2009年05月07日

子供の日 ちょっと遅いけど

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今年のゴールデンウィークは長い休みが取れた人が多いと思う。

 

ええこっちゃ。日本人もしっかり自発的に休みましょう。

 

 

 

休みってのも立派な無形資産であり、お金の代わりに休みを使って子供と魚釣りに行ったり湖で遊んだりキャンプしたり、自然と子供と両親とが一緒に過ごすことが出来る。

 

お金があっても休みが取れずに子供と遊べなければお金を子供に渡しますか?幸せじゃないよね。

 

キーウィはその点遊び上手で、とにかく機会を見つけては休んで家族で遊びに行く。とにかく家族との生活を大事にする。何度か書いたけど月曜日の朝のシティに向かう高速道路がすいすい走れるのは、「BlueMonday」現象のおかげだ。

 

BlueMonday現象=月曜の朝になると何故かお腹が痛くなったり家族が病気になったりして出社出来なくなる現象。治療方法としては週末を過ごした湖畔の別荘でもう一日釣りをすること。

 

お金がいくら稼げてもその結果として朝の7時に自宅を出て夜の12時に自宅に帰って子供との会話も持てず、気づいたら子供は親が渡した金を使ってマリファナ吸って、挙句の果てには家出して、なんて洒落にもならん本末転倒。

 

家族の幸せの為に働いてた積りが結果的に家族を壊すのであれば意味はない。

 

そういう意味で残業がないとか年休が全部消化出来て毎年5日の病欠が取れて、ついでにBlueMondayまである社会は、本来の意味で幸せと言えるのではないか。

 

現金なんて為替レートが変動すれば減ったり増えたりするわけだけど、家族の絆は積み重ねによって強くなる。だから休みを取って家族と過ごすってのは、実はとても贅沢な行為だと思うのだ。

 

そうそう、貯金って考え方。家族と日頃しっかり仲良く遊んでいれば、それはお父さんにとって信用と言う貯金を積み立ててるようなものだ。万が一お茶目なことをしても日頃の貯金があればこれを取り崩して謝罪出来る、はは。貯金ゼロの状態はきついですぜ。そのまま大喧嘩になりますからね。

閑話休題:

もちろん日本社会が強いのは個人の利益よりも全体の利益を優先することで社会自体を強くして、それから個人が配当を受け取れば良いではないかという考えからだ。

 

けどこれ、日本人はすぐ行き過ぎてしまい、「年休取るやつは会社辞めてしまえ〜!」とか「俺の仕事が終わらんのに部下のお前がもう帰るのか!」となる。

 

その結果として社会全体で家族が壊されていく現象が起こる。オトナはまだ良い。世の中ってこんなもんだと耐えるだけの力がある。けど家族が壊れることに矛盾を感じる子供にとってはどうだろうか。

 

前置きが長くなったけど↓。

 

★こどもの日に関する抜粋開始

<日本の現在の受験勉強は、強度においても規模においても、それに充分匹敵する新型の児童虐待であります。ビクトリア時代のイギリスの少年労働者の肉体が重労働ですっかり破壊されてしまったのと同じように、私たちの子供の精神が、狂気の重勉強で荒廃してしまっているとすれば、恐ろしいことではありませんか>1978年の森嶋氏の予言は、いまもっと極端な形で出ているといわざるをえない。

 

高学歴無教養な人間の大量創出、志望大学に、あるいは大学そのものに行けなかった人の心の傷、三択的頭脳構造と指示待ち症候群、大学まで出たもののやりたいことが見つからない、その結果、社会的不適応をおこし楽しく暮らせていない若者を地域でもみてきた。過保護と過干渉の果て、親を殺したい、子供を殺したいというところまで行った例もひとつやふたつではない。

子供の学歴や成功より「その子にとって何が一番幸せか」を考えよう。よその子と比べるのもやめたい。いい大学に入っていい会社に勤めたって、幸せとは限らない。だいたい「いい大学」って、「いい会社」って何なのだろうか?

