2009年03月17日

地上波デジタル

去年くらいからひっきりなしにテレビで放送している「アナログ波の停止と地上波デジタル放送への移行」だけど、これには大きな問題がある。

 

一番最初の問題は、アナログを地上デジタルに移行する必要がないのに巨大な予算を使って移行しようとしているという事。

 

これは総務省がいろいろと「あれが良くてこれが良くて、だからやる」と言ってるけど、あれは嘘。

 

このあたりは元NHKプロデューサーで現在は大学教授兼作家でもある「池田ブログ」に詳しく反論喝破されている。

 

政府からすれば、元は身内であったような人物(東大卒NHK入社)が野に下り政府批判をしているのだから悔しくて仕方がないようだ。

 

主な問題点はデジタルにする事でテレビ局は数億単位の設備投資が必要なのに、それで視聴者が増えるほど画質が良くなるわけではなく広告主も増えず、何の利益にもならないどころか投資をした分だけ損をするってこと。

 

だって今まで見てたのと何が違うのか?テレビとは最終的にコンテンツを売ることで広告主を集めるビジネスモデルだけど、コンテンツが変わらないままに設備が変わっても、どんな広告主もお金を追加では払いませんよ。

 

デジタルになったので追加で広告費を下さいなんて言った日には、じゃあもう広告やめたってなるでしょう。

 

デジタルにするメリットが何もないままに設備投資だけ必要となる無意味な計画である。

 

次に問題なのは、視聴者がテレビを買い換える必要だ。これは音楽媒体のLPCDに変わったのとは違う。LPなら今でも聴けるしどちらでも選択可能。

 

ところが地上デジタルの場合は、導入された時点で視聴者が既存のテレビでは見ることが出来なくなる。したがって国民に買い替えを強制すると言うことになるのだ。

 

要するに地上デジタルにすることの無意味さとそれに係る費用を負担する国民の立場はどうなんだって事。

 

しかし最近の不況で政府は悪乗りしたのか、更に面白いことを思いついた。国民経済を活性化させるために税金を投入するのだけど、その投入先に「国民のテレビを2万円で買い取る作戦」や「デジタル用アンテナの無料配布」を選んだのである。

 

政府は元々不必要な地上デジタルを作りそれを国民に押し付けた挙句に、買えない人には税金で無料提供しましょうってことなんだもんね。

 

こういうのは一般的にマッチポンプと言う。

 

火のないところに火をつけて、そこにさらに石油をぶち込むようなものだ。

 

意味のない技術を作りそこに金を突っ込み、更に周囲を巻き込んでしまう。

 

政府による一番の景気対策とは、税金で日本車を買ってそれを地上に穴を掘って埋めて、これで自動車産業と建設産業を儲けさせるというものだ。全く無意味で生産性ゼロだ。

 

今回の地上デジタルもそれと同じ。

 

勿論景気対策にはいろんな奇策があってよいと思う。

 

ただ、そのカネはどこから来ているのですか?税金でしょ。

 

だったらその再配分は特定の賄賂がもらえる産業に配分するのではなく、将来国家が成長する為のビジネス分野か、または今目の前で苦しんでいる国民に配分すべきではないか?

 

例えばグリーンビジネスとかエネルギー等、21世紀の産業はたくさんある。けど結局そういう産業では票にもカネにもならないから資金が回らない。

 

そしてお金がなくて困っている人にも回らない。賄賂もなければ票にもならないから。

 

今回の地上デジタルで何より頭に来るのは、それだけのカネをデジタルに回すなら目先で生活保護を受けられずにホームレスになっている人々や山手線ダイブをする人を救うほうが国家として本来あるべきではないかという事。

 

勿論ホームレスやダイブへの保護はそれ自体が何の付加価値も生まないので消費税が増えるくらいの利益しかないけど、それでも一部企業を儲けさせたりして社会所得が社会上層部にだけ偏るよりはましではないかと思う。

 

このあたりになると政治的弱者と政治的強者の利益配分の取り合いってところもある。

 

だから政治的弱者がどう転んでも勝つわけはないのだから、今回の地上デジタルでも結局は弱者が負ける。つまり払った税金よりも受け取った税金の割合が少ないって現象になるのだ。

 

僕は自分がビジネスと言う戦争を毎日やっているから思うのだが、ビジネスの世界では弱い奴は生き残れない。そして今の社会構造では、本当に弱い人はビジネスが出来ないから声も発信出来ずに潰されるしかない。理屈は分かる。

 

ただ、何よりも頭に来るのはこの社会の理不尽だ。つまり弱いものが潰されるしかない社会的な再配分のあり方だ。

 

地上デジタルに使うかねがあるなら、そんな不要不急の分野ではなく、目の前で死にかけてる人を助けようって発想にはならないのか?

 

そう思ってニュースを見てたら、たった今、公明党が「テレビ2万円買取政策」を取り下げたようだ。

 

公明党は元々貧しい人たちの助け合い組織みたいな印象があったのが、いつの間にか政権政党になり今に至っている。

 

一体この日本、どうなったのだ?苦しんでいる人を放置したまま、一部の人間だけが私腹を肥やしていく状況は、まさに共産主義や独裁主義国家の再来ではないのか?

 

人は一人では生きていけない。助け合いがない社会に未来はない。

 

なのに社会の下流の人々を洗脳して奴隷化して使えなくなったら殺す(自殺)仕組みって絶対に壊れるぞ。自分が上にいる間はいいけど、一度でも下に行って見ろ、おまえ死ぬぞ。

 

歴史は繰り返すのにな〜。やり過ぎるといかんのにな〜。今住んでる社会を守りたいなら、もちょっと今の社会を安定させることを考えるべきなのにな〜。

 



tom_eastwind at 01:41│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 | 日本ニュース

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