなもん、一年もかからずに結論が出て、誰が負けているか、すぐ答が得る。

 

そんな時に今まで自分が信奉してきた競争社会が音を立てて崩れ落ちていくのは、そりゃ辛いだろう。

 

 

gold medal whiteでもプレスリー君、そこでちょいと見方を変えて欲しい。

 

そんな競争社会じゃあ人が幸せにならないと思ってる人たちが集まって出来たのが、今のキーウィ社会ですよね。

 

 

 

自分が作った目標に対して、弱い自分が目指す自分に向かって競争する、そんな社会がここではないか?自分が作った目標が他人から見て低くてもよいではないか?比較するな。

 

病気で歩けない子には、普通に歩くことだけで素晴らしい進歩なのだ。自閉症の子が他人と普通に話すことが出来るようになるだけで大進歩だ。

 

どれも健常人からすれば当たり前の事でも、本人にとっては大目標である。そんな彼らを、プレスリー君、君は笑っているんだよ。

 

olympic 1いい加減、田舎のプレスリーをやめて、自分との競争、他人との共生ってとこに視点を変えてみないかな。

 

そうすれば、お店で働く人たちにも、優しく接することが出来るし、彼らも「お客さん、変わりましたね〜」と、営業じゃない素敵な笑顔を見せてくれるようになりますよ。

 

せっかくここまで来たんだ、がんがれ田舎のプレスリー。



tom_eastwind at 00:52│Comments(1)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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この記事へのコメント

1. Posted by とある素浪人   2008年04月17日 14:20
おかげさまで、だんだんこちらでのリズムが出来てきました。学校に楽しく通っていますが、授業についてくのが大変です。リスニングがまったく出来ない状態で、へろへろです。
正直、人を笑う余裕がある人がうらやましいです。
私のクラスには日本人は私一人(実際にはもう一人いますが、週2回、しかもハーフタイム)で、あとは皆中国、韓国です。一人サウジがいますけど。それぞれ色々な目的で来ていますが、皆さん、優秀です。でも、皆やさしいです。片言の英語で、一生懸命会話をして、お互いを分かり合おうとしてます。

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