 

森まゆみ 作家・編集者

★抜粋終了

 

ロンドン在住の方の文章だ。日経で取り上げられていたのだけど、わっかりやすい。

 

まさにその通り。実はみゆきが4月から学校に行き始めて最初に父親に言った言葉が「お父さん!何で日本人ってこんなに主体性がないのかな〜」である。

 

何の意味だろうと思って聞いてみると、彼女の通っている専門学校に集まった学生たちの半分は何故今自分がここにいるのか理解していないし、あとの半分はとりあえず行くところがないから来た程度らしいのだ。夢を持ってしっかり勉強したいまともな学生は今までのところ発見されてないそうだ。

 

まあもっちょっと領域を広げれば良い学生もいるんだろうけど、いきなり自主性主体性のない社会に飛び込んだニュージーランド育ちからすれば、「なんじゃこりゃ???」と言う感じだろう。

 

授業中の実習でも、先生が手取り足取りして細かいところまで指示しないと何も出来ない。

 

うちの娘からすれば「せんせー、そんなん自分でやるから余計な事に口出さないでよ。大体このコースってクリエーティブ系だよね、クリエーティブを育てる学校で手取り足取りってどういうこと?」と言う感じで、先生に対しても「あ〜あ」だ

 

とにかく主体性もないし自主性もないし何で今ここにいるのかも分からないし将来クリエーティブな仕事をしたいかどうかも分からない、要するに人間の抜け殻が机に坐ってケータイと遊んでいるだけなのだ。

 

今の日本は経済対策という目先の問題に一生懸命だしそれはそれで必要だけど、教育がこのままいくとしたら本当に10年後の日本は何も変わらずに世界から取り残されて衰退した国家になるぞと思った。

 

沈みゆくタイタニックの中で席取り競争をやって良い学校を出て良い会社に就職しても、船が沈むんですよ、どうするの。

 

こどもが大切だとか子供の日とか言いながら結局いつも子供をオトナの都合の良いように洗脳かけてるのが実態ではないか。

 

かと言って一人で今の学校教育に逆らっても勝ち目はない。

 

だから仕方ない、長いものには巻かれろでPTAで下らん「お付き合い」して言いたくもないことを言い、放課後は子供を一人で電車に乗せて隣町の有名な「受験塾」に通わせ、親は学費の為にパートタイムに出掛けて、子供は塾の帰りにコンビニで友達とカップヌードルと菓子パンを齧る生活で、結局出来上がった子供はニッポン政府の大好きな「自分で考えることが出来ない指示待ちロボット」となる。

 

もちろん全員がこうなるのではない。子供100人のうち10人くらいは、どんな貧しい環境からでも這い上がってきて自立心を持って育ち、10人のうち5人は社会主義に燃えて残りの5人は日本国家を動かすために大本営に就職するだろう。

 

共産主義に燃えた若者は30歳前くらいになると理想だけじゃ社会が成立出来ないことに気づいて、そこからは優秀な頭脳を使って民間企業で皆のリーダーとしてぐんぐん成長していくだろう。

 

大本営に入った若者は選民意識(選ばれし者)を持ち日本を変えようとするが、大本営自体が持つ組織維持機能は日本よりも大本営と言う組織生き残りの為に組織力を注入する為に、若者は自分の気持ちを殺しながら次第に磨り減っていく情熱と社会常識に悩むだろう。

 

けど、親がどんなに望んでも結果的に洗脳された残りの90人は自分を失ったまま社会に放り出されて会社から言われたことだけをやって、昼休みは喫茶店で少年ジャンプを読み往復の通勤ではPSPに夢中。

 

最近東京でお会いする経営者の皆さんに聞いても、今の若者、特に男性がどれほど使い物にならないか、呆れるほどだという話をよく聴く。

 

大本営に入れるのは100人のうち5人であるし主体的に生きる力を持った子供が5人である。

 

そうなると親としては自分の子供がこの10人の中に入るように一生懸命頑張る。

 

でもこれって結局は親のエゴである。自分の子供だけ助かれば良いって理屈でしょ。

 

本当の解決策は親が全員で一致団結して子供たち全員、つまり100人いれば100人全員が主体的に生きていく力を持たせるのが本来の教育ではないか。

 

そして日本という環境がどうしても変える事が出来なければ、住む場所を変えるというのも親の選択ではないだろうか。

 

「美味んぼ」の原作者雁屋哲氏も1988年、子供の教育の為に住み慣れた日本を出てシドニーに渡った。詳しくはこちら。

 

今日もお休みを利用して不動産視察にやってきた4人家族。5年ほど前の説明会に参加されたお客様とのことだけど、ニュージーランドのセーフティネットや教育の話をしたら、ずいぶんびっくりされていた。

 

日本の教育に耐えられない子供たちは教育難民になり、その解決方法としてこれからは教育移民も増えてくるだろうな。

 

こどもの日。実は親がもう一度子供の教育を見直す日でもあるのではないか。



tom_eastwind at 00:17│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 | 移住相談

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