2008年11月24日
蒲田 行進曲?
今年は東京に毎月来たので、少しづつ電車の移動時間や乗り継ぎ方法が分かるようになった。何せ移動と言えば徒歩か自家用車の国に住んでいると都内の電車の乗り継ぎなどまさにサーカスの綱渡りである。
しかしちょっとでも乗換えとかが分かるようになると付け上がるのが、僕の悪いくせ。
今回の目的地は蒲田。
蒲田と言えば「蒲田行進曲」か「砂の器」の冒頭のシーン程度しか思い浮かばず、日本にいる頃に流行った「池上線」と言う歌でイメージを浮かべるくらい。古い電車がガタガタ走ってるんだろうな、途中、電車から手を伸ばせば沿線沿いの古いアパートに手が届くんじゃないかって思うくらい。
約束の時間まで余裕があったので、僕は恵比寿から山手線に乗り無事に品川へ移動。渋谷・新宿方面に乗らないだけの智恵は付いた。
品川で乗り換えて下さいってことだったので、まるで東京人のようにスタスタと構内を移動して、えきの反対側にある乗り場に行く。
蒲田行きなので一旦改札を出てからスタスタと京急線の切符売り場へ移動。え〜っと、かまたかまた、あ、これかと切符を買う。
すんげえ田舎なんだろうな、熊でも出るんじゃねーかとか思いながら、けど地図を見ると羽田空港の近くなので、だったら飛行機が逆噴射して突っ込んでくるんじゃね〜か、でもって近くに多摩川があるんだから、街中をラッコやあざらしが歩いてるんじゃね〜かとか、がたがた揺れる電車の中でしょーもない事を考えて見る。
目的地は予め電話と地図で確認した。
「蒲田の駅では西口から出て右に進み、最初の川を渡ってすぐのところです」
なるほどなるほど。ちっちゃな駅を降りると僕はまず東口と西口を確認した。スタスタスタスタ、あれ?こっち東口ジャンか?やばし。電車から降りた人がいなくなった人気のない通路を再度反対側に渡って、今度は無事に西口発見。
お〜、噂にたがわず田舎ではないか!駅前の古い二階建ての建物は不動産屋で、ほこりだらけで雨ざらしのパンフレット立てにはでろ〜んと曲がったチラシ。3万円で部屋?!があるのかい?
車が離合出来ないほど細い通りにはアーチがかかっており、「商店街!」ですぜ。でもって、間口1メートルもないちっちゃな居酒屋が軒を連ねる雰囲気は、おお、これこそ昭和ですな、蒲田ですなと予想通り。
予想通りだったのはここまで。
駅を出て右に行くと確かにちっちゃな川がある。呑川だ。目的地はこの川の向こうのビル、よっしゃ一発で着いたじゃんか、やるじゃんとか思いながら川を渡ると、そこにあったのは大きな道路。
はあ?道一本分間違ったか?少し左側に移動するけど、大きな道路の両側にはラーメン屋とか畳屋とか表具やとか、とにかく古い店が並んでるけど、僕が目標とする高いビルは一つも見当たらない。
う〜ん、おっかしいな。それから番地を確認する。5丁目。合ってる。すぐ近くのはずじゃん。そう思いながら僕は手元の地図を上にしたり下にしたりしながら、とにかく川沿いにアルク。
途中で大きな道路は川をまたいでさっきの駅に戻るようにぐるっとなってる。ええい!行け。
今度はちょっと広めの商店街がある。けど違うな。大通り沿いに結局20分くらい歩くと、またもおっきな道路にぶつかる。その頃には5丁目が4丁目になったりして、僕の心のナビが「ぼけ〜!」と言い出す。
目の前に環八って書かれた道路があって、その先には蒲田郵便局がある。おっかしいな、こりゃほんとにやばいから電話してみよう。
「あの、今蒲田5丁目xx番なんですけど、目の前に環八って道路があって、交差点は蒲田郵便局なんですけど、そちらから頂いた地図と目の前の景色、全然違うんですよ。住所が間違ってるんじゃないですか?」と、歩きつかれて不機嫌な僕は、ついつい受付の人にきつい言い方。
「はあ?郵便局ですか?ええっと、ちょっと違うと思うんですけど、ちょっとお待ち下さい」と受話器を置いて彼女は大きな声で「ねえ、誰かかまた郵便局って知ってる〜?」とやりだす。
暫くして電話が男性に代わる。受話器が男性になったのではない。日本語ムズカシイ。
「あの〜、今いらっしゃるのは、蒲田ですよね?」
「はい、そうですよ、蒲田5丁目、間違いありません!」きっぱり。
彼、申し訳なさそうに、呆れたように、
「あの、すみません、うちは西蒲田なんですよ」と告げられる。
そうじゃん。。。。地図見ると、たしかに西蒲田と書いてて、僕が今いるところは蒲田・・・・。
けどさ、いくら何でもかまたはかまたでしょ!思わず無意味な怒りを感じる。ぶつけどころのない怒り。日本政府の住居の表示方法に対する怒りをぶつける相手は国交省か?
