2008年10月17日
オーストラリアに移住して2年経つ方へ
大変申し訳ないのですが、この場をお借りして説明します。
ニュージーランドにおける農業は基幹産業であり、外国からヤバイ植物や生物が入ってこないように検疫を厳しくしています。
農業は1920年代からの世界大恐慌を生き残る為の大事な産業でした。農業をニュージーランドの基幹産業として近代化させたのは当時の首相であるウィリアム・マッセイで、彼の貢献のおかげで今もニュージーランドは世界の食料庫となっています。
例えば豪州が鉄鉱石やウランを輸出してお金を稼いだとしても、人間が生きていく一番基本的な要素としては、衣食住です。ウランは食えません。
その意味でニュージーランドは食料資源大国と言えます。人口4百万人のちっちゃな国ですが、立派に自活できる国だと思います。
ただ問題は、そういう基幹産業なだけに、食料品の生産、流通、輸出とも、すでにがちがちにルートが決められていることでしょう。
また、例えば和牛を飼育するとか切花を輸出するとかいろんな案がありますが、結局誰に売るのか、そのルートをどうやって定期的に確保するのかってのが大きな問題になります。
日本に売れば良いのですが、実際問題としてニュージーランドではワインも食料も、そんなに大量に安定して送れる市場ではありません。
だから、かなりニッチなビジネスとしてほんの一部の理解ある最終消費者へ提供するビジネスならいけるのですが、マス=大量販売=安定供給=でも飽きたらポイ捨てね、フィリピンのナタデココさようなら、農家の皆さん首をくくってねという世界では、ニュージーランドは影響力はありません。
あくまでもニュージーランドのビジネスは、皆が利益を得ると言うことを前提にしています。
だから農業をやるにしても、誰(かなり細かいセグメントが必要、例えば成城石井恵比寿店にしか売らないとか)に対して何(例えば端境期の野菜だけとか)を売るのかという明確な目的を持ち、さあそれがビジネスとして成立するのかって考える必要があります。
ただ、農業は夢だけでは出来ません。どんなビジネスモデルを作るか、それが一番大事です。
どんなに美味しい野菜を作っても、利益が出なければ翌年は止めるしかありません。
本当はもっと細かいことを説明したいのですが、あなたのメールアドレスを失ってしまいました、申し訳ないです。
もしこれを読んで、「あ、これ俺向けのメッセージだ、返事ないのがおかしいな」と思ってたら、大変申し訳ないのですが、もう一度メールください。