2008年06月08日
居酒屋飛行機
今朝のニュースで居酒屋タクシー問題がNHKなどで取り上げられて、新聞社も早速叩きに入ってる。そこで早速池田ブログを開くと、若手官僚から民間サラリーマンまで、いろんな立場の人の書き込みが入ってる。
ある若手官僚は「ビールは倫理違反、金券は収賄」と書いている。何故なら彼らの受け取ったビールは許容範囲内、金品は違法と言う認識である。
ただ今回の問題、書き込み全体の雰囲気からするとこの意見に集約されていると思う。
「個人的には、無駄な空回りで深夜残業の皆さんには、タクシーとビールくらい良いのではないかと理解したい気分です。もっと壮大な無駄が幾らでもあるでしょう。ちなみに私は官僚とは無関係の一市民です。」
実際今回の居酒屋タクシーのように許認可事業者=タクシー運転手から国交省の役人がビールを貰うと収賄なのか。
それでは農林水産省の役人が居酒屋で、その店がお得意に出してる「突き出し一皿」を無料でもらったら収賄か?
民間企業でタクシーをいつも使う人が、長距離の車内でビールを一本貰ったら業務上横領か?
おいおい、これこそ居酒屋の議論だろ。そんな事を言い出したらきりないような話を、何でやっているんだ?
昔航空会社はどこもマイレージなんてなかった。それが1970年代頃から、顧客囲い込みの為にマイレージを導入するようになり、今ではすべてがマイレージである。
じゃあ役人が公務で飛行機に乗ったら?勿論マイレージは付くだろう。それはどうなるのか?役所がマイレージを一括管理しているのか?それとも役人は、マイレージは不要なのでその分運賃を安くしてくれと交渉しているのか?
ちょっと気になったので、池田ブログに書き込みをしてみたら、早速お二人中央官僚(と推測出来る)から返答があった。
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若手官僚
マイレージについては、省内でもいろいろ国会やマスコミから問われることになろうから、法律的につめ、航空会社ともいろいろ協議したようです。
その結果、まず、マイレージ分は職場でキープしたり、マイレージ分を減額することは航空会社は出来ない、しないということでした。そんなことすると自分の会社を続けて使って欲しいからマイレージ制度を作っている航空会社として制度の意味がないらしいです。
また、法律的にも、個人にたまったマイレージを役人がアップグレードや支払い等公務と関係ないことに使っても問題ないということだったそうです。その種の質問主意書に対する答弁もあるそうなので、検索してみてください。
私個人は、以前相当海外出張がある部署にいてものすごいマイルがたまりましたが、商品券に換えたり、自分自身や家族の私用の航空券に換えるのは、あきらかに税金で公務のため支出してもらったものに対する使用方法として倫理的に自分自身が気持ち悪いので、一切私用せず、その後期限が来てしまい、マイレージが消えてしまいました。公務の出張のエコノミーをビジネスに変えるのはいいんじゃないかとは思いますが。
確かに、タクシー問題をきっかけに、マイレージの変換やいろんなポイント制度についても波及しそうですね。
なんら参考まで。
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公務出張のときはマイレージ登録してません。そもそも一番安いフライトになるので航空会社選べないし。それでも、ビールにおつまみはいただきますから、「居酒屋飛行機」として指弾されるかも。
もっとも、最近はエコノミーではアルコール有料のフライトも多いですね。いちおう制度上はビジネスに乗れる地位ですが、旅費はあくまでも「予算の範囲内」しか出ないので、格安エコノミーばかり。液体持ち込み規制が厳しくなってからは、免税のはずなのになぜか外界より高い(でも機内より安い)成田のセキュリティチェック後の売店でビール買って持ち込むこともあります。
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役人さんの世界もなかなか一筋縄ではいかないようだ。全体が、どこかを押せばどこかが引っ込む中で、皆が自分個人の最適値を求めているから、結果的に全体が作動しなくなっているのだ。
部分の無謬(むびゅう)全体の誤謬(ごびゅう)が、ここにもある。