2008年05月26日

日本は本当に“破綻”?

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「日本は本当に“破綻”しているのですか?」そんな質問をお客様から頂いた。

 

でも破綻とは何だろうか?ホテルのバーで夕食のシーザーサラダを食いながら考えた。ちなみにここのサラダはdaisukiだ。

 

前回の戦争で負けた時には数百万人の日本人が死んだ。経済は崩壊して多くの餓死者を出して国家の制度は破壊されて無政府状態になり、やくざが警察を守って外国人と闘いを起こす事にもなった。また戦前にはなかった「民主主義」が導入されて、天皇が普通の人になった。

 

それでも日本は破綻はしなかった、とも言える。だって土地も残ったし生き残った人もいたからだ。戦火を逃れて生き残った人が日本を再構築して昭和後期の繁栄を迎えることもできたのだから。

 

じゃあ破綻のイメージが国家の“崩壊”であれば、崩壊って何だ?

 

ロシアもアルゼンチンも崩壊した。でも国家が爆弾で吹っ飛んで、そこに住んでいる人すべてが死亡した、なんて話ではない。

 

だから、破綻とか崩壊ってのは、ある程度定義付けを明確にする必要がある。もっと言えば国家が破綻しても崩壊しても、自分の生活に影響が出なければ関係ないとも言える。

 

例えば日本が戦争で負けてたくさんの人が死んで経済が崩壊しても、親兄弟が戦争に行かずに九州の山奥で農業や漁業をしている人には、あまり大きな影響はなかったと言える。

 

逆に、どんなに世の中が好景気に沸いていても自分が貧しくて家庭的に不和であれば、こりゃ個人破綻だし家庭崩壊である。

 

昭和30年代に周囲が皆どんどん良い服を着て美味しいものを食べて綺麗な家に住み始めた頃に、いつも酔っ払って帰ってくる父親、風呂もないぼろ長屋に住んで飯盒でご飯を炊いてた家庭にとっては、破綻とはこういう事かと思うだろう。

 

そういう大前提をあまり考えずに「破綻してるんですか?」と質問する方は、こちらがまず言葉の定義づけを確認する必要がある。

 

「あなたの考える破綻とは何ですか?」

 

だから相手の背景を知らずにいきなりどっかの本のように「破綻してます」と言うのは、かなり無責任であるし正確な回答とはいえないのだ。

 

ただ、これが経済的に日本はどうなんですか、日本はニュージーランドと比べて治安や医療、教育はどうなんですかと言う質問なら答えやすい。

 

まず今の日本が民間の会計制度を前提に考えれば経済的に破綻しているのは明確だ。経済的破綻とは、年間利益50兆円の会社が年間で80兆円の費用を使っている状態だ。

 

その点ニュージーランドは毎年国家として黒字を出して、その黒字を国民に還元する為に毎年減税を行っている。去年は個人減税、今年は企業法人税の減税などである。

 

医療と教育は無料だし大学へ通う学生は政府から学生手当を貰える。貧富の格差が少ないから経済的犯罪も少なくてその結果治安も良くなる。だから、比較すれば生活基盤の安定と言う意味ではニュージーランドの方がずっと良いと言える。

 

ただ日本政府としても解決策はあるから全く駄目と言うわけではない。国債を個人に売ってからスーパーインフレを起こせば通貨の価値は下がるので、1500兆円と言われる借金はすべてチャラになる。

 

痛みを蒙るのは国債を買ったり国債を購入した銀行におカネを預けていた人=国民だけだから、政府は気にする必要もなく国家は継続出来る。

 

そう言えば「小説日本銀行」でもそんな話があった。戦後すぐの日銀を描いた有名な小説である。

 

「エリート集団、日本銀行の中でも出世コースの秘書室の津上は、インフレの中でバカと言われながら父の遺産を定期預金する。厳しい不況で一家は貧乏のどん底に。」

 

ただ政府からすれば「何せ一般国民の資産がゼロになったからと言って彼らが生活を停止するわけではない。それどころか、資産がなくなったのだから、ますます余計に働いて政府に納税してくれるだろう。こりゃいいや」と言うことである。

 

消費税を増税して20%くらいにしても良い。それで景気が冷え込んでも下々の人の話であり、大企業や皇族の生活に影響が出るわけではない。

 

戦争が終わった時でも、一般国民の生活に大きな影響が出て「蛍の墓」のような戦災孤児が餓死をしても、飢え死にをした皇族はいなかったし大企業は結局生き残った。

 

だからその意味では国家が破綻するなんて彼らの世界ではあり得ないのだ。

 

と、ここまで説明すると、「おいおい、国家がそんな事するわけないじゃないか!」なんて怒る人もいる。でも、歴史を紐解けばいつの時代も国家は国民を踏み潰しながら生き残ってきたというのは明確である。

 

明治維新は大増税と徴兵制の導入に繋がった。米騒動では騒ぎを起こした人々が逮捕された。第二次世界大戦では無理と分かっている作戦を決行して多くの若者の命を無駄に奪っていった。

 

戦後は経済成長の為に水俣病を放置して世界一の公害大国にもなったが、水俣病の原因を知りながら放置した役人は誰一人として責任を取ってない。バブルの決算も政府は一切責任を取らず結局は国民だけが痛みを蒙ったのは誰しも理解している。

 

ほらね、いつの時代もどこかで国民に泥をかぶせて生き残るのが政府官僚国家なのだ。

 

だから日本政府と皇族とその関係者にとっては、国家破綻などあり得ませんので、その意味では日本政府が「破綻する」なんていうわけないし、本気で破綻しないと理解しているのだ。

 

だから問題は「じゃあ私にとってはどうなんですか?」なのである。

 

ね、結局そこにいきつく。つまり国家がどうのこうのではない、自分個人の財産や家族や生活がどうなるか、そこが大事なのだ。

 

さて、あなたにとってどうなんですかと言う質問に対しては、こう答えるべきだろう。

 

「あなたは皇族ですか?」

 

 小説日本銀行 (角川文庫 し 4-1)

 



tom_eastwind at 00:22│Comments(0)TrackBack(1) 諸行無常のビジネス日誌 | 移住相談

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