2009年04月01日

過剰包装とリサイクル

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昭和の時代のアパートしか知らない僕は、平成の今になって東京に来て「新築マンション」と言う物件を見てびっくり。

 

自分はホテル住まいなので、久しぶりに見る東京の新築アパートは新鮮だった。

 

何?宅配BOX?何?エレベーター用監視テレビ?何?インターフォンテレビ?

 

昭和の時代にはどれ一つとしてなかったぞい。だって宅配なんてなかったし、エレベーターに悪い人が乗ることなかったし、インターフォンなんて不要だし〜。

 

とにかく驚くほど素晴らしい設備なのだが、今の東京の新築アパートではごく普通のようだ。てか、アパートって言っちゃいけないんですよね、マンションとかでしょ。

 

こういうサービス部分はやっぱり日本はすごいよなと感心する。

 

けどそれが逆方向に向いた時のまぬけさも、やっぱりあいも変わらずだ。

 

デパートで買い物をすると、例え食品売り場であっても実に丁寧に包装してくれる。品川のくいーんず伊勢丹で買い物をした時など、こりゃ包装にかかる総原価と食品自体の原価を比べたらどっちが高いのか、首を傾げるほどだ。

 

こうやって自分の手で持って帰った買い物でダンボールがどんどん増えてくると、おいおい、こんな過剰包装が本当に必要なのかと考えてしまう。

 

社会の上のほうでは総論賛成でリサイクル再生紙を活用しよう、環境第一!と言いながら、いざ自分が使う方に回ったら、つまり購入するほうになったら過剰包装を期待するし、そこまで過剰にやって初めて「そうよね、だから三越さんだもんね」となる消費者。

 

勿論工場から販売店までの輸送に手間がかかるのはよく分かるのだけど、販売店から先はそこまで必要なのか?短距離だぜ?

 

使い回しが可能な輸送器具はないものなんか?

 

日本通運では引越しの際に出来るだけゴミが出ないようにしているけど、おそらく現在の物流システムにおいては段ボール箱を使い捨てるのが一番費用が安いのだろう。

 

だから経済感覚で言えばダンボールを使い捨てにするのが有効で、片方ではそれをきちんと揃えて家庭のリサイクルとして再利用しようとする事で再生している。

 

けど、・・・・だったら最初から包装しなければ良いではないか。輸送途中に傷がつくとか、そりゃ分かるけど、それは新品信仰でしょ。買ったものはいつか傷がつく。遅いか早いかである。

 

最低必要な角っことかだけにパッドを入れておけば、それで充分ではないのか?僕は簡単包装の方がずっと好きだし、その方が資源を乱用してゴミを作っておいて、それを処理するのにカネを使うってのは、どうなんか。

 

大体再生紙なんて新しく紙を作るよりも原価が高いのだから、経済効率は悪い。それでも資源を大事にする為に経済効率を追求してはいけないとなるのなら、最初からダンボールなど使わなければ良いのだ。

 

そうすれば引越しの際に出る大きなゴミも出なくなるし、お三越のお商品のお不必要なお包装も不要になる。

 

ここがいつも感じる日本人の持つ自分勝手さと言うか、総論賛成各論反対現象である。

 

表向きは格好良く「リサイクル!」なんて言ってるが、どこかへの贈り物では「うちは三越使ってるんですよ」となるから包装に思い切り手間をかけて「ほら、この手間を感じますか?」となる。

 

「貴方の為に手間をかけたものをご用意しました」と訴求することで相手に対して自分の気持ちを伝える贈り物。

 

それはそれで素晴らしい文化だと思うんだけど、だったらリサイクルなんてどうなの?と思ってしまう・・・。

 

!けど! ここでよく考えてみたら、これってすんごいビジネスではないか!日本人、すんごい雇用創出をやっているんだ!

 

だってまずは個人が個人に自分の気持ちを伝える為に思いっきり包装した贈り物を届けるでしょ。この時点で商品価格+包装費用が発生している。

 

次にこの商品が受け取った側に届くと、収賄側は感謝の気持ちを感じながらたまねぎの皮を剥くように包装をはがしていく。

 

剥がされた包装は収賄側の時間と手間をかけてリサイクル袋に分別されて入る(これ、びっくりした!このリサイクル、日本ではすんごいね!)。

 

そしてリサイクルされたダンボールやペットボトルは、アパートの「ゴミ収納室」に収まり、毎週決まった日に回収に来る人がいる。

 

政府が行う一番効果的な財政対策は、トヨタ自動車から車を買ってそれを大手建設会社に発注して大きな穴を掘ってもらいそこに車を埋めることだと言う。

 

どうやらこの資源サイクルシステムは日本人が自己満足の為に作り上げた究極の穴掘りビジネスなのだろう。

 

 



tom_eastwind at 23:11│Comments(0) 諸行無常のビジネス日誌 | 日本

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