2009年03月19日
ほや
「すみません、これ何ですか?」そう聞いた僕に不思議そうな顔で「ほやでございます」と答えた新幹線車内販売のお姉さん。
「ほや」の話は東京駅から長野駅に向かう新幹線の中での出来事。
本当は「氷結」が欲しかったのだけどCanchuhaiしかなかったので仕方なくそれを選び、「え〜っとおつまみは?」と思って車内販売の籠を見ると、そこに森永キャラメルサイズのちっちゃな袋があり、そこに「ほや」と書いている。
もちろん僕も「ほや」と言う宮城県の食い物の存在は知っていたが、それが乾燥されてするめ状態のおつまみになっているのはつゆ知らず。
思わずお姉さんに「これって何ですか?」と聞くと、ええ!って顔で「ほやでございます」と、彼女からすれば生まれて初めて聞かれた質問にびっくりしたように答えてくれた。
なるなる。
彼女の頭の中では「ほや」は既成事実であり「ほや」である以外の何者でもなく、それはまるで「アナタハニンゲンデスカ?」と質問されたような気持ちだったのだろう。馬鹿にしているわけではないのだけど、何故かそう思われてしまう。
例えば鯛のような魚を見ててその種類を聞きたい時に「これは何ですか」と聞いて「これはサカナです」と回答されるようなもの。
ほやを知らない人もいると言うことは、彼女の脳内にはあり得ない。あんた日本人でしょ!みたいな感じだ。
そういえばこの新幹線に乗るためにホテルからタクシーに乗ったら「どちらにお帰りですか?」と運転手さんにさらっと親しげに聞かれた。
「えっと、今から出張なんです」
ホテルから東京駅に向かっていて荷物が軽装だったから、誰でも一仕事終わっておらが村さに帰るって思うだろうね。
ところがこっちは普通の日本人の生活パターンから大きく外れている。やばし!
それから運転手さん口を噤んでしまった。
たぶん雰囲気としては彼は東北のどこかの出身で、こっちもそうだろうと思い込んで親しげに話しかけたとこが、思いっきり肩透かしをくらった、おまけに東京の糞生意気な奴が東京駅から出る新幹線に乗ってまたも田舎の素朴な人々を騙しにいくんだろう、そんな感じである。
でもって今度は新幹線で「ほや」だから、あ〜あ、またやっちまったって感じだ。
僕が日本人であることは間違いないのだけど、日本ってのは毎日変化しているわけであり、僕のような存在は理解しがたいのは良く分かる。けどさ、自分たちの生活以外にもいろんな生活パターンがあること、知ってくれってのがムリなのか。
ほやほや。