そんなしょうもない事を思いながら、それまでの態度をいきなり改めるものしゃくだし、大体ニュージーランドだったら西も東もねえぜお、蒲田は蒲田、マヌカウはマヌカウだろうが、ノースショアイーストとかノースショアウエストとかあるんかよ!的な態度で、
「けどですね、駅の西側から降りて言われたとおりに右に行ったんですよ、そしたら建物なんてないじゃないですか」
「あなた、京急で来られましたね?」相手も少しづつ状況が見えてきたようだ。
「そうですよ」何が悪いか?
「あのですね、うちはJRの蒲田なんですよ」これまた申し訳なさそうに彼が言う。
「はあ?!蒲田はいくつ駅があるんですか?」思わず聞いてしまった、ちょっと状況が読めない僕。
「あのですね、蒲田はJR、京急、東急とかが乗り入れてるんですよね、その中でうちがあるのはJRのかまたなんです」
・・あり得ん。同じ町で同じ駅の名前で3つも違う駅があるなんて・・・・。ニュージーランドでは田舎だと駅さえないんだぞ、どういうことだ、一つの街なら駅は一つだろ、ましてや3つも違う電車が乗り入れてるなんて、おかっしいじゃないか!
やり場のない怒り⇒普通の人は、これを「バカ」と言う。東京の人はこれお「いなかもん」と言う。
蒲田と西蒲田、京成電鉄とJRと東急、どういうことだ!
ぶつぶつと一人で文句を言いながら、次第に汗が出てくる体を元来た道に戻り、さっきの商店街に入る。
こちらが東だな。でもってそのうち見えてくるJR
がりがり。細い商店街の通路を、子供を乗せた自転車が突っ込んでくるのをよけながら靴をがりがら言わせてアルク。
なんか道路の反対側じゃないんかな、そう思いながら、体はまっすぐに突き進む。
見えた!駅前の交番だ。やっぱり道路の反対側ジャン。
少し引き返してから交番に向かう。交番の手前に、たしかに電話で言われたようにくて低い通路がある。ジャイアント馬場なら間違いなくリンボーダンスだなアンドレザジャイアントだったら間違いなく匍匐前進だなとか思いながら暗い通路を進んで反対側に出ると、そこもまた実に昭和な雰囲気。
けど、前回来たときに見た景色と、dandan繋がってくる。そう、この訪問地は半年ほど前に一度来てたのだ。そしてその時はタクシーだった。
あった!JR!グランデュオって立派な建物が見えて来ましたよ!
駅を抜けて反対側、やっと目的地訪問を終えて必要な手続きを済ませて時計を見ると12時ちょい前。細い通りを抜けて駅に向かう途中で、呑川を渡ってすぐの右手がカレーのココ壱、左手が吉野家である。
両方の看板を物欲しそうにじっと見比べていた僕に、ココ壱の隣にあるちょっと静かそうな創作のお店の入り口で客引きしていたお姉さんが声をかけてきた。
「美味しいですよ、どうですか〜?」
美食「風」である。ちょろい僕は早速ビルの地下にあるお店に入り、そこでハマグリの洋風焼きとチーズ揚げ、それに焼きおにぎりを二つ頂く。
うむ、たしかに旨い。こりゃいいではないか。なんだ〜、蒲田も悪くないじゃんか。などと、自分のばかさ加減を棚に上げてのんびりとお昼ごはんを楽しんだ。
帰りはもちろんJRで。切符もちゃんと恵比寿まで買えました。


