2009年05月09日

Pizza Hut

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今日から奥さんが親戚の結婚式の為に香港に行くのでりょうまくんと一緒に空港に送っていった。

 

奥さんは香港のついでに東京で勉強しているみゆきにも会うので、合計で2週間程度の長期旅行である。

 

 

車の中ではりょうまくんがにこにこ顔で「お母さん、I miss you〜〜」と言いながらけらけらと笑う。半分諦めたような苦笑いで「はいはい、ちゃんと学校にだけは行ってね」とだけ言う母親。

 

そう、この母親は実に頭が良いので、今日から約2週間で彼女の城であるオークランドの家で何が起こるかを正確に理解しているのだ。

 

そして子供たちはお母さんがそれが起こるだろう事を知っているけど止めようがないってことも知ってて、だから二人で楽しそうにけらけらと笑っているのだ。

 

お母さんにとっては決して楽しいことではないのだけど、二人の子供はそれを楽しんでいるって事を知ってるお母さんからすれば、苦笑いしかないね。

 

まず今日の夕食は、最近急に体だけ大きくなった子供といつまで経っても子供の二人で企んで、うちのルールでは今まで認めてなかったPizzaHutの宅配サービスを利用するだろうって事だ。

 

そして注文は間違いなくMeatLoverだ。

 

肉がdaisukiな二人だけど「いつまで経っても子供」の方がBBQソースをあまり好きではないので、たぶんりょうまくんが譲歩するだろうって事まで読んでいる。

 

MeatLoverLargeSizeで12ドル。それに鶏肉のトッピングを追加して2ドル。配達料金が8ドルで、合計して22ドル。今はキャンペーン期間中でガーリックブレッドが無料で付いてくる。りょうまとぼくと二人のガキが食うには丁度良い、てか、ちょい少ないか?

 

ごみすてを嫌がるだろうぼくらに対して彼女はとりあえず自宅のゴミ箱を全部片付けて一つだけにして、そこにオレンジ色の大型ゴミ袋を準備してクリップで「水曜日の朝にお父さんの車のトランクに入れること!」とりょうまくんへのメッセージを付けている。こうすればゴミを集めるのがめんどくさかったと言う言い訳を潰すことが出来るからだ。

 

次に予想しているのは、今後2週間はりょうまくんは一切何の勉強もせずに、うちに帰ればプラモデルを作るかテレビゲームをするか飯を食うかのみであり、就寝時間が12時前になることは恐らく一晩もないだろうってこと。

 

これは仕方ないだろう。香港では12歳の子供が夜中の1時頃に廟街あたりで肩から袈裟懸けにしたカバンに小物を入れて酔客相手に物売りをしてたりするんだから、これは許容範囲内。

 

とにかく二人の子供は生きていく力はあるのでそこは心配しなくても良いが、折角作り上げたお母さんのルールがこの2週間は我が家で適用されなくなることに、笑っていいやら怒ればよいのやら、ほとほと苦笑いするしかないって感じだ。

 

PizzaHutを利用するのは初めてだったので、まずはウェブサイトに入り込む。それにしてもUserFriendlyじゃないよね、このサイト。

 

てか、このサイトに限らずプロとしてのサービス業が殆ど発達していないこの国では、SupplyerFriendly、つまり供給する側に都合が良く作られているようで、利用するほうからすれば全然さくさく感がない。

 

ANZのインターネットバンキングシステムとかでもかなり怒りを感じながら使っているぼくだけど、PizzaHutは更に使いにくく、第一説明不足だし、これでぼくら二人がもうちょっと行動力、つまりりょうまが運転できるかお父さんがお酒を飲んでなければ車で直接お店に行きたくなるような「手間取るサイト」である。

 

これって人間の自然な動線に合わせて作ってないからへんてこになるわけで、おいおい、これってわざとネットで注文したくなくなるように作ってるのか?本気でそう思いかけたのがアクセスしてから10分過ぎ。

 

りょうまと二人で画面を見ながらやっと注文の方法が分かりSignInしたのが15分後。欲しいピザを選んで注文できたのは、結局サイトにアクセスしてから30分後だった・・・。

 

これからニュージーランドを目指す皆さんも、自分が今住んでいる日本という国がどれだけ素晴らしいサービスを消費者に提供しているか、それだけはしっかり理解してくださいね。

 

そしてそのサービスを捨てることが出来なければこの国では住めないってことも事実です。誰がどんな事を言ってニュージーランドが素晴らしいと言っても、それは決して日常生活において消費者が享受出来るサービスの話ではないってことも。

 

夕方17:00にピザが配達されるようにインターネットで注文したら竜馬君が「お父さん、17:00じゃダメだよ、ピザ焼くのに15分くらいかかるんだからもっと早く注文しなきゃ」だって。

 

自閉症の特徴なのか、りょうまくんには時間の観念が非常に薄い。

 

配達時間ってのは、こっちが17:00と指定すればお店の人が逆算して16:30に焼き始めて16:45にお店を出て17:00に到着するように配達するって意味だよってのを説明するのに10分ほどかかった。う〜む。

 

結局17:25にドアがピンポンされて、配達されたピザは当然あまり熱くない。たぶん皆が同じ時間に注文して配達に時間がかかったんだろうな、17:00なんて時間を指定したこっちが悪いんだよねと社会主義国家で同胞である労働者を労わる気持ちで「ありがとう!」と言って22ドルを払う。

 

これが高いのか安いのか分からないけど、少なくとも聞いたこともない宅配のヘルピザ(地獄ピザ)の意味不明のウェブサイトよりはPizzaHutの方がいくらか「まし」って事で注文したんだから、これ以上文句の言いようもない。

 

他にもドミノピザが最近オークランドに進出してきたのだけど、どうもトッピングの表現に不安があるのとノースショアでの配達網にもちょいと不安があるので、まずは安全パイのPizzaHutで勝負した今日でした。

 

勝ったか負けたか?

 

結果で言えばMeatLoverの味は冷たくなってたのを除けば悪くはないし、ビーフと呼ばれた肉がミンチ状態だったのもお笑いの許容範囲内だし、追加で注文したトッピングのチキンも、竜馬君は僕に言われるまでこれがチキンと気づかなかったのも笑うしかないし、その後で小腹が空いた竜馬君に棒ラーメンゆで卵入りを作って食べさせたのも事実だ。

 

ついでに言えば今回はCrispの生地で注文したが案の定端っこは硬すぎて冷えてたので家に飛んでくる鳥のえさにするしかない。

 

元々社会主義国のお店でサービスや味を求めるのが贅沢であり、サービスを求めることが労働者の過剰労働に繋がるのだからそんなもんを要求する消費者の方が悪いと言われればそれまでだ。

 

けどさ、やっぱり日本で生まれた僕からすれば「カネは払う、もっと美味いピザ食わせろ!」ってのは、やっぱり贅沢だし資本主義者だし拝金主義者なのかな。

 

りょうまと二人の初日、間もなく夜が始まります。



tom_eastwind at 17:51│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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