2008年04月20日

成田の山猿

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山猿は、自分が猿と呼ばれていることには気づかない。自分はとても賢い、くらいに思ってるのだ。

 

成田空港に行くたびに腹が立つのが、空港にバスやタクシーで入る前の検問所である。

 

検問所!

 

これこそまさに、役人の、役人による、役人のための施設である。

 

あの検問所って1970年代の過激派が成田空港に車で突入するのを防ぐ為に作ったのだ。車が唯一の特攻武器であり、車で突入するテロしかなかった時代のテロを警戒する為の施設である。 

 

ところが過激派なんてのはすでに過去の遺物であり、ましてや今時車に爆弾積み込んでやってくるような空港テロなんて、アフガニスタンじゃあるまいし、そんなダサいこと、やんないよ。

 

検問当初は空港の治安を守る為に必要だったとしても、今は全く無用の存在である。

 

第一、もし成田に必要だったら、羽田にも必要なはずだし、東京駅なんてもっとテロに弱いよ。

 

なのに成田空港だけ検問があるのは、一度作った権益は手放さない、ちょうど高速道路の料金所に無用な人員を配置して役人の職場を確保するようなものだ。

 

つまり、成田に住む山猿どもは、世間の変化に関係なく、毎日自分の通帳を見ながら、その残高が増えるのを見つめているだけなのだ。

 

大体この空港、その成り立ちから品がない。大島って当時の自民党のえらいさんに言われて無理やり成田に作ることを決めたのだが、だったら天皇も総理大臣も外遊するのに何で羽田を使うんだ?国策なら成田を使えよ。自分で「あの空港、遠いんだよね」と認めているようなものだ。

 

それに、空港作る場所を先に決めてから、その土地で農業やってた農民を追い出しにかかったんだから、中国政府も脱帽ものの社会主義でっせ。そりゃ農民も怒るわ。成田闘争にもなるわ。

 

でもって、長いものに巻かれるのがdaisukiな日本人、ちょいと過去になるとすぐ忘れる日本人、環境にすぐ順応する日本人としては、このような検問所の存在も何の疑問も持たずに生活出来るのだろうが、毎日成田に通ってる身分ではなく、長いものに巻かれるのも嫌で、成田闘争を見てきた世代であり、外国人のように「へ〜、こんな事、まだ日本ではやってんだ」と他人事にはなれない日本人としては、非常に腹が立つのも事実だ。

 

でもまあ、そのような「仕組み」としての馬鹿さ加減は別として、今回の成田空港到着では、面白い事件あり。

 

これは僕ではなく、別の飛行機で成田に到着した仕事仲間の話だ。

 

出張当日の朝、自宅を出て空港に向かう途中で仲間をシティで拾った僕は、ちょうど読み終わった日経ビジネスを2冊渡して、仲間のカバンにしまってもらった。

 

僕はキャセイ航空で香港経由、仲間は日本航空の直行便である。

 

約20時間後に都内で合流した僕は、早速仲間から笑い話を聞く。

 

仲間「ちょっと聞いて!成田でいかにもドメスティックな出来事があったの。

税関員との話なんだけどさ〜」

 

と「またまた、素人いじって遊んだんですか〜?」

仲間「じゃなくてさ、空港で荷物を取って、tomさんからもらった日経ビジネスをカバンの外側のポケットに突っ込んでたらさ〜」

と「ほうほう、どうした?」

 

仲間「税関までつかつかって行ったら、若いお兄ちゃん税関職員が、どちらへご出張に行かれていたんですか?って聞くから、いえいえ、私はニュージーランドに住んでて、日本が出張なんですよ〜って言ったの。」

仲間「そしたらさ、その子がさ、にやっと笑って私の日経を指差して、“でも日経お持ちですよね、日本で購入されたんでしょ“ってさ、勝ち誇ったように笑うのよ!」

 

仲間「だから、私もわざと明るく笑って“今時日経ビジネスは海外で定期購入できるんですよね、これも日経が直接送ってくるんですよね、ご存じないんですか?お〜ほほほほ!”って感じで、にやって笑い返してみました!」

仲間「そしたらその兄ちゃん、ドツボにはまったような恥ずかしそうな顔して“え〜、そうなんですか、失礼しました〜”だってさ」

 



tom_eastwind at 00:41│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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