2008年11月22日

「神の領域」堂場瞬一

神の領域―検事・城戸南 (中公文庫 と 25-14)
神の領域―検事・城戸南 (中公文庫 と 25-14)


 

金曜の夜は長い間棚に置きっぱなしで“積ん読”だったネルソンデミルの「プラムアイランド」で始めて、そのまま週末で一気に読みきろうと思った。

 

のだけど同じ作者の「将軍の娘」が重かったせいか、プラムアイランドの1ページ目を見た瞬間に頭がくらくらして、思わず隣にある文庫本の堂場瞬一の「神の領域」に手を伸ばした。

 

彼のイメージはどうしても「鳴沢シリーズ」であり、その文体が新潟から出てくるじわっとした裏日本的な、少し暗くてどっしりしてて、大阪のような言葉の軽さがなく、東京のような装飾もなく、朴訥と語るイメージ。

 

前作で横浜地検の検事が脇役で出てきたのが、この本では主役として登場。本来脇役であるはずの横浜出身元陸上ランナーの検事が主人公となる。

 

こういう筋書きって最近は目立ってて、本筋で受けた脇役を、次の作品では主人公にするってやつ。「踊る」シリーズの湾岸警察署なんてその典型だけど、それなりに時間をつぶせるので、考えずに楽しめる娯楽って意味では丁度良い。

 

でもって今回の「紙の領域」は、途中までは紙の無駄では?と思ったけど、後半は引っ張ってくれる。ほら、サッカーとか野球とかのテレビダイジェストをするときに、最初の半分くらいはカットしても最後の見せ場だけで楽しませてくれる編集。

 

テーマとしては面白い。

 

「違法でないのに犯罪か?」

 

「倫理は法律か?」

 

むしろ話の最初からそのテーマを持ってくればよいのに。正直、そう思った。途中から持ってくるから楽しみ半分になった。

 

けど中央公論新社なんて堅苦しいところが出してるからなのか、とにかく重い。分厚いという意味ではなく、その解説も帯もカバーも、なんだか重い。

 

ちょっとでも本文に触れると一気にネタばれするので何もかけないけど、この本、誰にも何のプラスにもならない本。陸上競技が好きならどうぞって程度ですね。鳴沢シリーズは本当に微妙。一つ外したらこうなるのかって意味で、もちろん十分に読めるんだけど、う〜ん、何か他に書きようがなかったのか?

 

そんな読了感。明るさとか推理とか楽しさを求めるんならやめといてください。活字中毒なら、頭を使わなくて良いのでOK。僕には今回丁度良かったです。



tom_eastwind at 16:29│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 | 最近読んだ本 

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