2009年06月24日

香港初日その2

コーズウェイベイにある行きつけのバーに顔を出す。この店は地元スタッフもいるので景気の話をしたり日本人市場の動向を聞いたり見たりして夜を過ごす。

 

日系企業も去年終わりほどの悲壮感はなくなったようで、「何とか生き残ったぞ」と言う雰囲気が漂っていた。むしろ地元香港の市場の方が傷んでいる感じがした。

 

いつも飲みに行くこのバーは飲食集合ビルの14階なんだけど日本人向けと地元向けがある。去年の前半までは10階以下にある地元向けのお店がすんごい繁盛しててエレベーターに乗るのも一苦労だったけど最近はそんな事もなく割合スムーズに乗れる。

 

そう言えば5月に親戚の結婚式で香港に来た時もペニンシュラホテルの中華メインダイニングの席がちらほらと空いてた。普段ならこのお店、香港でもトップクラスの店だから予約を取るのも大変なくらいなんだけどね。

 

統計に表れない一般庶民のお話なのでお偉いさんの「景気回復宣言」と比較しても意味はないが、肌感覚で言えば世界全体の経済はまだきちんと立ち直れて居ないような気がする。

 

今はリーマンショック後の一時期の恐慌のような落ち込みから、落ちる速度が少し緩まっただけと言う感じ。けど日本は最初から飛行機に乗ってなかったので落ちることもない。これが今回日本の被害が少ないと言われた理由。

 

リーマンショックはロスチャイルドやロックフェラーが仕掛けたんだという「ロスチャイルドの陰謀」が本当かどうか知らない。

 

が、ゴールドマンサックスの主な株主がロスチャイルドで、投資銀行が次々と潰される中でゴールドマンだけが生き残って、てか他の会社を食ってしまい、何かいつの時代でも金融のど真ん中に居るゴールドマン。歴代の米国財政関連のボスもゴールドマン出身者が多い。ああなると陰謀説も信じたくなるね。

 

今回の香港の会議での主要な議題が「システム決済取引」の話。当社のウェブサイトをご覧頂くとトップページにバナーをリンクしているのだが、実はこのシステムもゴールドマンサックスと大きな関係がある。

 

ノーベル賞を受賞した数学者が作り出した「ブラック&ショールズ理論」と言うのがある。これは一物二価はいずれ一物一価に収斂されるという理論だ。

 

例えば江戸時代の札幌で食べるほっけは一枚が100円だったとする。ところがこのホッケ、京都で注文すると一枚が200円するのだ。これは輸送費用がかかるから値段が上昇するのは誰でも分かる理屈。

 

江戸時代で円はおかしいけど、まあそれはもののたとえ。

 

けど金融の世界では移動費用は限りなくゼロに近い。例えばAさんの口座からBさんの口座に500円移そうが5000万円移そうが、作業は一回である。

 

ロシアのモスクワで売られている石油が1リットル100円で、パリで売られている石油が1リットル80円だったとすれば、誰でもパリの方が安いことが分かる。

 

けどパリで石油を買うことはない。モスクワから車に乗って移動するガソリンの方が高くつくからだ。

 

でももしこれが石油ではなく石油商品だったら?つまり1リットル100円で石油を買いますという権利の売買であれば、これは移動コストはゼロである。

 

つまりモスクワで1リットル100円で石油の権利が買われるのなら、パリで1リットル80円の石油の権利を買ってモスクワで売れば20円の儲けと言うことになる。

 

けどそのうち格差に気づいた人が次々と市場に参加してきて、石油を買うほうは安く買おうとするし売るほうは高く売ろうとする。そして最終的に利益がゼロになる状態が発生する。ここが一物一価である。

 

でもってこのノーベル賞学者を採用して実際にコンピューターで完璧に管理出来るシステムを作った会社があった。それはLTCM(LongTermCapitalManagement)と言う米国の会社だ。

 

長くなったのでまた明日。



tom_eastwind at 23:06│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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