2009年04月26日

日本出張最終日

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最終日は9時からの朝食ミーティングから始まる。

 

朝ごはん食べながらのミーティングってのは、なかなか新鮮。

 

やったことないもんな。

 

ナンだかまるで日本にいるみたいに忙しい、てか間違いなく日本にいるし、有効な時間の使い方をやってるな。でもこの朝の時点では、今日がまさかこんなに忙しくなるとは思わなかったぞ。

 

ミーティング後は部屋に戻りメールを処理して、何とかある程度片付けてみるものの、なかなか全部は片付かない。結局いくつかは放置して品川駅に向かう。

 

品川に着いたら一番早い新幹線に飛び乗り新横浜へ。時間が中途半端なのでやば、またも昼飯食い逃すかもとか思いながらそのままミーティング会場に移動。

 

今週は一体何人の投資顧問業の人と会ったことか、まだきちんと数えてないけど10人は下らないぞ。

 

14:00からのミーティングでプレゼンをしながら、今回提案する投資物件は彼らはプロとして冷徹な計算でYesNoを出していくのだけど、主な話題が終わってその後にJBCの農業+漁業ビジネスをちらっと話すと、皆さんきまって乗り出して話を聞いてくれるのが興味深かった。

 

「そうですよね、今の日本が取り組むべきテーマですよね、こういうのにファンドを付けていけば、単純にいくら儲かったかとかではなく、社会貢献にも繋がっていくので人にも堂々と言えますよね」と喜んでくれる。

 

農業ファンドの仕組みはこうだ。

 

例えば今手掛けようとしている「天然の鯛」を、今までのニュージーランドに存在しない流通システムを導入することで、日本食レストランのシェフの目の前まで生きた鯛を届けることが出来る。

 

この技術導入と加工場を借りる費用、そして加工処理する人件費などを合計して運営に必要な費用を算出するのだが、最初は大体3千万円くらいで計算を仮に開始する。

 

この費用を30分割して一口100万円で募集をかける。これには鯛専用のSPC(特別目的会社)を設立して、他の商品と利益や費用が混在しないようにする。

 

次に鯛の月間処理量を算出してそれを売上に換算して利益率をかけていく。ここがポイント。

 

最終的に一つのファンドで投資家の利益を10〜15%程度に設定して売値を計算して、これが市場価格として受け入れられるかどうかを市場調査する。

 

市場調査に問題なく、レストラン側が受け入れ可能な価格であれば、これでファンドの募集を開始する。

 

もちろん投資なのでリスクマネーである。もしシステムを作り上げた後に突然鯛がニュージーランドの海からいなくなれば、その時は他の魚を探さねばならない。すべての魚がニュージーランドからいなくなれば、鯨でも獲るか(笑)?

 

しかしまあ投資ってのは、実は銀行にお金を預けるのも間違いなく投資であり、リスクとリターンをどれくらいで設定するかの問題だ。

 

だからこの投資のリターンが低ければ当然投資家としては興味を持たない。けどこれがニュージーランドの雇用と流通革命を起こし、結果的に日本人が行った技術革新と投資によってニュージーランドが喜んでもらえれば、これはお金で買えない喜びがある。

 

これがアグリファンド、つまり農業ファンドの面白みである。

 

今回はまず鯛から始めるが、ある程度見込みがつけば他の分野にもどんどん進出して、それぞれの商材に合わせてファンドを組み、例えば牧場ファンドであればオーガニック牛肉の一番美味しい部位を配当として投資家に送ることも可能だ。

 

ニュージーランドから届いた牛肉で「あのさ、うちの牧場で育った牛の美味しいところが送られてきたんだよ、今週土曜にバーベキューするから家に来ない?」と友達を呼ぶことも出来る。

 

なかなか格好いいじゃんか。ニュージーランドの雇用と経済に貢献しながら自分は金利配当と現物(牛肉)配当を受ける事が出来る。友達を呼んでパーティも出来る。

 

投資ってのはやっぱり実業がいいよな。

 

新横浜の仕事が終わってから一旦ホテルに戻りメールの処理をしてから、今度は溜池山王に移動だ。18:00からのミーティング。

 

これが何と首相官邸が目と鼻の先ってとこのオフィスでミーティングなのだが、今度は更に厳しい評価をする投資家を相手のプレゼンテーション。

 

いや〜、これがきついきつい。「中途半端な商品なんか相手にせんぞ、ぼけ〜!」と、関西弁でまくしたてられる。

 

ほんと、投資家によって全然商品の評価が違うよね。

 

ある人はキャッシュフロー、つまり利回りを重視して、ある人は売却時のキャピタルゲインを見ている。すごいのは、皆きちんと自分のポリシーを設定して、自分に課した原則を曲げないと言うことだ。

 

今回の投資家は一般住宅よりも利回りの良い商業ビルに興味があり、「やっぱり20%くらいないと投資なんかせんぜ〜」的。

 

うむうむ、なるほどね〜。よっしゃ、こりゃオークランドに戻って商業物件を探してみましょう。10〜20億円程度の物件探しだ。来週は不動産部門、忙しくなるぞ。宿題だらけだぞ。

 

この会議が終了したら、次は歩いて10分程度の場所にある高級ホテルでの会議だ。途中に博多ラーメンのお店があったので、昼飯抜いてくーくー言ってるお腹に豚骨ラーメンを詰め込む。

 

これは結構旨い。チャーシューも麺も良いし、スープはお店が言うほど薄くない。

 

けどなんかな〜、もうお腹が空き過ぎて気持ち悪くて、せっかくの豚骨ラーメンも8割くらいしか食えません。味は悪くない。

 

申し訳ないな〜とか思いながら「すみません、ちょっとお腹一杯ですけど、美味しかったです」とお断りしてお店を出てからホテルに向かう。

 

このミーティングではファンド商品のお話を聞く。すごいな〜、やっぱり日本の真ん中東京だ、全然商品内容の磨き方が違う。

 

結局日本人って、製造業に限らずこういうファンドビジネスでも、見事に黄金の玉にするんですね。つまり日本人ってのは、日常の生活のレベルからすべてのものを磨く技術を身に付けてるんだな、本当にすごい!と思った夜でした。

 

仕事が終わったのは結局22時過ぎ。それからホテルに戻りシャワーを浴びてこの日最初の一杯のウイスキーを飲んだのは23時30分。

 

ふ〜、アルコールが心地よく体をほぐしてくれる。こんなに神経張り詰めたのは久しぶりだぞ。

 

よっしゃ!今回の出張、オークランドに戻ったら全部形にするぞ!



tom_eastwind at 18:34│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 | 日本

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