2008年10月25日
金曜日の朝
普通なら9時ってのは渋滞の終わりのほうで、それでもノースショアの高速道路に入った瞬間からのろのろ運転がハーバーブリッジの手前まで続くのだけど、今朝はまるで日曜の朝10時のように、道はがらがら!
何でかな〜とか思いながらラジオを聴いてると、あ、そうだ、土曜日からLabour weekendの三連休ではないか。
明日からの休みを前に、皆さん今日から休んでます。立派な国民だ・・・。
そんなキーウィをよそ目に、当社は朝からてんやわんやの騒ぎである。ただでさえ週末の忙しさに、日本の株式はバブル後最安値の7649円08銭が出て、とてつもなく強くなった円が次々に流入している。
全くパニックと言うのは凄いもので、もしかしたら僕らは今、歴史的転換点で歴史の転換を見ているのかもしれない。
バブル当時の大騒ぎ「私をスキーに連れてって」を経験して、その当時にも金融に関わり今回も金融に関わってる人ってのは、こりゃもう100年に1回の皆既日食を2回くらい見たようなものだろうし、もしくは既視感覚を感じているのではなかろうか。
「これ、見たことある・・・」。おめでとう、あなたはとっても幸運な人ですよ。普通の人が一生の間で何度も見ることは出来ませんよ。
今株を持っている人からすれば底知れない恐怖だろうし、今日本円を持っている人からすれば「いくべきか、いかざるべきか」と、まるでハムかつ、じゃなかった、ハムレット?まあ何でもいいや、要するに悩んでるんだろうな。
そんな事を考えながら、こっちも自分の仕事にとりかかる。数え切れないメールを受信して、29件のメールを発信して、何件かの打ち合わせをやって、来客と商談をして、気づいたらもう16時過ぎ。
ポケットから10ドル札を出してファイナンスチームで小銭に両替して、会社に備え付けてるセルフスナックバーに1ドル50セントを放り込んでチョコバーを買う。ばくばく、ばくばく。
そうこうしてる間にも、日本から問い合わせが入る。
「今より円は強くなるのかな?」
「円建てローンは解消したほうがよいのか?」
「最近の住宅はまだ安くなるのか?」
「ニュージーランドの経済は大丈夫なのか?」
「日本はこれからどうなるのか?」
昨日も公定歩合(OCR)を読み間違った僕に聞いても仕方ないとは思うのだが、それでも出来るだけ答えていく。
今の円高が一時的なものであるのは間違いない。円が今後下落するかしないかの問題ではなく、いつ落ちるかの問題だ。
一番高値で外国通貨、例えばNZドルに両替するのは、はっきり言えば至難の技。最高値というのは、通り過ぎてから初めて気づくものだ。
ただ、いつもいう事だけど実体経済を見れば今の日本がどうしようもなくなってるのは事実だし、それに対してニュージーランドが安定しているのは事実だ。
食い物があって政府が守ってくれて、お金がなくても自殺する必要のない国。貧乏かもしれないけど、皆貧乏だから気にならない。明日は今日より楽しいだろう、そう思える国。
あれ?昔そんな国があったような気がするぞ。